Avengers Magicians report   作:猫七瀬猫八

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MCU、時間経てば経つほど作品が際限なく増え続けていくので、とりあえず今ある知識(フェーズ4)でヒーローを目指す物語にしていきます。矛盾無いところは足すかも。マジで新作の度に過去話も増えるので絡ませようと思ったらキリがなくて(フェーズ4からの増え方は異常)
どうしても絡ませたくなったら、過去は変えられなくてもタイムストーンもタイムマシーンもあるし、何とかします。それよりちょっとずつでも書きます…


修行の日々

前回のあらすじ

ヒーローになるために魔術を習い始めた。

 

 

紆余曲折あった訳だが、隠していても良い事なんて無いので、出来る限りエンシェント・ワンにスッキリ打ち明け師匠となってもらった。

もちろんウォッチャーやマルチバースについてのあれこれ、メタ過ぎるしある意味一番の厄ネタであるTVAこと時間変異取締局などだ。長年、ドルマムゥ含め驚異から地球を守っているヒーローの彼女、その毅然であり超然とした顔がまるでカートゥーンアニメのようにコロコロ変わっていくのは見ていて面白みがあった。

 

まあ見透かされ話が終わると同時に組み伏せられましたが。怒らないで…

 

そして、無事に修行を始めて2ヶ月、ハードな修行に耐え続け、前よりもいい顔つきになっていると思いたい。

ちなみに、思いもよらなかったが僕にはかなり魔術の才能があったようである。

化け物みたいに強い人たちと戦っていると全然分からないけれど、ここに辿り着いた者の中でも上位に入る習得速度と色んな方に褒められたからだ。嬉しい。多分特徴的なヒゲのドクターが来たら簡単に抜かされると思うけども。

要因を何となく考えてみたのだが、魔術とはイメージ。信じる力。考える力。MCUで様々な力や世界を見ているからか想像力も高く、かなりの速度で魔術を覚えることが出来たのだろう。

 

だが、超越者やマルチバース、宇宙規模の危機などが蔓延るこの世界で多少なり才能があったところでどうにもならないので、決して調子になんて乗っていません。断じて。ちょっとご機嫌なのは朝食のベーコンエッグの卵を久々に半熟に出来たからです。修行中にダンスを踊り始めるのはシンビオートに乗っ取られた時の為とタイタン星人とダンス対決でストーンの奪い合いをするためです。

 

 

 

 

⿴⿻⿸

 

 

 

 

「随分と調子に乗っているようですが、あなたの実力は私の足元にも及びません。修行を積みなさい」

 

 

まるで羽のように縦横無尽に舞いながら、間髪入れず技を繰り出してくる師匠。何度も吹き飛ばされるが、食らいつくように攻撃する。

 

 

「平常心を心がけなさい。魔術の質が落ちていますよ。」

 

「ご指摘ありがとうございます!」

 

 

多重魔法陣による連撃。師匠の力によって地面にたたきつけられ、動けなくなる。

 

 

「あなたは魔術の素質はありますが、冷静さを保つのが苦手ですね。鍛えるべきです」

 

「そう言われても、如何せん僕は平凡育ちなもので!」

 

 

立ち上がり、正中線へ連撃。いなされる。

もちろん師匠は修行で手を抜かない。殺す気かと錯覚するほどに攻めてくる。実際殺す気なのかもしれない。そんなのと一般人育ちが戦えるようになっただけ凄いと思う。

 

 

「これから激しい戦いが待っているのです。いつまで素人のつもりですか?」

 

「厳しい言葉…痛み入ります…!」

 

 

会話しつつ攻撃をいなし合い、激しい次元の火花が飛び交う。魔力の具現化、エルドリッチ・ライトがぶつかり、爆発音と共に弾けた。

師匠のエルドリッチ・ライト、魔法陣から扇形への展開はドクターストレンジ作中で見た事があったが、実際に目にしてみれば、その精密さや術の強度、攻撃力の高さに感嘆してしまう。

そして流麗に舞い、汗一つかかずに技を繰り出す師匠は、流石魔術の真髄と言うべき美しさを感じさせた。

 

 

「クソッ…!見惚れてもいられないな…!」

 

 

隙を見て魔法武器(レリック)を取り出し応戦する。レリックとは作中曰く、使用者を選ぶ魔法武器だ。

浮遊マントはかなり位の高い魔法道具なので、あれほどがっつり選ぶものは滅多に居ないのだが。それでもそれぞれの武器に適性があり、使用者との相性で使えるかどうか決まるのは事実だ。

そして、魔術的才能があるほど、多くのレリックを使いこなす事が出来る。

 

