昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「ユニちゃんの狙撃が始まった……」
ユニ達の先に居たネプギアは、ユニの狙撃を確認する。
その隣では、プラエが双眼鏡を使って狼の群れを探していた。
「敵の動きは……予想通り一直線にこっちに向かってる」
ネプギアはNギアのレーダーで敵の動きを確認する。
「来たよ! ネプギアお姉さん」
プラエは双眼鏡で狼の群れを確認する。その数は十匹以上。
ネプギアは、「プラエちゃん、伏せて」と言って、プラエと二人で素早く身を伏せて息を殺して気配を断つ。
「ワンワンワン!」
狼の群れがネプギアの目の前を通る。
群れの列が丁度中央にさしかかったと同時に、ネプギアは左手にボムを呼び出し、「ごめんなさい!」と狼の群れに投げつける。
ドカーーーン
狼の列のど真ん中にボムの爆発が起きる。
「キャイ~ン!」
悲鳴を上げる狼達。
爆発に巻き込まれた狼達に、300以上のダメージが当たる。
それと同時に奇襲をかけるネプギア。
「はあっ!」
ネプギアのビームソードでの袈裟斬りが狼の一匹を切り裂く。
「キャン!」
斬りつけられた狼が425ダメージを受ける。
更に、少し離れた位置から、「プラエもいるよ!」とプラエが同じ狼に鎖で追撃をかける。
「キャイン!」
鎖で叩かれた狼は289ダメージを受けて戦闘不能になる。
「ここからは、私が相手です!」
ネプギアはビームソードを構えて狼の群れと対峙する。
ネプギアが前衛に立ち、後衛でプラエが援護するフォーメーションだ。
「ウー! ワンワン!」
ネプギアに対して威嚇をする狼の群れ。
「たあっ!」
ネプギアは狼に恐れることなく果敢に向かっていく。
ネプギアの素早い突きが狼に突き刺さると、「ギャイン!」と悲鳴と共に399ダメージを与える。
「とどめは任せて!」
プラエがそう言うと、炎を纏った鎖が狼を焼いて、317ダメージを与え狼を戦闘不能にさせる。
「ワオーン!」
しかし、ネプギアの攻撃後の硬直を狙って、狼の一匹がネプギア左側から飛び掛かる。
ズキューン
飛び掛かってきた狼にユニの射撃が命中し、298のダメージが当たる。
ネプギアへ飛び掛かる敵を迎撃する援護射撃だ。
流石のユニも援護射撃ではヘッドショットは出せずにダメージは落ちてしまう。
射撃の当たった狼は、「キャイーン」と悲鳴を上げて引っ込む。
「たあっ!」
体勢を立て直したネプギアは、再び狼達に攻撃を仕掛ける。
その攻撃に合わせてプラエが追撃をし、ネプギアの隙をユニが援護射撃でカバーするというコンビネーションで次々と狼を撃破していく。
彼女達が六匹目の狼を倒した頃に、後方から狼の援軍が更に十匹程追いついてくる。
「ワンワンワン!」
狼達は数に物を言わせネプギアを取り囲む。
ネプギアの正面に立った狼が飛び掛かってくる。
「ワオーン!」
「きゃっ!?」
狼の鋭い牙による噛みつきがネプギアに命中する。
ネプギアは234ダメージを受けてHPゲージが一割程減少してしまう。
今度はネプギアの左側から狼が襲い掛かる。
「ワォォォォォン!」
「あうっ!?」
次は右側から。
「ウォォォォォン!」
「いたっ!」
更に後ろから。
「グォォォォォ!」
「くぅっ!?」
ネプギアは狼達による連続の噛みつき攻撃で250、260、300と連続でダメージを受けてしまう。
