波動ポケモンルカリオは波導の勇者である   作:プロトタイプ・ゼロ

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ポケモン知らない人から見れば俺って怪しいよね?

 

 

 

 

 

友奈がダークライの理不尽な恨みによる悪夢に魘されてから数日が経った。最初こそは怯えたようにビクビクしていた友奈も、今ではすっかり元気に登校している。色々怖がって登校拒否した時はだいぶ焦った。

 

三森も三森で友奈を心配するあまり、倒れてしまっていたのでかなり焦ってしまった。なんとか看病して元気になった貰ったけど、その分友奈からのわかりやすい嫉妬が怖い。そんなに三森の看病したかったなら言ってくれればよかったのに。

 

三森の傍に居ると友奈の目から光がなくなって怖いんだよなぁ。アレホントどうにかなんない?

 

ちなみに俺は今勇者部室に居る。なんでも元の時代に帰れなくなった勇者達を俺に紹介するらしい。さてさて、あの大英雄様に会えるわけだからな。

 

友奈達は授業中のため放課後になるまでは暇なので、部室の床にあぐらをかいて精神統一を始める。波動を扱うルカリオの力を最大限にする為にも、準備は念入りにしておかなくてはならない。

 

そう言えば、以前俺がバーテックスの戦いに乱入した時、勇者部以外の勇者達は他の場所で戦っていたらしい。本当はその次の日に俺に紹介するつもりだったらしいが、その日の夜に友奈がダークライに虐めらたことで心が塞ぎ込んだからなぁ。アレで暫く動けなかったし、仕方ないっちゃあ仕方ないのか。

 

『樹海化警報?』

 

目を瞑って精神統一していた俺は、突然鳴り響く警報に目を開ける。そしてその場から立ち上がると、いつでも戦闘が始められるように構える。

 

その次の瞬間、目の前の景色が全て変わった。色とりどりの樹海を見て、俺はすぐさま行動に移す。

 

【高速移動】【剣の舞】x3

 

高速で移動することによって早めに勇者達を見つけられることが出来た。だが、俺が見つけられたのは俺の知っている勇者ではなかった。刀や鎌にボウガン、盾といった武器を持つ勇者達、多分以前話に聞いていた西暦の勇者達だろう。聞いていた話と一致するし。

 

今後ともに戦う仲間として助けた方が良さそうだな。波導で確認した結果、ここにいる勇者たちの方が襲いかかってきているバーテックスの数が一番多い。

 

彼女らは急激な速度で接近してくる俺に気付いて警戒するが、その中でいち早く気づいたもう一人の友奈が拳を下ろす。

 

【波動弾】

 

俺は彼女達の目の前で止まると同時に、限界まで溜め込んだ波動弾をバーテックスに向けて放つ。続け様に五回ほど波動弾を打ち込んだ俺は、ボーンラッシュを投げつけてバーテックスを地面に落としていく。

 

そして一体ずつグロウパンチを打ち込んで消滅させる。

 

流石に硬いバーテックスには二、三回ぐらいグロウパンチを打ち込んだけど。

 

「助けてくれるのか?」

 

一通りバーテックスを消滅させた俺は、近づいてきた侍少女乃木若葉の方を向く。

 

『お前達の事は風から聞いている。早めに片付けるぞ』

 

「……!了解した」

 

返事が返ってくるとは思っていなかったのか、若葉は驚いた顔をするがバーテックス第二波のバーテックスが来ていることに気づき気を引き締める。

 

「私、高嶋友奈!よろしくね!」

 

俺の隣に来たもう一人の友奈……えぇい、ややこしいな!高嶋でいいか!高嶋は笑顔で自己紹介するとバーテックスの方に向き直る。

 

その一連を鎌を構えた少女……群千景が殺気立った視線を向けてくるが無視しておこう。千景は恐らく違いはあるものの東郷と同じタイプの人間だと思うからな。

 

『……友奈の原点か。その力、期待させてもらう』

 

【神速】【グロウパンチ】

 

俺は小さく呟くと目にも止まらぬ速さでバーテックスに向かって走ると、バーテックス一体一体にグロウパンチを御見舞していく。

 

所々から若葉達の声が聞こえるあたり多分戦ってる。いや、戦ってなかったらおかしいんだけどさ。なんだかなぁ。元々は普通の女の子達だったはずなのに、こんな戦いに巻き込まれたなんてかわいそうだ。

 

え?自分の年齢考えろって?ルカリオになった時点で年齢考えても意味ねーよばーか!

