その一つに   作:アストラッド

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 本当は前後編だったのに増えた……題材が良すぎた。

 同一言語ってありますよね?今回私が書いたのはそれの独自解釈ですので、正解ではないですからね。

 長い……駄文……それでも良ければ読んでいってくだせぇ。
助かります。


この拳は貴方への忠誠 (中編)

 あぁ、神様……私は貴方へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うん……じゃぁ、そっちは大丈夫そうだね。

  心配ないよ、じゃあね」

 

 少女は受話器を置き、背伸びをする。

 

 「うーん……良い朝」

 

 彼女の名前は立花響、私立リディアン音楽院校に通

う活発な女子高生である。

 現在の時刻は5時、ずいぶんと健康的な時間に起き

ているものだが、少女は冷蔵庫の前に向かう。

 

 「ふーふふーふふーん♪」

 

 テキパキと料理を作り、弁当箱につめていく。

その数、実に3つである……朝から3人分のお弁当を作

る彼女の将来は、職につくにしろ家庭に入るにしろ明

るいものだろう。

 

 「よーし、でーきた♪喜んでくれるかな?」

 

 その中で1つだけ、少し豪華な弁当箱があった。

驚くことにその弁当箱の材質は、天然杉と国産漆を使

用した漆塗りの超高級品だった。

 ただの女子高生が好んで買うものではないのは確か

である。

 

 コンコン

 

 「おっ、来た来た」

 

 呼び鈴を鳴らさず、ドアを軽くノックした人物。

そして、それが何時も通りと言わんばかりの響は玄

関のドアを開ける。

 

 「はーい、お願いしますねぇ」

 

 「了解しました、響様」

 

 「もう、様は止めてよぉ恥ずかしいなぁ(*/□\*)」

 

 「いいえ、響様のあの方へのご奉仕は我々よりも

  あの方の為になっています。そして何よりも、

  我々はその為に尽力することが喜びなのです」

 

 「私もだよ?でも、その為には私達も普通の生活

  ……私達が望んだ生活あってだよ、じゃなきゃあ

  の人に申し訳ないよ」

 

 「……やはり貴女こそ、巫女に相応しい」

 

 そんな会話をそこそこに、その女性は弁当箱を受

け取り何処かへと向かう……。

 

 「……そろそろ着替えよ」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 数時間後 ゲンムコーポレーション

 

 「ううーん、ようやく定時か。

  やれやれ、社長も楽ではないな」

 

 「もう少しスケジュールを調整出来ればいいのです

  が、ここの所他にも手を出した事業が大当たりし

  ましたもんね」

 

 「そうなのだ、セレナ秘書よ……まぁいい、昼食が美

  味なのが救いだよ」

 

 「誰が作ってるんでしょうね?運んでる人とは違う

  らしいので」

 

 「不思議な話だ、休日のスケジュールも把握されて

  る……何より君が海外旅行してる時すら来るとは思

  わかった」

 

 「一番怪しいの、私でしたもんね」

 

 ここはゲンムコーポレーション、海外からも注目さ

れるゲーム開発と販売を生業とする会社であり、最近

始めたゲームと家具のセルフコラボがヒット。

 これにより更に忙しくなった、その会社の社長であ

る檀黎斗は帰宅しよう椅子から立ち上がり、

 

 「さて、帰ってゆっくり」

 

 ウー!ウー!

 

 サイレンが鳴り響く。

 

 「……はぁ、サンプル回収には丁度良いか」

 

 「……そうですね、彼女にも連絡しますか?」

 

 「いや、今回は1人で行く……職員をシェルターへ」

 

 「かしこまりました」

 

 この男、ついに動く。

 

 

 同時刻、某所にて

 

 「……なんじゃこりゃ」

 

 「お姉ちゃん格好いい!」

 

 立花響もまた、運命に動かされていた。

 

 「……うん、成る程」

 

 「お姉ちゃん前!」

 

