【悲報】気が付いたら救いがない世界へ転生した件について 作:鼻毛マン
更新、待たせてしまったな……!
ちょっと執筆に苦戦してしまってな。ああ、大丈夫だ、俺はまだ後10年は戦える!
やあ、みんな!元気かい?……うんうん、元気そうだね!!良かったぁ!
……え?俺はどうなんだって?ハハッ!決まってるじゃないかぁ!!
「見事に入院だよこの野郎!!!」
「ユウ兄、いきなり何言うてんねん?」
ヤシマ作戦成功だぜ!と思ったのも束の間、病院へ強制連行され、全身を包帯でグルグル巻かれて寝かされているというわけだ。これじゃミイラ男じゃねーか。
……みなさん、もうお分かりだろう?そう、まさかあの子と同室だとは思わなかったんだよね。
「それにしても、ユウ兄と同室になんて……こらもう運命や!」
「運命ね……(Fa〇eかな?)」
うん、サクラと同室になったんだよね……こんなの、あります??全くわけがわからないよ……。
「そう、うちらは結ばれる運命なんや!!」
「はいはい、ソウデスネー(使徒、エク〇カリ〇ーとかでぶっ倒せないかな?)」
さっきからサクラがハイテンションでついていけない。なんでこんなにハイテンションなんですか?
運命!とか結ばれる!とか、夢見がちな少女ですな……可愛いから許せる!!なお、数年後はそんなの信じてたの?馬鹿じゃん!と言われる模様。
「んで、さっきのユウ兄って何?」
「えー、普通にユウヤって呼ぶのも味気あらへんやん?せやからこれからはユウ兄って呼ぶね!」
「いいぞ。妹が出来たみたいで嬉しいわ」
こんな可愛い子が妹なんて、初めてトウジのことを羨ましいって思ったわ。せめてユウ兄と呼ばれることで兄妹気分を味わうとしよう。
「そういや、サクラはいつ退院するの?」
「実は……なんと一週間後やで!」
「はっや、もうすぐじゃん」
もう退院するのか……待て。えっと、サクラが長期入院しなかったらどうなる?
確か、トウジが妹の転院を条件に3号機に乗って、第13使徒になっちゃう流れだったよな?
…………これトウジが乗る理由なくなるじゃん!!いや、乗らないほうがいいんだけどね?……誰が乗ることになるんだろう?
「う──ん…………」
「どないしたん?考え事?」
「まあ何とかなるでしょ……」
うん、ノリと気合さえあれば大体は解決できるからそこまで考えなくてもいいわ。
はっはっは、もしかしたら第13使徒戦スキップの可能性もあるし、いいことしかないじゃないか!!
「ちなみにサクラは退院後、何やるつもりで?」
「決まっとるやないか!花嫁修業や!」
「おお……何のために?」
「そらユウ兄と結婚するためやん!!」
可愛いですねぇ……でも、数年経ったらそんな約束してた?ってなるんですね、分かります。
はあ~、サクラは大きくなったら絶対可愛くなるよなぁ……将来の彼氏くん、羨ましいぜ!!
「すいませ~ん、入ってもいいですか~?」
「ん?誰か来たみたいだな……どうぞどうぞ入ってもいいですよ」
「せっかく二人きりやったのに……」
看護師さんかな?それともシンジたち?はたしてドアから入ってきたのは…………!?
「ユウヤ、調子はどう?」
「多少は良くなったぜ!なので退院してナンパしに行ってもいいと思うのですが!!」
「何言ってんの?ダメに決まってるでしょ(威圧)」
「サーセン……」
看護師ではなく、シンジたちでした。ナンパしたいという欲を即座に切り捨てるとは……恐ろしい子!!
おっと、シンジの後ろにレイ、トウジ、ケンスケ……全員揃ってますねぇ。お見舞いに来てくれるなんて、嬉しくて泣いちゃうよ……
「ところで……そっちの女の子は誰かな?」
「ウチは鈴原サクラといいます、ほんで将来ユウ兄のお嫁さんになる予定です♡」
「ふうん、僕は碇シンジだよ。……お嫁さんなんて、面白い冗談だね?」
ヒェッ……シンジったら、なんでそんなに敵意を剥き出しにするんですかね……??
