前回のあらすじオルレアンに向けて出撃しました。あと、そろそろぐだ男に女の子をあてがわないとヤバくなってきました。そして物語が全然進んでないじゃないか!
ちなみにこの後予定調和のごとくファブニールとエンカウントするわけですけど当たり前ですがフランス兵じゃ倒せません。じゃあ、なんで連れてきたんだ! ってなると思いますが スケルトンと一部のワイバーンを相手にしたくないからです。敵陣営にはまだ、ファントムとアタランテが残っていると思われますが正直ここで来ても来なくてもどちらでもいいです。下手すると他の村を襲撃していてこちらに来ないこともある子たちですが、来た場合は.うん。皆様に聞きたいんですがファントム単騎でこちらのフルメンバーに勝てる自信あります? アタランテも然り。優秀なサーヴァントであることは確かなんですがこちらがサーヴァントで数の暴力なので適当に流せます。なんだったらアタランテはガレスをゆっくり進めながらぐだ男に槍ニキ任せて貰えばじわじわと近づいて倒せます。
そうなるとファブニールの撃破をどうするかですけど、最適解のすまないさんが横にいるんでこれもまた、そんなに危惧することではありません。適当にモーさんに暴れてもらってすまないさんに後を任せましょ。ん? 仮にもRTAモドキを走っているなら先駆者兄貴達のように邪ンヌが強くなっている可能性を捨てるな?
ハハッ! 確かにこのゲームを周回してますがそんな簡単に毎回邪ンヌを引けてると思うなよ!!
おっとすみません。つい熱くなってしまいました。それに丁度良くエンカできましたね。
>空を覆うのは無数のワイバーン。だけどそれ自体はあまり脅威じゃない。そんなのが気にならないぐらい多くな竜が地上にいる私たちを見下ろす。ワイバーンはこれまでの経験上、攻撃のリーチはそこまでは長くない。だからこちらを狙うならそれこそ下まで降りてこなければならない。つまりは空を飛ぶことによる優位性を自ら捨てに来てくれている。
「4人に聞きたいんだけど、あれに乗れって言われたら乗れる自信はある?」
全員からの答えはNO。多分だけどこれは私の言い方が悪かった気がする。別にあれを手懐けるわけじゃない。
「言い方が悪かったわ。あの竜の上に乗っかって暴れる自信があるのは?」
不敵な笑みを浮かべるのはモードレッドとメドゥーサさん。ガレスは少し悩んでいる顔。黒髭は何考えてんだコイツって顔。うん、しっかりと反応が別れた。まあ、あの竜に関しては私たちで倒す必要はない。適当に2人に暴れてもらったら後はその道のプロに任せればいい。
「マスター! 私と黒髭さんでワイバーンの相手をすればいいですかね?」
ついでに兵士たち指揮もお願いしておく。ガレスの采配はこの前の戦いで経験済みだし、黒髭は多分私たちの中で最もここの兵士たちに好かれている。
「立香! 私たちがあの竜にちょっかいかけるから、ちゃんとジークフリートにタイミングを教えてあげて、あと聖女様を始めとした他のサーヴァントも全部任せたわよ。私より貴方の方が解ってるんだから」
突然話を振られた幼馴染は何かよくわかってなさそうだがそれでも返事だけはしてくれた。ふと思ったのだが彼はこのフランスを旅してこれだけのサーヴァントを集めてきたわけだが、その道中で怪我の一つもしていないなんてコミュニティ力と中々のフィジカルを持っているんじゃないだろうか?
