昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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 神次元の感謝祭から約三週間後。

 

G.C.2019年6月14日 金曜日。

 

プラネタワーのリビングにはネプギアとネプテューヌが居た。

 

 

「ネプギアさん、またまたファミ通さんの記事でプラネテューヌのシェアが上がりましたよ」

 

 

 ネプギアが、寝っ転がってゲームをしているネプテューヌにお茶を出しているところにイストワールが雑誌を持って現れる。

 

ネプギアの記事が思いのほか好評で連載が決まったのだ。

 

それによりファミ通は毎週ネプギアの元を訪れ取材をし、その記事を書いていた。

 

その連載もなかなかに好調で、プラネテューヌのシェアは以前に比べて遥かに上昇していた。

 

 

「流石はファミ通さんですね。ファミ通さんが毎週毎週いい記事を書いてくれるおかげです」

 

 

 謙虚にファミ通を称賛をするネプギア。

 

勿論、ネプギアもファミ通の記事を読んでいた。

 

最初は気恥ずかしい気持ちもあったが、ファミ通の文章の上手さと自分のことを本当によく見て記事を書いてくれているのが嬉しくて、今では毎回読むのを楽しみにしている。

 

 

「ネプギアさんの活躍があってこそです」

 

 

 イストワールは素直にネプギアを褒めるとニッコリと微笑む。

 

 

「この前から上がった上がったっていうけど、どれくらいあがったの? 順位は?」

 

 

 ネプテューヌがゲームをしながら、イストワールに質問をすると、「……4位です……」とイストワールは少し声のトーンを落として質問に答える。

 

 

「なーんだそれって最下位じゃん」

 

 

 ネプテューヌは呆れたような声を出して肩を落とす。

 

超次元のゲイムギョウ界は4国から成っている。

 

その為、4位は最下位なのである。

 

 

「あはは……」

 

 

 さっきまで明かるかった雰囲気が一気に暗くなってしまい、ネプギアも苦笑いを浮かべてしまう。

 

 

「ネプギアー、もっと頑張んないとダメだよー」

 

 

 仕事をせずにゲームをしてる自分のことを棚に上げてネプギアを注意するネプテューヌ。

 

 

「ごめんね。お姉ちゃん」

 

 

 しかし、何故か素直に謝ってしまうネプギア。

 

尊敬する姉の期待に応えられなかったことを詫びているのだ。

 

 

「ネプテューヌさんがお仕事しないせいです!」

 

 

 そこにイストワールが正論をぶつけてくる。

 

プラネテューヌのいつもの光景ではあった。

 

 

「あはは……冗談冗談。これぐらい想定内だよ」

 

 

 しかし、余裕を見せるネプテューヌ。

 

ネプテューヌは一旦ゲームを止めて、立ち上がる。

 

 

「流石お姉ちゃん、やっぱり何か考えがあったんだね」

 

 

 ようやく姉の活躍が見れると期待に目を輝かせるネプギア。

 

 

「最下位から一気にトップに返り咲く! 主人公冥利に尽きるね」

 

 

 ネプテューヌは、腰に手を当てドヤ顔を決める。

 

 

「……返り咲く以前に、ネプテューヌさんが女神になってから、プラネテューヌが一位になったことなどないのですが……」

 

 

 イストワールがジト目で細かいツッコミを入れてくる。

 

 

「まぁまぁ、いーすんさん、折角お姉ちゃんがやる気になったんですら」

 

 

 ネプギアはネプテューヌのやる気が削がれないようフォローを入れる。

 

 

「そうだよー。いーすんは細かいなー」

 

 

 しかし、ネプテューヌは特に機嫌を損ねた様子はなくイストワールのツッコミをさらりと受け流す。

 

 

「それじゃ、お姉ちゃんクエスト行こうか」

 

 

 ネプギアがそう言ってネプテューヌをクエストに誘うと、「何で?」と真顔で疑問を返すネプテューヌ。

 

 

「だって、シェアを上げるにはお仕事しないと……」

 

 

 ネプギアは丁寧にネプテューヌの質問に答える。

 

シェアは国民の信仰心なので、基本的には女神が国民の要望であるクエストをこなして女神の力を示すことで増えていくのである。

 

