「そう言えば君の声どこかで聞いた事があるんだけど、どこでだっけ?」
そして霊体の紫藤直哉が思い出す。
「おー繋がった飛鳥薫いるかーー」
「「「いやーー声は聞こえるのに映像には映ってないよー」」」
「のどか落ち着いて」
「ギョエー怖いよーー)
「ああ。すまん。僕の娘が出たと思っていたが違う人が通信機の前にいたか」
「はい、飛鳥ちゃんと薫ちゃんは今はここにいません」
「そうか、すまないけど君達の知る僕に連絡をしてくれないかな?」
「わかりました」
そしてのどかは別の通信機を使い直哉に連絡を取った。
直哉君急いでお墓に戻ってきてーー大人の紫藤直哉さんからの連絡が来てるから」
「何ですってーー」
「ああ、もしかしてあの時にいた子の内の1人かな?」
「はい、私はその内の1人です」
「成程、なら君はこの世界がどういう世界なのか知ってるよね?」
「・・・直哉君言っていい?」
「そうですねここで言わなければ前の世界の紫藤直哉さんと争う形になるのは避けるべきでしょうね」
「わかったよ」
「ここは、トワさんとレイさんが共同で作り上げた共通の通過点となる世界ですよ。直哉さん」
「通過点となる世界だってーーーそれにトワとレイが作った世界だって――」
「ええ、そうですよこの世界を作った経緯は7人世界と幼馴染世界がした交流が切欠でこの世界を作ろうとなったそうですよ」
「成程、確かに真宮寺直哉君との交流はするたびにそれぞれの世界に負担はかけていたのは事実だけど」
「そうです。その一連の出来事の教訓としてこの空間庭園が作られたのです私達の住む融合世界に接触する世界と融合世界を守る為に」
「はっ融合世界だって、7人世界や幼馴染世界は・・・」
「その2つの世界は消滅しました。きっかけは米田健二の策略で・・・」
「そうか・・・飛鳥と薫を送っても歴史は変えられなかった・・・いやブルーによる世界崩壊から米田健二による世界崩壊に変わったのなら歴史を変える事には成功したのか」
「ええ、歴史は変わりましたよ紫藤直哉さん。ただ最悪な方にですけど」
「そうか・・・」
「ただ疑問なのが、幼馴染世界にいる筈の直哉さんの魂が何故この庭園にいるんですか?」
「ああ、それは・・・自分もよく分からないけど気が付いたら、そこにあるアースラと一緒にここにいたんだ」
「成程、そう言う事ですか、紫藤直哉さんもしかすると貴方が庭園に来たのは必然かも知れません」
「それはどういう意味だい?」
「実は、融合世界に最近新たな世界が誕生しました。その世界の中心である街の名は、海鳴市と言います」
!!
「何だって――その街の名前はなのはが、僕達の世界に来る前に住んでいた町の名前だよ」
「やはりですか、もしかすると紫藤直哉さんの魂がこちら側に来たのなら融合世界の中に幼馴染世界を再現させるのが目的かも知れませんね」
「それは何でもありえないでしょう。融合世界を守護している君達に黙ってそんな事しないでしょう」
「いえ、融合世界は普通の世界と違うので・・・」
「どういう事だい?」
「それは・・・」
「グレース庭園の状況はどう?」
その時トワが庭園に来た。