改変プリコネ部 スタイリッシュアクションの裏技.daredakoitu   作:イイネ!ホルマリン漬け王者決定戦

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お待たせ!もう誰も見てないし、いいかな?
失踪居合してすみません!(クソアマのユイが)なんでもしますから!
プリコネじゃ魔力って言い方あんまりしてないけどこれ一応DMCだし、多少はね?

実際のところこの後のブチギレダンテことスパーダ化のとこめっちゃ迷ってました。実はまだ迷ってんだけど……。
あとキャルちゃん寝返るの早すぎィ!って思った方、これ原作(DMCの方)基準です。よく考えたらなんでこんなことで寝返ったんだアイツ。顔かな?顔だよね。
あと今回はちょっと短めです。
小説読み直してたらエボアイの誕生シーンで何回でも泣けるゾ^~。みんな見ろよ見ろよ、ホラ。


M20~M22直前まで

 魔界に降り立ったユウキは、奥から感じる強大な魔の波動に導かれるようにして突き進んで往く。どこからともなく生ぬるい風が吹き、死と退廃の腐臭を運ぶそれや雑多な悪魔を切り伏せるうちに、広いとも狭いともつかぬ空間に出る。

同時に、少し遠くで横たわるキャルの姿に気付く。

「ユウキ!ここよ、助けて!」

 恐らく脚を負傷したのだろう、手を伸ばし助けを乞うている。

「キャル!」

 駆け寄ろうとした直後、振動と共に周囲に魔力で作られた壁が辺りを覆い、キャルとユウキを分断してしまう。

 振り向けば、散々撃退してきたゲロもといグロスライム(サーヴァント・ウォル)が殺気を滾らせつつ姿を現す。

「キャル、離れてろ!」

 叫び、紋章を起動させつつゲロに意識を向ける。少なくとも、標的を逸らすことができれば御の字だと思ったためだ。

 ゲロ自体に意識はなくとも学習機能はあるようで、これまでの行動を組み合わせコンビネーションとして用いて激しい対抗を見せる。おまけに魔力の壁が行動範囲を狭めるため、 以前のように縦横無尽に駆け回って回避や反撃ができるわけではない。

「思ったより面倒だな……こういうのは制作者の意図が現れるというが、まさにその通りだ。まあ、こういう時くらいいいよな」

 そう吐き捨て、閻魔刀に意識を集中させる。愛用の剣は「想いを繋ぐ」力がある(破壊力は心許ないが)ので、魔力と意思を持つ閻魔刀と自分とを繋ぐことは魔人への変身を意味する。

 全身の細胞一つ一つに、髪の一本一本に魔力を行き渡らせ、身体に流れる血は16ビートを刻み全身を駆け巡る。

 着用していたマントは翼状に、それ以外は鱗とも外殻とも取れる見た目に変化していく。

 完全に悪魔の姿へと変化したユウキは、閻魔刀を引き付けるように構えた。

「終わりにしようぜ、クソ野郎!」

 その姿に変じぬままでさえ鋭く速い突きは、もはや人間の目には見えぬ速度を与えられていた。

 夥しい魔力を帯びた閻魔刀の切っ先が、格納される寸前の尾部コアを捉える。

 

 だが、ユウキは終ぞ気付く事はなかった。

 なぜ、キャルは無防備なままユウキを待っていたのか。

 なぜ、魔力の壁が辺りを覆っているのか。

 

 なぜ、ナイトメアはその壁を破壊しないのか。

 

 (予想通り、ウォルはもう役に立たないわね……。でも、アイツを仕留めるのはこのあたしなんだから!)

 壁の向こうなぞ知る由もないユウキは、再び紋章を起動させようと疾走居合の構えに移ったばかりであった。

「サンダーボール!」

 予想外の事態に、反応が遅れたユウキはまともに電撃を食らってしまう。

 見れば、壁の向こうでキャルが杖を手に詠唱の構えを取っている。

「みじめな姿ねー!あんな見え見えの罠にかかるなんて!」

「キャル、まさかお前?」

「甘ちゃんのプリンセスナイトめ、その愚かさを悔いるがいいわ。あんたは陛下の計画にジャマなのよ、死ね!」

 事情は飲み込めないが、キャルの魔法をかわす必要もあるという事だけを頭に叩き込み、手早く紋章を起動させる。

 幸い、キャルは詠唱に時間を要するうえに放たれる魔法に追尾性はないので、発動と同時に高くジャンプすることで回避そのものは容易である。

 だがそれは、継続的な攻撃ができないということも意味していた。

 恐らくあと数回コアを叩けばこのナイトメアは機能を停止するだろう。そう、コアが叩ければ、だが。

(クソっ、コアに近づこうとするのと魔法が飛んできやがる……。だがな、魔人を舐めるんじゃないぜ)