「陽子! 俺が出来ることはするけど、陽子はどうするんだ?」
黒き竜が少しづつ近づいてくる。あれもあの高さからはこちらへのリーチが届かないという訳か。最高なのは地面におりてくれることだけどそれはしないだろう。
「そうですねもう一人のマスター。これから陽子がすることは空中散歩とでも言っておきましょうか」
体がふわりと持ち上げられる。近くにいた立香の姿がどんどん小さくなっていく。いつかモードレッドに抱きかかえられて前の特異点で合流した時とは逆。
「思ってはいたけどそれ以上に怖いわね!」
半ばやけくそ気味に叫ぶ。当たり前だが私は人間なのだ。それがこんな空の上に何の装備も無しに空の上に来てしまったら怖いに決まっている。
「さあ、もうすぐ着きますよ」
今度地面に映るのは竜の黒い背中。こうも簡単に潜り込めるとなると私たちの事を甘く見ている。それなら好都合。だったら好きなだけ暴れてもらおう。
「ほら陽子。私にしっかりと掴まっていないと落ちてしまうかもしれないですよ」
意地の悪いことに軽く体を揺らしてくる。勿論私は落ちたくない。だから母親に抱っこされる赤ん坊のように彼女に抱き着くしかなくなる。
「はい、陽子。大正解です」
後で覚えておいて欲しい。絶対に何かしてやる。ああ、でも軽くいなされるんだろうな。
「何やってんだテメエ!」「もっと言いなさいモードレッド! メドゥーサさんが意地悪してくるのよ!」
私ごとメドゥーサさんにモードレッドが斬りかかる。1撃目は躱せたものの足場、もとい竜の背中に傷が入る。
「やれやれ、陽子がいるのに乱暴ですね。仕方ありません少し大人しくしてくださいね」
>彼女が持つ鎖の付いた釘のような武器。それを私の体に巻き付けるとその先の釘を竜の背中へと突き刺す。鈍い私でもわかる。喧嘩するつもりマンマンじゃないか!
「二人とも待って! 暴れろってそういう意味じゃないから! 後、こんなとこで戦ったら足場が壊れる!」
足元がぐらつくせいでまともに立って居られないし、そもそも鎖でつながれているから動きが自由なわけじゃない。我ながらとんでもない失敗をしてしまった。
「殺すつもりはねえよ。ただ、このアホに一回誰が上かを教えてやらないとな」
じゃあなんでモードレッドを覆う圧とでも言えばいいのだろうか。それが私でも感じられるほど強くなっているのだろうか?
「陽子、一度あの阿呆に自分の立場というのを思い知らせてあげた方が良いですよ。まあ、ここは私に任せてください」
彼女は自分の目に付けられたそれを外す。2人とも確実に本気だ。今この瞬間、この邪龍よりも、竜の魔女よりも何千倍、モードレッド達の方が怖い。
「ああ、もうわかった! そういう意味で暴れて良いから相手を殺すのは禁止! 満足したらキチンと元の目的思い出すのよ!」
下の竜が動きを変えたのか、それとも上にいる私たちが邪魔なのか体を震わせる。当然私は体制を崩し空へと放り出される。だけど私の体に巻き付けられた鎖が落下することを許さない。
「あーこれ。予想以上に怖いわね」
人間恐怖にさらされ過ぎると逆に冷静になると言うがどうやらそれは正しいみたいだ。だって今の私がそうなんだから。下を見ればワイバーンとフランス兵達が戦っている。後ろを振り向けばモードレッドとメドゥーサさんがぶつかり合っている。
>正面からの斬り合いは流石にモードレッドに分がある。だけどメドゥーサさんは武器の特徴を活かし空中で各所に釘を打ち込み、そこから絶対的な有利な位置に立ち続ける。だが、それにモードレッドも翻弄されている訳ではない。持ち前の直感を活かしメドゥーサさんが釘を打ち込みそうな場所をあらかじめ魔剣の力でえぐり取る。足場にされているこの竜からしてみれば同情を向けたくなるが、そもそもこの上で考えた状況とは違えど命じたのは私だ。そう考えれば自業自得なのかもしれない。
「はあ、ガレス。黒髭、どっちでもいいから助けて」
ただ、私がこうしてここにぶら下がっている意味もそこそこあるみたいで下を見下ろせばこの竜がフランス兵を攻撃している様子はない。当たり前だが背中に乗る私たちが邪魔なのだろう。というよりあれほど背中の上で色々とやられたら無視できないというのが普通だろう。
>「死にやがれ、デカ女!」
モードレッドの1撃をメドゥーサさんは空中へと回避する。そのまま流れるような形で彼女はかかとをモードレッド目掛けて落としていく。ただ、モードレッドもきちんとそれに反応して魔剣でそれを受け止める。2人は手合わせのつもりなのかもしれないがモードレッドの発言やメドゥーサさんが目隠しを取っているところから見ていて不安にはなる。私は直接目を見ていないのだが少しづつ体が動かなくなってきているのだが動かせたところで文字通り地に足がついていない状態なのでどうすることも出来ない。個人的にはそろそろ満足して欲しいのだがと思いつつも視線を下に向ける。自分の事ばかりではなくガレス達の様子も見たい。
>状況は確実に押している。こちらにサーヴァントが多いことも確かだろう。だけどフランス兵も士気の高さだけなら確実に負けてはいない。先程はこんなに近くでガレス達を見ていただろうか?
