昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#30 ネプテューヌVSあんみつ

 葛切あんみつがネプテューヌに襲い掛かる少し前。

 

 

ネプギアの部屋ではネプギアンダムがプラエに絵本を読み聞かせていた。

 

 

「オシマイオシマイ……」

 

 

 ネプギアンダムが本を読み終えると、「ネプギアンダム読むの上手ー!」とプラエが嬉しそうに拍手をする。

 

プラエは絵本の内容より、ロボットが上手に本を読むことが楽しかったようだ。

 

 

「ビーッ、ビーッ、ビーッ!!!」

 

 

 突然、ネプギアンダムが大きな警報音を鳴らす。

 

 

「ひゃあっ!」

 

 

 プラエはビクッとして驚くと、「ど、どうしたの?」とネプギアンダムに尋ねる。

 

 

「メガミサマノリビングデ、セントウオンヲカクニンシマシタ。ネプテューヌサマガオソワレテイルモヨウ」

 

 

 ネプギアンダムがそう答えると、「戦闘……ネプテューヌ様?」とプラエが不思議そうに首を傾げる。

 

 

「イマカラエングンニムカイマス。プラエサマハココデオマチヲ」

 

 

 ネプギアンダムはそう言うと動き出そうとするが、「待って、プラエも行く。ネプテューヌってネプギアお姉さんのお姉さんだよね。だったらプラエが助ける」とプラエが叫ぶ。

 

 

「リョウカイシマシタ。 ケッシテワタシカラハナレテハイケマセン」

 

 

 ネプギアンダムはそう言うと、両手でプラエを掴んでおぶる。

 

 

「わわっ!?」

 

 

 驚きの声を上げるプラエ。

 

そのままネプギアンダムの首にぶら下がるように、おぶられる。

 

 

「イソギマス。テヲハナサナイデクダサイ」

 

 

 ネプギアンダムはそう言うと、がっちょんがっちょんと音を立てながら走って、ネプテューヌの居るリビングに向かう。

 

走るたびに、プラエが揺れて、「わっ! わっ! わーー!」と驚きの声を上げる。

 

 

 

****

 

 

 

 その頃、女神のリビング。

 

 

キンッ!

 

 

 間一髪。

 

 

ネプテューヌがポーチから呼び出した刀が、葛切あんみつの振り下ろした刀を防ぐ。

 

 

「あのタイミングから防御が間に合う? なんという反応速度!」

 

 

 あんみつは刀を引くと素早くニ撃目の袈裟斬りを繰り出す。

 

 

「おわっとっとっと!?」

 

 

 ネプテューヌはおっかなびっくりな声をあげつつも、上半身を捻ってそれを避ける。

 

 

「もー! いい加減にしないと、温厚さに定評があるわたしでも怒るよー!」

 

 

 ネプテューヌは先ほどまでとは雰囲気が変わり、真面目な声で言う。

 

同時に刀を振り下ろして、あんみつに反撃をする。

 

 

「ちいっ!」

 

 

 あんみつは刀を使って、ネプテューヌの攻撃を防ぐ。

 

ネプテューヌの刀とあんみつの刀が激しい火花を散らしてぶつかり合う。

 

 

「眠れるねぷ子さんを起こした代償は大きいよー! プリン一か月分はもらわないと!」

 

 

 ネプテューヌは一旦刀を引くと、素早くあんみつの左側に回り込む。

 

 

「パープルチャリオット!」

 

 

 同時にネプテューヌの高速の刺突があんみつに襲い掛かる。

 

ちなみに【パープルチャリオット】と言うのはノリで叫んだ言葉で、ただの突きで特別な技ではない。

 

 

「なんの!」

 

 

 あんみつはネプテューヌの素早い攻撃を見事に刀で受け止める。

 

 

「わお! 今のを防ぐなんて、なかなかやるね」

 

 

 ネプテューヌが驚きと称賛の入り混じった声を上げる。

 

普段は【ちゃらんぽらん】としているが、いざ戦いとなると真面目になるネプテューヌ。

 

あんみつの技量の高さに、彼女のテンションも上がってきたようだ。

 

 

「ぬかせっ!」

 

 

 あんみつは刀で受け止めながら、左足でネプテューヌに蹴りを繰り出す。

 

 

「おっとーーー!」

 

 

 ネプテューヌは素早く刀を引きつつバックステップで、あんみつの蹴りを避ける。

 

 

「できる……さすがは女神」

 

 

 あんみつは驚きの表情を浮かべて後ずさり距離を取る。

 

先程からの激しい攻防でスタミナを消費したので一旦回復しようというのだ。

 

 

「ふざけた態度は敵を欺く為のモノか……あなどれん」

 

 

 あんみつがそう言うと、「ふざけてなんかないってばー。わたしはいつでも大真面目!」とネプテューヌが口を尖らす。

 

スタミナを消費したのはネプテューヌも同じで、口ではこう言っていても、彼女もあんみつと同じくスタミナの回復に集中している。

 

二人とも疲れた表情一つ見せないのは互いに戦い慣れしているからだろう。

 

 

 「奥義、旋風裂剣」

 

 

 突然あんみつが刀を大きく振り回す。

 

すると彼女の身長と同じ160センチ程の高さの小さな竜巻が起こり、それがネプテューヌ向けて飛んでいく。

 

 

「わわっ!」

 

 

 ネプテューヌは驚きつつも、横っ飛びでそれを避けると、「いきなり奥義とかズルくない!」と立ち上がりながら文句を言う。

 

 

「せめて、【女神が相手なら、旋風裂剣を使わざるを得ない】ぐらいの前口上は言うべきでしょー!」

 

 

 ネプテューヌは激しく大声で抗議をするが、あんみつはお構いなしに二発目三発目の竜巻を飛ばしてくる。

 

 

「わっ、とっ、とーーーーー!」

 

 

 迫りくる竜巻を左右の移動と、垂直ジャンプを駆使して避け続けるネプテューヌ。

 

 

「どうした? 避けているだけか?」

 

 

 あんみつが挑発をするように言うと、「そんなわけないで……」とネプテューヌはしゃがんで力を溜める。

 

そして、「しょっ!」と大きく飛び上がり、天井を使った三角跳びで、竜巻を飛び越えて避けるとあんみつに襲い掛かる。

 

 

「もらったーーー! ねぷねぷダイナマイトキーーーーック!」

 

 

 ネプテューヌの右足による急降下攻撃。

 

あんみつは旋風裂剣を撃ったばかりで動けないようだ。

 

 

「短慮!」

 

 

 あんみつが叫ぶ。

 

 

「奥義、弧月剣!」

 

 

 あんみつは弧を描くように刀を振り上げつつ跳び上がっていく。

 

ネプテューヌの顔が一瞬で青ざめる。

 

 

(やばっ! このわたしが、飛び道具からの対空技なんてベタな戦法にハマるなんて!)

 

 

 ネプテューヌが心の中で舌打ちをする。

 

彼女の言う通り、格闘ゲームにおいて飛び道具で相手のジャンプ攻撃を誘い対空技で落とすのは戦術の初歩であった。

 

 

(しかもこれ、当たったら一発でHPゼロで戦闘不能っぽい!? )

 

 

 優秀なアタッカーであるネプテューヌだが、その反面耐久力は低め。更に現在レベル1なので致命傷を受けたら戦闘不能は免れない。

 

 

 

 あんみつの刀がネプテューヌに迫る。

 

 

「ナマステ!!」

 

 

 ネプテューヌが叫ぶ。

 

しかし、この場合は【南無三】が正しいだろう。

 


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