昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「いいもん。どうせ私は普通の女の子だもん」
ネプギアが部屋の隅で体育座りをしてイジけてしまう。
「なにイジケてるのよ。誰も悪いなんて言ってないじゃないの」
ユニが呆れたふうに言うと、「ユニちゃんは乙女心が分かってないよ。私は普通って言われると傷つくお年頃なの!」とネプギアは子供のように口を尖らせて拗ねてしまう。
同年代で信頼しているユニだからこそ見せる、いつもとは違うネプギアの子供っぽい一面だ。
「はいはい、アタシ達が悪かったわよ。機嫌治しなさい」
ユニがややおざなりに言うと、「全然誠意がこもってない~」と更に拗ねてしまうネプギア。
それを見たラムが、「もー、何やってるのよ。ユニちゃんのへたっぴ」と不満そうにヤジを入れてくる。
「ラム達だって普通って言ったじゃないの。一緒に説得しなさいよ」
ユニは不服そうに言い返すが、「う~~」とネプギアが不満そうなうめき声を漏らす。
どうやら説得してる最中にラムの方に意識を向けたのが面白くないようだ。
「あー! もう、めんどくさいわねアンタは。お菓子でも食べて機嫌治しなさいよ」
ユニが心底めんどくさそうに言うと、「ホントにいいの!」とネプギアが目を輝かせて顔を上げる。
「い、いいわよ、お菓子ぐらい……」
ネプギアのご機嫌ぶりに若干引き気味のユニ。
「本当にユニちゃんが【あーん】して食べさせてくれるんだね!」
ネプギアが更に目を輝かせて言うと、「誰もそこまでは言ってない」とユニが冷静に答える。
「がーーーん」
ショックを受けるネプギア。この世の終わりのような顔だ。
「しくしく……ユニちゃんに騙された……」
ネプギアは再び、体育座りでイジけてしまう。
「ネプギアが勝手に付け加えたでしょ……」
ユニは右手を額に当てながら呆れた声を出す。
「しくしくしくしくしくしく……」
ただひたすらに【しくしく】を連呼して遺憾の意を示すネプギア。
まるでセミのようである。
「あー、ユニちゃんがネプギアのことイジメたー」
「ユニちゃんのイジメっ子(ぷんぷん)」
ロムとラムがユニを責めるように言う。
続けてラムが、「プラエも何か言いなさいよと」プラエに言うと、「……えっと、ユニお姉さんが悪いかも?」とプラエもつられてしまう。
「しくしくしくしくしくしくしくしくしくしく……」
更にシクシクゼミになったネプギアが鳴き続ける。
「あーーーーー! もう、わかったわよ。やればいいでしょやれば! さっさと口開けなさい」
ユニが鬱陶しそうに叫ぶと、「わーい!」と一瞬でご機嫌になって口を開くネプギア。
ユニはテーブルに置いてあったクッキーを一つ摘まむと、「はい、あーん」とめんどくさそうにネプギアに差し出す。
「ぱくっ!」
ネプギアは嬉しそうにそのクッキーを咥える。
「もぐもぐもぐ……」
ネプギアはじっくりと味わうようにクッキーを食べると、「うん、おいしい。ユニちゃんが食べさせてくれると五割増しで美味しく感じるよ」と幸せそうな顔をする。
「……まったく。イジけたフリして、こんなことせがむなんて、意外とあざといわねアンタ」
ユニが呆れたふうに言うと、「イジケてたのは本当だよ。でも、ユニちゃんが説得してくれるなら、おねだりしてみようかなー、って思っただけだもん」とネプギアが答える。
「それが、あざといって言うのよっ!」
ユニはそう言いながら、ネプギアに軽くデコピンをする。
ネプギアは、「えへへ……」と微笑み、「だって、ユニちゃん優しいから、つい甘えたくなっちゃうんだもん」と少し顔を赤くしながら言う。
「ネプギアお姉さんとユニお姉さんって仲良いよね」
プラエが少し羨ましそうに言うと、「ああいうのを、瓜って言うのよね」とラムが腕組みしながら言うと、「わたし、きゅーちゃん好き(ぱりぽり)」とロムが楽しそうに言う。
「それを言うなら、百合でしょ。アタシとネプギアはそんなんじゃないから、普通の友達よ普通の」
ユニが呆れながらツッコミをすると、「ユニちゃん、あーーん」とネプギアが口を開ける。
「ああもう、しょうがないわね」
ユニはそう言いながら、再びネプギアにクッキーを食べさせると、「……ユニお姉さん、あんまり説得力ないかも」とプラエがツッコミをしてくる。
確かに絵面的には説得力ゼロである。