 頭部コアが露出したのを気に、エアハイクで飛び上がり頭上から体重と剣の重さを乗せた一撃を叩き込む。飛んでくる魔法は、魔人化による堅固な身体で受け止める。

 その必殺の一撃に遂に耐えかねたナイトメアが、本体のコアを吐き出す。防衛本能から周囲にレーザーをまき散らすが、既に飛び退いていたユウキにはかすりもしない。

「行くぞ……ッ!」

 |長剣と二刀流を構え、きりもみ回転しつつ突進《ディープスティンガー》する。迸る魔力や突進による風圧がレーザー攻撃を無効化しつつ、着実にコアにダメージを蓄積させていく。

 突進が終わる頃とほぼ同時にコアは砕け散り、ナイトメアはその形を保てず崩壊していく。

 だが、暴走する機械の心臓部を破壊したからとて、すぐに機能停止することはない。

 天井にまで書かれた拘束文様が効力を失い、ナイトメアはレーザーを放ちながら消滅していく。

 魔力の壁は既に崩壊し、キャルも辺りを灼き払うように薙ぐレーザーを間一髪で避けるが、脚がもつれ倒れ込んでしまう。

(しまっ、た……!このままじゃ、あたし……)

 崩れ落ちる柱を避けるには体制が悪すぎ、さりとて砕くには時間がなさすぎる。

「きゃあああああああああっっ!!!」

 絶望の叫び。だがその体に傷はない。

 

 間一髪、駆け込んだユウキがキャルを抱えて跳んだのだ。

 キャルが無事なのを確認したユウキは服の埃を払いながら立ち上がる。

 何も言わずに去ろうとする彼に、反射的に声をかける。

「ユウキ!どうしてあたしを助けたの?あたしは、その……」

 ユウキは立ち止まって一瞥し、答える。

「美食殿の仲間だからだ。さあ、消えな。次はこうはいかない」

 そのまま歩き出すユウキに、尚も追いすがるキャル。

「ユウキ!」

「寄るな悪魔!その顔を二度と見せるな、魂の灯火が消えた作り物の顔をな!」

 いつの間に抜いたのか、閻魔刀を殺気と共に向け声を荒げる。

 そこでキャルはある可能性に気づく。

 この男は、貫通式から全て罠であると知ったうえで、ここまで来たのではないか?

 ユウキの「甘さ」に打ちのめされているキャルに、追い討ちの如く声が響く

『失敗したわね、キャル……。掟は知っているでしょう?』

 『陛下』こと千里真那による処刑宣言も相まってキャルは呆然と立ち尽くすのが精一杯だった。

 

 

 ナイトメアを退けた部屋を出てすぐに、壁にブチ当たる。どう見ても先へ行けそうな膜は丈夫な骨で守られ、閻魔刀の剣閃にすらビクともしない。

「意地が悪いな……ま、主が主だし仕方ねェな」

 そうこうして他のルートを探すうちに、無駄に広い部屋に辿り着く。

 眼下には筋のような物体と妙な液体が鎮座しており、身体がその場に降りることを拒否している。

「悪趣味すぎないか?アイツマジでどんなセンスしてんだよ……」

 ぼやきつつ、落ちないように注意を払い呪文で覆われた筋の元へ跳ぶ。

 剣戟でそれを破壊すると、突然巨大な筋が脈動を始める。どうやらここは洞窟の心臓部らしい。

 これ以上は気が触れそうなので、ユウキは一旦外に出ることにした。もう一方の巨大な扉は、まるで何者かを守護するかのような強固な封印で先へ進めなかったのだ。

 

 心臓部の部屋を出ると、先ほど通せんぼをしていた肋骨のような物が開いていたが、左側の壁から異様な気配を感じて先にそちらの調査に向かう。

 強力な魔の波動を放つ壁に振れると、向こう側に吸い寄せられるように落ちていく。

 その洞窟は、はたして迷路のように入り組んでおり、且つ四つん這いで背中に手の生えた汚物みたいな悪魔も数匹存在していた。

 極力触れたくない相手だったが、幸い1対1なら負ける要素はほとんどないので次元斬で手早く地獄に送り返せばよい。

 問題は迷路である。何度も同じ道を歩くうち、苛立ちが頂点に達したユウキは「常に壁に触れ続ける」という古典的な解決策を思いつく。

 何とか迷路を抜けた先は、縦に長い行き止まりだった。

 定期的に骨の龍が炎を吐いてるが、それ以外は見るべく所もないような部屋だ。

「ブッ壊してやってもいいが……上にあるんだよな?それなら」

 ニヤリ、と笑みを浮かべ、骨龍の真下まで歩く。そして、その位置からナイトメアにも繰り出した「ディープスティンガー」を発動する。

 先ほどとは違い、特に出し切る理由もないので気配の元が近くなったあたりで手近な足場に着地する。

 気配の元は、異様な魔力を放つ腕輪であった。手に取ってみると、せわしなく動き回る針を持った時計を骨のようなパーツが抱えた奇天烈なデザインなのが分かる。

(どう使うんだこれ。時計のパーツは……まさかな)

