昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#104 女神候補生VSロングホーン

「ガアアアアア!」

 

 

 体勢を立て直した、ロングホーンが大きく息を吸い込む。

 

 

「ブレス攻撃!?」

 

 

 ネプギアはロングホーンもフェンリルと同じブレス攻撃を持っていることを予測した。

 

 

(ボムで相殺しなきゃ!)

 

 

 ネプギアは一瞬でそう判断をするが、(……いや、それよりも!)と考え直す。

 

 

「プラエちゃん、敵の時間を遅くして!」

 

 

 ネプギアが叫ぶ。

 

 

「うん!」

 

 

 プラエは頷くと、「時間さん、敵の時間を遅くして!」と祈るように両手を合わせる。

 

 

「みんな! 敵の側面に回り込んで! 早くっ!」

 

 

 ネプギアの指示に、ロム、ラム、プラエ、そしてミクとネプギアンダムが素早くロングホーンの側面に回り込む。

 

ユニは距離があるので、後方待機を維持する。

 

 

「グワッ!?」

 

 

 時間を遅くされたロングホーンには、いつの間にか目標が全て消えてしまったかのように見えた。

 

 

「ブフゥゥゥゥゥゥゥ!!」

 

 

 しかし、ブレス攻撃は途中で止めることが出来ないので、そのまま炎の息を吐き出す。

 

 

「みんな! 一斉攻撃!」

 

 

 炎の息を避けたネプギアが指示を出す。

 

ボムで相殺するより、側面に回り込んで、息を吐いて動きを止めてる間に一斉攻撃する方が効率的だと判断したのだ。

 

 

「よーし! タコ殴りよ!」

 

 

 ラムが意気揚々とアイスハンマーでロングホーンの頭部を殴り、1,264のダメージを与える。

 

 

「ネプギアちゃん、とびでるよ!」

 

 

 ロムがネプギアに攻撃力アップの魔法を使うと、「ありがとう、ロムちゃん!」とネプギアがお礼を言いつつ、「唸れ鉄拳ギアナックル!」とロングホーンの頭部を殴ると、1,379のダメージが当たる。

 

 

「ミクサン、コウゲキリョクアップノウタヲ」

 

 

 ネプギアンダムがそう言うと、「うん」とミクが頷き攻撃力アップの歌を歌い始める。

 

 

「力が溢れる。これなら! クロックチェーン三時! 敵を打ち据えて!」

 

 

 ミクの歌で勢いを得たプラエが右手の中指の鎖を伸ばして、ロングホーンの頭部を叩くと、847のダメージが当たる。

 

 

「ラムちゃんもとびでるよ!」

 

 

 ロムが今度はラムに攻撃力アップの魔法を使う。

 

ラムは、「サンキュー、ロムちゃん」と言いつつアイスハンマーをロングホーンの頭部に振り下ろすと、クリティカルヒットで2,636のダメージが当たる。

 

 

「グワアアアアアアア!!!」

 

 

 ロングホーンが大きな悲鳴を上げると同時に頭部の巨大な角にヒビが入る。

 

 

「やったぁ。部位破壊!」

 

 

 ラムがジャンプして喜ぶと、「やったね、ラムちゃん(ぶいっ)」とロムが右手でラムの左手とハイタッチを交わす。

 

 

「グワル……ルルル……ル……」

 

 

 更に頭部に打属性の攻撃を大量に受けたロングホーンは脳震盪を起こしてフラフラしてる。

 

 

「ハンマーチャーンス!」

 

 

 ラムの攻撃を皮切りに更にロングホーンに一斉攻撃を加えるネプギア達は、この短い時間で合計15,000以上のダメージを与える猛攻を見せた。

 

 

「やるじゃない、ネプギア」

 

 

 少し離れて援護射撃をしていたユニが通信でネプギアを褒める。

 

 

「フェンリルと戦った時の経験が活きたみたい」

 

 

 ネプギアが少し嬉しそうに応答する。

 

学習能力の高い彼女は、フェンリルとの戦いで得た経験を活かして、より良いブレス攻撃の対処方法を編み出したのだ。

 

 

「これなら勝てるわ!」

 

 

 ラムが嬉しそうに小さくガッツポーズをすると、「楽勝かも(うきうき)」とロムも小さくガッツポーズをする。

 

すると、「油断しないで。しっかり堅実に攻めていくわよ」とユニが通信を送ってくる。

 

 

「グオオオオオオオ!!」

 

 

