その一つに   作:アストラッド

6 / 17
 ラブコメの方が好きなのよ私は

 今回の設定

 マリアの恋人×マリア
知ってる人
 切歌 調




銀の腕よりその指に

 「……今日はもう上がれ」

 

 社長から言い渡されたのは、今日はもう帰れという

言葉だった……私は何か粗相をしただろうか……。

 

 「違うよ、今日はお前……これと予定だろ?」

 

 社長はニヤニヤしながら小指を立て、肘で私をつつ

いてくる。

 

 「明日も有給取ってんだから少し位早く帰ってもバ

  チは当たらんよ」

 

 良い上司……というか社長だ、私はこんなに良い人の

部下でよかった……酒癖以外は。

 

 「お前今よぉ、失礼な事考えただろ」

 

 そんな事はないと、良い感じに誤魔化しながら帰り

支度をし、そそくさと帰ろうとする私。

 

 「おい、あんまりはしゃぎ過ぎるなよ」

 

 はしゃぎ過ぎるな……今日はそんな事は出来ないか

もと思いながら、社長を背に廊下を歩きロビーを抜け

駐車場に着く。

 

 「……」

 

 自分の車を見詰めながら、深呼吸する。

 今から緊張しては、目の前にした時にどうなるか分

かったものではない。

 

 車に乗り込み目的地へと車を走らせる……そろそろ仕

事が終わった頃だろう、そんな事を思っているとスマ

ホに着信が入る。

 私はカーナビとスマホを連動させており、フリーハ

ンド通話が可能……こう言うときは便利だなぁと思いな

がら通話ボタンを押す。

 

 『デェス、___さんデスか?』

 

 「ーーー」

 

 『実は、マリアの仕事が少し長くなりそうデェス。

  何時終わるかわからないから後日の方が良いかも

  ……だそうデスよ?』

 

 うーん……困った。覚悟を決めたのにこれでは肩透か

しである、せっかくの覚悟が勿体ない……。

 

 「ーーー」

 

 『え?終わったらマリアには内緒で連絡デスか?

  良いデスよ!サプライズデェス!!』

 

 そんな調子で通話を切る切歌ちゃん……電話したら

まず名乗ろうよ、そしてあの子は内緒に出来るのだろ

うか……不安だ、調ちゃんなら安心なんだけど。

 

 とはいえ、時間が空いてしまった……飲み食いする

のもあれだし、どう暇を潰したものか。

 

 現在の時刻は7時半……遅くも早くもないこの時間

でどこに行ったものか……そんな事を考えていると、

また着信音が鳴る。

 

 「ーーー」

 

 『あぁ、私だ』

 

 私だ、だけですか貴女は……と思いながらも彼女、

風鳴翼からの電話に出る。

 

 「ーーー?」

 

 『飲まないか?少し愚痴りたくてな』

 

 「ーーー」

 

 『あぁ、それで構わん。

  本当に、少しで良いから愚痴を聞いてくれ』

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「はぁ……私はそんなに魅力がないか?」

 

 「ーーー」

 

 そんな事は無い……そんな事は無いが私にはもっと

魅力的な女性がいるから、とは答えない。

 マリアは殆どの人間に関係を隠している、それこ

そ知っているのはいつも一緒にいる2人位だろう。

 

 「なんと言うか……周りの男達は私の事を女と見て

  いない気がしてな。

  あまり近寄ってこないし、そもそも知り合いも

  少ないのだ……私は近寄りがたいか?」

 

 本音を言えば近寄りがたい……美人で有名人で由緒

正しい家の出ならばそれはもう迂闊に口説けはしな

いと思う……口説くなら心臓に毛を生やさなければ無

理なのでは?

