島田 美波(しまだ みなみ)
二年Fクラス所属の女子生徒。ドイツ育ちの帰国子女。スタイルのいい体型だが貧乳であることがコンプレックス。妹の葉月を溺愛している。
日本語で会話をすることはできるが、漢字はまだ苦手。読み書きも不得手でこれは学業成績にも反映されており、本来ならBクラス以上の学力を持っているが、漢字が読めないため問題文を理解できず、ほとんどの教科の点が低い。ただし証明問題以外では漢字を使わない数学は得意で、Aクラスにも引けを取らない。理系科目も数学ほどではないものの点数は比較的高い。
明久とは一年生のときからのクラスメイトで、入学当初は日本語でうまく会話ができずクラスで孤立する中、不器用ながらも明久が自分と接してくれたことがきっかけで親しくなる。
バカテス原作との相違点
・明久に対する暴力が少なくなっている。
・南雲瑠璃花の影響を受けて、明久に対する気持ちが多少素直になっている。
【登場人物紹介】
島田 葉月(しまだ はづき)
美波の妹で小学五年生。姉と違って日本語も堪能。お姉ちゃん子で人懐っこい性格。
バカテス原作との相違点
・物語開始以前に明久とは関わっていない。
《勝者、神条・辻井ペア!》
「なんだと~っ!」
「そ、そんなぁ~っ!」
召喚大会の二回戦。俺と神条は難なく勝利した。対戦相手はEクラスのペア、俺のクラスメート達だった。そして、戦ったのは召喚獣の筈なのに相手の二人は激戦を繰り広げた後のようにボロボロな状態で倒れている。…何故?
「ふっ…どちらが勝ってもおかしくない名勝負だったぞ」
「どの口が言うんだよ…」
一回戦の時の黒子の姿ではなく、制服姿の神条に聞こえない声でツッコむ。わかっていると思うがホントにコイツは情け容赦がない、それだけ言えばどんな戦いになったか想像できるだろう。開戦真っ先に狙われた奴が憐れでならない。
ちなみに俺も武器である鉄の棒で相手を叩きまくって何とか勝てた。意外となんとかなるものだな。
『つ、辻井…。キサマは悪魔だ…』
『対戦相手をここまで痛めつけるとは…なんて非道な奴…』
おかしい。戦ったのもトドメを刺したのも殆ど神条の筈なのに何故か俺に怒りの矛先が向けられている。無視して喫茶店に戻ろうと歩を進めると神条に捕まった。
「待つんだ悟志。カズとアカリを交えて今後について話がしたい。一緒にCクラスまで来てくれないか?」
「…あまり時間は取れないぞ?」
昼前ということもあって喫茶店が混み始め、試合が終わったらすぐ戻るよう坂本にも言われてるからな。
「感謝する。…急ぐぞ」
こうして俺たちは体育館を後にする。
「ただいま戻ったぞ」
「お疲れさん」
「お疲れ様」
Cクラス前の通路で待っていた大江と浜野がこっちに気付き近づいてくる。
「で? サトシ、結果はどうなん?」
「もちろん勝った。そっちは?」
「当然、勝ったわよ」
「負けるわけないやろ」
Fクラス組だけじゃなく、生徒会組も順調に勝ち進んでいる。ちなみに生徒会組の参加者は俺と神条ペア、大江と浜野ペアの二組が参加している。
「さて、四人揃った事だし会議を始めよう」
神条が場を仕切り出す。
「私達は無事に二回戦を突破。Fクラスのメンバーも全員勝ち抜いた今、これで三回戦に進出した十六組の中に我々五組が入った事になる」
「充分な快挙やな」
「しかし、この先も五組全員が勝ち進めるとは言えない。そろそろ我々の誰かがぶつかる事もあり得るだろう」
「トーナメントだから当然か」
「だからこそ今の内に伝えておこうと思う。最悪のケースに直面した時の対応についてを…な」
「最悪の…ケース?」
「まず我々の目的は…一つ、姫路の転校を阻止する。その為にFクラスのペアを優勝させる。二つ、腕輪の暴走を阻止する為に低得点者のペアを優勝させる。この両方を満たす為にすべき事は、姫路及び、我々生徒会組が優勝しないことだ。つまり小波か吉井のペアを優勝させる」
「せやけど、そう上手く事は進まんとちゃうん? 今回は三年が予想以上に多いし、その理想は強引やなぁ…」
大江が若干弱気なのをよそに神条はとんでもない事を言い放つ。
「だからこそ、他クラスのペアに優勝の芽が出た場合は…決勝戦の前に秘密裏に腕輪を破壊する事を考えている」
「「「はああっ!?」」」
流石に大江と浜野も驚かざるを得ない。いつも以上の神条(コイツ)のとんでも発言に。
「…一体何を驚いている? 腕輪の欠陥が世間にバレたら最悪学園の存続に関わるのだぞ? 運の要素が絡む試召戦争で計画通りに事が運ばない可能性がある以上、今すぐにでも破壊してしまうべきだろう」
「待って会長! 腕輪の破壊なんて一体誰がやるの!?」
「もちろん、実行犯には私がなる。バレなければ良いが、最悪私一人の退学(クビ)でどうにかなる」
「いや待て神条、いくら何でもそれはーー」
「安心しろ、あくまで最後の手段だ。決勝戦に小波ペアと吉井ペアが勝ち進めばいい。またはそのどちらかと生徒会の誰かが勝ち進む事だ。そうなったら我々はわざと負ければいいんだからな」
淡々と話を進める神条。
「とにかく、決勝のカードが今言った以外の組み合わせになったら、腕輪の破壊に動く。学園の存続と私一人の首、天秤にかけるまでもない。以上を以て会議は終わりだ。悟志、喫茶店に戻るといい」
「おい待て!」
俺の制止の声も聞かず神条はCクラスに入っていった。
「おいおい…。アイツ本気で言ってるのか?」
「でしょうね。前々から他人の為に自分を犠牲にする所があるから…」
「だからって…」
ありえないだろ、こんなの…。
「サトシ、こうなったらやるしかあれへん。会長がそんな愚行に走らなくてもええように頑張るしかないで」
「カズの言う通りね。流石の私も今回に関しては会長を止めるわ」
大江…浜野…。
「…そうだな」
考えた所で仕方ない。
この件が片付いたら今度は俺が神条に説教してやる。
姉妹一緒に紹介。
説明がごちゃごちゃかもしれません。
時間見つけておかしいところは直していきます。