 ロングホーンが怒りの雄叫びを上げる。

 

 

「ミクちゃん、防御力アップの歌を、ロムちゃんも防御力アップの魔法をお願い」

 

 

 ネプギアが素早く指示を送ると、ミクもロムも素早く反応し、防御力アップの歌と魔法を使う。

 

青い輝きがネプギアを包む。

 

 

「これなら!」

 

 

 ネプギアは怒りの雄叫びを上げるロングホーンに恐れず向かって行く。

 

 

「ガアッ!」

 

 

 怒りによって威力とスピードの増した、ロングホーンの噛みつき攻撃がネプギアを襲う。

 

 

「フィールド展開!」

 

 

 ネプギアは素早く左手に防御の魔方陣を張って防御をする。

 

 

「くっ……」

 

 

 ネプギアは、789のダメージを受けるとHPゲージが半分近くまで減ってしまう。

 

 

「ヒール!」

 

 

 しかし、素早くHP回復の魔法で傷を癒すとHPゲージが満タン近くまで回復する。

 

 

「ていっ!」

 

 

 更に続けてロングホーンにビームソードでの突き攻撃を加えると、654のダメージが当たる。

 

 

「ウウウウウウ!」

 

 

 忌々しそうな目でネプギアを見るロングホーン。

 

ネプギアのヘイトコントロールは上手く機能しているようだ。

 

 

ズキューン!

 

 

 その隙にユニの狙撃がロングホーンの頭部に命中し、714のダメージを与える。

 

 

「ラム! ネプギアがヘイトを集めてる隙に攻撃するわよ。ロムは援護、プラエは牽制」

 

 

 狙撃と同時にユニの通信が聞こえて来る。

 

 

「うん、わかった」

 

 

 ユニの声にプラエが答える。

 

 

「クロックチェーン!」

 

 

 プラエの鎖がロングホーンを追い立てる。

 

 

「捉まえたわ! ウォーターガン!」

 

 

 プラエの鎖を回避したロングホーンの着地に合わせるように、ラムが水属性の攻撃魔法を唱える。

 

【ウォーターガン】は激しい水流で敵を攻撃する魔法。

 

 

「グオンッ!」

 

 

 水流がロングホーンに命中すると、828のダメージが当たる。

 

 

「水属性効果ありよ!」

 

 

 ラムが叫ぶ。

 

ロングホーンが水属性に弱いことを見つけたようだ。

 

 

「了解! ロムちゃん」

 

 

 ネプギアが応答すると同時にロムに声を掛ける。

 

 

「うん、ネプギアちゃん、とびでるよ!」

 

 

 ロムが再び攻撃力アップの魔法をネプギアに使う。

 

 

「ウォーターエッジ!」

 

 

 ネプギアの魔法剣がロングホーンを切り裂く。

 

 

「グアッ!」

 

 

 ネプギアの攻撃で934のダメージを受けるロングホーン。

 

 

「ガオオオオン!」

 

 

 今度はロングホーンの攻撃だ。

 

巨体を活かした体当たり攻撃。

 

 

「くうっ!」

 

 

 僅かに防御し損ねたネプギアは1,028の大ダメージを受けて吹き飛ばされ、HPゲージが半分以下になってしまう。

 

 

「グオオオオオオ!」

 

 

 更にロングホーンが吹き飛ばされたネプギアに追撃をしようと襲い掛かる。

 

 

「油断してるんじゃないわよ!!」

 

 

ズキューン! ズキューン! ズキューン!

 

 

 ユニの牽制射撃がロングホーンの行く手を阻む。

 

更に、「「ウォーターガン!」」とロムとラムも牽制の魔法でロングホーンの行動を妨害する。

 

 

「ネプギアお姉さん、ヒールドリンクだよ!」

 

 

 その間にプラエが鎖に巻き付けたヒールドリンクをネプギアに向かって投げる。

 

 

「ありがとう、みんな」

 

 

 ネプギアはヒールドリンクをキャッチして飲み干すとHPゲージが満タンまで回復する。

 

 

「グゥゥゥゥゥ~!」

 

 

 ネプギアを仕留め損ねたロングホーンが悔しそうな唸り声を上げる。

 

 

「HP解析完了。推定六万」

 

 

 ネプギアが脳波コントローラーのカメラとNギアで解析したロングホーンのデータを仲間達に伝える。

 

 

「強いけど、今みたいに連携していけば勝てるよ」

 

 

