アズールコンバット~うちのルーキーが、なんかおかしい~   作:狸より狐派 ハル

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感想を書いてくれた人が前進翼について教えてくれたのですが、機動性が高い代わりに折れやすいようですね。



・・・けどエスコンじゃ普通に出ているのはなんで・・・?



まぁベルガの科学力があればわからなくもないか。



それでは、ご覧下さい。


ハイエナ隊、スカベンジャー

【山岳地帯】

 

『スカベンジャー、エンゲージ(戦闘開始)

 

《クリーブランド、エンゲージ(戦闘開始)!!》

 

《メテオ、エンゲージ(戦闘開始)!!》

 

お互い正面に向かい合って6機は山の上を高速で飛ぶ。しかし、ハイエナ隊の先頭から横に向き始めた。

 

《!、なにする気だ!?》

 

横を向いてくれたお陰で目視できるほどの形を見せてくれる。そのやや小柄で前進翼をした機体を見て、ラングレーは敵を理解した。

 

《あの機体・・・!ハイエナ隊です!軌道力が高く小回りが非常に得意な部隊です!気を付けてください!》

 

《小回り・・・!》

 

メテオを先頭に2機は4機の後を追う。射程距離はまだ外だが、恐らく追い付くであろう速度でこっちは飛んでいた。

 

しかしまだ射程距離の範囲に入りそうにない先をスカベンジャーたちが飛んでいると、

 

突然ハイエナ隊全機が左に機体をロールし、そしてこちらに向かってくる形となった。

 

その動きははハイGターンのように派手ではないが、転回速度が速く、直ぐにこちらを向いてきた。

 

《っ!もう!?》

 

再び向かい合った形となったため、射程距離範囲に一気に接近する。

 

メテオは入る直前に機体を斜め右上に上げ、クリーブランドも反射的に同じ行動を取る。

 

直後にスカベンジャー、ハイエナ2がミサイルを発射した。それらは範囲内に入ったと同時に発射されたため、前方の2機へと向かっていく。

 

《くる!》

 

ミサイルは敵にぶつかるために曲がる。戦闘機よりも速い2発はあっという間に差を縮めた。

 

ところがこのミサイルは、あらかじめ曲がっていた2機のエンジンの後ろを通りすぎてしまった。

 

《かっ回避!》

 

早速来た危機を避けれたことに、クリーブランドに少し余裕が生まれる。

 

・・・がハイエナ隊はクリーブランドたちとすれ違いに合わせてまた転回、あっという間に立場が逆転した。

 

全機は全速で飛びながらメテオたちは引き離すために、スカベンジャーたちは追い付くために曲がり始める。

 

《小柄な機体に前進翼で素早くしつこく相手を追う・・・こちらは先の戦闘で消耗してるのでそこを突いてきたのでしょうか。まさにハイエナのようですね》

 

《ラングレー!アイツらに弱点とかないの!?》

 

《あの部隊は機動力が高い分耐久性が少ないと言う報告があります!少しでも機銃を当てればそれなりにダメージは稼げるハズです!》

 

《そうか・・・!問題はまず当てれるかどうかなんだよな・・・!》

 

そう情報を手に入れている最中、敵の射程距離範囲がこちらに近づいて来ていた。

 

《メテオ!攻撃がまたもうすぐ来るぞ!!》

 

そうクリーブランドが言うとミサイルが後ろから発射された。追尾するそれはまた2機の差を縮めさせ、最終的にはメテオに刺さりそうになる。

 

《メテオ!お前に来てる!》

 

ファントムは当たる直前、ハイGターンで曲がる方向にさらに向いた。すぐに解除し、ミサイルはまたエンジンの後ろを通りすぎる。

 

メテオはすぐに機体を逆方向へと傾け、翻弄するためにトリッキーな動きをしようとする。

 

だが機動力を上回るハイエナ隊機はそれに難なく会わせてくる。そしてまたミサイルがメテオにやって来た。

 

《注意!ミサイル!》

 

ラングレーの掛け声のもと、ファントムはまたミサイルをかわした。だがすぐにミサイルが襲いかかってくる。しかもまたメテオにだ。

 

それも避けるが、またミサイルが来て、それまた避ける。メテオの斜め後ろにいるクリーブランドが違和感を感じた。

 

《アイツらさっきからメテオだけに攻撃してないか!?》

 

《確かに、一体なぜ?》

 

スカベンジャーたちの任務は()()()()()()()()()()()であることを知るよしもないが、その違和感はしっかりと当たっていた。

 

もしかしたら今の状況を利用してメテオとクリーブランドを別れさせてから撃墜をしようとしているのかもしれない。現にクリーブランドはメテオの動きに着いていくのに精一杯なのだ。

 

(まさかメテオがこんなに動けるなんて・・・その分必死なのか・・・!?)

