「直哉何故私だけを同行させた?」
「それは、何となくあそこに連れて行くには響さんとのどかさん達だと対処が出来ない可能性がありますから」
「成る程直哉は紫藤隼人が、米田健二一派に入っていると考えているのか?」
「ええ、もしかすると紫藤隼人という人格が消滅している可能性も考えています」
「そうか、しかし紫藤隼人にはガリィと、ファラと言うオートマタ―がいるんだろ?」
「ええ、いますが彼女達も本来のマスターの命令で、叔父さんについてると聞いたことがあるので」
「成る程な、本来のマスターが奴等に帰還命令を出した可能性があるか」
「あくまでも最悪の事を想定を考慮した答えです」
「そう考えると。隼人邸に行くのはまずいのではないのか?」
「時期的には今しかないんですよね」
「どういう事だ?」
「実は、来月以降にすると黒鬼会との戦いが再開するんですよ」
!!
「何だと」
「黒鬼会との戦いは終わってないのか?」
「ええ、ですからこの時がいいんですよ。米田健二一派の関連を調べるには」
「成る程」
そして、直哉とグレ響は隼人の家に着いた。
隼人の家の内部にて・・・
「なっ馬鹿な、確かにここは叔父さんの家の筈」
「本当にここだったのか?直哉ここはどう見ても30年以上手つかずの廃屋にしか見えないが」
「でも昨年真宮寺さくらさんが来たときは・・・」
「お待たせしました、帝国華撃団の皆さん」
「私がこの屋敷の主の紫藤隼人です」
「私は帝国華撃団副司令の藤枝あやめです」
「私は真宮寺さくらです」
「おお、貴女が私の甥っ子のサポートしてくれている真宮寺の方なんですね」
「えっ、私の事を知っているんですか?」
「ええ、分家とはいえ本家と真宮寺家の関係は知ってましたし」
「おっと、横道に話がそれていましたね、帝国華撃団のお二人さんはどうして私を訪ねたのです?」
「「それは・・・」」
そしてさくら達はここまでの経緯を話した。
「成る程、確かに今私達のいる場所だな。直哉が見せてくれた映像の様子は」
「それが一時的に封印されていた時期があったとしても一年で廃屋みたいになるとは思えません」
「直哉こういう可能性は無いか?お前達が雨宮さくらの世界に行った理由は、お前と米田健二との接触を避ける為だったんだろう?」
「ええ、そのように聞きました」
「仮にだけど、その間に紫藤隼人と米田健二が接触し隼人が、健二に取り込まれたとしたら隼人の力で維持されていた廃屋が元に戻ったとも考えられないか?」
「・・・その可能性もありますけど、その時レイやトワに聞いたら記憶と力の大半が失っているんです」
「そんな状態で襲いますか?」
「確かに、逆にやられる可能性が高いな」
「記憶が無いのなら不用意に接触もするとは思えないなあ」
「そうですよね」
「とりあえずこの廃屋の部屋を見て回ろう」
「わかりました」
そして直哉とグレ響は全ての部屋を調べた。
「やはりどの部屋も人が住んでいたような生活感がなかったな」
「ええ、そうですね信じられないですけど」
「直哉これからどうする?」
「ひとまず家に帰りましょう」
そして直哉とグレ響は直哉の自宅に戻った。
「ほう、あの子が隼人の甥っ子か」
「はいマスター」
「またいずれ会う事になるだろう?ファラ」
「恐らくは」
「その時を頼しみにしておこう」