ランプの魔人と騙され転生者   作:ククク...

8 / 80

もうここまでやっちゃったし、佐倉はきよぽんグループにいなくてもいいかなと思ったので書いちゃいました。

ということで今回もよろしくお願いします。





椎名探偵グループ誕生

 7月3日昼休み

 

 茶柱からAクラスにあがる方法の1つ2000万プライベートポイントを払うことを説明していた時、堀北がこっちを見てきたが、その時の顔が滅茶苦茶怖かった。真面目に人を呪い殺せるほど酷い顔をこちらに向けてきていた。マジで怖い。恐らく俺が1人でAクラスにあがることを目標としていることに気付いただろうか? だが、それも戦略の1つなのだから、恨まれる筋合いはない。そういう点から、堀北には早く成長して欲しいものだ。最低でも今の状態が続くなら目障りだ。

 

 逆に佐倉の様子を見てみると、昨日よりかは遥かに落ち着いていた。俺と友達になったのが原因だろうか? 自画自賛をするつもりはないが彼女が落ち着いている原因の大半が俺だろう。昨日、俺と佐倉が友達になった後色々と相談された。

 

 彼女の口からストーカーがいるかもしれないという発言を聞けた時は本当に驚いた。確かに証拠までは見せてくれるとは思っていたが、彼女にとって一番言いづらいであろうことを告白されるとは思わなかった。

 

 このことから俺は彼女を真の意味で信頼し友達になることにした。流石にこんな事を言われて見捨てるほど俺の人間性は腐っていない。それにここ最近佐倉と一緒にいた時に堀北からストーカーされて彼女の気持ちが少し分かったのもあったからだ。

 

 取り合えず俺は彼女に原作でも起こっていたかもしれないIFルートを防ぐために、1人だけで怪しい所に行かないことや誰かと一緒に出掛けることなど、様々な対策を彼女に教えた。そして今日、その対策をするに当たって必要な人員を集めるため、俺は佐倉に王と椎名を紹介するつもりだった。いくら1人で出来るだけ出掛けないようにするといっても限度があるからな。2人にも友達になってもらって手伝ってもらおうと思ったからだ。

 

 前の俺ならば信じられないだろうが、俺は王と椎名を信頼している。確かにあの時は目立ちたくなかったからこそ嫌がっていたが、今現在ではとても心地のいい時間だ。きっと佐倉も気に入ってくれると確信している。

 

 俺はその時間が来ることをを楽しみにしていた……

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 放課後

 

 俺は大方クラスのやつらが聞き込みに行った後に、待ち合わせ場所である図書館に佐倉と行った。堀北から櫛田達に情報が拡散されるまで余り時間が無かったはずだ。だからこそ、今日彼女たちと会わなければならなかった。

 

 佐倉の顔を見てみると、やはり不安なようだ。いくら俺が紹介するのだとしても彼女は心配しているのだろう。その友達が自分を受け入れてくれるかを。これだと今日の話し合いに支障をきたすかもな。俺は佐倉の不安を少し和らげてやることにした。

 

「安心しろ。今から紹介する奴らは俺みたいな奴でも受け入れてくれた優しいやつらだ。お前が心配するようなことはないと俺が保証しよう」

 

 これから、佐倉のある程度の事情を共有する以上佐倉には椎名と王を信頼してもらわなくてはならない。彼女たちならば言わなくても協力してくれそうではあるが、事態の重大さを理解していなければ何かが起きた時の対策も遅れるからな。そういう意味でも佐倉の事情を説明するのは避けられない。

 

「う……うん。ありがとう……貝沼君」

 

 そんな会話をして図書館に入ると、人があまりいなかった。こういうデリケートな話をするには丁度良かった。人が少なかったため、椎名と王もすぐに見つかった。

 

「よう、待たせたな。集まってくれて助かった」

 

「いえ、大事な友達の頼みですから構いませんよ。それで頼み事とは何ですか? 貝沼さんの後ろにいる彼女と関係があるのでしょうか?」

 

「ああ、その通りだ。勿論事情とかはきちんと説明する」

 

 まずは佐倉に彼女たちを紹介するところだな。

 

「佐倉、彼女たちが俺の言っていた友達だ。髪が銀髪の方が椎名で、紺色の髪の方が王だ」

 