 瞬間、彼女は足を高らかに上げ地面を即座に踏みつ

ける……その間、実に0.7秒。

 そしてそれは、瞬間的にノイズの動きを封じる。

 

 「はぁぁぁ……せい!」

 

 目の前につき出された拳は、たちまちノイズを木っ

端微塵にする。 

 

 「すぅぅ……」

 

 大きく息をすい、視界をクリアにしていく。

 彼女の使った拳法は我流・八極拳、人体の破壊を主

軸においた殺人特化型八極拳は別名、マジカル八極拳

と呼ばれ伝説となっている。

 

 「……ノイズに触れる、ノイズを倒せる」

 

 先程の行動は、反射で行ったに過ぎず自分が灰にな

らないとは知らなかった。

 恐らく今の姿が重要なのだろうが、彼女にとっては

違う部分が気になるらしい。

 

 「倒せるなら……怯えなくて良い!!

  少年、隠れててね」

 

 隠れた所で気絶しているので、そもそも聞こえてい

ないのだが仕方ない。

 先程の響が行った震脚の振動が余りにも強すぎて失

神したようだ……。

 

 「ラァア!!」

 

 ノイズを千切っては投げ、千切っては投げ……その様

は鬼神そのものである。

 

 ーー!ーー

 

 「しまっ!」

 

 しかし、まだ慣れていないのだろう。後ろのノイズ

への反応が遅れてしまったのだ。

 

 ズ・ギューン!

 

 響を襲うはずだった衝撃は、いつまでたっても訪れ

ず視線を向けるも、灰が舞うだけだった。

 

 「ほう……新たなシンフォギアか」

 

 声の方向を見ると、太陽を背にしているせいで姿は

見えないが、向かいのビル最上階に男が立っていた。

 

 「ふっ……成る程、これもまた運命……なかなかに良

  いじゃないか」

 

 目の前に降り立った男の姿は異様の一言。

 まるでゲームのキャラを模したかの様なスーツだ、

胸にはコントローラーボタンとHPバーがデザインさ

れているのも一段とそれらしい。

 

 「あな……たは?」

 

 「私か?……そんなの決まっている」

 

 彼女が聞いてしまったのは、何も心のそこから疑

問に思ったからではない……彼女には心当たりがあっ

たのだ、目の前の人物が誰なのか。

 

 「私は……仮面ライダーゲンム、神だぁぁ!!

 

 その一言を聞いた響は跪き、右手を突きだした。

 

 「……私の拳は主へ、私の人生は主の為に。

  そして……貴方を主とすることをここに……」

 

 「……認めよう、君は私の……一番の使いとしよう」

 

 ごく自然に忠誠を誓う響とそれを受けとるゲンム。

まるでシナリオがあったのかと思う程だが、ゲンムを

名乗った男の心中は。

 

 (何?……いきなり忠誠を誓うとは……だが、まぁ)

 

 おもっくそ困惑していた。

 それはそうだろう、女子高生からいきなり忠誠を誓

われてもどうしたら言いか知る者などいないのだ。

 

 (……確かに、神である私だが……敬われた事はなか

  った。これはこれで良いものだな)

 

 それでも、社長として尊敬や憧れを抱かれても神と

してそうゆう経験はなかった。

 だからだろう、ゲンム=檀黎斗はとても気分が良か

ったのだ。

 

 「有り難き幸せに存じます」

 

 「いや、堅苦しい言葉をいらない……今は」

 

 『蒼ノ一閃

 

 「……いや、終わったか」

 

 最後の1匹、特大サイズのノイズに意識をむけよう

とした瞬間、何者かにそのノイズは一刀両断される。

 

 「……今日こそ同行願おうか、ゲンム」

 

 「断る、神である私を縛ろうと?……む」

 

 謎の人物から同行を願われたゲンムだったが、彼は

ヘルメット(に見える)の部分に指をあてる。

 

 「……君、名前は?」

 

 「!……立花響と言います、ご事情があるのでしょう

  ?私がなんとかします」

 

 「早速で悪いが、頼んだ」

 

