[完結]FIA-F2 WorldChampionship story of speed 1st season   作:九嶋輝

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前回最終戦でプレマラストランを終えた俺は次にどこのカテゴリーにエントリーしようかと悩んでいた所に日本から連絡が来て「SFルーキーテストに出てみないか?」と打診される。これはこのストーリーのエピローグでもあり番外編でもある。


Round13エピローグ

アブダビでのプレマラストランが終わり、暫くの間イタリアで「束の間の自由」を謳歌してた時に、1本の電話が俺に来た。よく見ると日本から連絡が来ており、どうやら山本MDからだった。俺は、何だろうと思い電話に出ると、山本MDから開口一番「来月に鈴鹿でSFのルーキーテストがあるけど、出てみないか?きっとF2とのいい比較対象にもなるし日本のトップフォーミュラをもう一度経験出来る絶好のチャンスだと思うよ。あっ、それとひとつ、シートは取り敢えず、ドコモチームダンデライアンレーシングを確保してある。まぁひとまず日本に帰って来てくれ。」と言われ俺は「分かりました。すぐに準備して日本に帰国します。帰国でき次第すぐに鈴鹿サーキットに向かいます。」と返事をしたら「慌てないで大丈夫だから。」と返事が帰ってきた。これには俺も思わず納得してしまったがもう日本に帰国する準備は出来ており、すぐにでも帰国出来るような状況だった。そして帰国の日。俺は1度イタリアに別れを告げて空路羽田に着いた。久しぶりに吸う日本の空気も悪くない。そして羽田空港内で「時差ボケ解消食」を済ませて

 

歩いていても、俺の場合は、意外とみんなに気付かれずに済んだ。流石度付きサングラス!やる時はやるねぇ!!そしてまずは、修善寺にある実家に帰って、近況報告とかしようかなと思ったけどそんな余裕は無かった。とにかく鈴鹿サーキットに向かう事で頭いっぱいだったから、そんな事考える時間も無かった。そして鈴鹿サーキットに到着して、ドコモチームダンデライアンレーシングのガレージへと向かった。そこにはあの紅白のドコモカラーのマシンに俺の名前が貼られており、凄い嬉しかった。そしてシートの型どりや、改めてステアリングのレクチャー等一通り終わって、いざ久しぶりにマシンに乗り込むと案外自分にフィットしており、安定感もあった。F2のマシンも自分にフィットしており安定感もあるけど、SF14の方が少しだけ上だった。そして帰国後初のフォーミュラカードライブの時間となりコースイン。リミッターを切るやいきなりF2とはまた違う加速の仕方だった。しかもいきなりレブったからマジでビビって、もう冷や汗かいちゃったよ。だけどそれより最も怖かったのが西ストレートからのあのカーブかな。はっきり言ってノンブレーキで突入した際マジで首が引きちぎれるかと思った。それくらいのコーナリングGが俺を襲うのだ。もうコーナリングGは皆が言う通り、F1に匹敵するというのは本当だった。てか東セクションのあのS字でさえ首が痛かったから相当な代物だと言うのも理解出来た。そしてピットインしてガレージへ戻りマシンを降りたらまずは笑いが1番だった。なんでかって?こんな楽しいマシン乗ったの昨年ぶりだからだよ。でもこのテストで分かったのは、ヨコハマとピレリの特性の違いかな。それとまず苦労したのが感覚があまりにも違いすぎすぎて最初の内はその感覚に適応する事から始めた。でもSFにはパワステ着いてるからF2よりステアリングは軽かった。F2でもいい加減着ければいいのに。そして2日目となる最終日も同じチームで走ってこの日の全体トップを叩き出してルーキーテストは幕を閉じた。そしてガレージへと戻りマシンを降りてメット類全部脱いでチームの皆にお礼をした。「今回はこのような機会を設けてくれてありがとう。凄い良い経験になったよ。もしかしたらまた来年も来ると思うからその時もよろしくお願いします。」とお礼をしたらチームの代表は「君みたいな凄いドライバーは初めて見たよ。普通のルーキードライバーとはひと味もふた味も違う走りを見て俺もとても驚いたよ。そして来年もまたおいで。」と声をかけてくれて俺も「また来年のルーキーテストもここで走りたいです!!」と返事をして鈴鹿サーキットを後にしてまた自分の活動拠点であるイタリアに戻り次なる活動拠点となるフランスへの引越しの準備を進めた。


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