アズールコンバット~うちのルーキーが、なんかおかしい~   作:狸より狐派 ハル

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エースコンバットの主人公ってよく考えたら、みんなおかしいよね。上層部もだけど。


ルーキー着任、及びブリーフィング

【ユニオン、とある前線航空基地】

 

 

突如異次元の穴からセイレーンが現れた。今回が初めてではなく二度目で、前回よりも強くなってきていた。そのせいで各国は大きなダメージを負い、基地を奪われた。

 

ユニオンで唯一奪われていないこの前線基地、どこよりも危険になっているこの場所に1人のルーキーが訪れた。

 

「初めまして、私はこの基地の指揮官、TAC(タック)ネーム【ラングレー】と言います。貴方が今回ここに着任した・・・TACネーム【メテオ】、ですね。訓練生期間の実戦部門を首席で卒業、推薦で特殊訓練を受かったと聞きました。貴方には期待をしていますよ」

 

子供のような体格をしていながらも、しっかりとした顔つきでそういう彼女。目を(つむ)りメガネを指で調整しながら続けざまにこう言った。

 

「この基地は聞いていると思いますが、現時点でユニオン唯一の前線基地となっています。なので敵であるセイレーンが現れたら真っ先に出撃しなければなりません。新入りであるあなたが、いきなりここに配属するというのは本来あり得ないことですが・・・それほど状況が緊迫しているということです」

 

セイレーンは強かった。使っている兵器こそは()しくもこちらと似たようなものと言っても良いもだが、数が多く一つひとつの性能も高く、そして確実的な戦法で追い込んでくるのだ。そのため人類は苦戦を強いられることになった。

 

「これからは激戦を余儀なくしていくことになるでしょう。ですがこれはこの世界の人類を守るため。メテオ、覚悟はできていますか?」

 

その答えに対し、メテオはしっかりと(うなず)いた。

 

「よろしい。さて、今日は長旅で疲れてるでしょうから指示があるまで自由に過ごしてください。この基地の内部地図は・・・持ってますね。私は指令室に戻ります。何かあったらそこに・・・ん?」

 

ラングレーが耳につけていた無線機に気を取り始める。彼女は無線相手の話を聞いた直後、一気に険しい顔つきになった。

 

「本当ですね!?わかりました!私もすぐそちらに行きます!メテオ、緊急事態です。直ちに作戦室に向かってください。私も後ですぐに向かいます!」

 

そう言うとラングレーは急いで走り去っていった。メテオは地図を確認し、作戦室に向かった。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

【作戦室】

 

「皆さん揃いましたね、今から作戦ブリーフィングを始めます」

 

モニターが彼女が喋っていると同時に起動する。そこにはこの基地とその回りの広範囲の地図が出た。

 

「まずは一旦ここに新しく配属された方の紹介をします。この方がルーキーのTACネームメテオです」

 

「メテオって言うんだね、よろしく!」

 

金髪で長いサイドテールの女性が握手を求めてきた。メテオはそれに答える。

 

「申し訳ありませんが、時間が一刻も早くほしいので紹介はここまでです。まず貴方たちを集めたのは、ここに敵襲がやって来るからです」

 

モニター地図の基地から離れたところに、こちらに向いている小、大の赤い矢印が現れる。一目で敵とわかった。

 

「ここからセイレーンの【爆撃機部隊】がやって来るという情報が入りました。爆撃機の数は4機、護衛は先頭2機の爆撃機に4機、後方の爆撃機に2機ずつついています。皆さんはこの全ての爆撃機を撃破してください」

 

「了解、けどこっちに増援は?」

 

「増援は期待できません。現戦力のみで撃破をしてください。また、爆撃機部隊以外の敵影は確認されていません。作戦は以上です。直ちに出撃してください!メテオは彼女が(ひき)いる【ネイビーキャバリアー隊】、通称【ネイビー隊】に参加してください」

 

「けどメテオの機体は?」

 

「機体なら既に用意してあります!」

 

「そうか!よし、みんないくぞ!ネイビーキャバリアー隊、出撃だ!」

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

【前線基地周辺上空】

 

《こちら前線基地指令室、ラングレー。各機聞こえますか?》

 

《こちら【ネイビー1、クリーブランド】、聞こえるぞ》

 

《【ネイビー2、コロンビア】、感度良好!》

 

《【ネイビー3、モントピリア】、問題なし》

 

《【ネイビー4、デンバー】、大丈夫だよ》

 

《四人ともよし。メテオ、貴方はコールネーム【ネイビー5】として動いてください》

 

《いきなり災難だね~、配属早々出撃だなんて》

 

《まぁ大丈夫だよ、危なくなったら迷わず私たちに頼って!》

 

《・・・姉貴の足は引っ張るなよ》

 

《こら、モントピリア。プレッシャーかけない!こちらクリーブランド。メテオ、モントピリアはちょっと厳しい感じだけど悪いヤツじゃないんだ。だから何かあったら私たちに任せて!》

 

