昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#91 女神候補生VS狼

「ユニちゃんの狙撃が始まった……」

 

 

 ユニ達の先に居たネプギアは、ユニの狙撃を確認する。

 

その隣では、プラエが双眼鏡を使って狼の群れを探していた。

 

 

「敵の動きは……予想通り一直線にこっちに向かってる」

 

 

ネプギアはNギアのレーダーで敵の動きを確認する。

 

 

「来たよ! ネプギアお姉さん」

 

 

 プラエは双眼鏡で狼の群れを確認する。その数は十匹以上。

 

ネプギアは、「プラエちゃん、伏せて」と言って、プラエと二人で素早く身を伏せて息を殺して気配を断つ。

 

 

「ワンワンワン!」

 

 

 狼の群れがネプギアの目の前を通る。

 

 

 群れの列が丁度中央にさしかかったと同時に、ネプギアは左手にボムを呼び出し、「ごめんなさい!」と狼の群れに投げつける。

 

 

ドカーーーン

 

 

 狼の列のど真ん中にボムの爆発が起きる。

 

 

「キャイ~ン!」

 

 

 悲鳴を上げる狼達。

 

爆発に巻き込まれた狼達に、300以上のダメージが当たる。

 

それと同時に奇襲をかけるネプギア。

 

 

「はあっ!」

 

 

 ネプギアのビームソードでの袈裟斬りが狼の一匹を切り裂く。

 

 

「キャン!」

 

 

 斬りつけられた狼が425ダメージを受ける。

 

更に、少し離れた位置から、「プラエもいるよ!」とプラエが同じ狼に鎖で追撃をかける。

 

 

「キャイン!」

 

 

 鎖で叩かれた狼は289ダメージを受けて戦闘不能になる。

 

 

「ここからは、私が相手です!」

 

 

 ネプギアはビームソードを構えて狼の群れと対峙する。

 

ネプギアが前衛に立ち、後衛でプラエが援護するフォーメーションだ。

 

 

「ウー! ワンワン!」

 

 

 ネプギアに対して威嚇をする狼の群れ。

 

 

「たあっ!」

 

 

 ネプギアは狼に恐れることなく果敢に向かっていく。

 

ネプギアの素早い突きが狼に突き刺さると、「ギャイン!」と悲鳴と共に399ダメージを与える。

 

 

「とどめは任せて!」

 

 

 プラエがそう言うと、炎を纏った鎖が狼を焼いて、317ダメージを与え狼を戦闘不能にさせる。

 

 

「ワオーン!」

 

 

 しかし、ネプギアの攻撃後の硬直を狙って、狼の一匹がネプギア左側から飛び掛かる。

 

 

ズキューン

 

 

 飛び掛かってきた狼にユニの射撃が命中し、298のダメージが当たる。

 

ネプギアへ飛び掛かる敵を迎撃する援護射撃だ。

 

流石のユニも援護射撃ではヘッドショットは出せずにダメージは落ちてしまう。

 

射撃の当たった狼は、「キャイーン」と悲鳴を上げて引っ込む。

 

 

「たあっ!」

 

 

 体勢を立て直したネプギアは、再び狼達に攻撃を仕掛ける。

 

その攻撃に合わせてプラエが追撃をし、ネプギアの隙をユニが援護射撃でカバーするというコンビネーションで次々と狼を撃破していく。

 

彼女達が六匹目の狼を倒した頃に、後方から狼の援軍が更に十匹程追いついてくる。

 

 

「ワンワンワン!」

 

 

 狼達は数に物を言わせネプギアを取り囲む。

 

ネプギアの正面に立った狼が飛び掛かってくる。

 

 

「ワオーン!」

 

 

「きゃっ!?」

 

 

 狼の鋭い牙による噛みつきがネプギアに命中する。

 

ネプギアは234ダメージを受けてHPゲージが一割程減少してしまう。

 

 

今度はネプギアの左側から狼が襲い掛かる。

 

 

「ワォォォォォン!」

 

「あうっ!?」

 

 

次は右側から。

 

 

「ウォォォォォン!」

 

「いたっ!」

 

 

更に後ろから。

 

 

「グォォォォォ!」

 

「くぅっ!?」

 

 

 ネプギアは狼達による連続の噛みつき攻撃で250、260、300と連続でダメージを受けてしまう。

 

一撃は小さいが、連続で受けるとダメージが溜まる上に、側面や背後から攻撃を受けるとダメージが増えてしまう。

 

 

「いたた……」

 

 

