ロクでなし魔術講師と光の戦士・改   作:Rewrite/アルト

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前回の疑似(パラ)・オーブスプリームカリバーは、かなりヤバイ時にしか使わない程、銃剣の負担がヤバイので、かなり使用回数は少ないです(唐突にオーブスプリームカリバーを使わせたくなった、深夜テンションって怖いね)

遅れてすいません

今回からオリキャラを一体追加します

では────


第3章-戦車と学修旅行、オレ色に染めあげろ!-
戦車の通る道


フェジテから遠く離れた森の中で、ウルトラマンゼット・アルファエッジと怪獣が戦っていた。

ゼットは、怪獣をダウンさせると両腕をZ型のカラータイマーの左右に当てて、左腕を上に、右腕を下に下げ、ゼスティウムエネルギーでZの形を作る。

そして右手を頭の横に、左手を前へ突き出し、ゼスティウムエネルギーの帯を作り出す。

そして腕を十字にして光線を解き放つ。

 

『『ゼスティウム光線ッ!!!!』』

 

『■■■■■■■───ッ!』

 

【ゼスティウム光線】が怪獣に直撃し、爆発を起こす。

 

『シュワッチ!』

 

ゼットはそのまま上空へ飛び去る。

そのすぐ後、変身を解いたクロスが怪獣の爆心地へとやってきて、何かを探す。

 

「はぁ、やっぱりねぇか……」

 

『きっと誰かが持っているのですよクロス、見つけたらメダルをもらえば良いだけの話です』

 

「ウルトラメダルはこの世界じゃ、俺とその持っている人物しか居ないんだ、女王陛下のような即座に国民の命を守ろうとする人物しか渡してくる気がしないんだよな………ッ!?」

 

クロスは、何者かの気配を感じると即座に【疾風脚(シュトロム)】で飛び去る。

カイトが飛び去った直後に、やってきた男は爆心地を見てこう呟いた。

 

「これが光の巨人の力か…恐ろしいな」

 

──────────────────────

 

家へたどり着いたクロスは自室のベットに倒れる。

 

『なかなか見つからねぇな、【ティガ先輩】のメダル』

 

『それにしても珍しいな、クロスが自分からメダルを探しにいくなんて』

 

『最近怪獣の出現が多いだろ? そうなるといつかはアルファエッジやベータスマッシュじゃ勝てない相手が出てくる可能性もある、だから【ガンマフューチャー】のメダルを取り戻さねぇといけないって思ったんだ』

 

実は1年前まではクロスが持っていたメダルは19枚だけではなかったのだ。

クロスはアルファエッジと必殺技に使用する9枚の他に【ウルトラマンティガ】、【ウルトラマンダイナ】、【ウルトラマンガイア】のメダルを持っていた。

 

「この魔術世界…ガンマフューチャーがあれば何とかなるからな」

 

【ウルトラマンゼット・ガンマフューチャー】

アルファエッジやベータスマッシュとは違い、超能力で戦うクールタイプの戦士。

ウルトラマンティガ、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンガイアの【輝ける先輩達】のメダルを使って変身するタイプで、鞭状のエネルギーを叩き込む【ゼスティウムドライブ】やティガ、ダイナ、ガイアの幻影を作り出す【ガンマイリュージョン】などの多彩な超能力技を繰り出せる。

クロスがこの三枚を手に入れてからはかなり活用するそとが多かったが、1年前に起こったとある事件でガンマフューチャーへウルトラフュージョンしようとした瞬間に、【セルフ・ポリモルフ】の肉体変化による硬直で動きを封じられ、敵の一斉攻撃を受け、クロスが女の身体になって吹っ飛ばされ、三枚のメダルが行方不明になるということが起きてしまったのだ。

その影響で学院への説明が大変だったのと、女性として大切なことを勉強したりと嫌な思い出しかない事件に吐き気が出てきそうになる。

 

