転生者と鬼の戦い   作:雷電風雨

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もうウジウジしないで終わりにしよう。
この言葉が私の頭によぎった。
期末が終わったタイミングでケリをつけよう。
もう、後戻りはしない…と思いたい。
でも自分で完結させると決めたんなら、
最後まで書いて終わらせてやろう。

毎日投稿、復活。

まぁ三日だけd(((´∀`)じゃあ言うなよ

では、どうぞ。


第拾弐話 毎度お馴染み柱合会議

「あー着いちゃったーもーやだーやめてー」

 

虎咲はまた狂った機械の様に同じ言葉を繰り返していた。

 

「オイ胡蝶、集合時間はとっくに過ぎている。

何処で何をしていた、伝令を聞いていなかったのか?」

 

蛇柱、伊黒小芭内がネチネチとしのぶに絡む。

今に始まったばかりでは無いが、伊黒のしつこさは前から有名だった。

しのぶは気にしていなさそうにしているが、伊黒は気付いてしまった。

虎咲を持つしのぶの手が腕にめり込んでいる事を。

 

(森岡…腕の傷を鷲掴みにされてるじゃないか…)

 

伊黒は心の中で静かに手を合わせ、何もなかったかの様に振る舞う。

 

「…何もこの虎咲が散々ごねまして、少々いや結構遅れてしまいました」

 

この馬鹿とは紛れもない虎咲の事なのだが、

虎咲は大治戦での腕の傷がしのぶに鷲掴みにされているので

そんな悪口に耳を傾ける余裕なんぞ無かった。

 

「オイテメェ、森岡とか言ったな」

 

「えぇそうですけど」

 

「お前…「「お館様の御成です!!」」イヤ、何でもない」

 

風柱、不死川実弥が何かを言いかけたが、

双子の少女が輝哉の登場を知らせた。

不死川は輝哉に忠実なのですぐに跪く。

 

「やぁ私の可愛い剣士達、今日も顔が見れて嬉しいよ」

 

「して、本日はどのようなご用件で我々をお集めなさったのですか」

 

流石不死川、未だにその手のひらクルックルワイパーは健在である。

 

「今日も虎咲についての会議なんだよね」

 

嗚呼、終わった。もう鬼殺隊なんか辞めてやろうかと心の中で呟いた虎咲。

もう彼は観念して輝哉の言葉に耳を傾けた。

 

「下弦ノ壱を一人で討伐し上弦ノ弐をも退けた。

虎咲、君を翼柱として任命したい。いいかい?」

 

「お館様、今まで柱は九人まででした。

今、もう柱が九人いる時点で十人目の柱なんぞ必要なんでしょうか」

 

やはり虎咲だ、こういうのはよく気付く。

 

「私はたとえその慣例を壊してでも鬼無辻無惨を殺してやりたい。

近いうちに…いや、私の代で終わりにしたいんだよ、虎咲」

 

微笑みながら輝哉が虎咲に語りかける。

しかし虎咲は真顔のまま輝哉の目を見て言い放った。

 

「俺は為虎傅翼で身体能力を底上げしてやっと上弦と互角に戦えるんです。

まだまだ力不足だと思いますが?」

 

「少なくとも為虎傅翼は君の実力で習得した呼吸なんだろう?

だったら君はもう互角に戦えるさ」

 

「はぁ…一年は待ってくれるって言ってたじゃないですか…」

 

虎咲は溜息を吐きながら観念したように声を出す。

 

「やってくれるのかい?」

 

「……分かりました。森岡虎咲、翼柱の任をお受け致します」

 

ついに翼柱、森岡虎咲がここに誕生したのだった。

 

「ですがその前に、俺の過去を知ってもらっても良いでしょうか」

 

「え?君は北豊島郡の滝野川で「それより前です、お教えしましょう」…」

 

「これは今まで誰にも言ったことがありません」

 

何かを決意したように虎咲は口を開いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ー埼玉県朝霞市陸上自衛隊朝霞駐屯地ー

 

全てはあの悪夢の緊急招集から始まった。

 

夜が明けきれていない深夜3時、

サイレンと共に、宿舎内にけたたましい招集放送が鳴り響いた。

 

「緊急招集!緊急招集!普通科岩泉涼及び狙撃科森岡祐太!至急、大隊長室へ!」

 

「どうした涼、なんかやったのか!?」

 

「富士でヒトマルの砲身を勝手に洗ったのがバレたのかな!」

 

こういう時でもユーモアを忘れないのが岩泉涼。

祐太の防大時代の同期で、第一空挺団から朝霞駐屯地に借り出されている。

 

「第一空挺団岩泉涼!入ります!」

 

涼がドアをノックし、

大隊長の「いいぞ!」という声が聞こえた瞬間に中へ入る。

 