 

 「んぐ……んぐ……くはっ、それで?貴様には恋仲の

  者がいるんだったなぁ……そろそろ紹介しないかぁ

  ?貴様のお眼鏡に叶った人物をみたいぞぉ」

 

 「ーーー」

 

 「なんだとぉ!この恥ずかしがり屋めぇ!!」

 

 貴女の知り合いですよ……なんて知ったら、翼さんは

どんな反応をするのだろうか。

 

 「立花は結婚……小日向は安定期……緒川さんも……先

  に行ってしまったぁ……」

 

 そう言えば、立花さんから招待状が来てたなぁ……結

婚式は翼さんにとっては複雑な心境なんだろう……でも

私にとっては後押しになった出来事でもある。

 

 「ーーー」

 

 「うるしゃい……飲まなきゃやってられん……マリア

  も私より先に結婚するんだろうさ……」

 

 「ーーー?」

 

 どういう意味なのだろうか……それを聞くよりも先

にスマホに着信が入る。

 今日はやけに電話がかかってくるものだ、と思いな

がら通話ボタンを押し耳にスマホをあてる。

 

 『お兄さん、今どこ?』

 

 「ーーー?」

 

 『調だよ、今すぐ来れる?というか来て』

 

 何かあったのだろうか?勿論迎えに行くために酒は

飲んでいないので可能だが、予想よりも大分速いな…

…と思っていると、予想だにしない言葉が聞こえてき

た。

 

 『知らない内にマリアがお見合いすることになって

  たみたい……しかもマリアはまだ知らないの』

 

 ……何ですって?

 

 『司令達のお節介みたい……たまたま司令達が話し

  てるの聞いちゃって、目的は脱出だけど相手が

  相手だから……時間は稼ぐから』

 

 そう言って通話を切る調。

 

 「……」

 

 「どうしたぁ?そうそう!叔父上がマリアに」

 

 「おい……行くぞ」

 

 「ん?……どこにだぁ?さむにだぁ!ぶふぉっ」

 

 翼の胸倉を掴み、耳元で小さく呟く。

 

 「お前にとっての……地獄にだよ」

 

 「ひぇっ……」

 

 正直……とても怒ってる。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

マリアside

 

 「こっちデスよマリア」

 

 「こっちに綺麗な庭が」

 

 「走らないの!もう……」

 

 仕事の打ち合わせって言うから来てみれば……豪華

なホテルで暫く待ってろなんて……帰りたい。

 

 「マリア、こっちだよ」

 

 「デデデース!」

 

 2人共、こんなホテル来たこと無いからはしゃいで

るのね……確かに、綺麗な装飾に夜景も見えて綺麗よ

ね。

 

 (ヤバいデース!出入り口は人が多くて無理デス)

 

 (時間は稼げる、なんとかホテル内をグルグル回っ

  てお兄さんが来るのを待つ)

 

 「どうしたの?」

 

 「な、何でもないデース!」

 

 「うん、お兄さんときたかったねって。

  切ちゃんと話してたの」

 

 「そうね、きっと楽しいわよね」

 

 本当は、今日会うはずだったのよね……はぁ、会い

たい。

 

 (お兄さんが来るまで……来たらお兄さんの所に行

  くんデスよね?)

 

 (そうだよ……あっ)

 

 (どうやって着いた事を知るんデスか!どうすれば

  良いデス!?)

 

 (でもマリアが知ったらお見合いだけして断る……

  って言うよ、司令達がわざわざ用意したんだから

  みたいに)

 

 (それは嫌デース!お兄さんとの用事を断ったのに

  他の男とお見合いなんて……どっちも嫌な気持ちに

  なるデース、それは私も嫌デス)

 

 (……切ちゃん、私が電話するから繋ぎっぱなしにし

  て、入り口辺りで待機して知らせるから)

 

 (デース!)

 

 はぁ……あれ?調はどこに行ったのかしら?

 もしかして迷子?

