昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「ゲイムギョウ界は0と1が生み出した数字を使って、音や色をもったドットを作り、それがたくさん集まり大陸や生き物を生み出しました。これが初期の8ビット世界です」
ネプギアがそこまで読むと、「ビットってなに?」とラムが腕を組んで首を傾げる。
ユニが、「情報量の最小単位よ」と答えると、「この数字が大きくなればなるほど、ゲイムギョウ界は広大で精巧で綺麗になるんだよ」とネプギアがそれに続く。
「今は何ビット世界なの?」
今度はロムがあごに右手をあてながら質問すると、「ビット世界の最高は128ビットね」とユニが腕を組んで得意そうに言うと【ふん】と鼻を鳴らす。
ユニは続けて、「もちろん、アタシ達ラステイションによる力よ」と自信満々に言う。
ラステイションというのはユニの住んでいる国の名前、そしてビット数などのゲイムギョウ界の規模は国の発展に比例していく。
つまり、ユニは自分の住んでいる国がいかに優れているかを自慢したいのだ。
「でも、128ビットは性能過剰って言われて今は64ビットのとかCPUをたくさん使うマルチコア世界なんだよ」
ネプギアがそんなユニに対して落ち着いて、ロムとラムに向かって言うと、「「まるちこあ?」」とロムとラムが同時に首を傾げる。
CPUとは我々の世界で言えば地球の意思のようなものであり、これがゲイムギョウ界の森羅万象を作り続けている。
ゲイムギョウ界の国が発展することで、CPUも成長しゲイムギョウ界全体が発展をしていくのだ。
「128ビット一つのCPUに全部世界を作らせるより、64ビットのCPUをたくさん使って役割分担した方が、より世界がよくなるってことなの」
ネプギアが説明を続けると、「わたし達みたいに協力するのね!」とラムが嬉しそうに言い、「みんなで協力!」とロムも嬉しそうに続く。
ネプギアはそれを嬉しそうに眺めながら、「うん、ラムちゃんが絵を描いて、ロムちゃんがお話書いて、私が音楽作って、ユニちゃんがゲームシステム作る感じ」と頷く。
「で、マルチコアになってから、CPUの構成が複雑化してきているの。だからビット数に関して細かい数値を出すのが難しいんだよ」
ネプギアが続けて言うと、「ちょっと、人が自慢してるところに水を差さないでくれる」と話においていかれたユニが不満そうな顔をする。
ネプギアは少し困った顔で、「でも、今の世界がどうなのか知りたいみたいだし……」と答える。
彼女は真面目過ぎて少し空気の読めないところがある。
「まぁ、いいわ。続き読んでちょうだい」
ユニはそんなネプギアのことをよく知っているようで、あっさりと引き下がり絵本の続きを読むようにうながす。
ネプギアは絵本のページをめくると本にはドット絵で地図や生き物が描かれていた。
すると、「あ、マーリョだ」とラムが嬉しそうに絵本に指差すと、ロムも同じく指を差しながら、「こっちはニテール」と言う。
彼女達が指差したところには帽子をかぶった赤と緑の二人の男性が描かれていた。
彼らはマーリョとニテールと言い古くからゲイムギョウ界にいる有名人である。
ちなみに赤い方がマーリョ、緑の方がニテールである。
ネプギアはロムとラムが絵本の絵を一通り楽しんだのを確認して、本の続きを読み始める。
「こうしてゲイムギョウ界に二次元世界が完成しました」
ネプギアが続きを読むと、「【にじげんせかい】ってなに?」とまたもラムが左手を上げて質問をしてくる。
「二次元世界って言うのはね、縦方向と横方向の二つの座標を持つ空間で平面的な世界なの」
ネプギアが右の人差し指で宙に縦線と横線を描きながら質問に答える。
続けてユニが、「たまに薄いペラペラの生き物いるでしょ? あれが縦と横しかなかった二次元世界の名残の生き物なのよ」と付け加える。
ゲイムギョウ界には、紙に書いた絵のような生き物や、テレビ画面に映ったようなほとんど厚みのない生命体が居る。
「今、私達が住んでいるのは、そこに奥行きを加えて【縦と横と奥行き】の三つの空間のある世界で三次元世界なんだよ」
ネプギアが今度は右の人差し指で奥行きを現すように前後に動かしながら言うと、ロムが、「ネプギアちゃんもユニちゃんも物知り」と言って感心する。
ネプギアとユニは真面目な努力家で色々と勉強しているので、ロムとラムの質問には大抵答えることができた。
ロムとラムはネプギアとユニを素直に頼りにして、ネプギアとユニも頼られることを嬉しく思っており、四人の関係は良好である。
そして、二人が自分達の説明で納得したのを確認したネプギアは本を読み続ける。