 

《ミサイルがまた来ます!!》

 

そのミサイルは案の定、ファントムへと飛んでいる。メテオは機体を真上に上げ、ミサイルを曲がりきれないようにした。

 

実際に曲がりきれなかったミサイルを確認するとすぐにラングレーに助けをクリーブランドは求めた。

 

《どうすれば良い!?このままじゃいずれメテオが落とされる!!》

 

珍しく焦りながら彼女は叫んだ。

 

だがすぐには答えが帰ってこない。ラングレーはある決断をしようとしていたからだ。

 

《ラングレー!!頼む!!》

 

《・・・・・・・》

 

《ラングレー!!》

 

《(・・・・・・・・・・・やむを得ません!!この状況ではメテオとグリーンランドがもたない!)

 

メテオ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【マニューバシステム】を起動してください!!!》

 

《!!、それって!!》

 

《この状況を打破するにはこれしかありません!!メテオ!!マニューバを発動してください!!

 

クリーブランドは一旦メテオから離れて下さい!!》

 

《っ!!わかった!》

 

F-16はファントムから離れるために機体を逆へとロールさせた。するとスカベンジャーたちはクリーブランドを始めから気にしてなかったのかメテオだけを4機で追い始めた。

 

『F-16が離れました』

 

『そっちはハイエナ4が囮となって。他はファントムを追う』

 

『『『了解』』』

 

返事を終えると1番後ろの機体が離れ、他のハイエナ隊がさらにスピードを上げてきた。レーダーではすっかりとミサイル射程距離範囲を覆い、当たっても可笑しくない距離だ。

 

ハイエナ2、3が機銃を放つ。当たりはしないがプレッシャーには十分の威嚇射撃だ。スカベンジャーはファントムを凝視する。

 

(・・・操縦が上手い・・・オブサーバーの話だと、ファントムの操縦士はまだ空軍に正式に入ったばかりと言ってたけど、それを思わせない)

 

内心感心するスカベンジャー。その直後、そのファントムが機体を真っ直ぐにした。

 

これは誰からの目にも、後ろについているものにとってはどう見てもチャンスだった。

 

『(隙アリ)FOX2(ミサイル発射)

 

発射されたそれは真っ直ぐに、ロックオンされてないかのようにブレをほとんど出さずに飛ぶ。またハイGターンで避けたら、こちらの機体の機動性を生かして真後ろの至近距離に持ち込めば良い。

 

撃墜は時間の問題・・・のはずだった。

 

(・・・避けない?)

 

スカベンジャーはほんの一瞬の流れを瞬時に読み取った。ミサイルは当たる直前。なのにファントムは避けようとしていない。

 

反応が遅れた?そう予想した彼女。

 

すると━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《回避してください!!》

 

ファントムはミサイルと接触したかに見えるほどの寸前のところで高速でロール━━━━━━━

 

いや、

 

()()()()()()()()()()()()()

 

『!!』

 

スカベンジャーは目を見開く。当たり損ねたミサイルはあっという間にファントムを追い越してどこかへ行ってしまった。

 

無論大事なのはそこじゃない。

 

ファントムの、と言うよりも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

ローリングによる回避方法は確かに実現する。だがそれは本来【フレア】と共用して使う技だ。

 

フレアと言うのは戦闘機についている兵装のひとつなのだが、これはミサイルを誘き出すために使うものだ。

 

例えば敵のミサイルに追われているとき、食らう前に横に大きくカーブすると同時に自分の機体からフレアを拡散させることで、熱探知で動くミサイルを誤魔化すことができるのだ。

 

だがファントムの、メテオの行ったローリングはどうだ?