『それにしても、何でダイナ先輩とガイア先輩のメダルは見つかったのに、ティガ先輩のメダルは見つからないのでしょうかね?』

 

『…とりあえず天の知慧の連中が持っていないことを祈るとするか…』

 

そういうと、クロスは立ち上がり、【疑似(パラ)・オーブスプリームカリバー】を撃ったことにより一部機能が破壊された赫耀銃剣【クリムゾンセイバー】のメンテナンスをし始めた。

メンテナンスを始めて一時間程が過ぎた頃、アリサがクロスに声を掛けた。

 

「兄さん、今ちょっといい?」

 

「なんだ? 別に良いが…」

 

「グレン先生が来た、何か話したいことがあるって」

 

「? 何かあったのか?」

 

そういうとクロスは応接間に向かった。

応接間にはグレンが待っていた。

そしてクロスはグレンから、話を聞く。

 

「こんな深夜に来るなんて、何かヤバイことでも起こりましたか?」

 

「あぁ、これが魔術学院に届いたんだがとりあえずこれを見てくれ」

 

「かなり重要そうだが…俺が見て良いのか?」

 

「お前は生徒だが、魔術師殺しでありウルトラマンゼットだろ? それにルミアに関することだし、知っているお前が見ても良いだろ」

 

そう言うとグレンは筒型の封筒をクロスに渡す。

クロスは開けて中身を読みながら、グレンに話し掛ける。

 

「へぇ、鷹の紋付きの書類が魔術学院に届いたってことは、護衛が編入生として来るのか………… って【戦車】はヤバくないか? 戦場で見たことあるけど、あの猪突猛進さで護衛は無理じゃねぇか? もうひとり(・・・・・)は知らんが…」

 

「…だよな、あいつはマトモだから良いとしてリィエルは無いよな…」

 

「帝国軍は何を考えているんだか………」

 

「「はぁ………」」

 

帝国軍のわけがわからない人選にため息を付くクロスとグレンであった。

 

──────────────────────

 

「デュワ!」

 

「ッ! ───《雷精よ》ッ!《撃て》ッ!《撃て》ッ!」

 

グレンとの話し合いの翌日の早朝、まだ薄暗い公園の中で、クロスとシスティーナが組手をしていた。

クロスが【魔脚】で青い光を纏いながら高速で近づき、パンチを放つ。

それを見たシスティーナが後ろに回避をし、【ショック・ボルト】の3連射でクロスに攻撃をする。

 

「やるねぇ、【魔連脚】ッ!」

 

「ッ!?」

 

「《こっちだ》」

 

クロスは高く飛び上がり、回転しながら回避すると、【魔脚】を連続で使用し、システィーナの周囲を飛び回る。

突然高速で飛び回り始めたクロスを見て、心眼も使えないほど硬直したシスティーナに向かってクロスは黒魔改【ボルト・レーザー】を放つ。

組手開始前にシスティーナに貼られた防御障壁に蒼電の光線が直撃し、衝撃が公園を支配する。

そしてシスティーナは座り込む。

 

「ハァ…ハァ…やっぱり勝てないわ…」

 

「そうか? 回避した後のショック・ボルトはタイミングが良かった、 ずいぶん成長したもんだ」

 

「まだクロス達には遠く及ばないけどね…」

 

「ハハッ、お前もかなり特訓すれば、俺レベルとはいかないけど一流の魔術師になるさ」

 

と軽いジョークを交わした2人は更に特訓を始めた。

 

──────────────────────

 

特訓が終わり、クロスは家に戻り朝食を食べて、修理中のクリムゾンセイバーを倉庫にしまい、鍵を掛ける。

 

「よし、これで大丈夫だろう」

 

そういうとクロスはアリサと合流し、学院に向かって歩きだした。

学院正門へと続く上り坂にグレン達が居た。

 

『おっ! グレン達がいらっしゃるぞクロス、合流しよう』

 

