ソードアート・オンライン、する   作:超鯣烏賊(すーぱーするめいか)

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プレイするまでの経緯、ゲーム開始触りまで【書き途中】

 

「ソードアート・オンライン?」

「そう! 一緒にやりたいの!」

「やる、やりたい」

 

 にへら~と、のほほんとしたな笑顔を浮かべた少女を見て、俺は一瞬の躊躇なく頷いた。

 好きな子から一緒にゲームをやろうと誘われたのだ、間髪入れずにそれに肯定を返すのは当然の事である。

 

「ホント!? やったー!!」

 

 両手を上げて歓喜の感情を全身で表現する彼女に、思わず俺の頬もだらしなく緩む。かわいい。

 ……とは言え、そのソードアート・オンラインというゲーム、巷で噂なので所々齧った知識はあるが、具体的にどういったゲームなのかを俺は知らなかった。

 流石に何も知らないで話を進めるのは何かと支障がありそうなので、目の前の少女にいくつか質問をする事にした。

 

「それってナーヴギア要るよね?」

「うん、持ってたっけ?」

「持ってないけど、買う予定はしてたから大丈夫だよ」

「そうなんだ! それなら良かった」

 

 本当はナーブギアで出来るタイトルでやりたいのなんて無かったけど、今出来たから問題なし。

 

「発売日はいつだっけ」

「来月! あ、でも予約とか無くて店頭販売だけだから、早めに並んでないと買えないかも」

「よし、じゃあ当日は一緒に並ぶか」

 

 俺の言葉に「うん!」と元気に頷く彼女を見ながら、俺自身は頭の中でバイトのシフトを増やす事を考えていた。

 多分ナーヴギア滅茶苦茶高いと思う。知らないけど5万じゃ足りないんじゃないかな……。

 でも好きな子とゲームをする為だ、死ぬ気で頑張らねば。

 

「あ、クレープ食べたい!」

「よし、何食べる?」

「生クリームとイチゴのやつ!」

「すみませんイチゴとチョコバナナください」

 

 さっそく千五百円の出費である。うーん、ダイエットついでに飯減らすか~!!

 

 

 

 

 なんだかんだでソードアート・オンライン発売日当日。

 未明の時間帯から二人で並び、頑張って起きようとしてウトウトと船を漕いでいた彼女の頭を肩に乗せ、スマホを弄りながら待った。

 朝方お店が開店すると、その直前に目を覚ましていた彼女と店内に入り、無事SAO二つ購入成功。

 すっごくご機嫌の笑顔の彼女に、俺もはちゃめちゃに幸せな気分になりながら二人に帰路に着いた。

 

 

 

 

 お互いの家に帰宅し、さっそく購入しておいたナーヴギアにディスクを挿入してリンクスタート。

 一応操作に慣れる為に、安めの他のゲームで練習しておいたのでキャラクリなんかの設定は恙なく終わらせ、ついにソードアート・オンラインの世界へと飛び込んだ。

 

 視界を満たしていた光が消えると、そこには中世ヨーロッパの様な街並みと、それを埋め尽くしている凄い数の人々が居た。

 多分、全員プレイヤーなのだろう。

 少しの間慣れない風景に唖然としてしまったが、いけないいけない、ナーヴギア本体のメニューを開いてフレンドから彼女を選択、パーティへ招待をタップする。

 一秒もしない間にパーティが成立しましたとログが流れる。

 

「えーと、『何処に居るんだ?』と」

 

 パーティチャットを飛ばすと、数秒の間を置いてから返信が来た。

 『武器屋とか見てるよ! 初期ログイン地点から見て左の通りを進んできて!』

 

「武器屋か、行動が早いなぁ。『分かった、俺は金髪に碧眼で白い初期装備だから、見たら声かけて』」

 

 『おっけー! 私は赤髪黒目で黒色の装備だからよろしく!』

 そう言ってサムズアップのスタンプを張った彼女のチャットに『了解』と返し、歩を進めた。

 

 

 彼女は5分くらいで見つかった。

 露店の武器屋の前でしゃがみ込んで、ある武器を見ながらうーうーと唸っていた。

 後ろ姿だったが、頭の上に「kurokiri」というネーム表示が浮かんでいるので間違いない。

 

「何見てんの?」

「うわぁ!? び、びっくりしたー! いきなり声かけないでよ!!」

「悪い悪い。で、何見てたの?」

「も~……、カッコいい短剣があったから見てたの、初期の所持金じゃ全然足りないんだけどね」

「おー、これね」

 

 クロキリの目線の先には黒い短剣が置かれていた。

 なんの装飾も無く無骨だが、彼女の好きそうなデザインだ。

 俺はなるほどと頷く。

 