僕のレリックは短剣程の大きさから瞬時に伸縮変形する蛇腹剣だ。

ネーミングはムラクモの剣。かの有名な剣と同じ名前だが、神的存在が実在するこの世界なので曰くの品なのだろう。超越存在はやめてね…

そして相性がいい為か、今では手のように器用に扱え、中〜近距離の戦闘ではかなり優位に動ける。まるでドックオクでは。ドクター違いでした。

とは言っても、勝てるとは言っていない。

 

 

ムラクモが地面を跳弾の様にはね回り、死角へ向かう。それを簡単にたたき落とす師匠。

そのまま流れるように魔法扇を投擲した。瞬間的に回避して、体勢を整える。

見れば、さっきまで居た場所が粉々になっていた。

 

 

余裕綽々の師匠の顔が見える。

 

 

師匠は近距離戦闘がメインだが、もちろんソープリ(略語)なのでかなりの術を修めており、問答無用で全てこなせるオールラウンダータイプだ。

まあ場数が違うってことなんだろうが、本当に隙がない。未来でカエシリウスが師匠を殺した時のように、完全に不意をつかなければ一撃も当てられないだろう。いや、もしかしたらわざとやられたのかもしれないしな。底が見えない。

 

 

「戦闘訓練にも慣れてきましたね」

 

「師匠の教え方が素晴らしいだけですよ」

 

「茶化さなくても良いですよ。素直に受け取りなさい。さて、今日のところはここまでにしましょう」

 

「ご指導ありがとうございました!」

 

 

師匠の一言により気が抜けてしまう。何とか修行が終わった。最近は毎日死にかけている気がする。才能があったのは嬉しいのだが、この人、出来るとわかると修行の密度がとんでもないのだ。

無慈悲で寛容とか言われていたが、無慈悲率がかなり高い。鍛えれば鍛えるほど強くなるとかサイヤ人か。理知的に見えてゴリゴリの脳筋である。重要なのはパワーであることがよく分かった。

 

 

「マスターハミヤ、クラークと魔法陣の訓練を続けて下さい」

 

 

そう言って諸用に出かける師匠。こちらに来たマスターハミヤは一礼をして修行場に入る。

マスターハミヤが魔法陣を展開し、それに習うように僕も魔法陣を展開する。

要は見本の魔法陣と同じ魔法陣を展開することで、複雑な魔法陣を瞬時に読み取り展開する修行だ。

 

作中でも出ていた片腕の魔術師、マスターハミヤだが、この人、無口なだけでかなり優しい。

案外話しかけたら答えてくれるし、分からないことがあれば分かりやすく教えてくれる。

師匠のようにスパルタに教える訳では無いので、そういう意味でも厳しい修行の後にマスターハミヤとの修行を挟むことで、バランスを取っているのだと思った。

 

 

さて、マスターハミヤとの修行も終わり、日課のアストラル読書タイムに入る。同時に考え事も忘れない。

習得できるまで何年かかるかと思っていた魔術だが、師匠の修行のかいあってか2ヶ月ですらここまで高めることが出来た。マスターの面々と模擬戦してもいい勝負できるところからも戦力として申し分ないのが分かる。

 

チタウリ兵相手なら既に戦えるはずだ。戦闘力が高まるのは、僕の目的としても早ければ早いほどいいので、嬉しい限りである。

このままならキャロルの件に関わってしまってもいいかもしれない。まあ部外者が関わりにくい問題ではあるが、ここで関われればちょっと陽気な頃のニック、スクラル人の面々、キャロルというキーパーソン達と知り合いになれるのだ。

 

ニックがどんどん疑心暗鬼になる前に知りあえれば少しは信頼も得られるだろうし、スクラル人、特にタロスは今後のマーベルで関わってくるはずだ。ファーフロムホームで出てたし。キャロルは言わずもがなである。

その後キャロルがキャプテンマーベルとなり、宇宙中の平和を守ろうとあちこち飛び回ってるのだから、それと同じように能力に目覚めたから某仮面ライダーぽく通りすがりで人を助けるヒーロー活動をしているという雰囲気を出せば、多分理解してくれるはずだ。してくれないかな?いや何とかする。

 

そうすればアベンジャーズ計画にも間違いなく組み込まれるだろう。他のメンバーとの知り合い方も怪しくない。

僕みたいなのが突然NYで合流したら混乱がさらに大きくなる可能性がある。フェーズ1だもん。まだ超人の数は多くないし、何人か話聞いてくれなさそうだからね。

 

よし、そうと決まればひたすら修行の日々である。

妥協は許されない。最善を尽くす。

 

出来るだけ取りこぼしたくないからだ。

 

悔いが無いようになんて言っても、すべて上手くいく訳じゃない。山ほどの後悔をするだろう。

それでも僕はヒーローとして進みたい。この世界の人々の輝きを守りたい。

美しくも残酷な、この宇宙と共に生きるために。

 


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