Xenoblade2 The Ancient Remnant 作:蛮鬼
神暦3020年 2月5日
――『炎の巨王』
その存在が最初に、我々人類に接触を図ったのは、この
世界樹より来たりしかの巨王は、当時まだ子供であった初代島主ビルマを救ったことを切っ掛けに人類へ接触。
後に我々の文明発展へと繋がる多く知識と技術、物を与え、かの存在は人との交流を始めたという。
創世の双神――その片割れたる巨王。
何故にかの存在が人類の前に現れたのか、その詳しい理由は今も不明のままだ。
歴史の起源を知るためにも、より一層の調査が必要だ。
もしかしたらその先にて、我々は神の領域に踏み入ることができるやもしれない――。
『 古国トレランティア調査録 』
とある調査員の記録より抜粋
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神暦3020年 3月1日
今代の島主曰く、かの巨王が伝えたものは様々だ。
毒消しの苔、体力回復の薬草、身体的異常防止のための薬などと――後世における薬品の起源とも呼ぶべきものを多数もたらし、国民の生活を補助したそうだ。
また、薬品だけでなく狩猟技術や武具もかの王を由来とするものらしく、狩猟に用いる弓矢は勿論のこと、剣や槍、斧さえもこのトレランティアが巨王を通じ、発祥の地となったらしい。
多くの起源を有するこのトレランティアこそ、神に選ばれた地と叫ぶ者もいるが、少なくとも国民たちはそうは思っていないようだ。
あるいは驕らないことと引き換えに、かの王はトレランティアの民に多くを授けたのかもしれない。
いずれにせよ、これでまた神へと繋がる一歩を踏み出すことに成功した。
近々、追加の調査員が派遣される予定だ。彼らが到着次第、次の調査に移行するとしよう。
まだこの国には謎が多い。創世の神に近づく手がかりがあるのなら、是が非でも欲しいものだ――。
『 古国トレランティア調査録 』
とある調査員の記録より抜粋
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神暦3020年 4月12日
本日、我々は歴史上最大の発見を為した。
居住区を抜けた先、岩石が立ち並ぶ古い遺跡の中心に、ソレはあった。
ソレこそまさしく、神より賜りし啓示。
燃ゆる篝火に突き立てられた、刀身の捻くれた奇怪な大剣。
トレランティアの島主曰く、『螺旋剣』という銘の剣だそうで、紛れもなく神が人類に与え給うた奇跡だ。
願わくば持ち帰り、その構造の解明を行いたいところだが、流石に神からの頂戴品。国の至宝であると固く拒絶された。
我ら人が神に近づくためにも、どうにかしてアレを解明しなくてはならない。
遺跡には常に守り人もいる故、警戒を掻い潜って盗み出すことも難しい。
場合によっては――武力行使も必要となるだろう。
『 古国トレランティア調査録 』
とある調査員の記録より抜粋
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神暦3020年 4月14日
だ――誰か……助け……
――『炎の剣』が……くる……!
【独自設定】
『トレランティア古国』
島主と呼ばれる存在を国長に置いた、古い伝承が残る小国。
新世界アルスで初めて、創世の双神の片割れ『炎の巨王』が降り立ち、人類と接触した国でもある。
剣や槍、斧や弓矢などの武具の起源の地でもあり、巨王の恵みを多くを受けたことからアーケディアとは異なる聖地として世界に知られている。
居住区の先にある『祭祀場』と呼ばれる遺跡の中心には、巨王が友誼の証として残した『螺旋剣』なる剣があり、決して消えぬ篝火の中で突き立ち続けている。
名前の由来は七つの美徳の1つ『忍耐』のラテン語『tolerantia』。