 直感に従い、その場で腕輪を起動する。

 予想通りに下でただ炎を吐く機関となっていた骨龍の動きが止まる。

そしてユウキは、これを隠すか破壊するか金持ち相手に法外な値段で売り飛ばすか(某財団に目を付けられたら終わりだが)という事だけを考えていた。

 万が一これを持ち帰れば

『なるほど、今後より一層主さまのお世話と管理が捗りますね……♡』

『これを使うと時間が止まっちゃうんですか!?ヤバいですね♡早速使ってみましょう♡』

 そうでなくとも、

『私はあなた様が望むならどんなプレイでも……♡』

『弟君がこんな変態趣味に目覚めてたなんて……お姉ちゃんが矯正しなきゃ!(目の光はない)』

『こんなもの使って、レイ様にナニするつもりだったんですか?お仕置きです♡』

『こんな危ないもの、孤児院の子供たちに悪影響でしょ♡私が変な気を起こさないように管理するわ♡』『お嬢様、私も手伝いますよ♡』

 等々、それはもう考えたくない事態になるのは目に見えている。

 どうにもぞっとしない未来を想像し、頭を振って気持ちを切り替える。

「アイツら俺を見る目が色々混ざってて危ないんだよな……」

 既に着ている服も各所がボロボロになっており、見え隠れする肌には傷が無数にある。これを見られた場合、まず熱っぽい視線を浴びた後、急冷された視線と小言のラッシュが小一時間とかそんな次元じゃない程続く。

 別に服は誰が繕ってるわけではないし、傷も致命傷を避けたりアイテムで誤魔化したりできるのだが。

 以前、美食殿の4人でやたらとデカい動き回るキノコの討伐に赴いた際に、文字通り「肉を切らせ」て飛び込み、「骨を断つ」戦法を取った所、ペコリーヌとコッコロからしこたま説教をされた事を思い出した。

 浴びるのは熱いシャワーに限る、などと考え、来た道を引き返す。

 

 丁度反対に位置する膜を切り裂き、奥の洞窟を行く。

 先ほどの迷路よりは一本化されており、迷うことはないが代わりとばかりに体力を吸う触手が無数に配置されている。幻影剣で応戦しようにも、ただ引っ込んでいくだけでキリがない。

 そしてご丁寧にも汚物が3体徘徊しており、ここはディープスティンガーで一気に駆け抜けることにした。ユウキは、あまり構いたくない相手に脳のリソースを割いてやるほどできた人ではないのだ。

「うおッ、熱ッ!?」

 膜一枚を隔てた先には、溶岩が流れる灼熱の空間だった。

 おまけに雷コウモリが2体もいる。うち1体は最初から自分の姿を真似ていて面倒くさいことこの上ない。

 足場の悪さも考慮し、エアトリックでコウモリに接近し、それの頭を蹴り再度跳躍してエアハイクで手近な足場に飛び移る。

 途中で見かけた紋章は、どうやら足場がせり上がってくるもののようだが、ここまで来れるやつにそんなものが必要かと言われると疑問を感じざるを得ない。飛行能力やジャンプ力に優れていなければ途中で力尽きるのが関の山だ。

 灼熱地獄を抜けた先は、先に訪れた洞窟の心臓部の部屋だった。

 魔界の空気であるがゆえに冷却された空気が心地いい、なんていうことはなく、ただただ不快感が増していく。

 真ん中部分が崩れた足場を一足飛びで飛び越し、対岸の紋章を起動させる。

 それに呼応して巨大な扉の封印が解除される音がした。

(案外雑な封印だが……まあこんなとこに好き好んで昇ってくるやつもいないだろうな)

 扉の向こうから放たれる、圧倒的なまでに純粋で、苛烈な、黒い魔力と悪意に怯む様子はない。

 ユウキが近づくと、まるでそれを待ち構えていたかのように扉はひとりでに開き、豪奢で優美な神殿をその奥に覗かせる。

「もう何度目だろうな。今度はどんなネタで楽しませてくれるんだ?」

 薄い笑みと共に洩らされる、皮肉なセリフ。

 それに応えるように大気は震え、彼の姿はその奥へと吸い込まれるように消えていった。

 




実際はM21でエネステしてもショートカットはできないんですが……。ヴォルテックス?ナオキです。なんで斜めに行くのお前……。

安定の「これいる?」系SSですがとりあえず完走だけさせてくださいオネシャス!
あと騎士くんの周り変態しかいないっぽく書いたけど、実際そんなもんやろ?(鼻ホジ)

DMC5が入ってきてるやん!どうしてくれんの?という疑問には、Rのネカマは1戦目バリア→割れると面倒な攻撃してくる→最終形態(直前より弱め)という見事なユリゼンだったので、頭の中ではドリルリグとかマンインザレッドで割れるなーとか、クソ親父の動画見つつディープスティンガーやるやんとか考えてた結果なんです。でも5のパロはクリフォト生やすとこが無理筋すぎる。

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