セイバーオルタRPガチ勢が行く   作:サレナルード

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 エルデンリングDLCトレーラーとガンダムブレイカー4発表されたので初投稿です。
 エルデンDLCで稼いでアーマードコア6続編作ってくれフロム(強欲)
 それはそれとして第三話第四話加筆修正しました。なんか過去データ見てたら書きかけの三話が二つあったので勿体無くて・・・・。
 あといつも誤字報告ありがとナス!

 追記:なんか投稿時間間違ってたので一旦消して再投稿しました。ごめんなさい。


第五話 月光

 

『・・・・・・・・』

 

 至高の御方であるモモンガ、セイバーオルタ両名が去った第六階層円形闘技場(コロッセウム)

 残された各階層守護者は未だその場にて頭を垂れ、その身を底知れない畏怖と敬愛に震わせていた。

 

 理解しているはずだった。その力を、偉大さを。

 しかし足りなかった。シモベ程度の寸尺で測れるモノではなかった。その場に集まっているのはユグドラシルにおいて限界まで鍛えられた証であるレベル100の強者のみ。

 それがどうだ。

 ただの威圧で、全員がみっともなく許しを請う童のように膝をつき、頭を上げることさえできない。

 これが高み。

 我々ナザリックの偉大なる死の王と、その剣。

 

「マサカ・・・・コレホドトハ・・・・」

 

 ライトブルーの甲殻に四つ腕を持つ二足歩行の巨大な昆虫、コキュートスがその口から冷気を溢しながらつぶやいた。

 

「ボ、ボク失礼無かったかな?だ、大丈夫だよねお姉ちゃん」

「うん、大丈夫だと思うけど・・・・押しつぶされるかと思った・・・・」

 

 続いて女性モノの衣装を身に纏うダークエルフの姉弟の弟の方マーレと、反対に男性モノの衣装を纏う姉の方アウラ両名が膝を震わせながら立ち上がる。

 

「いやはや・・・・我々の認識は不敬であったと言わざるを得ませんね」

 

 ナザリックでも一二を争う頭脳を持つ、メガネの下に宝石の瞳を隠したスーツ姿の悪魔デミウルゴスは、主の力を理解していなかった不甲斐なさに自己嫌悪を抱く。

 

「ところで、そちらのお二人は?」

『・・・・・・・・ァ』

 

 デミウルゴスの視線の先には、跪いたままプルプルと微振動を繰り返す二名の守護者(へんたい)が居た。

 よく見ると人前に出してはいけないような恍惚とした表情をしながら、ブツブツと何やら呟いている。

 

 ユグドラシル終了間際にその設定を改変されギルメンを愛していると変更された、守護者統括にして慈悲深き純白の悪魔アルベド。

 創造主の数多の性癖を詰め込まれ創造された死体愛好家(ネクロフォリア)、鮮血の戦乙女シャルティア・ブラッドフォールン。

 両者ともに間近でモモンガとオルタのオーラを浴び、設定と合わさって情緒がおかしくなっていた。

 

「・・・・二人はさておき、至高の御方々は我々に道を示してくださいました。そして恐れながらご期待くださっています。我々がすべき事は――」

「――より一層の絶対なる忠義を捧げ、失態を犯すことなく事態の早期解決をすることね」

 

 膝を震わせつつも、口についたヨダレを拭い立ち上がったアルベド。流石に守護者統括、下着がおじゃんになって未だ震えている変態吸血鬼よりは立ち直りが早かったらしい。

 

「ソノトオリダ」

「そうだね。では早速行動しましょうか。全ては御方々のため」

 

 モモンガとオルタが想定する以上に、彼らの士気は高まっていた。

 

――

 

「さて」

 

 第六階層から転移し、現在第九階層"ロイヤルスイート"にある自室。

 "あちらの拠点"を手に入れてからはあまり立ち寄ることがなかった自室ではあるが、普段使いしない装備の倉庫として使用していた。

 とは言え自室としては使える。ベッドはあるし、ティーテーブルもある。ゲームだったからか、それともメイド達が掃除していたのかは知らないが埃なども一切落ちていない。

 リアルと変わらない・・・・いや、それ以上に上等なベットに腰をおろし一息つく。

 

「・・・・今のうちに持ち物を整えておくか」

 

 モモンガはもう少し試したいことがあると、ナーベラル・ガンマをお供に行ってしまった。なにやら魔法で鎧を作るだの何だの言っていたが、まあいい。それが終われば声を掛けると言っていたから暇つぶしも兼ねて、アイテムボックスに入れておいた物の確認をする。

 

「高レアリティのアイテムは自分のボックスに入れていて良かったな」

 

 虚空に手を入れ、端末操作をするように脳裏にあるウィンドウをスクロールする。

 ボックス内には予備の装備に希少素材、さらに流れ星の指輪(シューティングスター)等の課金アイテム。

 死亡すれば持っているアイテムをドロップするので、高レアリティの物は基本拠点などに保管しておいたほうがいいのだが、私の場合死亡すればアカウントが消滅するので今更アイテムドロップのリスクを気にする事はなかった。