「あはは、これが冗談に聞こえるなんて、耳が悪いんですね」
「は??」
「ん??」
なんでサクラも敵意バリバリなんですか?気のせいか、体感温度が5度くらい下がったような……一年中夏で気温が高いから、問題ないですね(白目)
「……(綾波だけじゃなく、こいつも敵だね……ユウヤったら女ひっかけすぎだよ!)」
「……(間違いあらへん、この人は敵や……!男ちゅうことにはびっくりだけど、負けへんで!)」
今にも一触即発な感じだったのに、今度は急に黙って見つめ始めたんですが、これは……?ほっといてもいいんですか?
……大丈夫っぽいし、もう一つの問題も解決しないとね!
「………………」
「レイ、さっきから俺をずっと見てるけど……何か?」
「…………ダメ?」
「いやダメじゃないけどさ……何かあると思うじゃん?」
「理由はないわ」
「あっ、そうなんですか……」
フツメンな俺をじっと見るなんて、絶対何か理由あるでしょ……?……あっ、わかった!普通の顔だからこそ、じっと見ても飽きないんですよね!?(迷推理)…………自分で言ってて悲しくなってくるなこれ……
「うっ、トイレに行きたくなってきた……レイ、肩貸してくれ」
「その必要はないわ」
「えっ?」
「これがあるから」
スッとレイが取り出したのは……例えるなら、ヤカンを小さめにして透明にしたようなものだった。…………それ尿瓶じゃないですかァ!!
……もしかして、そこに出せってわけじゃないよな?ハハッ、レイが冗談を言うとはなぁ!
「はっはっは、レイも冗談が上手くなったねえ!うん!面白いよ!」
「冗談なんかじゃないわ」
「……マジですか?」
「ええ、私に身を委ねて……」
そう言うとレイは尿瓶をベッドの隅に置き、俺のズボンを掴んで脱がそうとしてきた。やめてぇ!!そんなことされちゃ俺のプライドがズタズタになっちゃうぅ!!トイレに行かせてくれぇ!!
「あーっ!レイさん困ります!あーっ!あーっ!そんなことしてはいけません!」
「ユウヤくんをお世話するって、決めたから」
「それはそれ!これはこれ!」
「……諦めて」
「俺は諦めねぇぞ!何が何でもやらせはしない!」
負けねぇぞお前!と意気込んだが、今のところ劣勢です。……レイ、力強っ!?どこからそんなパワー出てるの!?ヤバい、このままでは……!!
「フフフ……」
「うあああああ!!」
「綾波何してんの!?」
「ウチのユウ兄に何やってんねん!!」
よっしゃあ!シンジとサクラがこの状況に気づいてくれた!レイを早く止めてくれ!お願いしますから!
「そういうのは同性の僕が適任でしょ!だから綾波はどいてて!」
「何言うてんねん!未来の妻であるウチの方が適任や!」
「……あなた達二人に、ユウヤくんは渡さないわ」
「あっるぇ〜??」
何で状況が悪化してるんですか?(憤怒)俺が望んでいたのはこんなのじゃないよ!!!
……まだ希望はある!みんな忘れてはいないだろうか?そう、トウジとケンスケもいるのだ。あの二人なら助けてくれるはず……!
(頼む!俺をトイレに連れてってくれ!!お願いしますから!!)
(わかるやろ?三人を敵に回したないんや。ちゅうわけで、諦めてや!)
(このハーレム野郎がぁ!!……お前は僕の敵だっ!!)
(この薄情者がぁ!!)
たった今、希望は潰えた………………勇者はいないのかっ!?今こそ立ち上がる時だ!!
「このままじゃ埒が明かないね」
「はあーしゃあないなあ」
「みんな、平等にすべき」
三人の話し合いの雲行きが怪しくなってきたんですがそれは……今すぐにでもここから逃げ出したいのに、体が全然動かん。動けっ!動いてくれ、頼むから!……ダメだこりゃ。
「ユウヤ」
「…………何だい?」
「ユウヤが完治するまで三人でお世話することになったから」
「やめてくれよ……(絶望)」
俺のプライドを徹底的に虐めに来るんじゃない!!シンジだけならまだしもレイ、サクラの二人はダメだろお前!!馬鹿野郎!!
