昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#02-04 教えて、ギアユニ(女神と国民の巻)

「ねーねー。続き続き~」

 

 

 ラムがネプギアの左手を引っ張りながら絵本の続きを読むようにせがむと、「気になる気になる……」とロムも期待に目を輝かせる。

 

ネプギアは、「じゃあ、読むね」と言うと再び絵本に目を向けて読み始める。

 

 

「五人の女神様は集まって、ゲイムギョウ界の今後について話し合いを始めました」

 

 

 ネプギアがページをめくると話し合いをする五人の女神が描かれている。 

 

 

「しかし、どの女神様も自分が一番強く自分がゲイムギョウ界のリーダーになると譲らずに争いになってしまいました。こうして第一次ハード戦争が起こりました」

 

 

 ネプギアが読むのを聞いてラムが興奮気味に、「おお、せんそーだ、せんそー」と言うと、「どこが勝つのかな?」とロムが小首を傾げる。

 

 

「最初はタリの国がとても有利でした」

 

 

 ネプギアが読むのに対して、「ちょっと意外ね」とユニが右手をあごにあてながら言う。

 

先述したように昔のゲイムギョウ界はルウィーがとても強く、てっきりルウィーがスタートダッシュをすると思っていたようだ。

 

 

「しかし、タリの女神様は戦争に勝つために国民に信仰を強要して信仰しない人には厳しい罰を与えました。その上に高い税金も定めていました。そのことが国民の怒りを買いました」

 

 

 ネプギアがそこまで読むと、ラムがまた、「それってどんなふうに悪いの?」質問をする。

 

ラムには信仰の強要や高い税金という言葉がピンとこないらしい。

 

 

「そうだね……。例えばちょっと意見に反対しただけでお尻ペンペンされたり、いきなり、おこづかい半分にされたら、ロムちゃんもラムちゃんも怒るよね?」

 

 

ネプギアがそう例えると、ロムは、「うん、怒る(ぷんぷん)」と言い、ラムは、「ロムちゃんにそんなことするヤツは、わたしがやっつけるわ」と憤る。

 

 

「タリの国の人たちはそんなことをされたんだよ」

 

 

 ネプギアが言うと、ロムとラムが、「「なるほどー」」と声を揃えて頷く。

 

ネプギアはそんな二人の反応を確認して続きを読む。

 

 

「怒った国民は女神様を信仰しなくなってしまいました。信仰の無くなったタリの女神様はあっという間に弱くなってしまい、ルウィーの女神様にあっさりと負けてしまいました」

 

 

 それを聞いたラムが、「お~! ルウィー、つよーい!」とバンザイと両手を上げると、ロムも、「つよい、つよい(にこにこ)」と拍手をする。

 

女神がゲイムギョウ界の住人から得ることの出来るシェアエネルギーは前述のように人々の信仰心からなるもの。

 

人々をモンスターなどの脅威から守り、そして人々の生活を豊かにするよう導くことで得ることができる。

 

だが、好かれるだけではなく、時には神として堂々たる威厳を見せ、異端者や犯罪者を厳しく罰して人々に畏怖の念を抱かせることも必要なことがある。

 

その舵取りは女神やその側近の裁量次第となる。

 

タリのような恐怖政治を行うと、人心は離れてしまい信仰が無くなってシェアエネルギーを得られなくなって女神は弱って滅びてしまうのが常であった。

 

 

「悪い専制政治のお手本みたいな終わり方ね」

 

 

 ユニが頷きながら言うと、ネプギアも同じように頷いて、「そうだね。人あっての国と女神だもんね」と答える。

 

ネプギアとユニは見た目より知識と教養が豊富で、本の内容から反面教師となる部分をしっかりと理解しているようだった。

 

 

「【せんせーせーじ】ってなに?」

 

 

 それを聞いたラムがまたも質問すると、ロムも、「気になる……」と続く。

 

ラムが少し考えて、「先生が、せーじって名前?」と言って首を傾げるが、「違うわよ」とユニが少し呆れた声で答える。

 

そこにネプギアが、「政治って言うのは国のルールとか作って、世の中をよくしようとすることだよ」と二人の質問に答える。

 

続いてユニが、「で、専制政治っていうのは王様とか偉い身分の人が思いのままに政治を決めることよ。身分が血統っていう親子とかの血の繋がりとかで最初から決まってね」と言う。

 

 

 ロムとラムが、「「ふーん」」と声を合わせて言うと、ユニは「男爵とか侯爵とか聞いたことない?」とロムとラムに質問する。

 

ラムが左手を上げて、「あるある!」と言うと、ロムも右手を上げると、「おイモ」と答える。

 

ネプギアは苦笑いを浮かべながら、「それも男爵だけど違うかな……人の身分の名前のことだよ、称号とかそんな感じの」とやんわりと否定しながら説明を付け加える。

 

ラムはそれを聞くと、「じゃあ、あっちよ、あっち。びよーんって、帽子かぶってるの」と両手を頭の上で伸ばして丈の長い帽子を表現する。

 

ロムもそれに合わせて、「シルクハットで、びよよーんって長いおヒゲしてるんだよね」と付け加えながら、両手の人差し指を長いひげを表すように左右に動かす。

 

 

「それよそれ、少し偏見入ってるけどね」

 

 

 思い通りの回答をえられたユニが嬉しそうにそう言う。

 

しかし、ラムが更に、「それで手品師なんだよね」と言うと、ロムが、「【へるすまじしゃん】ってミナちゃんが言ってた」と言う。

 

ユニは一転して呆れ顔で、「なにそれ……」と呆然としてしまう。

 

ネプギアは少し考えた後に「それ多分、ヘルスじゃなくて、【ヘルズマジシャン】じゃないかな?」と言うと、「あっ、それそれ」とラムがうなずく。

 

それを見たネプギアは、「それは漫画とかだけの特殊な設定だと思うよ」とユニと同じく少し呆れながら答える。

 

 

「とにかく、生まれた時から偉い人が決まってるから、性格の悪い人や頭の悪い人でも偉くなれちゃうのよ」

 

 

 ユニが気を取り直して両腕を組みながら言うと、「で、悪い人は自分勝手なルールを作って国をメチャクチャにして国民を苦しませるのよ」と続けて言う。

 

ネプギアは、「タリは女神がそんなふうに悪い人だったから、国民に見捨てられて負けちゃったんだよ」とロムとラムに言い聞かせるように付け加える。

 

更に、「女神と国民は持ちつ持たれつなんだから、女神だからってあんまり勝手なことしちゃダメなんだよ」と付け加えた。


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