昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#140 ダークネス60でクエスト

 朝食後、今日もモンスター討伐のクエストに出かけるネプギア達。

 

今日はアイエフのバイクとコンパとファミ通の車で少し遠出をしている。

 

アイエフのバイクの後ろにはネプギアが乗り、残りの六人とイストワールは車に乗っていた。

 

あんみつとフィナンシェは城で留守番兼メイドのお仕事をしている。

 

 

 ネプギア達の向かった先は【ダークネス60】と呼ばれる場所。

 

昔は巨大な工場地帯だったが今は廃れ廃工場になっており、取り壊しするにもモンスターを退治してからである。

 

 

「今日は、このダークネス60に住み着いた大型ロボット型モンスター 【ガダンム】の討伐です」

 

 

 イストワールの出したホログラムには緑色の人型ロボットが映し出される。

 

 

「……ガダンムですよね」

 

 

 ネプギアはイストワールの説明に念を押ように真面目な声で聞き返すと、「ええ、ガダンムです」とイストワールも神妙な顔でそれに返す。

 

 

「……どうしたの? ネプギアちゃん」

 

 

 ロムはそんな二人の様子を不思議に思うようで首を傾げている。

 

 

「大事なことだからちゃんと確認しておかないとって思って」

 

 

 ネプギアは真面目な顔でロムに答えると、「大事なのガダンム?」とラムも首を傾げる。

 

 

「うん、ガダンムってことが大事なの。決して並び替えとか……」

 

 

 そんな二人に対して踏み込んだ説明をするネプギアだが、「ネプギア! それ以上はいけないわ!」とユニに途中で止められてしまう。

 

 

「「?」」

 

 

 困惑顔のロムとラムに対して、意味の解っていたアイエフは、「と、とりあえず、行きましょ」と言って先に進むよう促す。

 

ネプギア達はダークネス60の敷地内に入ると一つ一つ建物を回って行く。

 

 

「現在の平均レベルは28で前衛はネプギア様とアイエフと私。後衛はユニ様、ロム様、ラム様、イストワール様にコンパにプラエちゃん……」

 

 

 ファミ通は歩きながら小声で戦力確認をし、メモを書き込んでいる。

 

 

「……どこにいるんだろう」

 

 

 Nギアのレーダーを見ながら辺りを見回すネプギアに、「誰もいないね……」とプラエが返す。

 

 

「上空のネプギアンダムからも何の報告もないし」

 

 

 ネプギアは偵察用ネプギアンダムを工場の上空に飛ばして偵察をさせているが、今のところ何の情報も無いようだ。

 

 

「今回も、綿密なコンビネーションでやっつけちゃおう」

 

 

 意気揚々にラムが言うと、「そう出来ればいいけどね」とユニが答える。

 

 

ビービービー!!

 

 

 その直後、Nギアから警報音が鳴り響く

 

 

「何の音(びくびく)」

 

 

 ロムは身を縮こまらせて驚き、ネプギアの腰に抱きつくと、ネプギアが、「私達、ロックオンされてる!」とNギアを見ていたネプギアが叫ぶ。

 

 

「ろっくおん?」

 

 

 ロックオンの意味が分からないプラエはネプギアの顔を見上げると、その横でユニが、「敵に見つかったってことよ!」と手短に説明する。

 

 

「えー! 誰もいないわよ?」

 

 

 ラムは辺りを見渡すが、それらしい影はなかった。

 

 

ビーーーーー!!

 

 

 Nギアから更に激しい警告音がする。

 

 

「みんな散って!!」

 

 

 再びネプギアが叫ぶ。

 

それと同時に30メートル程先にあった金属扉が赤く灼熱すると変形し丸い穴が開く。

 

 

ズキューン!

 

 

穴から巨大なビーム光線が飛んでくる。

 

 

「くっ!」

 

 

 ユニが横に飛ぶと、「きゃあ!?」とラムも悲鳴を上げながら、ユニとは逆方向飛ぶ。

 

 

「ロムちゃん!」

 

 

 ネプギアは反応の遅れたロムを抱えて横に飛び退き、「コンパ!」とアイエフが叫んでコンパの手を引き飛び退き、プラエとイストワールとファミ通もそれに続く。

 

 

ギャィィィィン

 

 

 ビーム光線が通り過ぎると、床が熱で変形していた。

 

Nギアの警告がなかったら、大ダメージを受けていたかもしれない。

 

 

「……ネプギアちゃん、ありがとう(ぽっ)」

 

 

 頬を赤く染めてネプギアにお礼を言うロム。

 

 

「もー! いきなり攻撃するなんて、ヒキョーよ!」

 

 

 ラムが、ビームが飛んできた方向に向かって思いっ切り抗議する。

 

 

「助かったわ。ネプギアが言ってくれなかったら危なかったわね……」

 

 

 アイエフはコンパの手を握りながら一息付くと、「ネプギア様のNギアは本当に万能デバイスだね」とファミ通がNギアを褒める。

 

 

「私の自慢の子です」

 

 

 珍しく自信満々のネプギア。

 

それだけ自分が改造したこのNギアのことが好きなのである。

 

 

「敵は私達より広範囲のレーダーを持っているようですね」

 

 

 イストワールが冷静に状況を分析する。

 

携帯機のNギアやネプギアンダムと、大型ロボットのレーダーでは探索範囲に差が出てしまうようだ。

 

 

「レーダに反応多数!」

 

 

 ネプギアがNギアのレーダーに敵の反応が出たことを告げる。

 