《そーそー!モンピーは実力は確かなのに、コミュ力は致命的なまでにないからねー》

 

《うるさいぞ》

 

《あーごめんごめん。・・・と言うかさ、メテオの機体ってこれしかなかったの?》

 

彼女、コロンビアがいうこれとは、メテオが乗っているF-4(ファントム)(以後F4)のことだ。この機体はジェット機そのものが開発された最初期のもので、安定性が高く今でも改良を施して使われているものだ。だからこその不安があるのだろう。

 

なお、ネイビーキャバリアー部隊が乗っているのは、全てF4の後継機、F-16だ。

 

《はい。ですがこう言うときのために、あらかじめ全ての機体をメンテナンスしておきました。問題はありません》

 

《そうか。!、レーダーに敵を発見!》

 

《こちらでも確認しました!交戦してください!》

 

《了解!ネイビーキャバリアー隊、戦闘開始(エンゲージ)!!》

 

5機はスピードを上げる。目視で見えるところまで接近すると、敵機もこちらに来ていることに気づく。数は4機だ。

 

《こっちに来る敵は4機!コロンビアとデンバーは引き付けて!モントピリアとメテオは着いてこい!》

 

クリーブランドが指示し、ミサイルの射程距離内入った直後、敵からミサイル攻撃がきた。

 

ターゲットはモントピリアとクリーブランド、このミサイルは二人が大きく曲がったことにより、避けることができた。

 

《大丈夫姉貴!?》

 

《無事だ!後は頼む!》

 

その後指示通り、2機は敵追撃部隊を誘き寄せ、3機は爆撃機に向かっていった。

 

《それじゃあ後はよろしく、姉貴!》

 

《ほーらー、こっちだよー!》

 

二人はそう挑発する。一方三人の内であるクリーブランドは次の指示を行った。

 

《モントピリアは右の爆撃機を!私とメテオは左をやる!》

 

《しかし姉貴!姉貴の後ろは僕と決まっていたのでは!?》

 

《ルーキーを1人にしておけない!それにモントピリアなら出来るだろ!!》

 

《っ!!・・・了解、右のを攻撃します!!》

 

《よし!メテオ着いてこい!》

 

モントピリアが離れ、メテオはクリーブランドの後ろに着く。敵も黙ってはおらず、爆撃機についていた残りの2機ずつが三人にそれぞれ襲ってきた。

 

《まずは護衛機から落とす!メテオは左のを!!》

 

こちらに来る右の敵機をクリーブランドがロックオンすると同時にミサイルを発射した。メテオも左の敵機に放つ。

 

二人のミサイルは右のには命中し残骸と化した。しかし左のはギリギリで避けられてしまう。

 

《そっちは外したか!そいつは私がやる!爆撃機は任せた!》

 

クリーブランドは、かわした敵機に接近しようとした。メテオは彼女の指示通り、爆撃機に接近する。

 

爆撃機にロックオンが確認されると、もう一度ミサイルを発射した。そのミサイルは遅い爆撃機に今度こそ命中した。だがこの機体は耐久力が高く、一発では倒せないものだ。だからメテオはターンをし、爆撃機の後ろに着く。そしてリロードしたミサイルを再び発射する。

 

・・・当たった。だがまだ落ちない、メテオは出来るだけ爆撃機に近づき、機銃で攻撃した。

 

無数に放たれた弾丸は爆撃機に全て当たり、そして爆撃機はやっと破壊された。

 

《メテオが爆撃機の撃墜を確認!》

 

《ナイスメテオ!!こっちも片付けた!》

 

クリーブランドがメテオを褒めた。それと同時にモントピリア、コロンビア、デンバーもこちらに戻ってくる。

 

《やったじゃん!流石期待のルーキー!》

 

《姉貴がいたからだ。爆撃機だけなら誰でもやれる》

 

《まぁまぁ。姉貴、このまま敵を全部倒そう!》

 

《よし!ネイビー隊全機、残りを落とすぞ!》

 

《ラジャー!!》《了解!》《わかりました!!》

 

揃った5機は後方の部隊に行こうとする。敵部隊はもう目視でもなんとか確認できるほどに近づいてきていた。その直後、全敵護衛機がこちらに急接近している。しかも先程の護衛機よりも速い。

 

《な、なんか速くない!?》

 

《っ!あれって強い機体じゃん!もう出してくるなんて!!》

 

《まさかここまでやるなんて・・・!メテオ!!私たちでアイツらを引き付ける!!爆撃機を全部落としてくれ!!》

 

4機は散開し、それぞれの敵を引き付けようとした。しかし敵の1機がメテオを襲おうとする。

 

《お前の相手は私だ!!》

 

そうはさせないとクリーブランドは、その敵機の後ろについた。敵はメテオから離れ、彼女とドックファイトを始める。

 

《メテオ!今だ!》

 

メテオは爆撃機に接近した。

 

 

・・・すると、なんと爆撃機2機は突然猛スピードを出し始めた。

 

《っ!このスピード!今までにないものです!このままではすぐに基地に来てしまいます!!》

 