 

 「マリア、調は少し飲み物を買ってくるそうデス」

 

 「1人で?……まぁ、大丈夫よね」

 

 

 数分後 調side

 

 入り口は藤尭さんと友里さんが見張ってる……相手は

お偉いさんなのかな?……でもお兄さんよりマリアを幸

せに出来る人なんていないからダメ。

 

 「あれ?確か知り合いと飲むって言ってませんでし

  た?やっぱり気になったとか?」

 

 「あぁ……いや、そのですね」

 

 あれ?翼さんが藤尭さんと話してる……なんか様子が

変……後ろに誰かいる感じが 

 

 「がっ……なん……で」

 

 「友里さんもすいません!」

 

 「えっ……ぐっ……」

 

 あれ?……一瞬で二人を……翼さんで倒した……?

 翼さん"で"倒した?……あ、お兄さん!

 

 (切ちゃん、入り口にきて速く)

 

 『マリア!こっちです!『なに?どうしたの切歌』』

 

 それにしてもびっくりした……お兄さんが翼さんを武

器にして二人を瞬殺するなんて。

 

 「お兄さん、あと少しで来るから」

 

 「あ、調ちゃん……早く退散して」

 

 「君達!なにやってr」

  

 「サキモリ!」

 

 お兄さんの後ろから現れた、身なりが良くてどこか

で見たことある様な顔の男の人が、お兄さんに話しか

けた瞬間、防人ブレード(翼さん)で殴られ飛ばされ

る。

 

 「よし、殺った!」

 

 「えぇ……お兄さん流石に」

 

 「翼さんで殴ったから犯人は翼さんだよ」

 

 「……確かに」

 

 「お兄さーん、早くヅラ剥ぐデース!」

 

 「切歌、どうしたの?……ちょっ!ーーー、何でこ

  んな所に!?」

 

 こんな所で時間を使ってる訳にはいかない……。

 

 「お兄さん、マリアを誘拐して」

 

 「えっ……あぁ!」

 

 「ねぇ、何で皆倒れてキャッ……ちょっ、いきなり」

 

 マリアの困惑をよそに、お姫様抱っこで抱き上げそ

のまま外に向かっていく……よし、私達は。

 

 「取りあえず時間を稼ぐ」

 

 「どうやってですか?」

 

 「……私はトイレを片っ端から詰まらせるから、切ち

  ゃんは転がってる人達を集めて」

 

 「了解デース」

 

 でも、何でフロントに人がいないんだろ?

 ……でも、有利に働いてるから良いや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「遺憾であるが、奴には世話になってる……。

  後で菓子でも貰わねばな」

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

マリアside

 

 「あの……どんな状況?」

 

 「……まぁ、色々とね」

 

 何よそれ…こっちは訳も分からず連れだされて……

会えて嬉しいですけど?抱っこも嬉しかったわよ?

 

 「マリア」

 

 「なぁに……」

 

 「愛してる」

 

 「……ん"ん"///」

 

 私だって愛してるわよ!いきなりもう……もう。

 何で普段大人しい癖に……突然もう……もう!

 

 「私も……その……愛してりゅ」

 

 ……チーン……噛んだ……モウムリ……そんな私の心とは裏腹

に、車は止まる……ツライ

 

 「マリア、少し外に出ないか?」

 

 「うん……」

 

 言われるがまま、外に出る……。

 

 「ここは……」

 

 「マリアと初めて会った場所……覚えてる?」

 

 何の変哲もない公園……ブランコがあって、鉄棒が

あって、象の滑り台があって……それこそ、何処にで

もある様な公園……でも。

 

 「覚えてるわよ……貴方、よっぱらってたわよね」

 

 「最初、マリアだって分かんなくて……失礼な事し

  たよね」

 

 「気にしてないわよ……」

 

 それに、案外嬉しかったのよ?上着をかけてくれ

て、私に向かって"美人がそんな格好ダメだ!"って

言ったの……今まで言われた事無かったからね。

 

 「あの後さ、わざわざ還しに来てくれてさ」

 

 「当然よ、スーツの上着を返さないなんてありえ

  ないわ」

 

 「ドキドキしちゃったよ」

 

 「私だって……異性とそんなに」

 

 あれからよね、色々と遊びに行ったり喧嘩したり

、いつの間にか付き合ってたり、2人が貴方をテスト

するなんて言ったり。

 

 「本当……色々な事があったわね」

 

 「そうだね……これからも色々な事があるよ」

 

 「ずっと今のままでいられたら良いわね」

 

 このままの幸せが続けば良いのに……。

 

 「……それは……嫌だな」

 

 「えっ?」

 

 「……マリア、今日は言いたい事があってここに連

  れて来たんだ」

 

 どうゆう事?わからない……嘘よね?