「じゃ、ズボンを脱がせてもらうよ」
「何もしのうてええからな!」
「お世話、お世話……(ワクワク)」
拝啓、ミサトさん。どうやら俺はここまでのようです。俺の事、忘れないでね……
▽▽▽▽▽
「はあー、もうやだやだ、やってらんないわよ」
「そんなこと言わないの。はい、コーヒーよ」
「ありがとーリツコ」
どんなに手を動かしても、仕事が終わらない。なんでこんなにあるのよぉ!?日向君にいくらか押し付けたけどそれでもまだまだ山積みの書類…………投げ出したくなるのは当然の事よね!
「そもそもさー、使徒は無事に撃破できたんだから、こんなことやらなくてもいいと思うのよね」
「結果だけ見たら……ね。特攻機は装甲がほぼ融解寸前、零号機は所々がちょっと融解したことを除けば犠牲は0よ」
「あの攻防ともにパーペキな空中要塞もどきを撃破できたんだから、安いもんでしょ?」
「あのねぇ……零号機はいいとして、特攻機は装甲を全部変えないといけないのよ。どれだけ費用が掛かると思ってんのよ……」
ええ~?使徒を撃破できないよりはいいでしょ?確かにちょっと厳しいところはあったかもしんないかもだけど。
「大丈夫大丈夫、お金は司令達が何とかするわよ!使徒を撃破するための必要経費よ!」
「はあ──…………まあいいか。ところで面白い話、聞きたくないかしら?」
「聞きたい聞きたい!」
あのリツコが面白いって思ったなんて、どんな話なのよ!?すっごく気になるわ!
「レイのことなんだけど、ユウヤ君に恋してるみたいなのよ」
「…………それ、レイじゃなくて別の人なんじゃないの?」
「いいえ、間違いなくレイよ。見間違えるもんですか」
「ええ──ー!?だって、あのレイでしょ!?恋愛なんて興味なさそうなレイが!?」
どんな時でも無表情がデフォルトのレイちゃんが恋してるって!?しかもユウちゃんに恋してるですってぇ!?こりゃ赤飯をユウちゃんに炊いてもらって食べるしかないじゃないの!
「ええ、そのレイよ。私も信じられないのだけど、先日訓練後に聞かれたのよ。『赤木博士、ユウヤくんのことを考えると胸がじわぁっと、熱くなるんです。これは何ですか?』……って」
「……で、なんて返したのよ?」
「『それはね、ユウヤ君のことを好意的に思っているということよ。……胸が熱くなるということは、好きを通り越して、愛よ!!』と返したわ」
「ナイスよぉ!!リツコったら、いい仕事をしたじゃないの!」
好きじゃなくて愛って教えたのは少しやりすぎかもしれないけど……レイちゃんには、それでも足りないくらいかもね。
「それにしても、レイが恋するとはねぇ~」
「私も予想外だったわよ。どちらかといえば、シンジ君に恋すると思ったんだけど」
「そう?あたしはユウヤ君に恋したのも納得いってるんだけど」
「例えばどんなとこに?」
一緒に過ごしてるからこそ、見えてくるもんがあんのよ!
「料理がとてつもなく上手い、面倒見がいい、程よい量の筋肉がついてる体、イケメンじゃないけど愛嬌のある顔つき……色々あるわよ」
「……まさかとは思うけど、朝食とか作らせてたりはしてないわよね?」
「アハハ!そんなまっさかぁ~~??」
「作らせてるのね。中学生に家の事全部任せっきりなのは恥ずかしくないの?」
何言ってんのよぉ、リツコは?そんなの決まってるじゃないの。
「羞恥心はもうとっくに死んでるわよ!作ってくれるご飯は美味しいし、お弁当まで作ってくれるありがたみを知ったらもう戻れないわよ!!」
「……最近、ミサトの肌ツヤが良くなったと思ったら、栄養バランスが良くなったわけね」
「フフーン、それにお酒も1~2本ほどで満足するようになったのよ!」
「はあ!?あんなに酒をガポガポ飲んでたミサトが1~2本で満足ですって!?冗談も大概にしなさいよ!」
そんなに私のお酒を飲む量が減ったことが信じられないの!?失礼ねぇ!!やろうと思えば禁酒だってできるのよ!