 

ピコピコピコピコ……

 

 

 機械音がすると同時に溶解した扉から直径1m程の球状のロボットが大量に入ってくる。

 

ゲイムギョウ界で【ビット】と呼ばれる小型ロボットモンスターである。

 

ビットは数にものを言わせてネプギア達の正面を塞いでくる。

 

 

「今回は状況が状況です。全員で戦いに当たりましょう」

 

 

 イストワールがそう言うと、「はいっ!」とネプギアが頷く。

 

 

「私達が露払いをするわ。ファミ通、付いてきて」

 

 

 ビットの群れに走り出すアイエフに、「了解」と言ってファミ通が付いて行く。

 

 

「はあっ!」

 

 

 アイエフのカタールが一体のビットを切り裂くと624のダメージが当たり、続けてファミ通が、「とりゃー!」とエビで上から垂直にビットを叩いて701ダメージを与える。

 

 

「わたしも行くですー」

 

 

 コンパが注射器から液体を飛ばしビットに命中すると454ダメージが当たり、当たった部分が融解し始める。

 

可愛い顔して結構危険な液体を使う。

 

 

「後はプラエに任せて下さい!」

 

 

 コンパに続いてプラエが、「クロックチェーン十一時、闇の力よ!」と左手の小指から鎖を伸ばす。

 

鎖はビットを打ち据えると512のダメージを与えて、ビットを一体戦闘不能にする。

 

ビット一体のHPは2,000前後のようだ。

 

 

「ボルボルトサンダサンダラーバリバリシア……」

 

 

 イストワールはその間に魔法の詠唱を行っていた。

 

イストワールの周囲にはペンネルで、黄色い光を放つ魔法陣が描かれる。

 

 

「雷の記憶!」

 

 

 イストワールが詠唱を終えると、彼女の手のひらから巨大な青い電撃が直進して直線上のビットに1,000以上のダメージが当たる。

 

更に、アイエフ達がダメージを受けたビットを狙って攻撃をすると、ビット達は次々と戦闘不能に陥る。

 

 

「ネプギアさん達はボスモンスターを!」

 

 

 イストワールがそう言うと、「わかりました!」とネプギアは頷いて、仲間達により道が開いた敵陣を駆け抜ける。

 

 

「ロム、ラム、行くわよ」

 

 

 ユニがそう言ってネプギアの後を追うと、ロムは、「うん」と頷き、ラムは、「おー!」と左手を上げて二人してネプギアの後を追う。

 

 

「みんな頑張ってね」

 

 

 プラエが声援を送ると、「ありがとう」とネプギアがお礼を言い、「そっちも気をつけなさい」とユニが忠告をする。

 

 

 ネプギア達四人は走りながらも自然にフォーメーションを組んでいた。

 

ネプギアが先頭で、中衛の右側にロム、左側にラム、後衛がユニのフォーメーションである。

 

 

「ネプギアンダムより通信。ここから12時の方向に巨大な敵影を確認!」

 

 

 ネプギアがネプギアンダムから届いた情報を仲間に伝えると、「要はあの穴くぐって真っ直ぐ行けばいいのよね」とユニが言うと、「突撃ー!」とラムが走り出すと、「おー!」とロムもラムの後に続く。

 

女神候補生達は敵の射撃で空いた穴をくぐり建物を出る。

 

敷地内に出ると焼けて抉れたビームの通り道を辿って敵に近づいていく。

 

 

ビービービー!!

 

 

 再びNギアから警報音が鳴り響く。

 

 

「ユニちゃん、ミサイル反応。10時の方向!」

 

 

 ネプギアがNギアから伝達された情報を元にユニに指示を飛ばすと、「任せなさい!」とユニはライフルを構える。

 

すると、左斜めからミサイルが三発飛んでくる。

 

ユニは素早く銃の照準を合わせてトリガーを引く。

 

 

ズキューン!

 

 

 ユニの銃から弾が飛ぶと、見事にミサイルに命中する。

 

 

ドカーーン!

 

 

 一発のミサイルが爆発すると、「次!」と言ってユニは再び照準を合わせて銃を撃つ。

 

 

ドカーーン

 

 

 二発目も見事に撃ち落し、ユニは、「ラスト!」と言って三発目に照準を合わせて銃を撃つ。

 

 

ドカーーーーーン!

 

 

 三発目も撃ち落すと、「流石ユニちゃん!」左側にいるラムがユニを褒める。

 

 

ビービービー!!

 

 

「3時方向! ロムちゃん、シールド!」

 

 

 再びアラートを確認したネプギアは、今度はロムに指示を飛ばす。

 

 

「うん(ばりあ)」

 

 

 ロムは右前に出ると両手を前に突き出し、防御の魔方陣を張る。

 

 

ズキューン!

 

 

 それと同時に、先程と同じ巨大なビームが飛んでくる。

 

 

ジジジジジ!

 

 

 ロムの魔方陣にビームが当たると火花が散る。

 

 

「ううっ!」

 

 

 ロムがビームとの鍔迫り合いに呻き声を上げると、「ロムちゃん頑張れ!」とラムが声援を送る。

 

 

「ていっ!」

 

 

 ロムが気合を入れると、魔法陣が一際輝きだしビームを消滅させる。

 

 

「ロムちゃんのバリアはそんなへなちょこビームに負けないわよ」

 

 

 ビームを防ぎきったロムを自慢するラム。

 

ネプギア達はそのまま真っ直ぐ走り続ける。


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