オーバーロード~ナザリック地下大墳墓侵入&帰還達成√RTA~ 作:マジェスティ
法国の襲撃から逃げ切る運ゲーRTAはーじまーるよー!
前回は法国襲撃イベントのメンバーにニグン隊長が登場して私の完璧なチャートを破壊してくれた所で終了でしたね。今回は法国が連れているモンスターに接触して、妹に何らかの傷か呪いを負わせた後に即森へ逃げ隠れたいと思います。
さて、本来ならば逃げ隠れながら森に近い位置を確保し、モンスターが陽光聖典のメンバーからある程度離れて容易に援護出来ない状態になった所で、一匹になった隙を伺って接触するはずでしたが、そう悠長な事を言ってられなくなりました。
前回軽く説明しましたが、ニグン隊長は臨機応変かつ冷静な判断力を持つ人物です。故に、王国の村1つよりも不安要素になりうると判断したホモ君達を優先してしっかりと排除しに来る事でしょう。ニグン隊長は判断を間違えない上司の鑑にしてチャート破壊のクズ、はっきり分かんだね。
そして、襲撃人数が最大値に近い上にニグン隊長がいるという事はそれだけ村の殲滅速度が上昇すると言うことであり、本来よりもかなり短くなってしまった制限時間の中でモンスターがニグン隊長の視認範囲から離れ、更に同時に陽光聖典のメンバーが一人もモンスターの近くにいない状況なんてタイミングはおそらく訪れないと判断した方が賢明です。
であれば、この状況で私が取れる手段は2つです。
ニグン隊長には目撃されるでしょうが、モンスターの近くに法国のメンバーがいない隙に接触し逃げる。もしくはニグン隊長が遠くに行きモンスターの制御を法国のメンバーに頼んだ隙にモンスターと接触し陽光聖典のメンバーとモンスターの攻撃から同時に逃げるという手段です。
前者はニグン隊長のご機嫌次第でリセットが決まる天に運を任せたお祈りゲー、後者は私の苦手なアクション技術に賭けた実力次第のごり押しゲーとなるんですよね。どちらを選んでも地獄ですが悩んでる時間も惜しい…。
…………ここは後者で行きましょう!
ただでさえこのRTAは運ゲー極まっているのにこれ以上自分から運に頼りに行くのは愚の骨頂です。
私もRTA走者の端くれ、火事場の底力ってやつを見せてやります。
>あなたは妹を連れて物陰から物陰へと移りながらリリィの手を引き少しずつ森へと近付いていく。リリィは不安からかあなたの手をぎゅっと強く握り返してくる。…この大切な妹を守るためにもあいつらに絶対に見つかるわけにはいかない。特に先程見かけた金髪の男は何かがヤバい。アイツにだけは見つからないように慎重に、慎重に…。
>………
………
………
>…いつも木の実の採集などで訪れている森が見えてきた。ここまで誰にも見つからずに進めている。このまま行けば逃げ切れるのではないか?とあなたは淡い希望を抱く。
>…そう油断したのが行けなかったのだろうか、それとも金髪の男に意識を取られすぎてて襲撃した他の男達への注意が疎かになっていたのだろうか。
あなたが物陰から次の物陰へと移ろうと顔を出して辺りを確認しようとすると、目の前に巨大な蛇とも蜥蜴とも言えるモンスターが顔を覗かせていた。そして、その近くには襲撃してきたメンバーと同じ格好をしている者が二人。
……マズい!と思ったあなたは、化け物の姿を見るやリリィの手を引っ張り一目散に森の方へと駆け出す。あの化け物や人間達から少しでも逃れるためにも。
しかし、すぐに限界は訪れる。あなたはともかく、リリィはここまでの逃避行で既に体力が限界だったのだ。彼女の走る速度が疲労からかみるみる遅くなっていく。彼女の速度に合わせて一緒に逃げているだけだとこのままでは全滅だ…。
よし、ニグン隊長の視認範囲から絶対に逃れるために陽光聖典のメンバーにも見つかってしまいまたが、ここまでは予定調和です。ここで妹を見捨てて一人で逃げることも出来ますが、今回は当然妹を庇う√を選択です。