 

単刀直入に言えば、物理法則を無視したあまりにも強引で速すぎるローリングを、ましてやフレアを使わずに本当に寸前で真横に回り避けただけだ。

 

あれは間違いなくハイGターンよりもずっとさらに(重力)がかかっている。一瞬気を失っているのではないのか?

 

そう情報の整理をするスカベンジャー。だが次の瞬間━━━━━

 

 

 

《敵を追い込みなさい!メテオ!!》

 

()()()()()()()()()()()()()()()

 

・・・いや、本当にその場から急に、一瞬だけバーナーから出る炎のように消えた訳ではない。

 

確かに目ではファントムは真横に動いた。がさっきのようなローリングではなく、まず前に少し進んだら瞬時に左へ旋回し、レーダーで確認したときは既に真後ろに存在していた。

 

(・・・!さっきまで正面にいたのに!)

 

『なっ!?今のは一体!?』

 

1番激しく驚いたのはハイエナ2だった。だがその直後にファントムからミサイルが、それも一撃が重い特殊兵装が放たれていた。

 

『いっ、いつの間━━━━』

 

ハイエナ2のセリフは最後まで言うことが出来ず、機体の爆発によって強制離脱となった。

 

『ハ、ハイエナ2が!!』

 

『っ!ハイエナ3!付いてきて!!離れる!!』

 

スカベンジャーの機体は一気に全速力で右へ旋回する。パワー全快にも関わらず小回りがまだ効いているが、ファントムは追うためにハイGターンを行い、すぐに前の機体へと向け、そして爆発的な加速で彼女らを追いかけていった。

 

メテオはもう一度特殊兵装を発射し、ハイエナ3に飛んで行く。

 

『か、かわす!!』

 

この機体は真上に機体を向けて避けようとしていた。このままだとスカベンジャーと離れることになるが、被弾しないためにはこれしかなかった。

 

ミサイルはハイエナ3を噛みつこうとする・・・しかし、クリーブランドたちのように機体をあらかじめ機体を向けていたことでその攻撃は避けることができた。

 

『あっアイツっ!!』

 

避けたのを確認するとすぐにレーダーを確認した。そこにはスカベンジャーの機体を追うファントムが写し出されていた。

 

すぐに追い付くためにハイエナ3は機体をファントムへ向けた。

 

急降下するような形での追跡となったためかスピードがすぐに増した。お陰でもう射程距離範囲に近づいてくる。

 

『よし・・・!もう少し・・・!』

 

向こうが夢中になって追っている間に落としたい。必死な願いが届いたのか、機体がロックオンをしだした。

 

(よし!落としてやる!!)

 

ハイエナ3から見て、ファントムを囲んでいた緑の電子コンテナは赤へと変わった。それに合わせて、ミサイルを発射しようとすると━━━━━

 

機内から激しい警告音が鳴り響いた。

 

(撃たれた!?どこから!?)

 

こっちにどこからかミサイルが飛んでくることをレーダーを確認してみると、確かに1発のミサイルが後ろからこちらに飛んできていた。しかしそれを放った機体は、何なのかはわからない。

クリーブランドの反応は無かったため3人目が撃ったこととなる。しかし3人目なんていない。どこから?

 

『くそっ!!』

 

急いで機体を傾けた。・・・が。

 

ミサイルは精度を狂わされることなく追尾していき、そして機体に命中したのだった。

 

『うわぁ!!メーデー!メーデー!!』

 

そう叫ぶが、間もない内に機体は爆発し、ブツンと切れてしまった。

 

なぜどこからもなくミサイルが現れた件についてだが、これは先程のハイエナ3が避けたファントムの特殊兵装のせいだ。

 

この特殊兵装の名前は【高機動ミサイル】。通常ミサイルよりも高い追跡力を持ち、一度避けられてももう一度敵へと向かっていく性能をもっているのだ。

 

『ハイエナ2と3がやられた!?』

 

思わぬ出来事にハイエナ4が動揺した。その直後、今度はこの機体に警告音が鳴り響く。

 

『あっしまった!!』

 

クリーブランドを追う立場だったが、いつの間にか形勢逆転をされて先程の動揺を見られ、ミサイルを撃たれた。

 

気づいたときには遅く、その機体はしっかりと命中してしまった。

 

《敵機撃墜!!後は・・・ソイツ1機だけか!?》

 

残りの機体を確認するとファントムがそれをまだ追っている。性能はメテオのが確実に低いにも関わらず着いていけていることに、彼女は舌を巻いていた。

 

(すごい・・・!追いつけきれてる・・・!)