 「行かせると!?」

 

 瞬間、視界が顔で埋まる。

 いや、立花響がいきなり目の前に現れた、の方が正

しいのだろう。

 

 「ぐぅぅっ!……」

 

 「風鳴翼さんですよね?残念だなぁ、貴女のファン

  なんですよ私」

 

 「……それは……奏の」

 

 「でも……私の神様の邪魔をするなら仕方ありません

  よね……暫くはベッドで休暇をどうぞ」

 

 「舐められたものだ、押して参る!!」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「この道か、セレナくん」

 

 『はい、その道を真っ直ぐ300メートル先で左折し

  たら目的地です』

 

 (日本語まだ馴れていないんだな……分かるけど)

 

 通信を切りながらそんな事を考えつつ、目的地に進

んでいくゲンム。

 そんな彼は、次に使い第1号である立花響の事を考

えていた。

 

 (恐らくバレてはいないだろう、このゲンムの神々

  しいオーラによって神と崇めたのだろが、響くん

  は彼女相手にどこまでいけるか)

 

 そんな事を考えていたら、目的地は目と鼻の先だ。

 

 「……」

 

 ここで問題です。

 彼はとある悪の組織がおも……とても悪い事を企ん

でいる事を知り、その計画の全貌を知ろうとアジトを

突き止めました。そんな彼の次の行動は何でしょう?

 

 1:警察などの機関に知らせる

 2:自分が組織している武装集団と共に突入

 3:悪の組織と手を組む

 

 正解は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「デンジャラァス ゾンビィ

 

 Z:ゾンビアタック

 でした。

 

 「ブゥゥゥゥゥゥゥゥン!!」

 

 ガシャーン!!

 

 「はぁぁぁ!?」

 

 銀髪で肌の白い少女は、いきなり建物のガラスなり

ドアなりが破壊され、奇声を発しながら入ってきた男

にとても驚いていた。

 

 「デンジャ デンジャー!

    GENOCIDE!

  デス ザ クライシィス!

 デンジャラァス ゾンビィ!!

  Wooooooooooo!!

 

 しかも、辺りに黒い煙が出たかと思うと白と黒の禍

々しいデザインの化け物が出てくるではないか。

 少女はすぐさま戦闘体勢になり、白い鞭とタイツの

様な姿へと変貌した(まじでタイツだよねあれ)。

 

 「なにもんだテメェ……人の家にズケズケ入ってきや

  がって」

 

 「神である私にそんな物は必要無いなぁ」

 

 「神だって?馬鹿馬鹿しい」

 

 少女はゲンムを睨み付ける。

 それはそうだろう、見るからに怪しければやってる

事は不法侵入に器物破損である。

 睨み付けない理由の方が少ない。

 

 「家主……フィーネは何処かな?雪音クリス」

 

 「へぇ……フィーネだけじゃなく私の名前もしってん

  のかよ」

 

 「一週間もかかるとは思わなかったよ。最近は仕事

  も忙しかったからね……連休ならもっと速かったか

  もしれんなぁ」

 

 「余裕じゃねぇか」

 

 「余裕だとも」

 

 両者にらみ合う。

 少女……雪音クリスは数秒がまるで数時間かの様な錯

覚を覚えた。

 それほどのプレッシャーだったのだ、だからこそ彼

女が選択を誤ったのも無理はない。

 

 「はぁぁ!」

 

 クリスは先に鞭で攻撃する、これが翼や響だったな

らばこうも速く動く事はなかっただろう。

 

 「ふっ」

 

 ゲンムはその鞭を両手でガードし、守りを固める。

 

 「まだだ、オラァ!」

 

 クリスはそこから、数本の鞭を何度もゲンムへ打ち

付ける。

 そのスピードは、まるで鞭が実際よりも多く見える

ほどでありゲンムも防戦一方に見える……だからなのだ

ろう。

 

 「オラオラ!何も出来てねぇぜ!!」

 

 自身の足元が疎かになっている事を、()()()()に気

がつかなかった。

 

 「クリティカル デッド!!

