昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
G.C.2019年5月1日 水曜日。
世間一般はゴールデンウイークの休日だ。もちろん女神達にもゴールデンウイークはある。
ネプギア達女神候補生はプラネテューヌに集まり、バンド活動の第一歩として泊まり込みの合宿をすることになっていた。
ネプギアはユニ達の到着を待つあいだ、自分用のラボラトリー内のパソコンで初音ミクと話をしていた。
「ミクちゃん、今日から合宿だけど調子はどうかな?」
ネプギアがパソコン画面のミクに向けて話しかけると、「絶好調だよ。ネギちゃんの調律はいつも優しくて温かいから、いつでも完璧に歌えるよ」と画面のミクが笑顔を浮かべる。
「そう? よかった」
ネプギアはそう言って微笑み返すと、「これから、みんなで一緒に素敵な音楽を作ろうね」と続ける。
「うん! ネギちゃんと一緒なら出来るって信じてる」
ミクがそう答えると同時にラボラトリーのドアが開く。
「ネプギアお姉さん、みんなが来たよ」
入って来たプラエがそう言うと、「ありがとう。それじゃ、そろそろ始めよっか」とネプギアがプラエに向けて言う。
ラボラトリーに集まった女神候補生とプラエと初音ミクのバンド、【グランプリ・ユナイテッド】はそれぞれの楽器を練習し始める。
初心者の集まりなので、まだまだ演奏はぎこちないが、それぞれが真剣にそして楽しそうに練習していた。
ちなみにネプギアのラボラトリーはかなり広く、一般的な学校の体育館ぐらいの広さがある上に防音設備も完璧だ。
これはネプギア自身がかなり本格的な発明品を作る上に、ネプギアンダム等の整備なども行う為に、設備もそれなりの物が必要になるからだ。
「あっ……」
演奏中にロムがミスをしてしまう。
「ロムちゃん、どうしたの? 少し疲れちゃったかな?」
ネプギアが優しい声で尋ねると、「うん、ちょっと疲れた(へろへろ)」とロムは素直に疲れたことを伝える。
それに合わせて、「プラエも疲れちゃった」とプラエもバイオリンを肩から降ろす。
「それじゃあ、少し休憩にしましょ」
ユニがそう言うと、「うん、そうだね。私、飲み物とお菓子持ってくるね」とネプギアが頷く。
そうして休憩に入るネプギア達。
「あの……ネギちゃん達に聞きたいことがあるんだけど」
パソコン画面のミクがネプギア達に問いかけると、「どうしたの? 改まって」とネプギアがミクに尋ねる。
「どうして、私をバンドのメンバーに入れようと思ったの? ネギちゃん達はプラエちゃん以外確かに楽器初心者だけど、ちゃんと練習すれば歌いながら演奏できると思う」
ミクがそう言うと、ネプギアは少し困った顔をするが、すぐに真面目な顔に戻って、「私がミクちゃんと一緒に音楽がしたいと思ったからかな」と答える。
「私……と?」
ミクは不思議そうな声を出して首を傾げる。
そんなミクに対して、「前にゲイムギョウ界の出たミクちゃんのリズムゲーム、【プラネティックディーバー】は凄く人気があって、携帯ゲーム機の普及に一役買ってくれたんだよ」とネプギアが説明を始める。
「ふきゅー? どこか壊れちゃったの?」
ラムが不思議そうに腕を組んで首を傾げると、「それは復旧。普及は広く行き渡ること、要はみんなが持ってるってことよ」とユニがツッコミを入れる。
「携帯ゲーム機は、私達女神候補生の分身。それの普及に貢献してくれたミクちゃんは私達の恩人だし、私は一緒にゲイムギョウ界を盛り上げた仲間だとも思ってる」
ネプギアがミクに話し続ける。
それを聞いたユニが、「そうよ。U.N.Iもミクのおかげで大分売れたし、ミクもアタシたちの仲間よ」と言い、「わたしもミクちゃん好きだよ(もじもじ)」とロムが、「うん、わたしも好きー!」とラムが言う。
しかし、ミクは少し悲しそうに、「でも、私はただの音楽ソフト。人ですらない……」と呟く。
「そんなの関係ないよ! 女神も人も音楽ソフトも心が通じ合えば仲間にだってなれる!! ゲイムギョウ界とオンガクギョウ界とで住んでる世界が違ってもだよ!」
ネプギアが力強くそう言うと、「ネギちゃん……」とミクが少し嬉しそうな声で呟いた。
「ネプギアお姉さんは、人も物もみんなが幸せになれる世界を目指してる。プラエはそのお手伝いをしてるの。ミクさんにも一緒にお手伝いして欲しいな」
プラエがミクに向かってそう言うと、「本当に私でいいの?」とミクが少し自信なさそうに尋ねる。
すると、「ミクちゃんじゃないとダメだよ」とネプギアが真剣な声で即答する。
「ありがとう、ネギちゃん」
ミクはそう言うと嬉しそうに微笑んで、「ネギちゃんがマスターになってくれて本当によかった」と呟いた。