また、今回襲ってきたモンスターはギガントバジリスクの亜種とも言える死の呪い持ちのモンスターですね。法国が連れてくるモンスターはクアイエッセが貸し出している10種類のモンスターからランダムに選ばれる仕組みになっていますが、その中でもかなり厄介なのを引いてしまいました。
ギガントバジリスクほど戦闘力自体は高くはないのですがその分呪いの効果が強く、当たり所次第では余裕で即死します。ホモ君が若干生き残りやすいという点ではラッキーかもしれませんが、妹が死にやすくなってしまった点を考慮するとむしろマイナスですね。呪いを直撃させては死んでしまいますので、軽く掠らせる位がベストです。
>…一瞬でも一人で逃げようかと迷った心をあなたは恥じた。あなたはリリィを先に逃がし、自分が足止めをする事を決意する。リリィが涙を流しながら一緒に逃げようと言ってくるが、心を鬼にして強い口調で先に行けと促す。
リリィは暫く躊躇っていた様子だったが、『信じてる』とあなたに伝えた後、森へと残った体力を振り絞って逃げていく。
それを横目で見送ると追いかけてきたモンスターと襲撃者に対して、あなたはおじさんから練習用のために借りていた鉄製の剣を構える。
さて、ここから暫くの間は妹が森に近付くまでは時間稼ぎをしなくては行けません。妹が呪いを食らった後はホモ君が妹を背負って逃げる必要がありますが、負傷している妹を背負うと移動や回避に大きなマイナス補正がかかってしまい、森までの距離が遠いと辿り着く前にモンスターや陽光聖典のメンバーに追いつかれてしまいます。
そのため、妹を連れて森に逃げられる距離に近付くまでは呪いを被弾させるわけには行かないので、ホモ君も森に逃げながらモンスターと2人の陽光聖典メンバーを相手に立ち回らなくては行けません。ここが正念場だぁ…。
ここで警戒する優先度はモンスター>>陽光聖典のメンバーです。
漆黒聖典のクアイエッセが貸し出しているモンスターということもあり、モンスターのレベルは陽光聖典のメンバーよりもかなり高い数値に設定されています。そして、彼らはホモ君の見た目が子供ということもあって、消費MPの多い天使を召喚して攻撃することはせずに、攻撃魔法を使って倒しに来てくれるんですよね。もちろん防具が無いステータスが紙装甲の今のホモ君では攻撃魔法を1発くらっただけでもゲームオーバー直行ですが、モンスターの攻撃よりはまだ避けやすいです。
それに、モンスターの呪いは効果範囲が広いので、ホモ君が注意を引きつけていないと妹に呪いが直撃してしまいますからね。
さあ、行きますよ!
>あなたは『疾風加速』を使用し体を軽くした後、モンスターと襲撃者の注意を引きつけるように逃げ回る。魔法の火球に魔法の矢、どれも直撃した瞬間に死んでしまいそうな恐ろしい攻撃ばかりであるが、ここで死んではリリィを守れないという思いを糧に何とか紙一重で回避し続けていく。
ひぇ…。ギリギリで回避し続けていますが、少しでも操作をミスったら即座に殺されてしまいます。武技を取ったのはモンスターの攻撃を安定して避けるためであってこんなにヒヤヒヤする戦いをするためではないんですが、結果的には役に立ちましたね…。私の本来の腕では疾風加速が無ければ一分も持たないでしょう。
…あ、やべ。
>縦横無尽に駆け回り攻撃を避けていくあなたに向けて、モンスターが目を光らせて光線のようなモノを打ってくる。直感的に触れてはいけないモノだと判断したあなたは空中へとジャンプし何とか避ける事に成功する。しかし、その隙を見逃さなかった襲撃者はあなたが着地するタイミングで炎の魔法を放ってくる。マズい、空中に逃げてしまった事でこれを避ける事が出来ない…!
や、ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい、か、『回避』いいいぃぃ!!