 

「古いなー! もっとココを使わないと」

 

 

 ネプテューヌはそう言いながら、右手の人差し指で自分の頭をコンコンと叩く。

 

 

「……何か嫌な予感がします……」

 

 

 イストワールは眉間にシワを寄せ神妙な顔をすると、わずかに胃がキリキリと痛むような気がしていた。

 

 

「わたし、動画を配信しようと思うんだよねー」

 

 

 ネプテューヌは右手の人差し指をビシッと上げるとさも妙案かのように明るく話し出す。

 

 

「動画って……インターネットの?」

 

 

 ネプギアがネプテューヌの提案を確認するように説明する。

 

 

「そう! アレって楽して儲けられるみたいじゃん。わたしがやればシェアもガンガン溜まると思うんだよね」

 

 

 ネプテューヌは目を輝かせて力説する。

 

 

「そんな安直な案却下です! もっと真面目に考えて下さい」

 

 

 イストワールは嫌な予感が的中したと言わんがばかりに即刻ダメ出しをしてくる。

 

 

「いーすんは古いなー。わたしの可愛さと変身後の美貌と知名度があれば大成功間違い無しじゃん」

 

 

 ネプテューヌはイストワールのダメ出しが、さっぱり理解出来ない顔で、やれやれと言わんがばかりにお手上げのポーズで首を左右に振る。

 

 

「知名度はあるならあるなりのリスクがあるんです! それに動画配信はネプテューヌさんが考えているような簡単なものでは……」

 

 

 イストワールはネプテューヌを止めようと必死に説得しようとするが、ネプテューヌは、「おっと、そろそろファンクラブとの撮影の時間だよ! じゃ、そういうことでよろしく」と聞く耳持たずといった感じでいそいそと準備を始める。

 

 

「ネプテューヌさん! 話はまだ……それに今日が期限のクエストもあるんですよ!」

 

 

 イストワールはネプテューヌを捕まえようと飛び掛かるが、ネプテューヌはひらりと身を翻しイストワールを避けると、「それはネプギアに任せた!」とネプギアを指差す。

 

 

「うん、それはいいけど、いーすさんの話はちゃんと聞いた方が……」

 

 

 ネプギアは素直に引き受けるが、話を聞いて貰えないイストワールを気の毒に思ってネプテューヌに忠告する。

 

 

「じゃ、行ってきまーす! わたしの動画に全国が刮目するよ~」

 

 

 しかし、ネプテューヌはネプギアの話も聞かずに部屋を出て行ってしまう。

 

 

「あ、頭が痛いです……ネプテューヌさんとそのファンクラブで作った動画を全国配信なんて……」

 

 

 イストワールはネプテューヌが出ていたドアを見ながらそう言うと、頭を抱えてうずくまる。

 

 

「お姉ちゃんのファンクラブって、会長の人が男の人だけど、お姉ちゃんと同じ服着てる人ですよね。それなら心配ないじゃないですか、悪い人ではないと思いますよ」

 

 

 ネプギアは姉のネプテューヌのファンクラブのメンバーが特に悪い人達だと思えなかったので、安心するようイストワールに伝える。

 

 

「そういう心配ではないのです。普段のネプテューヌさんのぐーたらぶりが全国配信されたらどうなると思いますか?」

 

 

 イストワールは鬼気迫る顔でネプギアに質問をするが、ネプギアは小首を傾げて、「えっと……お姉ちゃん可愛い?」と呑気に答える。

 

 

「がくっ……」

 

 

 ネプギアの答えにガクッと肩を落とすイストワール。

 

ネプテューヌ好きのネプギアからはイストワールの想定していた答えは得られかったようだ。

 

 

「お姉ちゃんの動画楽しみですね」

 

 

本当に楽しみにしているようで嬉しそうな顔をするネプギア。

 

 

「……今回も立て直しに苦労しそうです……」

 

 

 イストワールはお腹を押さえながらそう言う。

 

どうやら胃が痛いようだ。

 

イストワールは過去にネプテューヌの安易な思い付きの案によって国が傾くくらいの赤字を何度も出され、その度に立て直してきた。

 

今回もそれと同じ予感を感じていた。


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