《なんだって!?》

 

《メテオ!急いでください!!》

 

メテオは加速した爆撃機とスレ違ってしまった。が、すぐにその場で急Uターン、通称ハイGターンをかました。

 

即座に爆撃機の後を追うような形となったが、爆撃機は想像以上の速さを出して飛んでいる。間に合うか。

 

エンジン全快でメテオの機体は飛ぶ。その差はなかなか縮まらなかった。

 

《お願い・・・間に合って!》

 

ラングレーが願うように呟く。

 

・・・しばらくすると、その願いが届いたのか差が縮まり始める。どうやら()()()はあっても、()()()()はこちらの方が上だった。

 

徐々に追い付き・・・そして射程距離に入った。

 

《攻撃して!!》

 

彼女の叫びとほぼ同時に、ミサイルが発射された。その直後メテオは即座に特殊兵装に切り替え、通常ミサイルよりも追尾能力と破壊力の高いミサイルを放った。

 

通常ミサイルが当たった直後、特殊ミサイルも当たる。爆撃機は見事に爆発した。

 

《1機撃墜!あと一つ!!》

 

先にを飛んでいる爆撃機に接近する。基地との距離は近い。

 

《メテオ、ミサイル発射!!》

 

リロードした通常ミサイルを発射する。そしてまた特殊兵装に切り替えた。

 

しかしこちらはまだリロードがわずかに出来ていない。通常ミサイルが着弾すると同時に完了した。

 

すぐに放たれた特殊ミサイルは二発とも並走して爆撃機に飛んだ。

 

そして爆撃機は成す術もなく、当たった。

 

《特殊兵装命中!!》

 

喜びの混じったラングレーの声が響いた。・・・ところが。

 

《・・・!?爆撃機から爆弾が投下!?》

 

なんと爆撃機が爆発する直後、燃料気化爆弾が投下されてしまった。

 

木っ端微塵になる爆撃機を他所に、爆弾は基地に向かって行く。

 

《・・・!ダメっ!!》

 

一気に絶望へと落とされたラングレー、血の気の引いた顔つきでこっちに向かってくる爆弾を凝視していると━━━━━━━

 

 

 

メテオがミサイルを発射した。

 

《め、メテオ!?》

 

放たれたミサイルは只々真っ直ぐに飛んでいく。そう、メテオはなにもロックオンをしていないでミサイルを飛ばしたのだ。ミサイルは本来敵機をロックオンしてからのみ本領を発揮できる武器だ。

 

なぜミサイルを?だがラングレーはすぐに理解できた。

 

いやまさか、それだけしか方法はないにしてもそんな。

 

メテオの放ったミサイルはそのまま真っ直ぐに飛んでいってしまい━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燃料気化爆弾に直撃した。

 

《っ!!?》

 

《こちらクリーブランド!ラングレー!無事かっ!?》

 

《・・・・・》

 

《ラングレー!!返事をしてくれ!!》

 

《・・・・・》

 

《・・・・・ラングレー?》

 

《・・・はっ!?すっすみません!!こっちは問題ありません!!》

 

《問題ないって、さっき爆弾が投下されたんじゃ!?》

 

《・・・それについてはもう大丈夫です。メテオが・・・やってくれました》

 

《えっ?どういうことだ?》

 

《それよりもそっちは無事ですか!?》

 

《こっち!?あ、ああ、私は敵を落とした!モントピリア!コロンビア!デンバー無事か!?》

 

《こちらモントピリア!敵を撃墜した!》

 

《姉貴~!こっちも大丈夫だよ~!》

 

《私も無事だよー!》

 

《各機体無事だ!メテオは!?》

 

《メテオには異常なし!!作戦は成功です!!》

 

《よしっ!!メテオよくやったぞ!!》

 

四人は喜びをあらわにした。モントピリアも顔こそには出さなかったが、内心深く安心していたのだった。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

【作戦室】

 

「本作戦において全爆撃機、及び護衛機の撃墜に成功しました。この前線基地の被害はゼロ、怪我人もいません。本当にギリギリでしたが、ネイビーキャバリアー隊のおかげで作戦は成功しました」

 

「本当にギリギリだったんだよね?いやーメテオがいなければどうなっていたことやら!」

 

「そうえば爆弾が投下されたんじゃないか?」

 

「あー確かに!その爆弾ってどうなったんだっけ?」

 

「投下された爆弾についてですが・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「おー!・・・・・へ?」

 

「・・・・・ラングレー、もう一回言ってくれないか?」

 

「えーっと・・・・・もう一度言いますが、メテオが()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()んです・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

「「「・・・・・嘘ぉおおおおおおおおおおぉ!!!??」」」

 

全力で驚く三人、モントピリアはまた声こそ出しはしなかったが、顔はしっかりと驚愕した表情となっていた。




空中に投下されたロックオン不可の投下物等を撃ち落とす仕事ってエース必修科目らしい。

エースってやっぱり頭おかしいと思うのは俺だけじゃないはず。
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