クレヨンレールガン━爆闘のバトルアドベンチャー━ 作:影山明
ひまわり:びえええ~!
ひろし:どうした!ひまわり!
みさえ:頭を壁で打っちゃったのよ……痛かったね~
マリー:ひま、大丈夫?
ひろし:ああ、大丈夫だ……お前は優しいな、マリー
マリー:うん、ひま泣くと……悲しい……ひまには笑っててほしいから
ひろし:そうだな、だからオレたちで守ってやろうな
マリー:うん、でも……
ひろし:でも?
マリー:ひま、前も泣いた……大事にしてたネックレスなくして……ひま、最近いいこと、ない
マリーはダッと走り出す
ひろし:おい!マリー!
マリーは書斎に行き、植物図鑑を出してペラペラとページをめくる
マリー(確か……研究所の女の人たちが言ってた)
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女性研究員:見て見て~これ!
女性研究員:あー!それ!よく見つけられたね~
女性研究員:でしょー!これ持ってたらいいことあるんだよね、四つ葉のクローバー!
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マリー(あった、この葉っぱ……待っててね……ひま)
マリーは研究所から出て行く
美琴(マリー……?どこ行くのかしら)
マリーは少し遠くの河原で四つ葉のクローバーを探し回る
マリー(あれがあれば……ひまに、いいこと……たくさん……ひまも、笑う……)
ガサガサと雑草の中をかき分けながら探す
そして、見つからないまま時間はどんどん過ぎていく
━━━━研究所
美琴:なるほど……これを探しに行ったのか……確かにひまちゃん最近よく泣いてるからなぁ……でも、そろそろ迎えに行かなきゃかな……しんちゃんも出てったっきり戻ってこないし
美琴は近くの河原を探してみるがいない
美琴:ここじゃないか……どこ行ったのかしら………ん、これは……?
その頃、マリーは
マリー:ない……どうして……ひまが、泣いちゃう……そんなの、嫌だ
???:うーん、ないですなぁ……全く、いるなら返事くらいして欲しいゾ
マリー:………?しんの……すけ?
しんのすけ:いやー父ちゃんと母ちゃんにひまのこと聞いたあとご本読もうと思ったら図鑑が出てまして~
マリー:しんの、すけも、探しに、来てくれたの?
しんのすけ:うむ、オラもひまが泣くの、見たくないゾ
美琴:あ、いたいた……頑張ってるわね……ふふ
美琴は木の陰にそっと隠れ、何かをマリーの近くにピッと指で弾く
マリー:あ……あった……しんのすけ!あった!これでひまが笑う!
しんのすけ:おお~!四谷のフレーバー!
美琴(………それを言うなら四つ葉のクローバーだってば)
ガクッとなって心の中でツッコんだ美琴
美琴:おーい、2人とも……そろそろ帰らないと夕食に遅れるわよ
しんのすけ:お、美琴おねいさん……奇遇ですな
マリー:うん、わかった……捜し物、見つかったから、帰る
美琴:そう、よかったわね……じゃ帰りましょうか
マリー:ひま、これで、笑ってくれるといいな
美琴:絶対笑うわよ……マリーが頑張って探したんだから……ね?
マリー:うん、ありがと、美琴
しんのすけ:でも不思議ですなぁ……誰かが落としたみたいに………ん
しんのすけの背中をポンッと軽く叩き、しんのすけが美琴を見るとウィンクしてシーッと逆の手の人差し指を立てた
しんのすけ(ほうほう)
しんのすけはわかったの合図に指でO.K.サインを作る
美琴としんのすけはクスリと笑った
そして
ひろし:マリー!心配させるなよ、どこ行ってたんだ
みさえ:そうよ、所内中探し回ったんだから
しんのすけ:父ちゃん!母ちゃん!マリーを叱っちゃダメだゾ!
しんのすけはバッとマリーの前に立ち、両手を手を広げる
しんのすけ:マリーはひまのために四谷のフレーバーを探しに行ったんだゾ
ひろし:マリー、お前
みさえ:ひまの、ために……?
マリー:うん、ひま……最近、泣いてる……ひまが泣くと私も悲しい……ひまには笑ってて欲しいから、これが、あると……いいことがある……だから
ひろし:ありがとな、マリー……ひまわり、マリーお姉ちゃんが四つ葉のクローバー持ってきてくれたぞ
ひろしはひまわりに渡す、するとひまわりは泣き出す
マリー:ひま、嫌、だったの……?
みさえ:違うのよ、ひまはありがとうって言ってるのよ……マリー、ママからもありがとうね
ひろし:おう、パパからもな
美琴としんのすけはそっと離れた
しんのすけ:親子恥知らずでごゆっくり~
美琴:それを言うなら、親子水入らずよ
しんのすけ:そーともゆー
美琴:そうとしか言わないっつの
そして美琴としんのすけ、マリーとひまわりは並んで就寝
ひまわりの手にはマリーの持ってきた四つ葉のクローバーがしっかりと握られていた
お互いの部屋をみたひろしとみさえはクスリと笑った
ひろし:姉妹と、姉弟だな
みさえ:うふふ、どっちもお似合の2人ね