昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#56 バンド名

「遊んでないでバンドの名前考えるわよ」

 

 

 ユニはそう言いながら手をパンパンと叩く。

 

まるで学校の教師のようだ。

 

 

「はい、はーい! 【ロムちゃん&ラムちゃん、ストロングキュート】は?」

 

 

 ラムが元気よく左手を上げながら言うが、「自分達の名前入れるのは諦めなさい」とユニがピシャリと言い放つ。

 

 

「がっかり(しゅん)」

 

 

 ロムが肩を落とすと、「ユニちゃんのケチー!」とラムが文句を言ってくる。

 

 

「まあまあ。とりあえずは名前を入れる方向で考えてみようよ」

 

 

 ネプギアがユニをなだめるように言うが、「そんなこと言っても五人分も名前入らないわよ」とユニは腕を組んで不満そうに言う。

 

 

「イニシャルとかでもいいんじゃないかな? ロムちゃんとラムちゃんならRで、私ならG、ユニちゃんならUで、プラエちゃんはPで」

 

 

 ネプギアがそう言うと、「バンド名のどこかに、その文字が入るようにするのね。まぁ、それぐらいなら出来なくもないわね」とユニは右手をあごに当てながら頷く。

 

 

「それってどんなふうにするの?」

 

 

 ラムが不思議そうに首を傾げると、「わたし達、あんまり英語とか分からない……」とロムが困った顔をする。

 

プラエも、「……プラエも英語はちょっと……」と困った声を出す。

 

 

「それじゃあ、アタシとネプギアが色々考えるから、三人は良い悪いで決めなさい」

 

 

 ユニがそう言うと、「実は私、もう考えてあるんだ」とネプギアがニッコリ笑う。

 

 

「へぇ……。いつの間に考えたの?」

 

 

 ユニが意外そうに言うと、「さっきのイジケてる間」とネプギアが答える。

 

 

「ただ単に、うじうじしてた訳じゃないのね」

 

 

 ユニが感心したかのように言うと、「当然だよ。時間は有効に使わないとね」とネプギアが答える。

 

 

「そう言うなら、一発で立ち直りなさいよ……」

 

 

 今度は呆れたように言うユニ。

 

しかしネプギアは、「ユニちゃんに甘える時間は無駄じゃないもんっ」と拗ねたように言う。

 

 

「まったく……変なトコで甘えん坊よねアンタは」

 

 

 ユニが右手を額に当てながら呆れたふうに言うと、「で、どんな名前を考えたの?」とネプギアに問いかける。

 

 

「【グランプリ・ユナイテッド】……って言うんだけどどうかな?」

 

 

 ネプギアが少し恥ずかしそうに言うと、「「ぐらんぷり・ゆないてっど?」」とロムとラムが同時に首を傾げる。

 

双子ならではの見事なシンクロだ。

 

 

「グランプリは、映画とかの一番スゴイ賞のことだよね」

 

 

 プラエがそう言うと、「うん、そうだよ。よく知ってたね」とネプギアがプラエの頭を撫でる。

 

 

「じゃあ、ユナイテッドは?」

 

 

 ラムが不思議そうな顔で質問すると、「ユナイテッドは【連合】とか【団結】って意味よ」とユニが答える。

 

 

「一番スゴイ賞を取る為に、みんなで団結?」

 

 

 ロムが少し自信なさそうに言うと、「うん、そうだよ。ロムちゃん、すごいすごい」とネプギアが今度はロムの頭を撫でてあげる。

 

 

「なかなかいいじゃない」

 

 

 ラムが満足気に腕組みして頷くと、「それで、わたし達の名前はどこにあるの?」と続けて質問する。

 

ネプギアは、机の上にあったお絵描き帳と黒のペンを持って、「これ借りるね」と言うと、お絵描き帳に【Grand prix United】と大きく文字を書く。

 

 

「まずは私のG」

 

 

 ネプギアはGの字に丸を付けて、ネプギアと書く。

 

 

「次にラムちゃんのRA」

 

 

 今度はGrandのraに丸を付けて、ラムと書く。

 

すると、ロムとラムが感心したかのように「「おお~」」と声を上げる。

 

 

「もしかして、プリのPの部分はプラエ?」

 

 

 プラエがそう言うと、「うん、そうだよ。よく分かったね」とネプギアはプラエを褒めながら、prixのpの部分に丸を付けて、プラエと書く。

 

 

「じゃ、じゃあ、次のRはわたし?」

 

 

 ロムが期待を込めた目で両手を祈るように合わせながら言う。

 

ネプギアはニッコリと微笑んで、「そうだよ。ロムちゃんのR」と言って、prixのrの部分に丸を付けて、ロムと書く。

 

 

「最後のUnitedは、アタシのUNIが全部入ってるし、これなら全員分ね」

 

 

 ユニがそう言って満足気に腕組みをすると、「一番を取る為に、みんなで団結なんてアタシ達らしくていいじゃない。やるわね、ネプギア」と素直にネプギアを褒める。

 

ネプギアは嬉しそうに、「えへへ……」と笑うと、「実はグランプリの部分にはもう一つ意味があるんだ」と言う。

 

 

「え? なになに?」

 

 

 ラムが興味津々に質問すると、「普通のグランプリはグランド・プライズ 【Grand Prize】って意味なんだけど、私達の場合はグランド・プリンセス【Grand Princess】って意味も含めようと思うんだ」とネプギアが答える。

 

ユニは腕組みをしながら、「【壮大なお姫様の連合】って意味ね。悪くないわ」と頷く。

 

 

「えっと、わたし達は壮大なお姫様の連合で、みんなで団結して一番を取るってこと?」

 

 

 ロムがそう言うと、「うん、そういうことになるの」とネプギアは頷くと、「すごーい、ネプギアお姉さん、カッコイイ!」とプラエが拍手をする。

 

ネプギアは、「ありがとう」とお礼を言うと、「どうかな?」と全員に問いかける。

 

 

「「さんせーー!」」

 

 

 ロムとラムが両手を上げて賛成すると、「アタシも賛成よ」とユニが頷き、「プラエも、もちろん賛成だよ」と言ってプラエが柏手を打つ。


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