FGO<妖艶なる百合花>獲得攻略   作:ほわいとぬう

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サンソンの事を書くに辺り色々調べてたんですが、彼は死刑の廃止を訴えてたそうですね。
という訳で初投稿です。


処刑人

前回のあらすじデオン君ちゃんとサンソンが攻めてきました。手強い相手ですが二人ともサーヴァントを倒してからマスターを狙ってくるタイプなので突然の死は注意していれば無いです...無いよね? 

 

 

 ではまず状況確認から行きましょう。ほよちゃんとモーさんは砦から離れたところでサンソンの迎撃。サンソンは正面からも戦える優秀な剣士タイプのアサシンですがこちらとら本職騎士のセイバーです。尚且つほよちゃんとの致した関係なので能力のブーストもされています。不安要素はストレス値が現在、メドゥーサさんとの一件で高いので気持ち攻撃が雑です。まあ、相手も狂化されているのであいこだと信じたいです。

 

 次にガレスです。フランス兵を率いて砦から出撃。敵のスケルトン部隊を蹴散らしながらこちらへ向かっています。ここは心配しなくてもいいです。仮にフランス兵が全滅したとしてもガレスが序盤のスケルトンに負けることは無いです。強いて言うならあんまり兵を失いすぎるとガレスの精神面へのダメージが高くなるのでケアが面倒です。

 

 最後にメドゥーサさんと黒髭のコンビです。ここもまあ負ける心配はないと思って大丈夫です。現状黒髭の士気も高くメドゥーサさんも致したボーナスで強力なバフがかかってます。唯一の心配は気合の入りすぎたメドゥーサさんによって黒髭まで石化したとかぐらいですかね。あ、でもデオン君ちゃんが血迷って剣を捨てて拳で語り合いをしてきたら少しやばいかもしれません。wikiにも載ってないしそんなことないと思うんですけどね。

 

 

 

>辺りを見回しても身を隠す場所はない。敵サーヴァントの目的はあの砦の陥落。その一番楽な手段としては私を殺すこと。そうすればモードレッド達は消え、残った人たちはどちらか一人が居れば文字通り抹殺できるという訳だ。

 

>残った軍をこちらに向ければガレス達に背後をつかれる。それもあるからガレス達との合流をなるべく遅らせるために貴方は一人で来てくれるはず。

「お嬢さんを守る君はデオンと同じ騎士。それに守られるお嬢さんはまるで王女みたいだ。ああでも僕が知っている王女と比べるとね」

彼が知る王女。フランス革命の時代だとマリー・アントワネットかな。肖像画でしか見たことは無いけど、宮中の視線を欲しいがままにした彼女と私を比べるのは流石に失礼だろう。主に彼女に。

「悪いけど王女って柄じゃないからね私。どっちかっていうと目の前にいる王様の頭脳で居たいのよ。やってることは今のところ過去の先人の猿真似だけどね」

シャルル=アンリ・サンソン。私の前に立ちふさがる処刑人が無骨な大剣を構える。本場の人間にこういうことを思うのは失礼だろうが非常に様になっている。

「陽子、アイツを見て分かる事全部言え!」

勿論そのつもりだ。彼の見た目からして身長はゆうに180cmを超えているだろう。あの大剣自体にどんな機能があるかはわからない。

「ぱっと見た感じあの大剣の全長は150cmぐらいかな。剣の先端のあれは切れ味は無いわ。多分叩き潰す用。その代わり側面の切れ味はかなり鋭いはずだから気を付けて」

よくできた構造の剣だと思う。あの剣の形状からして仮に突きの攻撃をしたとしても人は死ににくいと思う。だけど確実に人間相手なら骨を折ることは可能だろう。それが胸なら肋骨。後ろからだったら背骨。戦闘不能にすることを考えれば合理的だ。

「おし、それだけ相手を見てるなら十分だ!」

先に動くのはモードレッド。先行するモードレッドの一撃を受け止める彼の大剣。おそらくモードレッドの王剣とは違い私の常識の範疇に収まったものではあるが、サーヴァントの力がそうさせるのか刃こぼれはしない。彼のクラスは解らないが仮にセイバーじゃない場合は確実にこちらに分があるはずだ。

 

 

>激しい金属のぶつかり合いが続く中。一つ気づいた事があった。あの人はよくよく考えたら私を狙っていない。あの人が首を刈ったのはあくまで砦の兵士。つまりは戦闘員。その後は私を処刑すると言いながらモードレッドと打ち合いを繰り返している。モードレッドの対処に追われている。それを言えば解決してしまうだろうが何か引っかかる事がある。何か私を殺そうという意志を見せながら行動はそれに伴っていない。いや、それに抵抗しようとしてる節がある。

>「テメエ、セイバーじゃねえな? なのにオレと真正面から打ち合うとか随分と舐めたマネしてくれるな」

銀色の一閃を銅色の大剣が受け止める。モードレッドもこのおかしさに気付き始めている。

 

 

>「僕たちは彼女に召喚された時から狂わされている。だけど、心の底にあるものはそう変えられない。ただ、それだけの話だよ」

目の前の処刑人が言う彼女は多分竜の魔女、もう一人のジャンヌ・ダルクの事だろう。ただ召喚された時に狂わされたというのは私にはわからない。

「彼女に召喚されたからにはお嬢さんを殺さなければいけない。だけど君が正義の側なら僕はどうすればいいんだろうね。現に君はあの砦で籠城し、多くの人たちの命を救っている。そして僕らは本能のままに人を殺し続けている」