 

それから暫くして、俺達はようやくバーテックスの群れを殲滅させることが出来た。それと同時に、カチャリと音と共に俺の首に千景の鎌が迫る。

 

『……なんのつもりだ?』

 

「ち、千景!?何してんだ!?」

 

「ちょ、ちょっと郡ちゃん!?」

 

俺は冷静に、他のメンバーは動揺している。だが、千景は関係ないとばかりに極めて冷たい声を出す。

 

「……私は貴方が信用出来ない。昨日部室で貴方のことを聞いた時からずっと……」

 

わぁお、警戒心ダイマックスだなおい!なんてふざけている時じゃねーや。

 

「おーい、みんなーそっちは大丈夫だっ……だりゃああぁぁぁぁ!!」

 

「え、ちょっと友奈ちゃん!?」

 

向こうも戦闘が終わったのか風達もこちらの方に向かっているのは波動で分かっていた。何故波動で確認したのか、それは風達からすれば俺は後ろ向きになるからだ。

 

そしてなんだろうね。こっちに向かいながらなんか叫んでる友奈の声が聞こえる。

 

「……結城さん……」

 

千景は突進してきた友奈に殴り飛ばされ、友奈は俺を庇うように前に立つ。いきなり仲間割れみたいなことが起きてみんなあたふたしている。……一人冷静な刀使いがいるが。

 

「ルカリオに刃を向けるなら、たとえソレが仲間だとしても許さない!」

 

ちょっと前から思ってたけど、なんか少しずつヤンデレ化してきてない?俺嫌だよ?ヤンデレ。

 

そして三森よ、何故俺を睨む?

 

どうしてこうなるのやら。

 

「ちょ〜っと待とうかお二人さん。今は仲間割れしている場合じゃないでしょ?」

 

「そうだよ!タマ達がこんな所で喧嘩しているうちに、バーテックス達が……ってあれ?さっきのオオカミもどきは?」

 

盾を武器とする西暦の勇者土居球子が俺がいないことに気付いた。

 

「……逃げたわね」

 

千景はそういうが、残念ながらちゃんと居ます。

 

と言うかさぁ、お前ら……

 

『敵を目の前にして随分と余裕だな?』

 

【発勁】

 

ひっそりと千景の後ろに迫っていたバーテックスに向けて発勁を打ち込む。

 

発勁は武道を通じるものなら誰もが知っている技であり、習得技術もかなり難しい。俺自体がルカリオだからこそ出来るが。

 

敵の外面に対してはなく内面に向けて攻撃する技は、硬い装甲に覆われている今回のバーテックスには相性が良い。

 

『油断するな!敵はまだいる。俺が本当に敵かどうか、そんなの帰ってからでもできるはずだぞ千景』

 

俺は千景を睨みながらバーテックスに発勁を打ち込んでいく。バーテックス共は暗殺が出来ないと理解したのか、もう正面から襲いかかってきている。

 

面倒な奴らだな本当に!

 

そんなことを考えていた時だった。突如空が黒い雲に覆われると、真っ黒い禍々しい雷が俺を撃ち抜く。

 

『があああぁぁぁっ!!』

 

「きゃあぁ!」

 

雷を当てられ麻痺状態を引き起こした俺は、その余波によって友奈を巻き込んで吹き飛ばされた。

 

雷によって辺りに煙が充満していたが、煙の中から黒い稲妻が走り煙をかき消す。そして煙が消えた先を見た俺は、絶望してしまった。

 

『ギュウワアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァッ!!』

 

 

俺に大ダメージを負わせ煙から出てきたのは刻印ポケモンゼクロムだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーリー追加キャラ

  • ゼラオラ
  • リザードン
  • イーブィ
  • ザシアン&ザマゼンタ

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