世界は崩壊しましたが、人間は逞しく生きています 作:ヅダ神様
―――――――――かつて人類は繁栄を極めていた
空を越えてそびえたつ摩天楼の数々と、宇宙と星とを繋ぐ軌道エレベーターが聳え立ち、軌道エレベーターには全長数Kmから数百Kmと言う巨大な船が行き交い、それらが星々の海へと出て、そこに住む人々と私達との間で交易を取り持ってくれていた
――――――――――――人類は国家ではなく、企業によって統治されていた
無限に広がるフロンティアたる宇宙を自分たちの利益のために食いつくそうと、企業が国家に対して反逆し、見事国家に勝利した「第3次世界大戦」後、人類は6つの企業に支配された
「ユニオン・フロンティア」「マーズ・ブロンデッド」「テラ・ユニバース」「ヤマト工業」「バレンシア・インダストリーズ」「シンギュラリティ」
―――――――――そして、世界を支配した彼らは、彼らの頂点を決めるために戦争を起こした
6企業は人類の生存圏全域を舞台に、企業の頂点…すなわち人類の王を決めるために「企業統一戦争」を起こした。その結果人類は総人口の9割と文明を失い衰退した
――――――――――それから1000年後、主人公は
地下12000mに作られた巨大な研究施設の最奥で、私は目を覚ました
自分は服を着ておらず、分かることは自分には記憶が無く。服を着ておらず全身緑色のスライムににた粘液にちかい液体まみれになっていた
「…ここは?」
徐々にだが自分の記憶を鮮明に思い出し始めていることに安堵しつつ、私は思い出した
来ているのは正面に南国のヤシの木とビーチを描いた絵がプリントされた灰色のアロハシャツにズボンの身と軽装だが
「…あれからどれくらいたった?」
部屋を見回しながら私はそう呟く。部屋は中央に私が入っていたであろう【液体保存形式型冬眠装置】のシリンダー型の本体があり、それを維持、運用するための様々な配線やケーブル、チューブなんかが天井と床から生えており、それ以外には本当に何もない、コンクリむき出しの殺風景な部屋となっている。一応部屋の照明自体は生きているのだが…
「…やはりダメか」
おもむろに右耳に右手を当てた私は、そう言ってため息を吐き出す。今やったのはこの施設の管理Aiを呼び出すためにネットワークにアクセスしようとしたのだが、基地のネットワークが遮断されていて何もできなかった。おかげで外界の情報の一切を入手できない。そのことにどうしたものかと私が頭をひねっていると、不意に何もない壁が突如盛り上がり、左にずれる。良く観ればそういうタイプの隔壁だと言うことが分かり、私はとりあえず罠でも踏み抜いて行こうの精神で隔壁を抜け、通路へと進んで行った
短いけどここまで、次回は2日後までに投稿します