IS―空の彼方へ―   作:神楽 光

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 あ、やべぇ........鈴ちゃんがすっごい悪役になっちゃった.....。


 まぁ、良いよね。


第7話 猫と理不尽

 それから、一夏との会話が増えた。一夏から話しかけてくることが多くなったからだ。だが、一夏と話している途中で必ず遮ってくる人がいる。────篠ノ之箒だ。

 まぁ、別にそれ事態は問題ない。僕自体に被害が無いからだ。毎回一夏の方から話しかけてくるし、それも全部他愛ない世間話だ。遮られたとしても問題はない。

 

「なぁー耀夜」

 

「.....なに?」

 

「どうやってISとかの用語覚えてるんだ?」

 

「.........小さい頃にね、趣味みたいなものにしてたんだ。だから色々知ってる。あ、これ、いる?」

 

 そう言って自作の辞書を差し出す。もちろん原本ではなくコピーだ。というか印刷。

 

「え!? マジで!? ........こんなの作ってたのか。ありがとな!」

 

「.....うん」

 

 喜んで貰えるのは素直に嬉しい。ただ、使いっぱしりみたいなことは普通にしたくない。

 

......うお。これ分かりやすいぞ....

 

 そんなこんなで、今日は過ぎていった。

 

 

 

 ────因みに、昼食時に一夏が誘ってきたが、篠ノ之が強引に二人きりにしていた。一夏は不満げな顔をしていましたとさ。まる。

 

 ■■■■

 

 翌日。いつものように朝の鍛練をして、学園へと向かう。教室に入って目に飛び込んできたのはクラスメイトが一夏に詰め寄っている光景だった。

 

「織斑くん! 絶対優勝してね!」

 

「私たちのデザートパスの為に.......!」

 

「専用機持ちは他に四組がそうみたいだけど、まだ未完成で対抗戦までに完成するのは無理みたい」

 

「これは楽勝だね!」

 

「ん~そうかな~?」

 

「その情報、古いよ......!」

 

 っと、来たようだ。

 声が聞こえてきたのは教室の前の扉。背を扉に預け、腕を組んでニヒルに笑っている。

 少女のような彼女名は(ファン) 鈴音(リンイン)。中国代表候補生。第三世代IS【甲龍(シェンロン)】を扱い、驚異的な速度で代表候補生まで駆け上がった天才だ。........第三の暴力ヒドインだ。

 特に、隠し事とかはしない性格(恋愛以外)で、相手の懐にズケズケと入ることができる。.......ある意味化け物だ。

 

「お、おま......鈴、か?」

 

「そうよ、一夏。久しぶりね」

 

「おまえ........似合わないぞその格好」

 

「う、うっさいわね! そんなことどうでもいいのよ!」

 

 あ、先生が来た。一夏もそれを見て、いやクラスの人間全員が席に着いた。なかなかスムーズな動きだった。

 

「おい」

 

「なによ! ひ、......千冬サン」

 

「既にホームルームがはじまるじかんだ。自分のクラスへ戻れ鳳。後織斑先生だ」

 

 もう定型文と化している。.......間近で見ると面白いよね、こういうの。

 鳳は捨て台詞を言った後、脱兎のごとく逃げ出した。

 

 ■■■■

 

 昼休み。お弁当を持って屋上へと向かう。実は、そこまで食堂を利用していない。一時期は使っていたのだけれど、必要がなくなったからだ。

 ......後、行ったら行ったで傷つくだけだからね。

 一人でモソモソと自分で作った昼食を食べ終わり、ボーッと空を見上げる。

 

 いつ見ても綺麗だ。

 

 透き通る青空。真っ白な雲。────まさしく、心が透く光景だ。

 

 

 

 ────行きたい、なぁ。

 

 

 

 

 そのまま数十分たった。昼休みの終わりが近づいてきたので、教室に戻る。

 

「......あっ! 耀夜さん、どこにおられたのですか?」

 

「.......え? ああ。.......屋上に」

 

「そうだったのですか.......。屋上に.....」

 

 ポソリとセシリアはもらす。

 

(わたくし)も今度お邪魔しても宜しいですか?」

 

 .......む。うーん。.......どうしようか。

 

「ダメ、ですか?」

 

 考えていると、セシリアが泣きそうになった。何で!? 