モードレッドの攻撃に対して彼は今のところ防ぐのが手一杯に見える。このまま行けばモードレッドは勝ってくれるだろう。だけど彼は多分私を秤にかけている。気まぐれなのか、それとも自分が殺す相手の事を知りたいのかもしれない。もしくは自分が殺される相手の事を知りたいのか。

 

 

>燦然と輝く王剣が赤黒く光る。

「貴方が思っている正義が何かわからないけど、私が今していることはそんな正義じゃないわ」

正直なところを言えば、レイシフト先で行われる特異点の修復。そして人理の修復。それが目的と言われても私のような一般人には話が壮大過ぎる。

「そもそもあの砦は、譲り受けたというより私が騙し取ったという方が正しいわ。結果だけ見るなら確かにあの砦の人を守ってるけどね」

モードレッドの剣を受け止めながらも処刑人の顔が険しくなる。なんの為にと聞きたいのだろう。そんな表情をするなら案外この砦の内部事情は知られてないのかもしれない。

「ただ私は目の前に居る、私の王様の為に出来ることをやってるだけよ。今はまだ国もないし民もない。人の砦を間借りしてるだけでもいつかきっと父よりも優れた王になる人。その人と道を一緒に歩きたいのよ」

正直人理を修復して世界を救うなんてこと。なんて言ったらカルデアの人たちに怒られそうだけどそんな雲の上の話よりこっちの方が楽しく感じてしまっているのは内緒だ。

「一つ面白いこと教えてやるよ処刑人。あの馬鹿はオレが反逆の騎士と知ってあんな事言うんだぜ? まあ、オレが父上を超えるのは当たり前だがあんなに楽しそうにするんじゃオレも剣を預けるしかないだろ?」

楽しそうなのはどっちの方だ。なんだかんだで私の純潔まで奪ったくせに。勿論受け入れた私も私なのだが。

 

 

>大剣による正面からの一撃を小手で弾き、返しの刃を彼の左腕へと滑らせる。致命傷にはならないがその攻撃は彼の動きを鈍らせるには十分な一撃。決めるならここで畳みかけるしかない

「陽子、回せ!」「勿論!」

肩にある令呪に手を翳して集中する。まだ、効率的な魔力の回し方とやらはわからない。というより必要な分だけ持って行ってくれた方が助かる。だけどこれも早めに覚えなきゃいけないことなんだ。

 

>ジワリと広がる肩の熱。何度目かになるこれにはさすがに慣れてきた。それに今回は上手くいっているのか痛みに苦しむことは無い。ちゃんと立って居られるし動ける。これなら戦いの後に倒れることもないだろう。

 

 

>「なるほど、眩しいほどの信頼、それに忠義。羨ましい限りだよ。結局僕は忠義を尽くすべき人たちをこの手で終わらせることになったからね」

彼の動きは鈍くなってきている。それもそうか、いくらサーヴァントとは言え、斬られれば死ぬし、そうでなくても傷を負えば痛みが残る。

「モードレッド。なるべく痛くないように終わらせることは出来る?」

私は彼について詳しいわけじゃない。だけど彼が作ったギロチンが罪人にも配慮のあるものなら、その配慮を出来る人間を戦いとはいえ苦しめていいのか。

 

 

>「その言葉が聞けたならこの世界での僕は満足かな」

処刑人が剣を離す。迫りくる王を前に彼の首が、銀の刃を受け入れる。彼の首が宙を舞う。その顔は私を見つめる。先程の言葉通り、満足した表情。だけど同時に私たちのこの先がどうなるのか? そんな疑問を投げかけてきている気がする。

落ちてきた首の前に膝を折り合掌する。サーヴァントは英雄の座というところから来てそこへ還る。確かダヴィンチちゃんがそう言ってた気がするけど、今はただ、彼が自分の主君の元に帰ることが出来ればいいと思うしかなかった。時代も人種も立場も違ったけど彼は間違いなく忠義の士だった。この短い間だけど私は彼に対してそう思いを抱いた。

 

 

>「マスター! モードレッド! 無事ですか?」

遠くから馬に跨りこちらへ向かってくるガレスの姿が見える。こちらに来ているということは敵を蹴散らして突破してきたということだろう。

「急いでください! こちらに正確な数は解りませんが十騎近いサーヴァントの反応がこちらに向かっています!」

この状態でまだ来るのか? それともこちらが本命かだったのか。それにサーヴァントだけで十騎近いなんてとてもじゃないけどあの砦じゃ抑えきれない。

「落ち着けガレス。多分だがそれは敵じゃねえ。お前は会った事は無いが味方だ」

ああ、立香達か。だけど十騎となるとマシュさん。男のアーサー王。今はランサーの元キャスター。それにジャンヌ・ダルク。後は前に話を聞いたライダーとキャスター。私の記憶があるだけでも6人。どれだけサーヴァントを召喚したんだ。それともジャンヌ・ダルクのようにマスターが居ないサーヴァントを数多くいるのだろうか。




歴史の偉人を調べるとまあ、筆が遅くなる。楽しいんでいいんですけどね。
次回はメドゥーサさん視点でデオン戦を描こうとしているのでまた遅くなります。

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