 

 そのおかげでナザリックや今何処にあるのかわからないあちらの拠点に置いているのも、せいぜいが倉庫の肥やしにもならないハズレアイテムだったのは不幸中の幸いか。

 

 いや、今持っている物の何よりも重要なワールドアイテムが何処にあるのかわからない状態というのはマズイので、どっちにしろ早々に探さなければならないのだが。

 一応最低限では防衛装置は動いている筈で、最奥ではアーチャーが待ち構えているので早々やられる事は無い、と思いたいが····そういえばアーチャーも普通に行動できるようになっているのか。

 アレはモデルとなったキャラクターと同じ設定で創り出したNPC故に、ナザリックのNPC達と同じような忠誠心限界突破などという事にはなっていない筈だが····少々心配だな。本当に信奉者となっているなんて事が無ければいいが。

 

『オルタさん』

『む、モモンガか』

 

 と、そんな事を考えているとモモンガからメッセージが届いた。

 

『今からちょっと外に出てみようと思いまして・・・・』

『二人でか?』

『いえそのつもりだったんですが、デミウルゴスに見つかりまして····』

『近衛をつけろとでも言われたか?』

『はい····』

 

 当たり前といえば当たり前か。

 現在ナザリックは原因不明の転移により周囲に何が存在するのか、そもそもこの世界に我々の力が通用するのかすら分からない状態だ。

 

 セバスが偵察に出た限り敵対生物は存在しないようだったが、姿を完全に隠している可能性や超遠距離から観測されている可能性もある。

 もしかしたら何の前触れもなく核攻撃を受けるかも知れない。

 

 そんな中組織のトップである者が、肉壁すら用意せずに不用心に外に出ようとしているのならば止めて然るべきだろう。

 もっとも、我々が抵抗もできずに殺られるような相手がこの世界の標準だというのなら遅かれ早かれではあるが。

 

『とりあえずデミウルゴスは連れて行くことにしましたが、良かったですか?』

『構わないだろう。少し待っていろ、すぐに行く』

 

 

 外か····リアルでは大気汚染が深刻で草木は枯れ、アーコロジー内でなければ防護マスクを付けねば外も歩けない状態だったが、こちらはどうだろうな。セバスの報告によると草原が広がっているらしいが····期待したいところだな。

 

――

 

 

「モモンガ」

「!オルタさ・・・・我が盟友セイバーオルタ」

 

 上位道具創造(クリエイト・グレーター・アイテム)で創った鎧を身に纏い、デミウルゴスと共に待つこと2分ほど。

 後ろから声をかけられ振り返ると、そこには別れた時と変わらずバイザーを付けたままのオルタさんが居た。

 思わず素で返事しかけたが、デミウルゴスが居たことを思い出し咄嗟に支配者ロールプレイに移行した。

 危ない危ない。

 

「セイバーオルタ様、御身のま――」

「構わん、面倒だ。面を上げろ」

「····失礼しました」

 

 跪こうとしたデミウルゴスをオルタさんは有無を言わせず立たせる。やっぱりオルタさんを見てると支配者ってこういう人なんだろうなって雰囲気というかオーラがある。

 中身底辺サラリーマンの俺は見様見真似のそれっぽい演技だが、オルタさんのそれはリアルでも常日頃からやっていたと言われても違和感のない程に洗練されているのだ。

 

『何を考えているのかは知らんが、お前はお前のままでいいだろう。前も言ったが無理をする必要は無い。私のコレは好きでやっているだけだからな』

 

 と、そんな事を考えているとメッセージが届く。

 

『····顔に出てました?兜で見えない上に中身骨ですけど』

『勘だ』

 

 ····こういう所もオルタさんの凄いところだ。オルタさんはよく勘と言って人が考えてることを当てたりする。

 もちろん外れることもあるけど、たまに超能力者か何かなのかと考えることもあるほどその精度は高い。

 その上でこちらを気遣ってくれる所も人として良くできていると思う。

 普段からしているロールプレイで少々言葉遣いが不遜だが、その中でも優しさが見えるからかギルメンの中で不仲という相手も居なかった。

 るし☆ふぁーにはブチギレていたけど・・・・。

 

『・・・・とりあえず私もNPCの前では支配者としてやってみようと思います』

 

 オルタさんは好きにやっているから気にしなくてもいいと言っていたが、それでも彼女一人に任せるというのも無責任だ。それに、演出で言ったのかもしれないけど彼女は王ではなく剣だと自らを評した。

 なら俺はギルドマスターとして、ナザリックの王としてNPC達を導くべきだと決意した。

 

『ほう・・・・』

 