「じゃあ最初の目標はこれを買う事にしようぜ、どんだけかかるか知らんけど」

「いいの?」

「うん、今んところまだ何をしたらいいか分かんないし、それでいいだろ」

「よし、じゃあ早速街の外に行こう! レッツバトル!!」

「あ、おい走るなって」

 

 止める間もなくぶはーっ!!と叫び声を上げながら盛大にコケたクロキリを見て、俺はちょっと笑った。

 

 

 まず初めに戦いを挑んだのはフレンジーボアと名前の付いたモンスターだった。

 実際のイノシシは見たこと無いが、結構リアルなグラフィックの出来ではないだろうか。

 遅い突進しかしてこないし一番最初の敵だからかダメージもそこまでなので特に難なく討伐出来た。

 

「よっしゃー! 討伐完了だぁぁ!!」

 

 雄たけびを上げるクロキリを見ながら思わず苦笑してしまうが、気持ちは分かる。

 このゲームは他のナーヴギアのゲームより格段にモーションのクオリティが高い、本当に戦っているという感じがして脳みそにアドレナリンが沸き上がっていくのが実感できる。

 初期装備の片手剣もキチンとした重みがある。まるで本物の様だ。

 ……まぁ、あくまでゲームの世界なので、筋力的なステータスの補助もあるだろうし、現実世界で同じように剣が振れるかと言われれば恐らくNOだろうけど。

 

「これで何コルだ?」

「……5コル」

「はー、当たり前だけどやっすー」

「うーん、あんまりこの辺で狩るのは美味しくなさそうだね」

「ちょっと奥の方行ってみるか? 死にそうだったら撤退すれば良いし」

「そうだね! よーしレッツバトぶへーっ!!」

 

 今度は走り出し一歩目でコケたクロキリに、今度は噴き出してしまった。

 

 

 少し先に居たのは大きな蜂型のモンスターだ。

 正直滅茶苦茶気色悪い。

 俺あんまり虫得意じゃないからちょっとコイツは精神的に厳しい。

 

「おらーっ!!」

「くらえ!!」

 

 止めの一撃を胴体に叩き込むと、蜂野郎はポリゴンのかけらになって砕け散る。

 先程のフレンジーボアよりも手ごわい相手に少しだけ苦戦したものの、少ない被ダメージで戦闘を終わらせる事が出来た。

 それと、溜め攻撃みたいのを試してみたらオレンジ色の光が刀身から出た。

 多分これがこのゲームの戦闘の主役、ソードスキルだろう。

 まだ名前とかは確認してないが、強い攻撃という事が分かれば何でもいい。

 

「で、今度は何コル?」

「……8コル」

「先は長いな……」

「……うん」

 

 まぁ、俺たちの冒険はまだ始まったばかりだ。

 

 

 

 

 しばらく狩りを続けた後、初期所持の回復アイテムがお互い切れそうになってきたので街へ戻る事にした。

 

 道中フレンジーボアに吹っ飛ばされる赤髪ロン毛の男と、それを見て苦笑する黒髪の男が視界に入った。

 黒髪の男と目が合ったので軽く会釈し、クロキリはいつもと違った固い表情で様子でこんにちはと挨拶した。

 俺たちの声に気が付いた赤髪の男も挨拶を返して来た。

 

 悪い人達では無さそうだ。

 

「はは、可愛い嬢ちゃんに恥ずかしいとこ見られちまったなぁ」

「いえ、私も一人では手間取ると思いますよ」

「二人はパーティー組んでんのか?」

「はい、お二人もですか?」

 

 表情と同じで固い声色で言葉を返す。

 クロキリのロールプレイングスタイルはこんな感じで冷静沈着の硬派なタイプ。

 俺の前ではリアルと変わらない態度だが、他のプレイヤーの前では凛々しさマシマシのキャラで居たいようだ。

 

「おう! まぁさっき知り合ったばかりなんだけどな。そうだ、自己紹介がまだだったな、俺の名前はクライン。こっちはキリト」

「どうも」

 

 赤髪の男の自己紹介に黒髪の男が軽い会釈をする。

 クラインとキリトか。覚えておこう。

 

「クロキリです」

「俺は『ユウ』って言います」

 

 クラインとキリト、頭の上に名前が浮かんでないのはフレンドやパーティメンバーじゃないからだろう。

 まぁその辺のプレイヤー全員の頭の上に名前が表示されてたら鬱陶しいもんな。

 

【この先書き途中。待っててね】




 クロキリはちょっとセンスが厨二病です。
 キリトとその辺似てるかも。

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