昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「きゃははは!」
ピーシェは楽しそうに街中を走り回る。
その両隣にはロムとラムが付いて歩き、少し後方にネプギア達が居る。
「ピーシェ、あんまり遠くへ行っちゃダメよ」
「お祭りは逃げないから、ゆっくり行こう(ぎゅっ)」
ロムとラムはピーシェの手を握ってあげる。
彼女達はピーシェの面倒を見てあげるのが楽しくて仕方ないのだ。
「うん」
嬉しそうに頷いてロムとラムについて行くピーシェ。
プラエは少し離れたところで、あんみつと一緒にロムとラムの様子を微笑みながら見ていた。
(ロムさんもラムさんも楽しそうだし、プラエは大人しく見てようかな)
ピーシェのことは紹介されて仲良くしようと挨拶はしたが、ロムとラムが彼女の面倒を楽しそうに見ているので、あまり口を出さないようにしている。
(その間にネプギアお姉さんのこと独占しちゃお)
プラエはそう思いながら、そっとネプギアの手を握る。
ネプギアは一瞬驚いたようにプラエの方を見るが、「ダメ?」とプラエが上目遣いで甘えた視線を送ると、「いいよ」とにこやかに微笑んだ。
「あれ! あれなにー!」
ピーシェは屋台を指差す。
「あれは金魚すくいよ」
ラムがピーシェの質問に答えると、ロムは、「一緒にやる?」と誘いかける。
「うん! やる!」
ピーシェは元気よく頷くと三人で金魚すくいの屋台に向かう。
ネプギア達もその後ろに付いて行く。
「見てなさい。わたしとロムちゃんがお手本を見せてあげるわ」
ラムが自信満々に胸を張って言うと、ロムが店主にお金を渡して、「おじさん、三人分お願いします」と言う。
ピーシェの面倒を見るようにと、ネプギアから預かったお金である。
「斜め45度で水面の金魚を取るべし取るべし!」
ラムはポイを受け取ると素振りを始める。
「なにそれー?」
ピーシェはラムの素振りを不思議そうに眺める。
「ネプギアちゃん流金魚すくいだよ(びゅんびゅん)」
ロムはそう言いながら、ラムと同じように素振りを始める。
「ぴいもやる!」
ピーシェはそう言うと、ロムとラムの素振りの真似をする。
ちなみに【ぴい】とはピーシェの一人称である。
「ふふっ……三人ともやる気満々だね」
ネプギアは三人のその姿を微笑みながら見つめ、ユニも、「上手く取れるといいわね」と楽しそうに言う。
「よーし! 準備完了。行くわよ!」
パシャ!
ラムは素早くポイを動かし金魚をすくう
「おお! 取れた。ラムすごい!」
ピーシェは見事に金魚をすくえたラムに素直に称賛の言葉を送ると、ラムは自慢気に鼻を擦りながら、「へへーん」と言う。
「わたしも頑張るよ。えい!」
パシャ
ロムも素早くポイを動かし金魚をすくう。
「ロムもできたー!」
ロムにも素直な称賛を送るピーシェ、ロムは嬉しそうに、「えへへ……」と微笑む。
「ぴいも取りたい!」
ピーシェは真剣な目でロムとラムを見つめると、ラムが、「それじゃ、わたし達がネプギア流を伝授してあげるわ」と快く応じると、ロムはピーシェの手を取って、「こんな感じですくうの」とポイの動かし方を教える。
「ネプギア流は、【いっきソーメンの秘奥義】なんだから、しっかり覚えなさい」
ラムは自信満々にそう言うが、後ろにいたユニが、「それを言うなら一子相伝でしょ」呆れながら訂正する。
「それに一子相伝って、一人にしか奥義を伝えないから、ロムちゃんとラムちゃんが使えるのはおかしいんだけど……」
ネプギアが更にツッコミをすると、「アンタも意外と細かいわね」とユニが呆れながら言う。
ロムとラムはネプギアとユニのツッコミが聞こえていないのか、真剣にネプギア流金魚すくいをピーシェに教えている。
「パパ! ママ! ぴい金魚とれたよ!」
ピーシェはレイとアノネデスに向かって金魚の入った袋を見せながら笑顔を向ける。
ロムとラムの指導の成果があって、何とか一匹取れたのだ。
「へ~……この子にも金魚すくいなんて出来るのね。集中とか無縁かと思ってけど」
アノネデスが意外そうにそう言うと、キセイジョウ・レイは、「よかったわね」と素直に喜んであげる。
「うん! ロムとラムが教えてくれた! ねぷぎゃー流!」
ピーシェはそう言って金魚すくいの素振りを始める。
「ピーシェ、今度は射的やりましょ。またわたし達が教えてあげるわ」
「うん、いく!」
ラムの提案にすぐさま頷くピーシェ。
「一緒に行こうね(ぎゅっ)」
ロムはピーシェの手を握って射的の屋台に連れて行く。