 

 「なっ!?」

 

 直後、クリスの周りはゲンム、ゲンム、ゲンム!

ゲンムが纏わりつき視界がもうそれしか見えない程の

ゲンムに囲まれ、ホールドされる。

 

 「はな……せってんだよ!」

 

 「放してやろう……こんな風にな!!」

 

 パチンッ

 

 ゲンムが指を鳴らすと、クリスに組みついていたゲ

ンム達が一斉に爆発する。

 勿論、中心にいたクリスが避けられる筈もなく巻き

込まれ、その悲鳴すら爆発音に飲み込まれていく。

 

 「……その聖遺物の特性上、まだ立てるだろう?」

 

 その言葉に反応してか、爆炎の中からボロボロのク

リスが現れる。

 しかし、その傷も所々治っている様であり、ゲンム

もその正体を知っている様だ。

 

 「ったりめーだ、この薄鈍野郎が」

 

 「神に逆らうか?愚かな……その愚かさを称え、私

  の手心を受けとるが良い」

 

 「へっ、訳わかんねぇこと……言ってんじゃねぇ!」

 

 クリスは鞭を、まるで槍の様に真っ直ぐゲンムへと

一斉に伸ばす。

 ゲンムはそれを……3歩前へ進みしゃがむ事で回避し

、その後ろでは鞭によって破壊される壁の音だけが響

いている。

 

 「なっ!?……」

 

 「どうした?ゲームでは基本的だろうに……まぁ、ゲ

  ームであればここから昇龍拳なり波動拳なりをぶ

  ちこみ大ダメージなのだが」

 

 「畜生!舐めやがって」

 

 クリスは舐められている……それは紛れもない事実な

のだろう。

 そうでなければ、しゃがまずに低姿勢ダッシュでク

リスの懐に入り込めるはずだったのだから。

 

 「この!この!おとなしくしやがれってんだ!」

 

 「ネフシュタンの鎧……炎の蛇と対を成す青銅の蛇、

  ネフシュタンの概念が宿る鎧。

  その蛇を見れば炎の蛇に噛まれても生き永らえた

  事と、元々蛇には再生や輪廻の概念が存在してい

  た事からその能力となった……という所か」

 

 「だからどうしたってんだよ!」

 

 クリスの攻撃を全て避けるゲンムには余裕があった

、そして反対にクリスは攻撃が当たらない事に苛立っ

ていく。

 それこそが、ゲンムの仕掛けた落とし穴とも知らず

に。

 

 「そこだぁ!!」

 

 「しまっ!?」

 

 しかし、クリスは遂にその鞭でゲンムの腕を絡めと

る事に成功、一気に引き寄せ特大の一撃を叩き込もう

と拳を握り

 

 「かはっ……は?」

 

 血を吐いた……クリスは不思議に思った、自身が今

纏っているのは無限の再生を誇る完全聖遺物だ、多少

体力の消費が激しいが今はそこまで傷を負っていなか

った筈だ。

 

 「ほう、敵を前に呆けるか」

 

 「ぐぼっ……がっ!」

 

 しかし、クリスの視界は眩み力は入らず、傷は広が

る……そう、()()()()()()()()()のだ。

 

 「なに……しやがった……」

 

 「んん?分からないか?いや、現状を把握出来ても

  原因は理解出来ないだろうなぁ。

  答え合わせは君の回答を聞いてからだ」

 

 「くそ……どうなって」

 

 クリスは理解出来なかった、ネフシュタンの鎧は傷

を直ぐ様回復していた筈だ、痛みや体力の消費の関係

上制約はつくが防御面でもかなり優秀である。

 だからこそ分からない、攻撃らしい攻撃など最初の

爆発以外には無く、それからは一方的な攻撃をクリス

が行っていた。

 

 「……かはっ……」

 

 「無回答か、テストは分からなくても書いておく方

  がオマケで点数が貰えるかもしれないぞ?」

 

