新たな融合世界   作:真宮寺さくら

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その頃の帝都前編

彼と響とのどかが、行方不明になってから2ヶ月がたっているある日・・・

 

 

その日大帝国劇場で支配人をしている米田一基の元に帝都防衛構想に賛同した出資者の一人である花小路伯爵が大帝国劇場に来ていた。

 

「米田くん。まだ見つからないのかね?」桜花さんの息子さんは」

 

「ええ、陸軍と海軍が協力して現在も捜索中ですがまだ見つからない状態ですな」

 

「そうか、ならこちらの世界にはいないかも知れんな」

 

「はい、伯爵なんか言いました?」

 

「いや何でもない。それより米田くん帝国華撃団のメンバーの件はどうなっている?」

 

「初期のメンバーの6人中5人は現在あやめくんが交渉していますが、上手くすれば来月には5人は帝都に来ると思いますが、問題は真宮寺家の方です」

 

「ほう、真宮寺家が協力を拒んでいるのかね?」

 

「ええ、そうなんです紫藤家の当主以外の要請は受けないと言われたんです」

 

「はは、それは仕方ないよ。米田くん紫藤家と、真宮寺家の関係は君も知っているだろ?」

 

「ええ、知ってますけどこの太正のご時世に紫藤家の当主以外の要請を受けないのはやめてほしいですけどね」

 

 

「まあ仕方あるまい。今では軍が帝都防衛をしているがその前の時代では紫藤家の当主と、真宮寺家のが中心となってこの帝都を守っていたのだから」

 

「そう言うのもわかりますけど紫藤家の当主と言うことは直哉の要請しか応じないと言うことですよね」

 

「まあそうだろうね米田くん」

 

「帝国華撃団が完成するには直哉の存在が必要なのに直哉の奴どこに消えたのやら」

 

「まあ帝国華撃団の完成のために私の方でも真宮寺家の方にお願いをしておくよ米田くん」

 

本当ですか伯爵。ありがとうございます」

 

米田は花小路伯爵に頭を下げる。

 

 

「ここで確認しておくよ米田くん帝国華撃団が本格的に動き始めるのは来月からでいいのだね?」

 

 

「はいその予定です」

 

「わかった、元老院の方にもそのように伝えておこう」

 

「ありがとうございます」

 

「何それが私の仕事でもあるのだから君が気にする必要ないよ」

 

「それでは私はこれで失礼するよ。真宮寺家の件の交渉の準備をしないと行けないからね」

 

そう言いながら花小路伯爵は支配人室を出ていき大帝国劇場に止めている車の中である人物に連絡を取っていた。

 

 

「あら、あなたから連絡が来るなんて珍しいわね」

 

「すみません零さん帝国華撃団発足にすこし問題が発生して」

 

「ああ、真宮寺家の掟が引っ掛かったのかな」

 

「そうです。直哉君がいないので零さんの力が必要になったので」

 

「ふむ・・・」

 

 


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