 

「ああ、いや! 別に、その、だ、大丈夫.......多分

 

「......そうですか! それは良かったです!」

 

 目茶苦茶いい笑顔になった。ただ、目尻に涙が溜まっているのが見える。早まっただろうかと一瞬思ったが、それを見てまぁ別に良いかと思い直した。

 

 こうして、僕の昼食が少しだけ賑やかになった。

 

 ■■■■

 

 その夜。部屋で簪と本音(自分も名前で呼んで欲しいと言われた)に勉強を見てもらっていた。

 

 本音......勉強できるんだ......。

 

「むっ。今私のことぶじょくしたでしょ~」

 

 ぷんぷんという擬音語がつきそうな感じで怒る本音。正直怖くない。

 

「ご、ゴメン。本音って以外と勉強できるんだな~って、思って...」

 

「えへへ~。もっと褒めても良いんだよ~」

 

 機嫌がなおったみたいだった。早い。ああ、でもこの笑顔に癒される.........。

 でもほんとに、勉強教えるの上手いな...。ISの整備に関しては代表候補生の簪以上の知識がある。

 

「実はね~? お姉ちゃんにもしもの時の為にって教えられたんだ~」

 

 へぇ........お姉さんが.......。

 簪がお姉ちゃんの所でビクリと体を震わせた。

 少し気になるけれど、あまり触れてはいけない話題だろう。

 

「私が........なのだから.......!」

 

「だったらアタシも..........よ!」

 

 と、そんな話をしながら勉強をしていると、遠くで凄い物音が聞こえた。

 

 あぁ、そういえば鳳鈴音が来たときはこんなイベントもあったなぁ。

 それからドタバタして、シン......と静まった。

 

「.......」

 

「.......」

 

「.......」

 

「........勉強、終わろうか」

 

「「.......うん」」

 

 ■■■■

 

「あっ.......」

 

「あ.......」

 

 翌朝。IS学園の周囲を走っていると、鳳鈴音にばったり出くわした。

 

「.......何で此処にキモブタがいんのよ」

 

 .........え? 

 

「あぁ、それじゃあブタに可哀相ね。ブタだって生きている価値があるんだもの。......そうね、キモいカスかしらね」

 

 ──────。

 

「どきなさいよ。邪魔よ」

 

 スッと左に避ける。頭で考えるよりも、体が動いていた。

 

「あら、ちゃんと言葉は理解してるのね.......そうだ!」

 

「.........グフォアッ!」

 

 横を通り抜ける時に、腹を殴られた。

 

「........良いサンドバックを見つけたわ

 

 ボソリとそんな言葉を発し、そのまま去って行った。

 

 そうか。幸せを一度でも享受したら、不幸が来るのか。

 

 まさしく、禍福(かふく)は縄の如く(あざな)えり。

 

 一夏とセシリア、簪、本音と仲良くなった()()で、鳳鈴音に、イジメられる。

 

 

 僕の、これからの学園生活は――――絶望に彩られた。




 さて、タイトルの猫の話をしましょう。とある作品で、鈴ちゃんが猫みたいだって書いてありました。それから取ったわけです。
 ついで、理不尽は最後の所ですね。さて、この後はどういう展開にしてい来ましょうか......予想してもいいんですよ?(露骨)

 ちなみに、耀夜のISはチートになる予定です。今のところ一切出てないけどね.......。

現在の好感度
 箒:0(興味なし)
 一夏:50(親友)
 セシリア:88(ちゅき)
 簪:88(ちゅき)
 本音:???
 クラスメイト:0(無関心)
 鈴:-50(大嫌い♪) 



  .......早くイチャラブ書きたいなぁ。

物語の今後

  • バッドエンドきぼー
  • ハーレムハッピーエンド(鈴以外)
  • ヒロインは本音、簪、セシリアのみ
  • むしろ鈴をヒロインに

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