一撃は小さいが、連続で受けるとダメージが溜まる上に、側面や背後から攻撃を受けるとダメージが増えてしまう。
「いたた……」
合計で1,000以上のダメージを受けたネプギアのHPゲージは、既に半分を切って黄色になっていた。
もう一回、四方からの連続攻撃を受けたらHPが0になってしまうかもしれない。
「グルルルル」
尚もネプギアを取り囲む狼の群れ。
周りを囲んで、攻撃するタイミングを伺っているようだ。
「ネプギアお姉さん、これを!」
少し離れた位置に居たプラエが、ヒールドリンクを鎖に巻き付けてネプギアの方に投げつける。
ネプギアはそれを見事にキャッチして、一気に飲み干すとネプギアのHPゲージが八割まで回復する。
プラエは鎖を使うことで、離れた仲間にもアイテムを使える【アイテムスロー】の特殊技能を習得していた。
「……そろそろいいかな?」
ネプギアは周囲を見渡し、狼の群れが全てこの場所に集まったことを確認する。
「えいっ!」
ネプギアは左手に出したボムを正面に投げつける。
「キャイン!」
爆発で、正面と側面の狼達に300前後のダメージが当たり、爆発の音と爆風に怯む狼たち。
その合間にネプギアは後方に逃げ出す。
「グルルル……」
しかし、背後にも狼はいる。
ネプギアに向けて狼が飛び掛かる。
「時よ!」
プラエが叫ぶと同時に、ネプギアに向けて飛び掛かって来た狼の動きが急激に遅くなる。
ネプギアは素早くステップを踏んで、狼の飛び掛かりを避けると、「はあっ!」と掛け声と共に、動きの遅くなった狼を連続で狼を切りつける。
「キャィィィィン!?」
プラエの時間操作を使った連続攻撃だ。
ネプギアは一気に三回分の攻撃を叩き込み、合計で1,147のダメージを与える。
一瞬で戦闘不能になる狼。
しかし、もう一匹の狼が素早くネプギアの逃げ道を塞ぐ。
ズキューン!
同時に銃声が鳴り響いて、ネプギアの逃げ道を塞いでいた狼にヘッドショットで511ダメージが当たる。
「どいて下さい!」
続けて、ネプギアの斬り抜け攻撃が狼に命中する。
409ダメージが当たり、逃げ道を塞いでいた狼が戦闘不能になると、ネプギアはプラエと合流する。
そして、プラエの手を引いて、「シルフィードフェザー!」とスピードアップの魔法を自分にかけると、全速力で後退をする。
「ワォォォォォン!」
「ウォォォォォン!」
ボムの怯みから体勢を立て直した狼の群れが、ネプギア達を追いかける。
***
ネプギアが逃げている先にはロムとラムが待っていた。
「そろそろ、わたし達の出番かしら」
ラムの手にはペン型の杖が握られていた。
「ちょっと怖い(ぶるぶる)」
狼の群れを恐れるロム。
その手にはラムと同じペン型の杖が握られていた。
ロムとラムは魔法が得意なので魔力を高める杖を装備している。
携帯倉庫のポーチの中には、それに合わせてペンネルや魔法の触媒が入っている。
ロムが回復と補助、ラムが攻撃魔法を主に使用する。
ちなみにロムは右利きでラムは左利きである。
「大丈夫よロムちゃん。計画通りじゃない」
ラムはそう言いながらロムの手を握る。
「うん、ありがとうラムちゃん(ぽかぽか)」
ラムに手を握られて安心するロム。
「ネプギアが来たわ!」
目視で狼の群れから逃げるネプギアを確認するラム。
「ワオォォォン!」
咆哮を上げて走る速度を上げる狼。
じりじりとネプギアとの差が縮まっていく。
ネプギアを射程内に捉えた狼が、「ガアアアア!」と叫びながらネプギアの背後に飛び掛かる。
バンッ!