『おう、わかった……ん?』

 

するとグレン達の更に奧の麓に、学院の制服に身を包んだ薄青髪の小柄な少女と黒髪の少女が背を向けて佇んでいた。

 

『あの子達が特務分室から来た奴らですか、両方強そうだな』

 

『あぁ、確かにな────』

 

クロスがゼットと話をしていると、突然くるりと少女がこちらを振り向くと、即座に少女が何かを呟きながら、石畳に手をつき引き上げる。

もうひとりの少女は一瞬ポカンとなるが、すぐに少女を止めに入る。

 

『あれは……ッ! 何をするつもりだ!?』

 

引き上げられた少女の手には、いきなり無骨な大剣が出現し、次の瞬間、もう1人の少女の制止を破り、グレン達の元へ、一直線に駆け寄っていく。

 

「えッ! いきなり襲撃ッ!?」

 

「何やってんのッ!」

 

クロスが【魔脚】を使いながら、動けないシスティーナ達を飛び越え、グレンに切りかかろうとする少女の大剣に向かって駆けた。

 

「《光あれ》ッ!」

 

「「「「「グッ!?」」」」」

 

そのままクロスはグレンの横をすり抜け、【フラッシュ・ライト】でその場に居る全員の目を一時使用不能状態にし、魔脚を使い全力で駆ける。

 

「ゼァッ!」

 

「あう」

 

クロスは勢いのまま、チョップで少女の大剣を弾き、少女ごと大剣を吹き飛ばす。

少女はその衝撃で、大剣を手離す。

そのままクロスは右腕に赤い炎のようなゼスティウムエネルギーをチャージする。

 

「『ゼスティウムアッパー!』」

 

吹き飛んだ大剣を冷静に【ゼスティウムアッパー】で破壊する。

クロスは少女を抱き抱えると、グレン達の元に降り立つ。

生身でゼスティウムアッパーを使ったのは始めてで、グレンは腕を少し傷つけるが、そこまでではないので無視をする。

そうして、クロス達はグレン達と合流する。

その後、薄青色髪の少女──リィエルはグレンに『殺す気か!』と叱られていた。

あいさつの時にも変なことをやらかしそうになり、グレンに叱られていた。

そしてもう1人の少女の自己紹介の方だが…

 

「【カスミ=ライトスター】といいます、よろしくお願いしますね?」

 

とても良いあいさつをしていた。

天然バカのリィエルとは違い、知的で、良識のある自己紹介だった。

 

『あの子、強いな………単純な戦闘力とストッパー(グレン)が居るから、ティンジェルさんの護衛にしたんだろうな』

 

『そうでございますね、正直リィエル1人で護衛だったらウルトラヤバイでしょうし』

 

そうクロス達が相談していると、グレンがクロスに声を掛けた。

 

「クロス、カスミの学院の案内頼めるか?」

 

「押忍! …じゃなくてはい!」

 

「別に俺の場合は押忍でも良いんだがな… まぁ頼んだ」

 

そういうと、グレンは教壇へと戻り、代わってカスミが話掛けてきた。

 

「どうも、クロスさん、カスミといいます、先ほどはリィエルを止めてくださり、ありがとうございます」

 

「いえいえ、先生が死んでしまったら、ヤバイと思いまして、行動しました」

 

「ふふっ、それにしてもリィエルの大剣を破壊できる程のパワーを持った人が学院内に居たなんてびっくりです」

 

「一応C級の軍用魔術は覚えているので、それに俺拳法の使い手ですし」

 

と色々な世間話をした。

その間、何度かカスミがビックリしたように止まったが、クロスはあまり気にしていなかった。

 

──────────────────────

 

放課後、クロスはカスミの案内を始めた。

学院内部を全て紹介したクロスはカスミと共に屋上に上がり、外の景色を眺めていた。

するとカスミがクロスに話し掛ける。

 

