昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「見て見て! 金魚すくいよ!」
ラムはロムとプラエの手を引き金魚すくいの屋台に行く。
「綺麗な金魚さん」
ロムは水槽の中で泳ぐ金魚をみてうっとりする。
プラエも、「こんなにもいっぱいの金魚さん初めて見た」と驚く。
「ロムちゃん、プラエ、デメキンよデメキン!」
ラムが水槽の中のデメキン金魚を指差すと、ロムも「大きいお目目(ぎょろぎょろ)」と興味津々にデメキンを眺めている。
プラエも、「面白いお顔」とクスクスと笑う。
「やってみる?」
ネプギアは優しい声でロムとラムとプラエに問いかける。
「いいの!」
プラエが嬉しそうにネプギアに尋ねる。
「いーすんさんから沢山お小遣いもらったから大丈夫だよ」
ネプギアとユニがプラネテューヌに飛び立つ前、彼女達はイストワールにお祭り用のお小遣いを貰っていたのだ。
「うれしい(きらきら)」
ロムが嬉しそうに目を輝かせると、「流石はネプギア!」とラムはネプギアに抱きつく。
「三人分お願いします」
その間にユニが店主にお金を払う。
ロムとラムとプラエは店主からポイを受け取る。
【ポイ】とは、和紙を貼った金魚をすくう道具のこと。
「よーし! バシッとすくっちゃうわよ」
ばしゃん!
ラムは派手に水槽にポイを突っ込み金魚をすくおうとする。
「あれ~? 破けちゃった……」
ガックリするラム。
「力入れ過ぎよ。もう少しゆっくりやりなさい」
ユニは呆れながらアドバイスをする。
「ゆっくりゆっくり……そーっとそーっと……(どきどき)」
ぽちゃん
ロムはそーっとポイを水槽に沈めて金魚をすくおうとする。
「……あ……やぶれちゃった……(しゅん)」
ロムはしゅんと肩を落とす。
「ロムは慎重過ぎ。もうちょっと素早くやりなさい」
ユニがロムにもアドバイスをする。
「こ、こうかなっ!」
ぽちゃん!
プラエがぎこちない手つきで金魚をすくおうとするが、やはりポイが破れてしまう。
「むずかしい……(おろおろ)」
「ねーねー! ネプギアとユニちゃんもやってみてよ」
「お手本見せて」
ロムとラムとプラエが順々にネプギアとユニに期待の眼差しを向ける。
「わかったわ。まぁ、見てなさい」
ユニは自信ありそうな顔で三人の要望に応える。
「ユニちゃん、ちょっと待って」
ネプギアはそう言いながらNギアを操作する。
「ふむふむ……」
ネプギアは真剣にNギアを見ながら頷く。
「なにやってるのよ?」
ユニが腕組みしながらネプギアに質問をする。
「金魚すくいのコツを調べてるんだよ。出来れるだけ上手いお手本を見せてあげたいし」
ネプギアがそう言うと、ユニは「慎重ねー」と感心する。
「狙うのは水面近くを泳ぐ、小さくて動きのゆっくりとした金魚がいいんだって。あと、ポイは水の抵抗を少なくするために、必ずナナメの角度で、水面に対して35度〜45度が理想なんだって」
ネプギアはネットで調べた知識をユニに説明する。
「ふーん……でも、そんなことアタシに教えていいのかしら?」
ユニは不敵にニヤリと笑う。
「え? どういうこと?」
「決まってるでしょ。アタシとアンタが一緒にやるなら勝負だからよ」
ユニはネプギアを指差してそう言うが、「勝負はともかく、いっぱい楽しんでみんなの分も取ってあげようよ」とネプギアはにこやかにそう答える。
「……それもそうね。年上として恥ずかしいところだけは見せられないわ」
落ち着いた対応をするネプギアにユニは少し毒気を抜かれる思いになりながらも、そう答える。
「頑張ろうね、ユニちゃん」
ネプギアはユニの手を取ってそう言うが、ユニは「でも、そんな付け焼き刃の知識でなんとかなるのかしら?」と少し疑問顔で首を傾げる。
「知らないよりは良いと思うよ。とにかくやってみようよ」
ネプギアがそう言うと、ユニは「そうね」と頷いて、「すいませーん。二人分お願いします」と言ってお金を払いポイを受け取る。
「斜め45度……こんな感じかしら?」
ユニは手首の動かしながらポイの角度を確認すると、ネプギアが、「うん、いい感じだと思う」と答える。
「華麗に決めるわ!」
ぱしゃっ!
ユニは素早くポイを動かし水面の金魚をすくう。
「おおっ! ユニちゃんスゴい!」
ラムが喜びの声を上げると、「すくえた……(ぱちぱち)」とロムが拍手をし、「ユニお姉さん凄ーい」とプラエも拍手をする。
「ユニちゃん、凄い。私もがんばらなきゃ」
ネプギアはそう言うと、ポイを傾けて金魚に狙いを付ける。
「えいっ!」
ぱしゃっ!
ネプギアが素早くポイを動かすと見事に金魚がすくわれる。
「ネプギアちゃんもできた!」
「すごいすごーい!!」
バンザイして拍手をするロムとラム。
プラエは尊敬の眼差しで、「やっぱりネプギアお姉さんは凄いなー」と拍手をした。