しかし、狼は壁に当たったように弾き飛ばされる。
狼は、「キャインッ!」と悲鳴を上げると地面に崩れ落ちる。
「バーカ! そこには、わたしとロムちゃんが結界を張ったのよ」
狼に向けてあっかんべーをするラム。
「目には見えない、わたし達しか通れない壁があるんだよ」
モンスターに言葉は通じないが、狼に向かって丁寧に説明するロム。
ネプギアがユニに言った、ロムとラムの【準備】とはこのことであった。
「ワンワン!」
ロムとラムに向かって吠える狼。
「きゃあ(びくびく)」
その声に驚くロム。
「大丈夫よロムちゃん、こーゆーのは負け犬の遠吠えって言うのよ」
しかし、ラムが負けずに狼を挑発する。
強気で勝気でいたずら好きのラムには、絶好のシチュエーションであった。
「グルルルル!」
「ワンワン!」
言葉は通じないが、雰囲気は伝わったのか怒気を強める狼の群れ。
ユニが誘き寄せて、ネプギアが盾になり一か所に集められた狼の群れが、誘導された壁の前で渋滞を起こしていた。
「ラムちゃん、チャンスだよ(ぴかん)」
その姿にロムが目を光らす。
「オッケーよ、ロムちゃん」
ラムは力強く頷く。
同時に、二人のポーチからペンネルが射出される。
ペンネルは二人の足元に魔方陣を描き始めた。
「大地の力よ!」
ロムが杖を高く掲げると、杖の先端が茶色く光る。
「炎の力よ!」
ラムも杖を高く掲げる。今度は杖の先端が赤く光る。
「「フレイグランヴォルクエイクサラマードノームル……」」
ロムとラムは呪文を唱えながら、くるくると舞い踊り杖をバトンのように回す。
それに合わせて、ペンネルで描かれた足元の茶色い魔方陣と赤い魔方陣が、光り輝きグルグルと回る。
ズゴゴゴ……
地面が揺れ、狼の群れの足元の地面が大きく盛り上がる。
「ワンワン!」
地形の変動に驚く狼の群れ。
「もう逃げ場はないわよ」
「燃え尽きちゃえ(めらめら)」
ロムとラムは踊りを止めて、杖の先を狼の群れに向ける。
「「炎の山よ敵を焼き尽くせ! ヴォルガノン!!」」
ロムとラムの声が重なると、隆起した地面の中心が大きく割れる。
ボオオオオオ!
その割れ目から巨大な炎が吹き上がる。
「キャィィィィン!」
炎に焼かれる狼の群れ。
【ヴォルガノン】炎と大地の合成魔法で、小規模な火山を作るルウィーに伝わる古の魔法。
範囲や威力は絶大だが合体魔法であることと、詠唱時間が長いのが難点。
女神候補生達は連携をして、ヴォルガノンを最大限活用するシチュエーションを作っていたのだ。
ゴゴゴゴゴ……ドン、ドン、ドン、ドカーーーン!
火山の爆発で1,000近いダメージを受けて次々と戦闘不能になる狼。
「うわー、凄いね」
追いついて少し遠くから様子を見ていた、ファミ通が感嘆の声を上げながら近づいてくる。
「どーよ。これがわたしとロムちゃんの魔法の力よ」
「効果は抜群(にこにこ)」
揃ってVサインを決めるロムとラム。
「ネプギア様も凄かったけど、他の候補生のみんなも凄いんだね」
ロムとラムを撮影しながら感心するファミ通。
「ネプギア様の活躍もドローンで見てたよ。見事な誘引だね」
ファミ通は、ネプギアがこの場所に全ての狼を誘い込んだことを褒める。
すると、「騙したりするのって得意じゃないんですけど、みんなと一緒の作戦だと上手く行くんですよ」とネプギアが答える。
ネプギアは嘘などは得意ではないが、みんなで協力する作戦であれば上手に動くことが出来る。
「本当に凄いですね。あれだけいた敵が五分と経たずに全滅ですよ」
ファミ通は感心しながら、今までの戦闘をメモに書いている。
狼の群れは全て戦闘不能になり、消滅をしていた。