「第一空挺団の岩泉涼です!」

 

「狙撃科の森岡祐太です!」

 

「まぁそんなに硬くなるな」

 

そう言い聞かせるのは、大隊長である磐田智一等陸佐。

2人の頼れる上司だ。

 

「突然だが…秩父に行ってくれないか、

某国のスパイがそこに逃げ込んだそうだ」

 

「スパイ…ですか…」

 

「君達の任務は、スパイを探し出し抹殺する事だ。

辛い任務だが、上からの指示だ。行ってくれ」

 

「「了解」」

 

二人は立派な敬礼を智に向け、

一路武器庫へと向かったのだった。

 

「スパイ…か」

 

涼は少し思い詰めた顔で呟く。

 

「そうだな。突然だったが、行こうぜ」

 

祐太は狙撃科の相棒、M24を担ぎ車庫へと走っていった。

 

「さーて俺も…」

 

涼も普通科の相棒である89式を運び出し、

祐太を追いかけ車庫へと向かった。

「運転手、秩父に向かってくれないか、大至急だ」

 

「秩父のどの辺ですか!?」

 

「何処でもいい!とりあえず秩父だ!」

 

「りょ、了解!」

 

〜1時間後〜

 

「祐太、司令部から通信、『目標は秩父さくら湖』」

 

「了解。運転手、秩父さくら湖って何処だ?」

 

運転手がナビを見る、最寄りまでの最短ルートを探す。

 

「あった…こっちを左か」

 

そのまま車に揺られること5分、ついに2人は目的地に到着した。

 

「ここか…」

 

「運転手、ありがとう。あとは自力で探す」

 

涼と祐太は、ガスマスクを着け自分の装備を担ぎ出し、

車から飛び出して行った。

 

「どうかご無事で…」

 

運転手は遠ざかって行く2つの背中を見えなくなるまで見続けたのだった。

 

〜15分後〜

 

「いた、あそこだ」

 

『目標発見、これより始末する』

 

「おいアンタ」

 

声をかける、どうせ逃げたところで

森田一佐が展開させた部隊が殺すに決まっていると彼は思い込んでいた。

 

「自衛隊の方ですか、私を殺しに」

 

その男性の声は、全てを諦めたような声だった。

 

「もう何人も居るんです、私と同じく命を狙われている人が」

 

男性は何処か遠い目をして言い放つ。

 

「アンタは某国のスパイとして潜入してきた、というのは?」

 

彼は上にこの男性はスパイとして処理しろと言われたが、

祐太にはこの男性がスパイだとは到底思えなかった。

 

「冤罪だよそんなの、国家の黒いとこ見たらこれだ」

 

「他もそうなんですか…」

 

「あぁ、アイツらも同じだったよ。なぁ兄ちゃん、俺を殺してくれねぇか」

 

男性は許しを乞うのではなく、祐太に殺してくれと頼み込んだ。

 

「何故だ、冤罪だと裁判で言えばいいじゃないか」

 

「国がアンタら使って俺らを追ってる時点で公権力はグルだろうな」

 

「犯罪者になるくらいだったら今殺されたいっていうことか」

 

なんとももっともな考えだったが、祐太には心に引っかかる事があった。

 

「家族はいいのか?」

 

「もういない、20歳の時点で天涯孤独だよ」

 

「そうか、では、許してくれ」

 

「あぁ、頼む」

 

祐太はM24を地面に置き、

腰のホルスターに入れていた9mm拳銃に手をかけ、

サプレッサーを装着して男に向ける。

 

「すまん…」

 

サプレッサーで抑制された射撃音が2発響き、

男性は血を流して倒れた。

 

(何故国民を守る為の自衛隊が国民を殺しているんだ…)

 

「…こちら森岡祐太、目標を排除…」

 

『ご苦労、帰還しろ』

 

「了解…」

 

無線のスイッチを切り、彼は死体に向かって1人呟く。

 

「…クソッタレ…」

 

車に乗り込み朝霞に戻る道中、何にも喋らなかった。

祐太も、涼も、何一つ喋ろうとしなかったのだ。

ただ、報告書にはこう書かれていた。

 

消費弾薬9mm弾4発…と。

 

 

 

 

 




東三条

実際隊員の貸し出しとかってあるんでしょうか。
そこら辺全然分からないから誰か教えてくださいな〜

最初カッコつけて変な文書いたけど気にしないでください。
UA10000達成ありがとうございます!
これからも頑張ります!
あともう一つ、感想ください(切実)

前回のアンケートで無惨戦を書くべきかのアンケートを取りましたが、『童磨がボッコボコにされるだけでいい』と『無惨戦を書いてほしい』が同率だったので、もっかいアンケートします。

  • 童磨が死んでくれればそれでいい
  • 無惨もまとめて死んでくれ

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