 女子の紹介をする時に髪の色で人物特定させるってどうなのかね? そう思いつつも分かりやすいだろうから俺はそのまま言った。すると2人が不満そうな顔をしていた。やはり、あの紹介の仕方はお気に召さなかったらしい。

 

「貝沼君……もう少し何かなかったの……」

 

「いや、まずは佐倉にその……名前だけを教えてたからな。名前と顔をはっきりさせてやろうと思って言ったんだが何か問題あったか?」

 

 こう言うと、特に何も言ってこなかった椎名までも俺に何か思うところがあったようでこんな事を言ってきた。

 

「貝沼さん、いくら名前と顔を分かりやすく教えるとしても髪の色で判別させるのはどうかと思いますよ」

 

 流石に彼女たちにとってもあまりいい気持ちにはならないようだ。このまま説教を受けていたら本題を話すだけの時間が消えるだろう。本来の目的を達成できなかったら本末転倒だからな。俺は彼女たちに謝罪した。

 

「俺が悪かった。反省するからそのくらいにしてくれないか? 本題に入れない」

 

 彼女たちはまだ何か言いたげな表情をしていたが、取り合えずは聞いてくれるようだ。俺は彼女たちに話す前に佐倉に最後の確認をした。ストーカー被害にあっていることを話していいかを。

 

「佐倉。これが最後の確認だ。本当に話していいんだな?」

 

 このことは彼女にとってとても話しにくいことなはずだ。だから、今ならまだ引き返せるからこその確認だ。

 

「うん……いいよ。貝沼君を信じてるから」

 

 どうやら同意も得られたようだし本題に入るとしよう。

 

「じゃあ、本人の許可も得たから話すぞ。実は俺と佐倉は前日に友達になったんだ。それで、俺は彼女からストーカー被害を受けていると相談を受けたんだ」

 

 俺がそう言うと、二人はとても驚いた様子で真偽を確かめてきた。

 

「それって本当なの? 佐倉さんって人と全く話さないから、勘違いとかではなくて?」

 

 王のその疑問に俺はメールで送られてきた写真を見せながら返答した。

 

「そうだ、佐倉はこの学校に入学してからストーカー行為を受けているらしい。証拠もここにある」

 

 俺はあの電気屋の中年オヤジが書いたであろう手紙を王と椎名に見せた。その内容は男の俺ですら気持ち悪いと思わせるほどだった。男の俺ですらダメだったのだから彼女たちからすればもっと気持ち悪く見えたのだろう。気味が悪そうな顔をしていた。

 

「悪質ですね。この手紙を書いた人は分からないのでしょうか?」

 

 それが分かってたらこんなに苦労しないと思うが。だが、それも最もな質問だろうと思い、俺は椎名のその疑問に答えた。

 

「それが分かっていたらこんなに苦労しないだろう。だからこそ、お前らに協力して欲しいことがあるんだ」

 

「何? 何でも言って! 協力するよ! こんな事1人で背負えるような問題じゃないよ」

 

 王がすぐに協力を願い打ってくれた。本当に優しいやつだ。まあ、だからこそ相談したのだが。

 

「じゃあ、協力して欲しい内容を言うぞ。まず、佐倉を1人にしないでやって欲しい。流石に学校内は大丈夫だとしても下校中とかはどうか分からないからな。俺も男子だから1日中ついているわけにはいかないし、佐倉は人付き合いが苦手だからな。俺がずっと近くにいて不本意な噂でも立てられたら嫌だろうからな。その分、まだお前ら2人の方がいいと思ってな」

 

 そこに椎名が口を挟んでくる。

 

「待ってください。私たちで佐倉さんを守って欲しいと言っているようですが、警備員の人たちに呼び掛けたりした方がいいのではないでしょうか。私たちが対応するよりも遥かに安全なはずです」

 

 当然、それは考えてある。だが、佐倉のことを考えると警備員たちにまで、そのことを伝えるのは厳しいと俺は考えている。だからこそ、俺は協力して欲しいのだ。彼女たちに危険が及ばない範囲で。

 