「本当よ。なんかご飯が美味しくてさ、お酒を沢山飲まなくても満足しちゃうのよね」
「……私にもユウヤ君のご飯、食べさせてくれないかしら?」
「えっ、何のために?」
「肌ツヤを良くしたいのよ!ミサトだけズルいわよ!」
そんなこと言ってるけど、まだまだ若いんだからそんなに気を遣わなくてもいいんじゃないの?リツコったらおばさんみたいなことを言うのね。
「おばさんなんかじゃないわよ!」
「ほえっ!?何で考えてること分かったの!」
「顔に出まくってたからよ!いい?肌ってのはね、気を遣わなくなった途端にボロボロになっていくものなのよ?」
「そうなの?あたし、今までそんなの気にしたことないや」
肌って何をしなくてもツヤツヤなもんじゃないの?顔パックとかする必要ないと思うのよねぇ……そんなのに使う金があるなら、お酒を買った方がよっぽどいいわよ。
「ふーん…………ねぇ、ミサト」
「何よ……って、なんでそんなに怖い顔してるの…………?」
「肌ツヤを良くするために、何かやってるかしら?例えばマッサージとか」
「なーんもやってないわよ?それがどうしたの?」
あれ?なんかさっきより怖い顔になってきてない……?これは地雷踏んだかしら?
「フ、フフフ……」
「えっ……と、気のせいならいいんだけど、怒ってない?」
「さっきから聞いてりゃ……喧嘩売ってるでしょ!?いいわよ!いくらでも買ってあげるわ!!」
「ぴゃ────っ!?なんでそんなに怒ってるのよぉ!?」
「問答無用!覚悟なさい!!」
なんでこうなるのよぉ!?ただ肌の事を話しただけじゃないの!どこに怒る要素があったのよ、わけわかんない!!
▽▽▽▽▽
「おー、訓練頑張ってるじゃないか」
「あっ!加持せんぱ~い♡」
ドイツにあるNERV本部の訓練室、そこに加持と呼ばれた男が入ってきた。
それを見て行っていた訓練を止め、少女が駆け寄る。その少女は、10人中10人全員が美少女と認めるほどの容姿をしており、入室してきた加持にキラキラと視線を向けていた。
「ハハハ、アスカはいつでも元気だな」
「そんなの当然でしょ、私は弐号機のパイロットなのよ!」
少女……惣流・アスカ・ラングレーことアスカはフフーンと自慢げに胸を張る。胸を張ったことで強調された二つの山には目もくれず、加持は用件を伝えようと口を開く。
「明日には日本へ出発だ、準備はもう出来てるのか?」
「そんなのとっくに済ませてるわよ。いつでも行けるわ」
アスカはつまらないことを聞かないでくれる?とでも言わんばかりに両手を腰に置き、自信満々な様子だ。
「そりゃぁいい。……ところで、噂になってる100%のやつ、アスカと顔合わせに来るみたいだぞ」
「ハッ!常時シンクロ率がほぼ100%な男の事でしょ?そんなのインチキに決まってんじゃないの!」
「なんでそう思うんだい?」
「簡単なことよ!この私でさえ100%はまだ出来ていないのよ!ぽっと出のやつがいきなり100%なんか出来るわけないじゃない!」
オホホホ!と貴族風に口元に手を持っていき、笑う。
その余裕綽々な様子を見て、加持は一筋の汗をかく。
(参ったな……これが本当の事だと知ったら、荒れまくるぞこれは……)
アスカがエヴァのパイロットである事にかなりのプライドを抱いていると知っているからこそ、近いうちに訪れる未来を案じてしまう。
そこで、加持は一つ質問をしてみることにした。
「もしだ、インチキじゃなくて本当に常時100%だったら、どうする?」
「本当だったら?そーねぇ……頭でも下げてやるわよ、シンクロ率はどうやって上げるんですか!?ってね」
ま、そんなの有り得ないだろうけどね!とさっきより大きな声でオホホホホ!と笑い続けるアスカ。
荒れた時はとてもなく面倒くさいことになりそうだなこれは……と我が身を案じ始めた加持。
その心配が杞憂だったと思うのはまた別の話……
やーっとこらアスカを出せたぞ!ここまで時間かかるとは……小説執筆、舐めたらダメですね!(現在進行形で実感中)
さあて、ここからは書くのがさらに楽しくなりそうだ……!!
では、最後に読んでくれてるみんなに対しての感謝の正拳突きでもしてきます。