米田の要請とこれから起きるかも知れない可能性の話1
大帝国劇場支配人室・・・
「久しぶりだな直哉と響」
「「お久しぶりです米田さん」」
「今回は、どうしたんですか?」
「ああ、実はな入院する事になってな」
「ええ――入院ですかーー何でまた?」
「どうせお酒の飲みすぎでしょ?」
「ああ、成程」
響は直哉の言葉に納得した。
「ああ、そうだよかえで君が、黙って予約した病院での検査で引っかかってな」
「「まあそれはそうでしょうよ」」
「「あれだけ飲んでいたら」飲んでいたらね」
直哉と響は心の中でそう言う。
「そこでな、わしのいない間に帝国華撃団に何かあれば代わりに動いてくれんか?」
「ええ、それはいいですけど、僕の記憶だとこの時期に帝都では事件らしきものは無かった筈ですよ」
「ああ、わしもそう思っていた。だがなかつて俺の息子としてここにやって来ていた男が帝都に戻って来ていると言う噂もあるんだ」
!!
「「本当ですか?」」
「ああ、あくまでも噂レベルだがな、本人かも知れんが影武者かも知れんし」
「簡単には、月組を動かすわけにもいかないしな」
「そうですね。帝国華撃団の動きによっては老人達も止めて来るでしょうしね」
「そうなんだよな、老人共は何故か特殊遊撃部隊関連には文句を言わないからな」
「成程、それで今回の件に僕達も関わらせる形にしたんですね」
「ああ、それとな大神が行方不明になった」
「「ええーー」」
「正確には、大神の乗っている船が消息不明という状況だがな、奇しくもその2つがほぼ同じタイミングで情報が出て来た」
「・・・何かありそうですねその2つの事件の繋がりが」
「直哉もそう思うか?」
「ええ」
「俺としたら、老人達が何考えてるかわからんが、直哉と響頼む消えた船を見つけてくれ」
「大神さんが巴里に行かないと巴里も困るのでその要請は受けますけど、米田さん検査入院するのでしょう?」
「ああ」
「帝国華撃団を守れるのですか?」
「ああ、それは直哉お前に臨時支配人に指名をする事とした」
「はあーーー」
「これは、大帝国劇場全スタッフの意見でもある」
「はあ、仕方ないですね。米田さんの検査入院してる間だけですよ」
「ああ、それで構わんこれで2つの懸念が起きても入院出来るぜ」
「まあ、僕としては老人達とか米田健二が本当にいたとしても、せめて消息不明の船を見つけるまでは動いて欲しく無いですけど」
「「そうだな」そうだね直哉君」
直哉の言葉に響と米田が納得する。
「しかし、最悪なパターンとして、消息不明になった船に大神さんを乗せたのは、老人達の仕業だった場合ですね」
!!
「おいおいまさか、そんな事をする必要があるか?老人達に」
「まったくないとは思いませんよ。恐らく老人達にとっては帝国華撃団は、一応2度の霊的災厄を止めたと言う実績があるにしても、帝国華撃団を維持コストが高すぎると判断した場合と言う前提ですけど」