 

距離は近いものの激しく上下左右に動いているため、ミサイルのロックオンはできない。そこでメテオはミサイルの攻撃をやめて機銃を使い始めた。

 

放たれる無数の弾は人が銃を持っているときとは違い、全て真っ直ぐに飛んでいく。

 

『・・・!!』

 

弾が数発当たった。スカベンジャーはこれ以上つけ回されると撃墜されてもおかしくないと考えた。

 

そのためスカベンジャーは曲がっている途中、今度は彼女がハイGターンをし、こちらを向いた。

 

向ききると、そこから一秒も立たずにファントムとすれ違形となった。

 

さらに細かな動きをすればさすがに追い付けないだろう。

 

しかしその矢先━━━━━━

 

ファントムがあり得ないスピードでこっちを追いかけ始め、また追われる形となった。

 

(っ!いくらなんでも速すぎる!)

 

レーダーで確認してもおかしいほどだ。まるで普通のよりもずっと早いミサイルのようにこちらへと飛んでくる。なぜファントムでそんな動きができるか、彼女は理解ができなかった。

 

ファントムからミサイルが発射された。スカベンジャーは避けようとするも、驚きのせいで体が言うことを聞いてくれなかった。

 

ミサイルが命中し、爆発をした。スカベンジャーの機体はまだ原型を残しているが、大きな炎を上げている。

 

『・・・こちら、スカベンジャー。任務・・・失敗・・・』

 

そう彼女が言うと炎は激しさを増していった。

 

そして墜落していき、ファントムと地上の間でその機体はやっと爆発をしたのだった。

 

《メテオ、最後の1機を撃墜しました!!》

 

《や、やったのか・・・!?》

 

クリーブランドがファントムの元へ行こうとする。一方ファントムの方は気が済んだのか、スピードを落として横から来る彼女を待とうとした。

 

しばらくして2機が編隊を組んだ。クリーブランドは再確認のため、ラングレーに急いで通信を繋いだ。

 

《ラングレー。敵はもういないのか・・・?》

 

《はい。敵は全て撃墜し、完全に敵の反応がなくなりました。今度こそ任務完了です》

 

《・・・はは、や、やったんだな。私たち・・・!》

 

《はい。まさかハイエナ隊を全て倒すとは・・・ただでさえ現れただけでも予想外だったと言うのに、最終的にはこちらに軍配が上がるとは・・・》

 

《ああ。それに・・・あれが、マニューバシステム・・・》

 

クリーブランドはファントムの挙動を思い出す。あのあり得ない、余りにも速すぎる動き・・・彼女は今後忘れられない衝撃の記憶として永遠に残っていくことだろう。

 

《こちらで確認する限り、メテオの方は無事のようです。クリーブランドは大丈夫ですか?》

 

《・・・あぁ、私も大丈夫。問題なしだぞ》

 

《わかりました。各機、帰投してください》

 

《了解!》

 

クリーブランドのF-16はファントムの後を付いて飛んでいく。その時に彼女はこんなことを思っていた。

 

(メテオが味方で助かったぞ・・・あんなのに追いかけ回されたら逃げ切れるきがしないよ・・・)

 

驚異の超特殊兵装、マニューバシステムの恐ろしさを実感した彼女は(しばら)くの間、戦慄が止まらなかったそうな。

 

 

 

次回、【ユニオンの英雄とメイド隊】




エスコン3Dクロスランブルにて、マニューバが強すぎるんだが。



いや実際にマニューバ強い・・・強くない?



ビースト隊戦に囲まれてるときや、ミッション7のジャミング機撃墜作戦の時に単独で動いてる際、10機に追われたときにも死ぬほどお世話になりました。



いやもう本当にブッ壊れ性能だわ。マニューバありで難易度エースのラスボス余裕でした。(なお、トンネルは・・・)



次回はみんな大好きなあのキャラたちが登場、楽しみにしててね。



感想、評価ください(ド直球)



頼む(イーノック)



ということで、ではまた!!
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