「ごもっともだ。確かに椎名が言う通り、俺たち素人が対応するよりかはその道のプロに任せた方がいいだろう。だが、今は運が悪い。須藤の暴力事件の対応に学校側は追われていると思うから完全に佐倉を守るために動けるか怪しいものだ。だから、万が一に備えて俺たちが動いておいた方がいいかと俺は思っている。何か取り返しのつかないことになっては遅いからな。それにお前たちに協力して欲しいとは言ったが、一応お前たちにも危険が及ぶ場合があるかもしれない。だから、断ってくれても構わない」

 

 実際可能性としては十分にあり得る。原作でも佐倉のカメラを修理に出した時、あのキモオヤジは櫛田の事もいやらしい目で見てたからな。

 

「私はそれでも協力するよ! さっきも言ったけど女の子1人が抱えていい問題じゃないから!」

 

「私も協力しましょう。取り合えず下校の時だけですか? 登校の時も一緒にいた方がいいのではないでしょうか?」

 

 どうやら彼女たちは自分で考えてその結果、佐倉を守ることを決意してくれたようだ。とてもありがたい。やはり彼女たちは信頼できる。

 

「ああ、登校時は出席確認があるからな。まだ、異常に気付きやすい。だが、放課後は時間がたっぷりある。誘拐されても次の日まで気づかない可能性が出てくるからな」

 

 誘拐という言葉に佐倉が震えていたが、本当に起こりかねないのだから仕方がないだろう。

 

「なるほど、そして私たちで佐倉さんを守るのはDクラスとCクラスの学校裁判が終わるまでという事でいいのでしょうか?」

 

 椎名が期限を聞いてきた。そうだな……やはり、あのキモオヤジの事だからプロによって簡単に捕まるだろうが、念のためだ。予定していた期限よりも長くやるとしよう。

 

「いや、そいつが捕まるまでだ。佐倉が持っている手紙に指紋が付いていたらその時点で解決だろうが、流石に犯人はそこまで間抜けではないと思うからな」

 

 今の時代、テレビやネットで指紋を残せば簡単に捕まることぐらい紹介されているからな。そいつが素人だったとしても手袋をつけて作業をするだとか指紋を付けない方法ぐらいいくらでも考えられるだろう。だから、一番告発しやすいのはやはり、原作で綾小路がやったように現行の様子を撮影することだろう。

 

「だけど、みんな色々と用事がある時はどうするの? もし、そのことを伝えるのが遅れて佐倉さんが私たちがいない時に出かけたら大変だよ」

 

 王からそんな意見が聞こえてきた。確かに全員の予定が空いていなかった場合、佐倉のことをどうするかを頭に入れてなかったことを思い出す。1人では無理があるから協力してもらおうと考えたが、まだ人員が足りないか? そう思っていたら椎名から提案があった。

 

「取り合えず佐倉さん含めた私たちのグループチャットを作りませんか? メールで連絡をするよりは情報が早く伝わるはずです」

 

 提案されたのはここ最近メールしか使っていなかったためすっかり忘れていたグループチャットだった。確かにメールの連絡先を選ぶ時間が無くなるのは連絡先が多そうな王にとっては助かるだろう。

 

「そうだな。一刻を争う事態が起こる可能性もある。提案通りグループチャットを作った方がいいだろう。それにしてもよく覚えてたな、それの存在を俺はすっかりと忘れていたんだが……」

 

 すると、椎名は嬉しそうな顔をしながらも同時に悲しそうな顔もして、こう答えてくれた。

 

「はい、もう少ししたら貝沼さんと王さんと作ろうとは考えていましたから。ですが、まさかこんな形で作ることになるとは思ってもみませんでしたが……」

 

 まあ、予想外だろうな。俺も急にこんな事言われたらこうなる自信あるわ。佐倉も申し訳なさそうな顔をしていた。自分が原因で楽しくなるはずだった事を妨げてしまったことに責任でも感じているのだろうか? こう言った。

 

「……すみません。私の為にそこまでしていただいて……迷惑じゃ……ないでしょうか?」

 

 すると、椎名はすぐに否定した。

 

「いえ、私が協力したいからしているので気にしなくていいですよ。それに大切な友達の頼みですし、その友達の友達なら私の友達でもあります。だから、どんどん頼って下さい」

 

 椎名は佐倉に優しくそう言った。それに加えて王もこう言った。

 

「そうだよ! むしろこんな事を1人で耐えてたなんてすごいよ! これからは私たちもサポートしていくから一緒に乗り越えていこう!」

 