「ねぇ、クロスさん、【光の巨人】って知ってますか?」

 

「光の巨人? あぁ、【メルガリウスの天空城】の…?」

 

『不味い、バレてるのかも……』

 

とビビっていたクロスだが

 

「そうです、光の巨人は【メルガリウスの天空城】に出てくる謎の一つである正体不明の巨人、私すごく気になって調べてるんです」

 

「へ、へぇ……そうなんすか?」

 

「そして最近、その巨人の手がかりを見つけたんだよ」

 

そういうとカスミはクロスに1枚の紙を渡す。

そこには巨人と思わしき人形が描かれている壁画の写しだった、そして壁画の下部には文字か書かれている。

 

「えーと、【ウルティメルス・ティーガー】?」

 

「これは、超古代文字を少しずつ古代の文字に変換していったものなんです、つまりこれをもうちょっと古代の文字にすれば、名前が分かるって訳なので今それを頑張っているんですよ

これはナス族の古語方便を参考をして」

 

「へ、へぇ…でも、メルガリウスの天空城のモデルがナス族が居た時代よりも千年以上も離れてるから、もうちょっと遡りましょうよ」

 

「クロスくん、貴方は分かっていますね、それでは一緒に考えましょう」

 

「押忍!」

 

そして何度かの書籍を確認し、クロスが正体を掴んだ。

 

『この文字、最初に渡された光の巨人の文字にそっくりだ、えーと、この文字が現代のこれで、これがこれだから………【ウルトラマントリガー】だな! ………ん?』

 

聞いたことのないウルトラマンの名前に困惑する。

 

「【ウルトラマントリガー】って誰だ…?」

 

『…ティガ先輩に似た名前だけど…ってよく見たらこの壁画もティガ先輩にそっくりだ……』

 

「唯一違うとわかるところはカラータイマーの形ぐらいか…本当によく似てる」

 

クロス達が議論を重ねていると

 

「【ウルトラマントリガー】? それが光の巨人の名前なのですか?」

 

「はっ!? 押忍ッ! ………じゃなくてはいッ!」

 

「ふふっ、そうなんだ…」

 

クロスの答えに満足したように笑みを浮かべるカスミ、するとカスミはクロスに話し掛ける。

 

「ねぇ? 私の秘密教えて差し上げましょうか?」

 

「秘密?」

 

「えぇ、実は私は遠い国【アマテラ王国】の第2皇女なのです」

 

「そ、そんなこと、出会ってすぐの一般人に言っていいんすか……?」

 

「別にいいんですよ、減るものでも無いですし

そしてアマテラ王国は、光の巨人に関係する王国だと言われています」

 

「ちょっと…話に付いていけてないっす…」

 

「私の任務は王女の護衛ですが、実は私個人でもうひとつここに来た理由があるんです

それは、この地にウルトラマンが居るという情報を得たからなの」

 

「会って、どうするつもりなんですか?」

 

そういうクロスの問いにはカスミはこう答える。

 

「ただ会ってみたいんです、【ウルトラマン】に」

 

「へ!? それだけ!?」

 

「ええ」

 

単調な答えに深いため息を付いたクロスであった。




オマケ

「【クロスのウルトラナビ】! 押忍ッ!」

「今回紹介するのはこれだッ!」

・魔連脚
魔脚の連続使用。

・カスミ=ライトスター
アマテラ王国の第2皇女であり、特務分室のメンバー。
現時点ではこれだけの情報しかない。
何故ライトスターという名字は正体を隠すために偽名。

「『次回も、お楽しみに!』」

次回予告

次回は特別編だ!
何本かの短編を収録するぜ!
えっ! 過去や未来の話もあるって?
その裏で学修旅行の話も決まっていく
何もなければ良いのだが…

次回【ロクでなし魔術講師と光の戦士・改】特別編

追憶と未来の日誌(memory Future record)その1】

ウルトラ振り返るぜ!

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