 合計で1,000以上のダメージを受けたネプギアのHPゲージは、既に半分を切って黄色になっていた。

 

もう一回、四方からの連続攻撃を受けたらHPが0になってしまうかもしれない。

 

 

「グルルルル」

 

 

 尚もネプギアを取り囲む狼の群れ。

 

周りを囲んで、攻撃するタイミングを伺っているようだ。

 

 

「ネプギアお姉さん、これを!」

 

 

 少し離れた位置に居たプラエが、ヒールドリンクを鎖に巻き付けてネプギアの方に投げつける。

 

ネプギアはそれを見事にキャッチして、一気に飲み干すとネプギアのHPゲージが八割まで回復する。

 

プラエは鎖を使うことで、離れた仲間にもアイテムを使える【アイテムスロー】の特殊技能を習得していた。

 

 

「……そろそろいいかな?」

 

 

 ネプギアは周囲を見渡し、狼の群れが全てこの場所に集まったことを確認する。

 

 

「えいっ!」

 

 

 ネプギアは左手に出したボムを正面に投げつける。

 

 

「キャイン!」

 

 

 爆発で、正面と側面の狼達に300前後のダメージが当たり、爆発の音と爆風に怯む狼たち。

 

その合間にネプギアは後方に逃げ出す。

 

 

「グルルル……」

 

 

 しかし、背後にも狼はいる。

 

ネプギアに向けて狼が飛び掛かる。

 

 

「時よ!」

 

 

 プラエが叫ぶと同時に、ネプギアに向けて飛び掛かって来た狼の動きが急激に遅くなる。

 

ネプギアは素早くステップを踏んで、狼の飛び掛かりを避けると、「はあっ!」と掛け声と共に、動きの遅くなった狼を連続で狼を切りつける。

 

 

「キャィィィィン!?」

 

 

 プラエの時間操作を使った連続攻撃だ。

 

ネプギアは一気に三回分の攻撃を叩き込み、合計で1,147のダメージを与える。

 

一瞬で戦闘不能になる狼。

 

 

 しかし、もう一匹の狼が素早くネプギアの逃げ道を塞ぐ。

 

 

ズキューン!

 

 

 同時に銃声が鳴り響いて、ネプギアの逃げ道を塞いでいた狼にヘッドショットで511ダメージが当たる。

 

 

「どいて下さい!」

 

 

 続けて、ネプギアの斬り抜け攻撃が狼に命中する。

 

409ダメージが当たり、逃げ道を塞いでいた狼が戦闘不能になると、ネプギアはプラエと合流する。

 

そして、プラエの手を引いて、「シルフィードフェザー!」とスピードアップの魔法を自分にかけると、全速力で後退をする。

 

 

「ワォォォォォン!」

 

「ウォォォォォン!」

 

 

 ボムの怯みから体勢を立て直した狼の群れが、ネプギア達を追いかける。

 

 

 

***

 

 

 

 ネプギアが逃げている先にはロムとラムが待っていた。

 

 

「そろそろ、わたし達の出番かしら」

 

 

 ラムの手にはペン型の杖が握られていた。

 

 

「ちょっと怖い(ぶるぶる)」

 

 

 狼の群れを恐れるロム。

 

その手にはラムと同じペン型の杖が握られていた。

 

ロムとラムは魔法が得意なので魔力を高める杖を装備している。

 

携帯倉庫のポーチの中には、それに合わせてペンネルや魔法の触媒が入っている。

 

ロムが回復と補助、ラムが攻撃魔法を主に使用する。

 

ちなみにロムは右利きでラムは左利きである。

 

 

「大丈夫よロムちゃん。計画通りじゃない」

 

 

 ラムはそう言いながらロムの手を握る。

 

 

「うん、ありがとうラムちゃん(ぽかぽか)」

 

 

 ラムに手を握られて安心するロム。

 

 

「ネプギアが来たわ!」

 

 

 目視で狼の群れから逃げるネプギアを確認するラム。

 

 

「ワオォォォン!」

 

 

 咆哮を上げて走る速度を上げる狼。

 

じりじりとネプギアとの差が縮まっていく。

 

ネプギアを射程内に捉えた狼が、「ガアアアア!」と叫びながらネプギアの背後に飛び掛かる。

 

 

バンッ!