 オルタさんの瞳がバイザー越しにこちらを見つめる。

 ともすればまるで威圧するかのようなソレだが、その視線に悪感情は無いように思える。それどころかどこか機嫌が良さそうだ。

 俺はオルタさんのように勘は良くないし、顔の隠れた人間の顔色なんて分からないけど。

 

『精々ボロを出さないことだな』

 

 愉快そうに一言だけ返すと、オルタさんはそのまま地上へと続く階段を進んでいく。

 良くわからないが・・・・とりあえず言われた通りボロを出さないよう気をつけよう。

 

「デミウルゴス。行くぞ」

「はっ」

 

 そのためにもまず、出来る限りの威厳ある声を出してデミウルゴスに声を掛け、オルタさんの後を追う。

 

 地上へと続く階段はそう長くはない。馴れない鎧をガチャガチャと鳴らしながら登っていくと、そこには一人佇み空を見上げているオルタさんが居た。

 珍しく無防備にその背を晒しているオルタさんに、どうかしたのかと声をかけようと思いながらその視線の先に目をやると。

 

「これは・・・・凄いな・・・・」

 

 本来ナザリック地下大墳墓があるワールドは、常闇と冷気の世界ヘルヘイム。天空を黒雲が覆い尽くす世界では、夜空など望めるはずななかった。

 だが、いまここにあるのは異世界の空。無数の星と、大きな月が彩るイルミネーション。

 

「ああ、仮想世界でもここまでのモノは見たことがない」

 

 オルタさんが空を見上げたまま感嘆の吐息を吐く。

 VRを使えば星空は見られる。それは大気汚染が進んでおらず、空気がまだ透き通るようにキレイだった頃のデータを元に再現された物。

 しかし、この光景はオルタさんの言う通りソレ以上の美しさだ。

 

「《飛行(フライ)》」

「《飛行(フライ)》」

 

 どちらが言うまでもなく、俺とオルタさんは小さな鳥の翼を象ったマジックアイテムを装備し、込められた魔法を開放した。

 オルタさんはもとより、鎧を装備している今現在、俺は5つの魔法しか使用することが出来ず、その5つの魔法に空を飛ぶ為の魔法は無かったためだ。

 

 ゲームの時よりも鋭くなった感覚が、地上を這う人間が馴れない無重力に戸惑うが、そのまま速度を速めながら宙を舞う。

 やがて雲より高く、星の全容さえ見えるほど高く上昇して、やがてゆっくりと停止した。

 そしてそのまま視界を狭める兜を取り外し、ただただ、この美しい世界を眺めた。

 

「ブルー・プラネットが拘る訳だ」

 

 隣に来たオルタさんが呟く。

 ブルー・プラネットさん。自然を愛し過ぎるあまり、自然を語らせればいつまでも熱く語るロマンティスト。

 第六階層を形作り、作り物とは思えないほどの夜空を仕上げた彼がこの光景を見たらどれだけ興奮していたことだろう。

 

「そうだ····なッ!?」

 

 デミウルゴスがついてきている手前、演技しながら返そうとオルタさんの方を向くと、そこには。

 

「どうした?モモンガ」

 

 バイザーを外し素顔を晒したオルタさんがいた。

 

 月に照らされたその素顔は、月の光をそのまま反射するように美しく煌めいている。

 力強いその金の瞳は妖しく光っていて、見つめているだけで吸い込まれるようだ。

 この(ソラ)に溢れる宝石の中でも一際美しく輝く一番星。

 

「え、あ、いやなんでもない」

 

 混乱した思考を漂白するように精神抑制が発動するが、収まらない。

 オルタさんの素顔を見たのは初めてではない。

 いつもバイザーをつけてはいるが、外すときは外すし、サービス終了間際にも見た。

 だがそれでも、ゲームではなくなった異世界で初めて見る彼女の素顔は····。

 

「本当に大丈夫か?」

「ほあっ」

 

 オルタさんが近づき、覗き込むようにこちらを見てくる。

 その時に何やらいい香りがして、変な声が出てしまった。

 し、心臓に悪い!心臓無いけど!

 

「ほ、ほらオルタさん、月が綺麗ですよ!?」

「····」

 

 演技すら忘れ、誤魔化すように月っぽい大きな星を指差すがオルタさんは何故か呆れたように溜め息をつくだけだった。

 

 

 

 

(も、モモンガ様はセイバーオルタ様と····!?)

 

 ちなみに後ろで黙って控えていたスーツ姿の悪魔は思いっきり勘違いしていたが、案外勘違いでもないのかもしれない。 

 




 主人公がやってるプレイを例えるなら、ギルド武器を持って最前線で初見だろうがなんだろうがバリバリバトルするって感じのキ◯ガイプレイなんですよね・・・・消えるのがギルドか自身のアカウントかの違いはありますが。
 ちなみに主人公はRPするのに全力を注いでるバカなので(恋愛とかは)ないです。

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