昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「あー! いーすんがネプギアいじめたー! いーけないんだいけないんだ! イジメかっこわるーい」
ネプテューヌはゲーム一旦止めて、ここぞとばかりに小学生のようにイストワールを煽る。
「ネプテューヌさんがお仕事をしてくれないから、こんなことになっているんです!」
その態度にイストワールは更に顔を真っ赤にしながら、ネプテューヌに詰め寄るが、ネプテューヌは、「えー? またこのパターン?」と、うんざりしたように答える。
「パターン化しているのは、ネプテューヌさんのせいです!」
イストワールが素早くツッコミを入れる。
実際その通りであり、何度イストワールが叱ってもネプテューヌの放蕩癖は治る気配を見せない。
「でもさー、毎回同じじゃ見てる人も飽きちゃうよ? マンガやアニメも入れたらこのパターン一万回くらいやってる気がするよ」
ネプテューヌお得意のメタ発言。
彼女はこの手のネタを使うことが多い。
なぜ彼女がこのようは発言が出来るのかは謎である。
「流石に一万回は盛りすぎだと思うよ……」
ネプギアは少しためらいながらもツッコミを入れるが、「いやいや! このシリーズも、もう十年過ぎてるし、それぐらいは行くでしょ」とネプテューヌは自分が叱られていることをドヤ顔で自慢する。
「それでも毎日三回は怒られてることになるんじゃないかな……」
一年が365日、10年間毎日3回怒られたら10,950回、と丁寧に暗算して答えるネプギア。
「それにそんなに怒ったら、いーすんさんの胃が持たないよ」
更に冷静にツッコミをするネプギア。
「……私も好きで怒ってる訳じゃないんですよ」
イストワールはそんな二人のやり取りをみて呆れたように言う。
「だったら、そろそろ別パターン考えない? わたしって褒めて伸ばすタイプだから褒めた方が良いと思うよ」
ネプテューヌはさも名案というように自信満々に提案してくるが、「ネプテューヌさんを褒める要素がまるで見当たりません」イストワールはネプテューヌの提案を即答で切り捨てる。
その態度に情けのひとかけらも感じなかった。
「ガーン!」
ショックを受けるネプテューヌ。
流石の彼女もこれには堪えたようだ。
「いいですか、ネプテューヌさん、【働かざる者食うべからず】女神様も同じです。シェアエネルギーが尽きたらどうするおつもりなんですか?」
シェアエネルギーは人々の守護女神に対する信仰心からなるエネルギーであり、守護女神の力の源である。
基本的にはクエストなどをこなして、国や国民を守り導くことで得ることが出来る。
つまり、イストワールの言うお仕事をしないとネプテューヌも弱っていく筈なのだが……。
「いーすんはわかってないな。わたしはありのままの姿が国民に受け入れられているんだよ。真面目に仕事をするわたしなんてわたしじゃないね」
自らの不真面目をドヤ顔で宣言するネプテューヌは、「それに、わたしみたいな美少女を養えるって、国民のみんなにとって至高の幸せだと思うよ」と続けて言う。
ネプテューヌ的には【今のままで十分にシェアエネルギーを確保できてるんだからいいじゃん】らしい。
「更に、わたし主人公だよ」
更にネプテューヌは両手を腰に当てて自信満々に言い放つが、「主人公なら、少しはネプギアさんを見習ってそれ相応の働きをして下さい」とイストワールは素早くツッコミを入れる。
「いーすんは本当にわかってないなー。主人公っていうのはちょっと欠点があった方が共感が得られて人気が出るんだよ。逆にネプギアみたいな完璧超人は主人公としては失格なんだよ」
ネプテューヌがうんちくを語るように偉そうに言うと、「……私、完璧じゃないけど、お姉ちゃんに主人公失格って言われると落ち込むよ」とネプギアは【しゅん】と落ち込んでしまう。
「落ち込む必要ないってば、ネプギアには攻略難度Sクラスのヒロイン役が似合ってるよ。試しに【一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし】って言ってみて」
ネプテューヌはそう言ってネプギアの肩を優しく叩くと、「さあ、言ってみて」ともう一度要望する。
「えっと……い、一緒に帰って、友達に噂とかされると恥ずかしいし?」
ネプギアは訳も分からず、素直にネプテューヌの言う通りに言ってしまう。
「いいねいいね! 今度は好感度上げて【家も隣同士だし、たまには一緒に帰ろうかなって】」
調子に乗ったネプテューヌは更にネプギアに要望を出すと、「い、家も隣同士だし、たまには一緒に帰ろうかなって……?」とまたも要望に応えてしまうネプギア。
本当に素直な子である。
「いい加減にしてください!」
イストワールは話を脱線させて妹で遊んでいるネプテューヌを注意する。
「仮にネプテューヌさんの言う通りだとしても、現に国民のみなさんからお仕事のお願いが届いているんです。これを何日も放置して、どう顔向けするおつもりなのですか?」
イストワールは説得の方法を変えてみる。
確かにプラネテューヌでのネプテューヌの人気は相当なものである。
しかし、それだけでは女神は務まらない。
国民の要望に応え信頼を得る必要もあるのだ。
「ゲームに夢中でお仕事忘れちゃった~♪」
ネプテューヌはそう言うと、自分の頭を右手で軽く小突くと、「てへぺろ」と言って舌を出してウインクする。
「はぁ~……」
説得の方法を変えても相変わらずなネプテューヌに対して、イストワールは大きなため息を付き肩を落とす。
怒りを通り越して呆れている様だった。
ネプテューヌと毎日こんなやり取りが続くイストワールは自分用の胃薬が手放せない。