[完結]FIA-F2 WorldChampionship story of speed 2nd season   作:九嶋輝

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番外編その3 スーパーGT×DTMドリームマッチに参戦!?

これは、F2も残す所2戦の頃の話だった。ホンダの方から「今月の、24,25日に富士スピードウェイでやるスーパーGTとDTM(ドイツツーリングカー選手権)のドリームマッチに参戦してみないか?」という、衝撃的なオファーを受けた俺は「是非とも!久しぶりにGT500を運転してみたいです!!」と即決した。そしてチーム名は「チーム・ブシロード・クニミツ・ホンダ・レーシング」というチーム名に決定し、カーナンバーは「31」、使うマシンは当然「NSX-GT」で、タイヤは韓国の「ハンコック」のワンメイク。カラーリングはブシロードのあのカラーで、チームオペレーションはクニミツが担当するというまさにサプライズ尽くしである。当然これは、エントリーリストにも載ってる為、かなりファンは不思議な顔をしてると思う。そして今回のレースには、星奈もレクサス・チーム・デンソー・サード・レーシングからエントリーする事が、決定していて、俺と戦うのはDay2(ちなみにDay1はコバライネンが担当)となる。ちなみに俺はDay1,2両方走る事も決定した。そして、シート合わせとかも全部終わり、NSX-GTに火が灯った。そして俺は、ステアリングやその他諸々のレクチャーも済ませて、あとは、走るだけとなった。そしてドリームマッチウィーク。観客は初めてみるDTMマシンをこの目に焼き付けておこうと大勢の観客が押し寄せた。そしてDTMマシンは、1996年以来、約23年ぶりに日本のサーキットを駆け抜ける。そして、このレースの目玉としては、何と可夢偉先輩や2001年のCART(現インディカー)でのレース中の事故で、両足を失い、両足義足のレーサー、ザナルディが何とBMWからエントリーしているという事。これにはファンも大歓喜。ザナルディに関しては2001年のCARTもてぎ300マイル以来、約18年ぶりの来日となった。そして俺はコースイン。コースイン直後、メカさんの飯田さんから、「路面冷えてるから気をつけてね。それとカーボンブレーキだからちゃんと熱入れろよ。止まらなくなるぞ。」と無線で言われ「分かった。カーボンブレーキはF2で経験してるから特性とか良く分かるよ。」と言った。まずはハンコックタイヤとGT500マシンに慣れることから始めるとした。走って分かった事はF2マシンよりもダウンフォースが多くて、F2とは比べ物にならないくらいの異次元の速度で、コーナリングをするという事。それと、マジでダウンフォース凄すぎて、首持ってかれるかと思ったし、首ものすごく痛かったよ。それとブレーキング時に、うさぎみたいにピョンピョン跳ねる事。それとハンコックとピレリの性格が違いすぎて、慣れるまで時間を有するという事。でも電動パワステあるのはありがたい。しばらく走り込んで、やっと理解出来て、これでやっとまともに走れる。そう思いながらコントロールラインを通過してアタック開始。タイムも良い感じのタイムを出して一時撤退。あとはセッティングとかの擦り合わせをするだけとなった。そして、もう一度コースインをしてセッティングを見つけ出す事にした。そしてセッティングも良い感じのやつが見つかり、それを施して練習走行初日を終えた。そして練習走行2日目は、とにかく慣れる事を最優先事項として走り込んだ。そして迎えた予選。本当に久しぶりの、富士スピードウェイでのレースにワクワクしていた。そして予選開始の時間となり、各車一斉にピットアウト。ピットレーンシグナルが赤から青になりコースイン。先陣を切ったのは、ラストが駆る、カーナンバー33のアウディRS5DTM、その次に赤色のカラーを纏った我らチーム・ブシロード・クニミツ・ホンダのNSX-GT。そして観客もドライバーもボルテージが振り切る程の白熱した予選が始まった。そして、タイムアタック合戦も面白くなってきた。そして結果は俺のポール獲得。観客席からは大歓声が聞こえた。そして迎えたDay1。俺は、先頭という事もあってか、かなり緊張していた。