開拓系母港   作:ムメイ

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豪雨が心配されますが皆様どうお過ごしでしょう?
これを見ているということは安全な場所に居るということでしょうけど
気を抜かず警戒情報はしっかりチェックして身の安全を確保してくださいね。


寮建設開始

指揮官は朝からせっせと動いていた。

今日は早速ながらロイヤルの寮を建てていく。

そこがKAN-SENの住まいになるし饅頭たちの住まいにもなる。

そして自分の仮住まいにもなる。

そのための指示計画書の取りまとめ、本日分の任務の受注、収支報告書等を書いていた。

 

「まだ少ないのが助かってるんだけどな……ふぁーぁ……」

 

大あくびしながら書き進めていく。

朝食は摂ったばかり、胃に血液が行って眠たくなるのも仕方がない。

ソレとは別に指揮官は寝不足になっていた。

仕事ではない、主に女性関係で寝不足だった。

 

「アイツら距離感が近すぎるんだよ……くそぉ……」

 

指揮官とて男だ、美人、美少女に囲まれ嬉しくないわけがない。

しかし距離感が近すぎるのも問題だ。

あれこれ勘違いしそうになるしふとした拍子にスタイル抜群な肢体を見てしまう。

悶々とするのだ、しかし発散する場所もない。

する機会も狭い開拓地には訪れない……深夜にでもならない限り。

 

「寝不足ですか、御主人様?」

「……多分な、近いぞベルファスト」

「あら、失礼しました」

 

距離が近い勢代表格が戦闘、家事なんでもござれのメイド、ベルファスト。

2歩後を歩くような絶妙な距離を保ってくれては居るが……時折触れるほどに近くに来る事がある。

何度か肩が触れたり手が触れたり、初心な指揮官には刺激が強い。

ベルファストを始めとしてKAN-SENは大概スタイル抜群なのだ。

見ているだけでも毒、触れるとなれば?猛毒だ。

わざと狙っている節もあるベルファストに頭を抱えてしまう指揮官。

 

「ふふ、お困りのお顔が可愛らしくて、つい」

「さいで……よし、書類は終わり、建造に向かうぞ」

「お供致しましょうか?」

「じゃあそれとジャベリンを連れてきてくれ」

「畏まりました」

 

今の所指揮官の癒しは明石とジャベリンになりつつある。

 

 

 

 

 

 

「にゃー、今日はロイヤル狙いかにゃ?」

「いんや、何となくだよ……そんじゃ特殊艦2回おねがいな」

「あいあいにゃー」

「歓迎の紅茶は用意しております」

「誰が来るんでしょうね、楽しみです!」

 

ふんふんふーんと鼻歌を歌いながら明石が資材を投入していく。

願掛けみたいなもので随伴してもらうKAN-SENを選ぶ指揮官も居るらしい。

しかしここの指揮官は完全な思いつきで随伴してもらっている。

ベルファストが居るので出迎えの一杯は用意されている。

 

「それじゃあ稼働させるにゃー……にゃ?」

「これはこれは……」

「2時間と4時間20分でございますね」

「片方は重巡洋艦でしょうか」

「もう出来上がってきましたね、さすが高速建造剤ですー」

「こいつらが出来上がったら次は寮の建設に入るから総動員だぞー」

 

指揮官の声に各々が応える。異論を唱えるものは居ない。

出来上がったKAN-SENが排出される……

思わず指揮官は膝を打った。やったと歓喜したのだ

 

「はーい、工作艦ヴェスタル着任しました~」

「ヨークタウン級航空母艦2番艦、エンタープライズだよろしく頼む」

「エセックスとホーネットは工廠に来い!!」

「はい?呼びましたか指揮官?……ってエンタープライズ先輩!」

 

エセックス待望の先輩が来てしまったのだ。

指揮官的には前者、ヴェスタルの着任は大きい。

たまたま近くで土いじりをしていたエセックスがすぐに来た。

そしてとても嬉しそうな反応を示している。

 

「皆様、ささやかながら紅茶をご用意しております。着工前にいかがでしょう?」

「着工……?指揮官、何か工事をしているのか?」

「すぐに分かる……ヴェスタル、早速だがお仕事は多いぞ……」

「あらあら、それは困りましたねぇ」

 

ベルファストの淹れた紅茶で早速歓迎会が始まった。

ホーネットとサフォークも合流しこの母港全員での歓迎となった。

ヴェスタルはと言うと困惑気味。

 

「修理が必要なKAN-SENは居なさそうですけど……お仕事が多い?」

 

修繕と思っていたらしい。

 

 

 

 

 

「ふむ、なるほど……戦闘以外の職務が多いのだな」

「今の所はな、体勢が整ってきたら出てもらうことになる」

「はーい、それはこちらに持ってきて。そうそう、ありがとう♪」

「にゃーアンカーは打ち終わったにゃ」

「指揮官ーこっち手伝って欲しいかなー」

「あいよ、すぐに行く!エンタープライズはエセックスの手伝いに回ってくれ」

「了解した、指揮官」

 

現状を理解したエンタープライズとヴェスタルは早速建設の手伝いに入っていた。

ヴェスタルは勝手知ったるなんとか、饅頭に指示を飛ばしつつ自分はせっせと建設。

明石もこの心強い味方に士気を上げて手早く基礎を打ち終わる。

しかしエンタープライズはというと……この手の作業は……

 

「うわっと……」

「ぎゃんっ!?先輩、足元を気をつけてください!」

「すまない……不慣れなものでな」

 

建材を運んでいる最中に躓いてよろけ巻き添えでエセックスも倒れる始末。

戦闘以外ではコツを掴むまではあんまりなのかもしれない。

心做しかペットのハクトウワシ達もアチャー……とでも言いたげ

 

「ぅごっ!?」

「……ヘルメット被りましょうか」

「そうだな……」

 

ラッキーEと言われたエンタープライズだが陸上ではそうでもない様子。

饅頭が高所から落っことしたヘラ爆弾を貰っていた。

 

「俺は上は見ないしできるだけ高所作業をだな」

「命綱がないからダメですよ」

「そうです!そういうのはジャベリンにお任せです!」

「お前らスカートだろうが……」

 

指揮官の方も割と深刻な問題が発生していた。

建設は前途多難のようだ。




評価が増えていましたね、ありがとうございます。

しかし感想の存在というものは大きいものですね。
モチベーションが段違いです。

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