 

 

 しかし、狼は壁に当たったように弾き飛ばされる。

 

狼は、「キャインッ!」と悲鳴を上げると地面に崩れ落ちる。

 

 

「バーカ! そこには、わたしとロムちゃんが結界を張ったのよ」

 

 

 狼に向けてあっかんべーをするラム。

 

 

「目には見えない、わたし達しか通れない壁があるんだよ」

 

 

 モンスターに言葉は通じないが、狼に向かって丁寧に説明するロム。

 

ネプギアがユニに言った、ロムとラムの【準備】とはこのことであった。

 

 

「ワンワン!」

 

 

 ロムとラムに向かって吠える狼。

 

 

「きゃあ(びくびく)」

 

 

 その声に驚くロム。

 

 

「大丈夫よロムちゃん、こーゆーのは負け犬の遠吠えって言うのよ」

 

 

 しかし、ラムが負けずに狼を挑発する。

 

強気で勝気でいたずら好きのラムには、絶好のシチュエーションであった。

 

 

「グルルルル!」

 

「ワンワン!」

 

 

 言葉は通じないが、雰囲気は伝わったのか怒気を強める狼の群れ。

 

ユニが誘き寄せて、ネプギアが盾になり一か所に集められた狼の群れが、誘導された壁の前で渋滞を起こしていた。

 

 

「ラムちゃん、チャンスだよ(ぴかん)」

 

 

 その姿にロムが目を光らす。

 

 

「オッケーよ、ロムちゃん」

 

 

 ラムは力強く頷く。

 

同時に、二人のポーチからペンネルが射出される。

 

ペンネルは二人の足元に魔方陣を描き始めた。

 

 

「大地の力よ!」

 

 

 ロムが杖を高く掲げると、杖の先端が茶色く光る。

 

 

「炎の力よ!」

 

 

 ラムも杖を高く掲げる。今度は杖の先端が赤く光る。

 

 

「「フレイグランヴォルクエイクサラマードノームル……」」

 

 

 ロムとラムは呪文を唱えながら、くるくると舞い踊り杖をバトンのように回す。

 

それに合わせて、ペンネルで描かれた足元の茶色い魔方陣と赤い魔方陣が、光り輝きグルグルと回る。

 

 

 

ズゴゴゴ……

 

 

 

 地面が揺れ、狼の群れの足元の地面が大きく盛り上がる。

 

 

「ワンワン!」

 

 

 地形の変動に驚く狼の群れ。

 

 

「もう逃げ場はないわよ」

 

「燃え尽きちゃえ(めらめら)」

 

 

 ロムとラムは踊りを止めて、杖の先を狼の群れに向ける。

 

 

「「炎の山よ敵を焼き尽くせ! ヴォルガノン!!」」

 

 

 ロムとラムの声が重なると、隆起した地面の中心が大きく割れる。

 

 

ボオオオオオ!

 

 

 その割れ目から巨大な炎が吹き上がる。

 

 

「キャィィィィン!」

 

 

 炎に焼かれる狼の群れ。

 

 

 【ヴォルガノン】炎と大地の合成魔法で、小規模な火山を作るルウィーに伝わる古の魔法。

 

範囲や威力は絶大だが合体魔法であることと、詠唱時間が長いのが難点。

 

女神候補生達は連携をして、ヴォルガノンを最大限活用するシチュエーションを作っていたのだ。

 

 

ゴゴゴゴゴ……ドン、ドン、ドン、ドカーーーン!

 

 

 火山の爆発で1,000近いダメージを受けて次々と戦闘不能になる狼。

 

 

「うわー、凄いね」

 

 

 追いついて少し遠くから様子を見ていた、ファミ通が感嘆の声を上げながら近づいてくる。

 

 

「どーよ。これがわたしとロムちゃんの魔法の力よ」

 

「効果は抜群(にこにこ)」

 

 

 揃ってVサインを決めるロムとラム。

 

 

「ネプギア様も凄かったけど、他の候補生のみんなも凄いんだね」

 

 

 ロムとラムを撮影しながら感心するファミ通。

 

 

「ネプギア様の活躍もドローンで見てたよ。見事な誘引だね」

 

 

 ファミ通は、ネプギアがこの場所に全ての狼を誘い込んだことを褒める。

 

すると、「騙したりするのって得意じゃないんですけど、みんなと一緒の作戦だと上手く行くんですよ」とネプギアが答える。

 

ネプギアは嘘などは得意ではないが、みんなで協力する作戦であれば上手に動くことが出来る。

 

 

「本当に凄いですね。あれだけいた敵が五分と経たずに全滅ですよ」

 

 

 ファミ通は感心しながら、今までの戦闘をメモに書いている。

 

狼の群れは全て戦闘不能になり、消滅をしていた。


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