そしてドライバーズアピアランスも終わり、俺はヘルメット類を装着して、マシンに乗り込み、エンジンをかけ、ガレージから出ると、今回このレースを見るが為に来ていた、今シーズンのEFO年間王者の晴南から「先輩…出れなかった私の分まで、頑張ってください!!」と言うメッセージを貰って、コースへと向かった。そして、国歌斉唱を終えて、マシンに乗り込み、エンジンスタートコールと同時に、エンジン始動。そしてペースカーラン。俺は思いっきり、ウェービングさせてタイヤに熱を入れていた。そして、コントロールラインまで相手を牽制してから、加速してレーススタート。もう、この時から、日本と海外のレースの差を見せつけられることになった。こっちがブロックしてるつもりでも、相手にはノーダメージ。寧ろ隙を与えていた。そして、下位争いも日本のレースとは段違いだった。トラックリミットなんてなんのその。そして皆して、容赦なく、バカスカぶつけまくってる。俺もトップを死守するのに精一杯だった。そしてファイナルラップ。初日からかなりカオスなレースとなったが、蓋を開ければ俺の圧勝だった。そして前座レースのオートスポーツカップも、かなり面白くて最高だった。俺が一番大爆笑したのが、プリウスがコルベットやマクラーレンといった、名だたるスポーツカーやスーパーカーをぶち抜くという、公道ではまず見ない光景が、これまた新鮮すぎて笑いが止まらなかった。でもスーパーGTだとこれが日常茶飯事だと言うのは驚きだった。そして迎えた最終日Day2。俺はようやく星奈とF2以外で戦えるとワクワクしてウズウズしていた。天候はまさかの雨模様。でもハンコックのレインタイヤも使えるという利点付き。そしてこの日、チーム無限からエントリーしている、晶先輩がドライバーとして、レーサーとしての第一線を退くというニュースが舞い込んで来た。そしてこのセレモニーが行われて拍手で終わり、最終決戦の時間が刻一刻と迫っていた。実は前の日の予選で晶先輩のマシンはクラッシュした際にフレームをやってしまい、あわや決勝を走る事が出来ないという危機に瀕していたが、特例でマシン交換が許可され、何とか決勝にこぎ着けることが出来た。そして結果は、晶先輩のポールポジション。俺は雨用のセッティングがあまりにも急造のやつだった為、トップ10に入ればいいという感じだった。そしてこのレースはトヨタ(レクサス)勢に、とんだ災難が降りかかるレースとなった。おそらく俺らドライバー間も身の毛がよ立ち、背筋が凍り、戦慄が走り、顔面蒼白になるレベルの事態が。その災難というのがレース終盤の出来事だった。まずはauトムスがスピンしてその混乱でLC500達が次々突っ込んで、総額で実に数億~数十億オーバーの大損害が起きた。その内、auトムスは、クラッシュの際に、フレームまでダメージが及び、ご臨終となった。この時チームデンソー・サードからエントリーしていた星奈は、この混乱を間一髪で回避して難を逃れた。そしてイエローフラッグが解除されて、ラスト1周の超スプリントレースとなった。俺は、何故か偶然にも3位に着けており、あわよくば優勝するのも時間の問題だった。そしてコントロールラインを通過してレース再開。俺はフルスロットルで1コーナーへと突っ込み2位にアップ。前には星奈がいる。3位にはトレルイエ。そして俺と星奈のバトルは本当に容赦ないバトルとなり、雨の中来ていた観客は大盛り上がり。そして俺は、最後の最後まで意地を見せたがコンマ1秒差で星奈が優勝。俺は2位と2日間表彰台に登ることも出来た。本当に楽しかったし最高だった。もうトラックリミットなんてなんのその、相手を抜く為なら多少の接触なんてお構い無しかつ想定内で、お咎め無し。こんなカオスなレースここでしか体験できなかったから凄く楽しかった。そして3位に入ったカーティケヤンも「有終の美を飾れたよ。ありがとう。」と、このレースを機に日本でのレース活動にピリオドを打った。俺はレース後、晴南に「2日間見に来てくれてありがとう。晴南の分までちゃんと走りきったよ!」と抱きしめながらお礼をした。そしてF2も最終戦まで目が離せない!


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