 

 「ずっと迷ってて……色々考えてさ」

 

 嫌……嫌よ、聞きたくない……。

 

 「やっと整理がついたからさ……どうしても今日、

  言いたくて」

 

 「……そう……」

 

 いや……離れたくない……一緒にいて……。

 

 「マリア……俺と」

 

 ……やっぱり私は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「結婚してくれ」

 

 「……はっ?」

 

 「えっ?」

 

 そうゆう話だったの?

 

 「……ごめんなさい、別れ話じゃなかったの?」

 

 「えぇ!?そんな話してないよっ!?どうして?」

 

 「途中で『それは……嫌だな』とか貴方が言うから、

  てっきり別れて新しい人生を歩みましょう……み

  たいな流れかと思ったのよ!!」

 

 「何でそうゆう時だけネガティブなのマリアは!」

 

 「しょうがないでしょ!……もう……もう!!」

 

 深く考えて、勝手に落ち込んで……。

 

 「これじゃぁ私が恥ずかしい女みたいじゃない!!

  何でいつもこう」

 

 「落ち着いてよマリア」

 

 「別れる事になったら貴方を殺して私も死ぬ気だっ

  たわ!そこまで考えて勝手に自己嫌悪にも陥った

  りしたし」

 

 「怖っ!?てかマリア?」

 

 「もう……もう……」

 

 「……マリア」

 

 「何y!!?!?!?」

 

 思考が真っ白になる……言葉が出ない、唇が動かせ

ない……塞がれている。

 

 「……落ち着いた?」

 

 「……アタマ、マワラナイ」

 

 「……これまで以上に幸せにするし、俺も幸せになり

  たい……だからさ、マリア・カデンツァヴナ・イブ

  さん……俺と結婚して下さい」

 

 「……一生、側にいてよね……」

 

 「勿論だよ、マリア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 「……あら、どうしたの?」

 

 「マリア……実は君に会いたいって人が」

 

 「誰かしら?」

 

 「実は……平行世界の」

 

 あぁ、そうゆう事ね。

 

 「大丈夫よ、ほら」

 

 「……どうぞ」

 

 彼に言われて、私が入ってきた……何歳の時の私かし

らね。

 

 「突然でもうしわけ……」

 

 どうしたのかしら……あぁ、驚いてるのね。

無理もないかしら、平行世界のとはいえ自分の姿だも

んね……。

 

 「驚くのも無理はないわよね……」

 

 「ごめんなさい……予想してなかったのよ」

 

 「良いわよ、同じ年齢の時は私もそうだった」

 

 「その……貴女(わたし)は幸せ?」

 

 「ふふ……えぇ、とっても幸せ!もっと幸せになる

  わよきっ」

 

 「……そう、お邪魔したわね。

  協力を申し込みたかったけど……」

 

 何かあったのね……。

 

 「ごめんなさい、力になれそうにないわ」

 

 「いいえ、貴女の幸せを守るためにも……尚更私は

  異変を解決しなきゃ」

 

 「……頼んだわよ、マリア」

 

 「そっちこそ、ありがとね……マリア」

 

 そう言って、平行世界の私は部屋を出ていく……。

 

 「……今日は、良い日になりそうね」

 

 

 

 

 

 

 




 ……色々とね、ガバですがそこは個人で補ってくれると嬉しいな。

 ラブコメ最高!!エッチ最高!!ひび×マリがマイブーム。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。