昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#116 飴細工

 金魚すくいの屋台を後にした女神候補生達。

 

 

「4対4の引き分けか」

 

 

 ユニは少し悔しそうな顔をする。

 

金魚すくいはネプギアもユニも四匹で終わった。

 

ネットの知識だけにしては取れた方だが、ユニはネプギアに勝てなかったのが悔しいようだ。

 

 

「でも、合わせて八匹もいるから、みんなで分けようよ」

 

 

 ネプギアはそう言うと、自分の手に持った金魚の入ったビニール袋をロムとラムに差し出す。

 

 

「くれるの?」

 

 

 ロムがおずおずとネプギアに質問する。

 

 

「もちろんだよ。大切に育ててね」

 

 

 ネプギアはニッコリ微笑むとロムの手に袋の紐を持たせてあげる。

 

 

「わーい! ありがとう」

 

「やった!」

 

 

 ロムとラムは両手を上げて喜ぶ。

 

 

「ユニちゃん、後でユニちゃんの取った金魚、私とプラエちゃんに分けてね」

 

 

 ネプギアは自分の分をロムとラムに渡したので、ユニの分を分けて欲しいとお願いをすると、ユニは、「いいわよ」と快く返事をする。

 

 

「やった。なんとなくだけど、ユニちゃんの取った金魚が欲しかったんだ」

 

 

 ネプギアが嬉しそうにそう言うと、ユニは、「そ、そう……」と言って顔を赤くする。

 

 

「ユニちゃん?」

 

 

 ネプギアが顔色の変わったユニに少し心配そうに声を掛けると、ユニは、「な、なんでもないわよ。別に嬉しくなんかないんだからね!」とそっぽを向いてしまう。

 

 

 

***

 

 

 

 ネプギア達はお祭りの景色を楽しみながら街中を歩く。

 

日が暮れて辺りは薄暗くなってきている。

 

 

「ん? あれなにかしら?」

 

 

 ラムはそう言って首を傾げて指をさす。

 

そこには女神候補生達四人の絵が描かれた屋台があった。

 

 

「なになに? 女神あめ?」

 

 

 ユニは屋台に書かれた文字を読み上げると、ネプギアが「飴細工の屋台かな?」と首を傾げる。

 

 

「面白そう(わくわく)」

 

「うん、気になるわ」

 

 

 ロムとラムが興味ありそうな目で屋台を眺めている。

 

プラエも物欲しそうな目で屋台を見ていた。

 

 

「行ってみよっか」

 

「「「うん!」」」

 

 

 ネプギアが誘うようにそう言うと、ロムとラムとプラエは声を揃えて元気よく返事をする。

 

そしてネプギア達は飴細工の屋台に向かう。

 

 

「なるほどアタシ達のアクセを飴にして、女神アメか」

 

 

 屋台には女神候補生達のアクセサリーを形どった飴が並んでいた。

 

 

「私が脳波コンのミルク味、ユニちゃんがリボンのチョコレート味、ロムちゃんの帽子がサイダー味でラムちゃんの帽子はストロベリー味だね」

 

 

 ネプギアは一つ一つ確認しながら見ていく。

 

 

「ネプギアー! わたし、これほしい」

 

「わたしもほしい」

 

 

 ロムとラムは手を上げて催促するように飴を指差す。

 

 

「プラエも欲しい……かも」

 

 

 やや控えめではあるが、プラエもロム達に続いて催促をした。

 

 

「じゃ、買おっか」

 

 

 ネプギアはロム達のお願いだし、自分も欲しかったので、あっさりと買うことを決める。

 

ユニも興味があるらしく、「そうねそうしましょ」と同意する。

 

 

「すみませーん。五つ下さーい」

 

 

 ネプギアがそう言ってお金を払うと女神候補生達は自分のアクセサリーを形どった飴を手に取り、プラエはネプギアと同じ脳波コンの飴を手に取る。

 

 

「……おいしい(ぺろぺろ)」

 

 

 ロムが水色の帽子の飴を美味しそうに飴を舐めると、「うん! おいしーい」とラムもピンクの帽子の飴を美味しそうに舐める。

 

 

「ロムちゃんのちょっと舐めさせて、わたしのも舐めさせてあげるから」

 

「うん、いいよ(ぺろぺろ)」

 

 

 ロムとラムは手に持った飴を舐めさせっこし合う。

 

 

「プラエのも舐めていい?」

 

 

 ラムがそう言うと、「わたし達のも舐めていいから」とロムが続く。

 

 

「う、うん……いいよ」

 

 

 プラエは少し恥ずかしそうにしながらも、ロムとラムの言うことを了承すると、ロムとラムに向かって飴を差し出す。

 

ロムとラムは、差し出された飴をペロペロと舐める。

 

 

「ユニちゃん、私達もやろっか?」

 

 

 ネプギアはユニの顔を覗き込むようにそう言うと、「ばっ、バカなこと言わないでよ!」とユニは顔を真っ赤にして目を逸らす。

 

 

「えー……がっかり……折角のお祭りなんだから、ユニちゃんも乗ってくれてもいいのに」

 

 

 ネプギアは心底残念そうな顔をして肩を落とす。

 

ネプギアは祭りの熱に浮かされて少し大胆になってしまったようだ。

 

 

「ほら! 次行くわよ次!」

 

 

ユニはネプギアの言うことを無視して先を急かす。


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