昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#02-12 教えて、ギアユニ(ネットゲームの巻)

「ラステイションに引き離されてしまったプラネテューヌは反撃をする為に、いち早く転換期を迎えようとしました」

 

 

 ネプギアは絵本を読みながらページをめくる。

 

すると、見覚えのあるオレンジ色の髪をした女性が描かれていた。

 

ネプギアはその絵が多少気になったが、とりあえず絵本の続きを読むことにする。

 

 

「プラネテューヌの全ての人々がラステイションに勝てる女神様の誕生を願います。すると、妄想力という自分の妄想を現実にしてしまうという強力な女神様が生まれました」

 

 

 ネプギアはそこまで読むと何か思いついたように考え込む。

 

するとユニがあごに右手を当てながら、「妄想力って、うずめのこと?」と不思議そうに尋ねる。

 

ネプギアはユニの言葉に小さく頷くと、「多分そうだよ。このことが書いてあるってことは最近の本なのかなこれ?」と答える。

 

 

 【うずめ】とは【天王星うずめ】という名前の女神でネプギア達からすると二世代前のプラネテューヌの女神なのだが、ある事情でネプギアは彼女に出会うことになる。

 

ネプギアはうずめと一緒に行動している内に、超次元の人々が、うずめが女神だった頃の記憶を失い、更に記録までも消失していたことを知る。

 

このことが発覚したのはごく最近のことなので、これが書かれたのが最近なのだとネプギアは推測したようだ。

 

 

「とりあえず、続き読んでみて」

 

 

 ユニがそう言うと、「うん」とネプギアは頷き絵本を読む。

 

 

「更に最先端の技術を駆使してインターネットをゲームに取り入れ、またもプラネテューヌが先行する形で次の大戦、第四次ハード戦争が始まりました」

 

 

 ユニとロムとラムは今まで以上にネプギアの声を真剣に聞いていた。

 

 

「妄想力はとても凄い力でした。その力は封印を解かれた犯罪神をも一人で倒してしまう程でした」

 

 

 それを聞いたラムは、「一人で? 凄いねー」と感心をし、「うずめちゃん、強い」とロムも関心をする。

 

 

「しかし、女神様は妄想力うまくコントロールができず暴走をして、ゲイムギョウ界の破壊を繰り返してしまいます」

 

 

 ネプギアがそこまで読むと、「やっぱりそうなっちゃうのね……」とユニが悲しそうな声で言う。

 

ネプギアもロムとラムも同じく悲しい気持ちのようで表情が暗い。

 

うずめと出会ったネプギア達は暴走のことを知っており、当時のうずめがそれに悩んだことを知っているのだ。

 

 

 「更にプラネテューヌのゲームもインターネットはこの頃は技術力不足で回線のスピードや料金に問題が多く、なかなか普及しませんでした」

 

 

 ネプギアが気を取り直して続きを読むと、「この頃は光回線とかないみたいだしね」とユニも気を取り直したようで意見言う。

 

ラムが、「この頃の回線と今の回線ってどれぐらい違うの?」と質問する。

 

 

「この頃の回線との速度差は二十倍以上かな。つまり、今は読み込みが三秒で済むことが一分以上かかっちゃうんだよ」

 

 

 ネプギアが答えると、「それじゃあ、ゲームするの難しいね」とロムが言う。

 

インターネットの回線速度は今の技術でも、まだまだ遅いと言うプレイヤーも多い。

 

特に対戦のアクションゲームともなれば一瞬の遅れが勝敗を分けるし、回線の遅さによるコントロールとのタイムラグが大きなストレスになる。

 

その為に回線速度の遅いプレイヤーとのプレイを断ったりする光景も見られる。

 

この時代では更に遅いので、人々の不満も大きかったのだ。

 

 

「価格も今みたいな安い定額制がなくて大変だったみたいよ」

 

 

 ユニが更に説明すると、「プラネテューヌの技術に時代がついていけなかったんだよね。ブロードバンド時代にならないとインターネットゲームは難しいよ」とネプギアが続ける。

 

 

「ぶろーどばんど?」

 

 

 ロムが首を傾げ、「なにそれ? ブロードソードの仲間?」とラムが質問する。

 

ネプギアはくすっ小さく笑うと、「武器じゃないよ。ブロードバンドは高速で大容量の情報が送受信できる通信網のことを言うんだよ」と質問に答える。

 

 

「時代を待てなかったプラネテューヌの失敗ね」

 

 

 ユニは辛辣な意見を言うが、ネプギアは素直にユニの言葉に頷き、「そうだね。プラネテューヌの技術は凄いけど、もっとよく周りを見ないとね」と言う。

 

 

「プラネテューヌが転換期に失敗し、ルウィーも転換期を迎えられず苦戦しているところに、ラステイションは転換期を無事に向かえ、その差はますます開いてしまいました」

 

 

 ネプギアが本の続きを読むと、「ラステイションは地道で堅実な発展を遂げているわね」とユニが満足そうに頷く。

 

 

「プラネテューヌは妄想力の暴走とゲームの不振で滅亡に危機に陥りましたが、女神様は自らの意思で眠りにつき、別の女神様を生み出すことで何とか滅亡せずに済みました」

 

 

 ネプギアがそこまで読むと、「うずめはこの時に封印されちゃったんだよね」とラムが悲しそうに言うと、「ゲイムギョウ界の為とは言えやるせないよね」とネプギアが答える。

 

 

「でも、今はうずめちゃんも、元気元気(にこにこ)」

 

 

 ロムが明るい声でそう言うと、「そうね、救い出せてよかったわ」とユニが続けて言う。

 

彼女達の言う通り、当時の天王星うずめは妄想力が制御できず封印されるが、数年前にネプギア達により封印は解かれ今は元気に暮らしている。

 

それにより超次元の人々もうずめのことを思い出したりするようになった。

 

うずめがプラネテューヌを治めていたのはG.C.1955~1988頃まで。

 

今のG.C.2019では当時は子供だった男の子が老人になっていたが、しっかりとうずめのことを覚えていたらしい。


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