 体力が無くなるなんて事はなく、毒であれば鎧の効

果で打ち消せる筈……クリスでは答えは出せない。

 

 「フム……正解は、"腐敗"だよ……自分の腕を見たほう

  が早いぞ」

 

 「はぁ……はぁ……なん、だよ……これ」

 

 クリスは自分の腕を注視し、驚愕した。

 自身の腕の一部が崩れ、再生し、また崩れる……それ

を繰り返していたのだ。

 

 「君の体は今、腐って崩れ再生しまた腐ってを繰り

  返している。

  当然、君の消耗は激しいし痛み無くそれは行われ

  ているから気付く事も出来ない……」

 

 「聖遺物に……通じるレベルの……かはっ」

 

 「む……そう考えるのが普通か。

  これはデンジャラスゾンビガシャットの能力さ、

  触れた物を腐敗させる"概念"を内包している……

  いや、正確には"死のデータ"が蓄積され操る事が

  できる……だが」

 

 ゲンムはクリスの体をまじまじと見ると、合点がい

ったのか聞いてもいないのに話し始める。

 

 「成る程、細胞が混ざり合い侵食されているのか。

  すまないことをしたな、もう半分は侵食されてい

  るか」

 

 「るせぇ……私は……戦争を……」

 

 「戦争を?……あぁ、戦争の無い世の中にするか?

  それは良い世界だ、誰も傷付かない、誰もが夢見

  た理想郷だろうなぁ……しかし、しかしだぁ」

 

 (こいつ……嗤ってやがる!見下してやがる!)

 

 事実、ここまでの状況そのものが証拠と言えるだろ

う。

 違う手段を用いればクリスに鎧を纏わせる間もなく

殺害するなんて造作もなかった……それをしないのは、

情けか、同情か、はたまた別の理由か。

 

 「それをどう実行する?」

 

 「決まってる……戦争をしてる奴らを一人残らずぶ

  っ飛ばせば良いんだよ!」

 

 「くくっ……ヴェハハハハハハハハハハ!!

  私を嗤い死にさせる気か?それとも本気でそう

  思っているのかぁ?だとしたら傑作だ!」

 

 「何だと!!てめぇ……ぐっ」

 

 「おっと、能力を解除するか……まぁ、動けはしな

  いが話は聞けるだろう?」

 

 ゲンムは腐敗を解除すると、いつの間にか前のめり

になっているクリスの横っ腹を蹴りながら"解説"を始

めた。

 

 「がっ!……」

 

 「そうだな……先日、私は使っていた箸が折れてし

  まってな、まぁ数年使っていた物だし壊れるの

  も仕方ない。

  丁度良い機会だからと箸を幾つか店で補充した

  のだよ」

 

 

 「ーーっ!?ーー」

 

 そして次に、先程の蹴りで仰向けになったクリスの

腹部を、何の躊躇いもなく踏みつけ次の話に移る。

 その際、クリスはあまりの痛みに声すら上げられな

い程だった……だが気絶出来ない。

 

 「次に豆知識だ、女王蜂がいなくなった巣がどうな

  るか知っているか?すぐに次の女王蜂が現れ巣を

  統制するのだ……」

 

 「かっ……あっ……」

 

 「話を戦争に移すとだ……兵士が死んだなら代わり

  の兵士を送れば良い、司令官が死んだなら同じ

  考えの人物を司令官にすれば良い。

  これが戦争の普通だ、君のやり方は正直に言っ

  て回り道はおろか無駄の一言だ」

 

 「そんな訳……フィーネは……」

 

 「あぁ……何?こんな下らない目的だったのか……

  フィーネめ、これならハッキングして核ミサイ

  ルを打ち上げればすむ話。

  無駄が多すぎるな……これなら発射させずに回収

  したい所だな」

 

 ゲンムのヘルメット内部のディスプレイに、恐ら

くハッキングして得たであろう情報が映し出され、

それに対しクリスの言葉を聞きながらがら頭の中で

整理していく。

 