>避けられないと悟ったあなたは『回避』を使用し、その瞬間体が一瞬ブレたような挙動を起こし後ろに避け、飛んできた炎の球をギリギリでかわすことに成功する。あ、危なかった…。
あぁ…、1度使うと24時間のクールタイムが発生する『回避』をここで消費させられてしまいました…。これでもう私に保険はありません。ここからは1ミスした時点でリセットです。絶対にミスるわけにはいきません…!
>あなたは気を引き締め直して再度モンスターと襲撃者に向き合い攻撃を避け続ける。ちらりと逃げたリリィの方に視線を向けると彼女はもうすぐ森に辿り着きそうだ。あなたはあと少しだと自分に言い聞かせて気力を保つ。
あと少し…あと少しです。お願いしますお願いしますお願いします神様ぁ…。もうリセゲーを再走するのは嫌なんですううう!!お兄さん許して!
>…あなたは身体中がボロボロになりながらも何とか攻撃を躱しきる事に成功する。これだけ時間を稼いだなら、もうリリィも逃げ切れる頃合いだろう。あなたはフラついた体に活を入れて全力で森へと走り出す。
よし!やりました!やりましたよ!皆さん!何とか生き残る事が出来ました!
ホモ君は軽戦士を目指したステータスなので、素早さは一級品です。妹を引き連れずにトップスピードで走ればレベルが格上のモンスターや陽光聖典のメンバーにも追いつかれることなく逃げ切る事が出来ます!
さて、後は最後の仕上げですね…。
>モンスターはぐんぐん距離が離れていくあなたに追いつくことを諦めたのか、先程あなたが直感的に触れてはいけないと感じた光線をあなたとリリィが逃げている方角へと放とうとしている。
それを見たあなたは最期の力を振り絞ってリリィへと全速力で追いつき、光線の射線上から逃れるためにリリィの華奢な体を抱えて森へと飛び込む。間に合え…!
>………
………
………
………
>……あなたはブラックアウトしていた意識を取り戻す。どうやら少しの間気を失っていたようだ。
それと同時に襲撃者に襲われていた事を思い出し思わず辺りを見渡すが、襲撃者もモンスターもいない。どうやら追跡を諦めてくれたらしい。
あなたはホッと一息吐くと、攻撃を避けるために抱えたまま一緒に倒れ込んだリリィの様子を見ようと目を向ける。彼女はどうやらあなたと同じく気を失っているようだ。
苦笑したあなたはリリィを起こそうと体を揺すってみる。しかし、彼女は目覚めない。
……?少しおかしいと思ったあなたは襲撃者達に気付かれないように耳元で起きろと声を落として叫んでみるが目覚めない。
……ここまでされて目覚めないのは流石に変だと思ったあなたはリリィの様子を深く観察する事にした。すると、リリィの左腕に蛇のような見た目の痣みたいなモノが浮かんで発光しているのに気付く。…なんだこれは?さっき遊んでいた時はこんなモノなかったはずだが…。
あなたが疑問に思っていると、やがて痣のようなモノは発光を止め、それと同時にリリィは目を覚ます。
彼女の左腕には黒い蛇のような痣がそのまま残っている。あなたは何が起きたのか理解出来ずに困惑しているが、それでもリリィが目覚めてくれた事に安堵し話しかけると、自分の体の調子を確かめるかのように軽く体を動かしたリリィが、涙を流しながらあなたに訴えてくる。
「左腕が…左腕が動かない…」
法国襲撃イベントを乗り越えた所で今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。
感想・評価をお待ちしております。
せっかく登場したのに活躍の機会が無いとはニグン隊長も原作に負けず劣らず不憫な扱いですね…。
ちなみに、ニグン隊長に見つかると9割位の確率でホモ君達の方を優先して追って来ます。それよりはアクションが苦手でもモンスター+陽光聖典メンバーの方が生き残れる確率が高いです。
多分次回か次々回で幼少期編は終了です。
明日投稿が無かったらシャドバ沼にハマってると思って下さい。その分明後日2話投稿します。