 仲間を鼓舞しつつ、再びロングホーンの目の前に立ち塞がるネプギア。

 

 

「了解! 二万以下になったら一気に決めるわよ」

 

 

 ユニがそう言うと、「うん、わかった」とロムが答え、「ラムちゃんに任せなさい」とラムも答える。

 

その後も終始優位を保ちつつ、ロングホーンを圧倒するネプギア達。

 

 

「コード、スペリオルアンジェラス!」

 

 

 最後はフェンリルと同じように、スペリオルアンジェラスでとどめを刺して、ロングホーンに完勝するのだった。

 

 

 

***

 

 

 

 ハネダシティの住人の元に戻って来たネプギア達に、住人達が大歓声で迎えてくれる。

 

手を振って歓声に応えるネプギア達。

 

 

「今日は特別にゲリラライブしちゃうわよ!」

 

 

 ラムが大声で住人達に呼びかける。

 

 

「ゲリラライブ?」

 

「もしかして、ブログに書いてあったバンド活動のことか?」

 

「グランプリ・ユナイテッドって名前だったよね」

 

 

 住人がざわざわと騒ぎ出す。

 

その間に、ネプギア達は携帯ゲーム機を操作して、ポケットサービスを通して楽器とマイクを呼び出す。

 

 

「それじゃあ、メンバーを紹介します」

 

 

 マイクを持ったネプギアがユニに右手を向けると、「ベースは、ラステイションの女神候補生、ユニちゃん」とユニを紹介する。

 

 

「華麗に決めるわ!」

 

 

 ユニがベースを鳴らしながら挨拶をすると、「ユニ様ー! 華麗ですー」などと歓声が沸き上がる。

 

 

「続いて、キーボードはルウィーの女神候補生ロムちゃん」

 

 

 ネプギアが今度はロムを紹介する。

 

 

「よ、よろしくお願いします(どきどき)」

 

 

 ロムは丁寧にお辞儀をして、挨拶をすると、「ロムちゃん、かわいい~」などの歓声が沸く。

 

 

「ドラムは同じく、ルウィーの女神候補生ラムちゃん」

 

 

 ネプギアが続けてラムを紹介すると、「いえーい! ラムちゃんだよー!」とラムがドラムを鳴らしながら挨拶をすると、「いえーい! ラム様ー!」などの歓声が沸き上がる。

 

 

「バイオリンは、私達の新しい友達、プラエちゃんです」

 

 

 ネプギアの紹介に、「プラエ=パピリオです。ネプギアお姉さん達と一緒に頑張ります」と言って丁寧に一礼するプラエ。

 

 

「みんつぶで噂になったあの子か!」

 

「お人形さんみたいで可愛いー」

 

「金髪ツインテ幼女万歳ー!」

 

 

 住人から歓声が沸くと、「ほっ……」と安堵の溜息を吐くプラエ。

 

女神候補生達と同じように歓迎してもらえたことに一安心したようだ。

 

 

「よかったわね、プラエ」

 

 

 ユニがそう言うと、「プラエもわたし達の仲間なんだから当然よ」とラムが言い、「うん、当然」とロムがそれに続く。

 

 

「最後に、ボーカルはオンガクギョウ界からの新しい仲間! 初音ミクちゃんです!」

 

 

 ネプギアがミクを紹介すると、「はじめまして。初音ミクです。ネギちゃんのおかげでこの体で歌えるようになりました」と言ってミクが一礼する。

 

 

「おおー! ミクミクだー!」

 

「本当にミクちゃんなのねー!」

 

「凄い3Dホログラムだ! 流石はネプギア様!」

 

 

 住人の歓声に、「こんなふうに、みんなの前に立てるなんて嬉しいっ。ありがとう、ネギちゃん」とミクがネプギアにお礼を言う。

 

 

「どういたしまして」

 

 

 ネプギアはそう言うと、「それじゃあ、一曲目……」と続けて言うが、「ちょっと、ネプギア。自分の紹介忘れてるわよ」とユニにツッコミされてしまう。

 

 

「あうっ! ご、ごめんなさい! ネプギアです! えっと、ギターやってます」

 

 

 慌てて自己紹介をするネプギア。

 

自己主張が薄いが故に仲間を紹介するのに夢中で自分のことを忘れてしまったようだ。

 

その後、演奏を始めるネプギア達。

 

初心者と言うことで演奏のミスは目立ったもののライブは大盛況に終わった。

 

女神候補生ブログでもライブのことを書き、話題性も十分高まったのであった。


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