 「嘘だ……てめぇの話……なんて」

 

 「まだ納得しないか?全く……人の歴史は戦いの歴

  史、血塗れの生者と屍の山で作られた未来が、

  私達の生きる"現代"なのだよ……」

 

 「嘘だ……嘘だウソだウソダ!!」

 

 クリスは叫ぶ、自分に言い聞かせているのだ……自

分は理解していない、自分の行動は間違っていない。

 だが、言い聞かせている時点でそれは理解している

のと同じ、自分を守るだけの行動に何の力もない。

 

 「戦争を止めるなら"戦い"ではなく"理由"を解消し

  なければならない。

  私からすればバカらしい、非効率的な方法なの

  だよ……戦争とはね」

 

 「無くなるんだ……全部上手くいけば」

 

 「あぁ、フィーネの計画が上手くいけば戦争は無

  くなるだろう……人類の滅亡をもってなぁ!!」

 

 「!?どうしてそうなっ!……がぁ」

 

 「フィーネの真の目的は月の破壊にある。

  バラルの呪詛と呼ばれる呪い……いや、祝福によ

  って人間は統一言語で繋がる事が出来なくなっ

  たと言っても良い」

 

 「……なら、やることに……変わりはねぇ。

  その統一言語ってやつを……使える様にすれば、

  平和になるんだろ?」

 

 「実はそう単純な話ではない……人類にとって統

  一言語はどの道、破滅への切符でしかない」

 

 ゲンムはもう興味が無いのか、とてもつまらなそ

うに喋っているが、踏まれながら話されるクリスに

とってはたまったものではないし、重要な話なのに

おざなりに説明されては困るのだ。

 

 「そうだなぁ、とても簡単に説明すると。

  色付きの水に入ったコップを個人とする、様々

  な色があり綺麗だが普段はコップ自体の色で見

  えない……このコップがバラルの呪詛だ。

 

  そして、そのコップを排除すればどうなるか。

  答えは中身が混じる、これを統一言語が可能に

  なった世界だ……相手を理解し自分を理解して

  貰える素晴らしい世界だ……だが。

 

  この言語の恐ろしいのは、最終的に通じる他人

  から複数の個人になる所だ。

  考えは交じり、思考は他者と纏まり、無駄が消

  え……。

 

  最終的に地球には数億の体を持つ個人という"人

  類"が生まれる」

 

 クリスは絶句するほかなかった……目の前の男は何

故それを知っているのか、何故そこまで考え付くのか

 

 「まぁ、バラルの呪詛を解けば問答無用でそうなる

  よう仕組んだ奴への対策がバラルらしいからな。

  遅かれ速かれ統一言語なんぞ封じられる運命だっ

  たのだろうがな」

 

 「それは……どう……いう……」

 

 瞬間、ネフシュタンの鎧は解除されクリスは気絶す

る……血液を流しすぎたのだろう。

 そう思っていると、通信が入りディスプレイにセレ

ナ秘書と表示されている。

 

 「どうした?セレナ秘書」

 

 『ひじょーに不味い状況ですよ社長!?

  彼女が!?彼女がぁ!?』

 

 「やはり響くんでは無理か……」

 

 『風鳴翼さんが!重症なんですよぉ!!速く止めて

  ください!!』

 

 「……は?」

 

 ゲンムは困惑した、彼女はシンフォギア奏者に成り

立てですぐに負けて検査なりなんなり……という事に

なると踏んでいたからだ……だが。

 

 (……まずい、ここで風鳴翼を失うのはまずい!)

 

 神にも予測できない事があったのだ。

 

 

 

 




 
 途中から何書いてたか分かんなくなりました。
次で終わりや、終わらせるんや……じゃなきゃ終わらん。

 今回は白くない……筈……(白い奴はそもそも殺したい?とか聞かない)

 神が響に名前を聞いたのは、初対面の筈なのに(ゲンムとして)名前を知っていたらおかしいからで、結局は黎斗ガチ勢の響さんにはもろばれなんですがね。

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