インフィニット・ストラトス 正義と日食の騎士 作:どこかのシャルロッ党
「鈴、スパナ」
「はい」
「あんがとよ」
「でも突然どうしたのよ・・・"ジャスティス"を修理なんて」
「こいつのお陰で俺は戦えた・・・もう使うことはないが、修理をしてやらないとな。なんたって俺の相棒だからな」
ISが納められた格納庫。その一角では翔真と鈴がある機体を修理していた。型式番号ZGMF-X09A ジャスティスガンダム・・・翔真の専用機である。翔真は相棒と呼ぶジャスティスは稼働に問題はないが装甲や武装にダメージがあった。
「あと少しと言った所ね・・・でも、昨日あんなに泣いてた奴が専用機の修理だなんて笑っちゃうわよ?」
「うるせぇな。ま、まあ・・・そのなんだ・・・色々とスッキリしたからな」
昨日泣いていた翔真の目は若干腫れていたが、今の翔真は清々しい表情を浮かべていた。隣には大破した"ブルーティアーズ"と"ラファール・リバイヴ"が展開されておりそれ等のパーツを一部ジャスティスへと移植する。
「いいの?ブルーティアーズとリバイヴは・・・」
「・・・ああ。俺にはもう必要ない・・・それに《カラン》ん?」
「あら?」
翔真が話す途中で何かの部品が落ちる・・・物語から一人の女子生徒が姿を現す。翔真と鈴はその女子生徒を知っていた。
「確か君は・・・」
「あ、あの・・・盗み聞きするつもりはなかったんです・・・」
「("簪"・・・懐かしいわね)」
その女子生徒は楯無の妹である"更識 簪"だった。簪は若干ビクビクしながらも盗み聞きするつもりはないと説明する。
「大丈夫よ別に。大した話なんてしてないから」
「そんな怯えなくても大丈夫だよ・・・えと・・・」
「さ、更識簪・・・簪と呼んでください・・・上の名前はちょっと・・・」
「ああ」
「あの・・・その赤い機体は?」
「ん?ああこれは――――――」
ジャスティスに興味を示す簪に説明しようとした時―――建物内が揺れる。一体何事かとモニターを開く。
「・・・!?」
「翔真こいつって!?」
「シズリ・ホムラだと・・・まさか・・・そんな・・・」
「あいつまでこの世界に!?・・・ていうか後ろにいる機体は!?」
「"ウィンダム"だと・・・くっ!」
「翔真!」
翔真はジャスティスの前へ行く。思わぬ敵が現れた今・・・翔真は決断を迫られる。シズリ・ホムラ・・・かつて翔真から全てを奪った赤い死神。翔真は拳を握りしめる・・・鈴と簪を見て手を翳す。
「鈴!簪を連れて安全の場所へ逃げろっ!」
「まさかあんた戦う気!?・・・無茶よ!機体はそんなに修復終わってないのよ!?」
「けどやるしかない!・・・これは俺の世界の問題だ。完全に殺さなかった俺のミスだ」
「・・・・・・分かったわ。なら後でアタシも加勢しに行くわ!だからそれまで持ちこたえなさいよね!行くわよ簪!」
「え!?ちょ!?」
鈴は簪を連れてその場を去る。翔真はジャスティスを纏い機体を起動させる・・・機体に繋がれていたコードが次々と離されてゆき、ジャスティスの装甲は紅く彩られる。
「―――――相棒。今の俺にはお前に乗る資格はない・・・でも今だけは・・・今だけは力を貸してくれ。ジャスティス・・・綾崎翔真、出る・・・!」
全身装甲型のIS・・・紅い機体 ジャスティスはそのまま外へと向かう。背部のファトゥムー00の両ウイングを広げる。
「ハハハッ!最高だなぁ!・・・あ?」
燃え盛るアリーナ・・・IS学園の教師達が次々とシズリの前に倒れる中でジャスティスは現れる。
「来やがったか・・・さあ始めようかッ!IS同士の戦争をなァァァ!!綾崎ィィィィィ!!」
「薄汚い戦争野郎が・・・!」