「モードレッド! メドゥーサさん! この竜の高度が落ちてるからそろそろ降りる準備をして!」
結局という言い方は悪いけど、この竜は私たちを振り落とす手段がなかった。そしてゆっくりとだが地面にその体を堕とそうとしている。そして私の体が急にふらつき始める。想像はしたくないがこれはもしかして私の体を支えていた釘が取れかかっている?
「行きなさい! モードレッド!」
メドゥーサさんの声で片腕に鎖をつけてモードレッドが私を支える釘を掴む。似た者同士、仲は悪くても連携は出来るという感じだろう。
「ガレス! 受け取れぇ!」
例えるなら鞄に付けたストラップが外れるあの感じ。今そのストラップの役が私。単純にどう助けるべきなのか考えるのが面倒だったのだろう。モードレッドは釘を引き抜くとそのまま下にいるガレスへ放り投げた。
>「────────────」
自分でも何を叫んでいるか分からない声を上げた。その声が届いたのかガレスを上を見上げ事態を把握する。
「マスター!? モードレッドは何をしてるんですか!」
ガレスが馬から降り私を受け止める。今ので死んだら情けなさすぎる。だけど私はここで止まってはいけない。
「立香! こっちの準備は大丈夫だからやりなさい!」
>空に一つの光が上がる。青白く、透き通るそれには神々しさを感じる。その光が狙うのは今、傷ついた竜。その背中には既に2人の姿はなく咆哮しその光へと突進してくる。かつての宿敵を打ち果たすために。
>「邪悪なる竜は失墜し、世界は今落陽に至る。撃ち落とす── 幻想大剣・天魔失墜 』!」
>邪竜、その存在を許さぬ光が敵の体を引き裂く。こればっかりは私のサーヴァントがマネできるものではない。勿論モードレッド達があのジークフリートに劣っているとは言わないが餅は餅屋という言葉もある。彼の言う言葉を信じるなら彼が召喚された理由はこの瞬間の為なのだろう。物語でしか見たことの無い竜殺し。その実物を今私は見ているのだ。
>「モードレッド、ガレス、メドゥーサさんはこのままの竜の魔女の本拠地に突っ込むわよ。黒髭! フランス兵の指揮は貴方が全部引き受けなさい!」
私たちにはまだやることが残っている。ここまでの戦いは順調だと信じたい。まだワイバーンの数は多いがそれにいちいち構っていられるほどこちらの戦力は潤沢じゃない。
「清姫、エリザベート。マスター達と共に行け! ここは俺たちに任せて欲しい」
私たちからはモードレッド、ガレス、メドゥーサさんの4人。立香からはマシュさん、アーサー王、ロビンフッド、聖女ジャンヌ・ダルクの。それに付いてきてくれるという2人の少女のサーヴァント。
クーフーリンをこっちに呼ばない辺り乱戦に優秀なサーヴァントを見極めている。流石に戦場慣れしている人たちは違う。しかし、清姫、エリザベート。私の知識では彼女たちのことは解らない。ただ、エリザベートと呼ばれた少女を見ていると頬の辺りがなんだかチリチリする。
「清姫、エリちゃん! 頼むよ!」
立香の声掛けに頷く二人。随意分と仲が良さそうに見えるが仮にも英雄にちゃん付けで呼ぶのは何ていうか不遜? な気がした。まあ、本人たちが納得しているみたいだしいいか。
「立香、その二人の事私は解らないから貴方がしっかりサポートしてあげて」
というより、私は自分のサーヴァント達の事で手一杯なのだ。あと、先程の空中散歩(仮)で少し気分も悪い。
>「陽子、大丈夫。俺たちは勝てるよ」
なんの根拠があって彼はそんなことを言うのだろうか。だけど、今はその根拠のない自信に乗ってやろうじゃないか。
今回少しギャグ調になってしまった気がします。たまにはこういうのもいいよね?