 彼女たちが真摯に対応してくれたことで佐倉も彼女たちが信用できる存在だと分かったのだろう。俺が友達になる前に出していた負のオーラが彼女たちに対しても消えた気がした。

 

「ありがとう……ございます。その……お願いしても……いいですか?」

 

 もう彼女たちの返答は決まっていたようですぐに返事が返ってきた。

 

「もちろん! いいよ!」

 

「もちろんです。ああ、そういえば佐倉さんは本はお好きですか?」

 

「え……えっと……」

 

 佐倉も完全に安心したようだ。顔から心配が消えていた。やはり佐倉をここに連れてきて良かったと思えた。だが、椎名よ。仲良くなったからって急に本を薦めるな。佐倉が困惑している。それにまだ会議は完全には終わってないぞ。

 

「本を薦めるのは後にしてくれ。まだ、グループチャットの作成と佐倉を見守る時のローテーションを決めていない」

 

 一番大切だったのは佐倉が彼女たちを信頼してくれるかではあったが、ここから決めることも大切なのだ。

 

「取り合えず、グループチャットを作ってくれないか? 俺は使ったことがないから作り方が分からない」

 

「分かりました。それでは今から作りますから、王さんは今のうちに佐倉さんと貝沼さんに操作方法を教えてあげてください」

 

「分かった!」

 

 王が俺と佐倉に使い方を説明し終わり、グループチャットを始めることが出来たには出来たのだが……

 

椎名探偵グループ

 

 俺は凄くツッコミたい気分に駆られた。俺たちがやるのは探偵ごっこじゃないんだぞだとか、俺たちがやるのはどっちかっていうとボディーガードなんだがとか色々とツッコミたかったが最終的に思ったことが1つ。なんで普通のグループ名を付けなかったんだ? ただそれだけだった。

 

「そ……その……なんで普通のグループ名にしなかったんだ?」

 

 俺はそう聞いた。すると椎名は目を輝かせながら言った。

 

「だって、探偵ってかっこいいじゃないですか!」

 

 もう何言っても無駄だと感じた俺はもう諦めた。王は気にしてないし、佐倉は友達が数人増えたどころかグループチャットに参加していること自体が信じられないのだろう。ぽかんとした顔をしていた。

 

 気にしていても仕方がないので、俺は先の工程へと進めることにした。

 

「ま……まあ、この際グループ名はもういい。それでみんなの既に決まっている予定を聞いておきたい。流石に1人が付きっぱなしというのも辛いだろうからローテーションを組めるようにな」

 

 俺たちは決まっている予定に関してはお互いに教え終わり、ローテーションを組んだ。

 

 そして、外が暗くなり帰る時間になった。俺は帰る前に椎名と王にお礼を言いに行った。

 

「すまないな。今回の件は俺1人では手が足りなくてな。とても助かった」

 

 それに対し、2人とも構わないと言ってくれた。今度彼女たちが大変になったら助けてやってもいいぐらい世話になっている。今度何か奢ってやってもいいかもしれない。そんなことを思いながら俺は佐倉の元へ向かった。今日の当番は俺だからだ。

 

「貝沼君……ありがとう」

 

 佐倉が礼を言ってきたがそれはまだ早いと思う。ストーカーが逮捕されるまでは安心できない。

 

「今は言わなくてもいい。むしろストーカー被害が無くなってから、みんな一緒にいる時に言ってくれ」

 

「うん……分かった」

 

 あと、大丈夫だとは思うが一応聞いておこう。

 

「佐倉、彼女たちはどうだ? 信用できそうか?」

 

 あの時の佐倉の態度からして大丈夫だとは思うがな。念のための確認だ。

 

「はい……むしろ……私なんかの為に……あそこまでしてくれるなんて……驚きました。大丈夫です、信頼できます」

 

 その言葉が聞けて安心した。こうして、俺たちが所属するグループ。椎名探偵グループが誕生した。

 

 

 




ところで、王の髪の色って紺色なのか普通に黒色なのか分からなかったんですよね。

誰か分かる人教えてください。

ヒロイン誰がいいか

  • 佐倉 
  • 櫛田 
  • 椎名
  • 神室
  • 誰でもいい

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。