昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「遊んでないでバンドの名前考えるわよ」
ユニはそう言いながら手をパンパンと叩く。
まるで学校の教師のようだ。
「はい、はーい! 【ロムちゃん&ラムちゃん、ストロングキュート】は?」
ラムが元気よく左手を上げながら言うが、「自分達の名前入れるのは諦めなさい」とユニがピシャリと言い放つ。
「がっかり(しゅん)」
ロムが肩を落とすと、「ユニちゃんのケチー!」とラムが文句を言ってくる。
「まあまあ。とりあえずは名前を入れる方向で考えてみようよ」
ネプギアがユニをなだめるように言うが、「そんなこと言っても五人分も名前入らないわよ」とユニは腕を組んで不満そうに言う。
「イニシャルとかでもいいんじゃないかな? ロムちゃんとラムちゃんならRで、私ならG、ユニちゃんならUで、プラエちゃんはPで」
ネプギアがそう言うと、「バンド名のどこかに、その文字が入るようにするのね。まぁ、それぐらいなら出来なくもないわね」とユニは右手をあごに当てながら頷く。
「それってどんなふうにするの?」
ラムが不思議そうに首を傾げると、「わたし達、あんまり英語とか分からない……」とロムが困った顔をする。
プラエも、「……プラエも英語はちょっと……」と困った声を出す。
「それじゃあ、アタシとネプギアが色々考えるから、三人は良い悪いで決めなさい」
ユニがそう言うと、「実は私、もう考えてあるんだ」とネプギアがニッコリ笑う。
「へぇ……。いつの間に考えたの?」
ユニが意外そうに言うと、「さっきのイジケてる間」とネプギアが答える。
「ただ単に、うじうじしてた訳じゃないのね」
ユニが感心したかのように言うと、「当然だよ。時間は有効に使わないとね」とネプギアが答える。
「そう言うなら、一発で立ち直りなさいよ……」
今度は呆れたように言うユニ。
しかしネプギアは、「ユニちゃんに甘える時間は無駄じゃないもんっ」と拗ねたように言う。
「まったく……変なトコで甘えん坊よねアンタは」
ユニが右手を額に当てながら呆れたふうに言うと、「で、どんな名前を考えたの?」とネプギアに問いかける。
「【グランプリ・ユナイテッド】……って言うんだけどどうかな?」
ネプギアが少し恥ずかしそうに言うと、「「ぐらんぷり・ゆないてっど?」」とロムとラムが同時に首を傾げる。
双子ならではの見事なシンクロだ。
「グランプリは、映画とかの一番スゴイ賞のことだよね」
プラエがそう言うと、「うん、そうだよ。よく知ってたね」とネプギアがプラエの頭を撫でる。
「じゃあ、ユナイテッドは?」
ラムが不思議そうな顔で質問すると、「ユナイテッドは【連合】とか【団結】って意味よ」とユニが答える。
「一番スゴイ賞を取る為に、みんなで団結?」
ロムが少し自信なさそうに言うと、「うん、そうだよ。ロムちゃん、すごいすごい」とネプギアが今度はロムの頭を撫でてあげる。
「なかなかいいじゃない」
ラムが満足気に腕組みして頷くと、「それで、わたし達の名前はどこにあるの?」と続けて質問する。
ネプギアは、机の上にあったお絵描き帳と黒のペンを持って、「これ借りるね」と言うと、お絵描き帳に【Grand prix United】と大きく文字を書く。
「まずは私のG」
ネプギアはGの字に丸を付けて、ネプギアと書く。
「次にラムちゃんのRA」
今度はGrandのraに丸を付けて、ラムと書く。
すると、ロムとラムが感心したかのように「「おお~」」と声を上げる。
「もしかして、プリのPの部分はプラエ?」
プラエがそう言うと、「うん、そうだよ。よく分かったね」とネプギアはプラエを褒めながら、prixのpの部分に丸を付けて、プラエと書く。
「じゃ、じゃあ、次のRはわたし?」
ロムが期待を込めた目で両手を祈るように合わせながら言う。
ネプギアはニッコリと微笑んで、「そうだよ。ロムちゃんのR」と言って、prixのrの部分に丸を付けて、ロムと書く。
「最後のUnitedは、アタシのUNIが全部入ってるし、これなら全員分ね」
ユニがそう言って満足気に腕組みをすると、「一番を取る為に、みんなで団結なんてアタシ達らしくていいじゃない。やるわね、ネプギア」と素直にネプギアを褒める。
ネプギアは嬉しそうに、「えへへ……」と笑うと、「実はグランプリの部分にはもう一つ意味があるんだ」と言う。
「え? なになに?」
ラムが興味津々に質問すると、「普通のグランプリはグランド・プライズ 【Grand Prize】って意味なんだけど、私達の場合はグランド・プリンセス【Grand Princess】って意味も含めようと思うんだ」とネプギアが答える。
ユニは腕組みをしながら、「【壮大なお姫様の連合】って意味ね。悪くないわ」と頷く。
「えっと、わたし達は壮大なお姫様の連合で、みんなで団結して一番を取るってこと?」
ロムがそう言うと、「うん、そういうことになるの」とネプギアは頷くと、「すごーい、ネプギアお姉さん、カッコイイ!」とプラエが拍手をする。
ネプギアは、「ありがとう」とお礼を言うと、「どうかな?」と全員に問いかける。
「「さんせーー!」」
ロムとラムが両手を上げて賛成すると、「アタシも賛成よ」とユニが頷き、「プラエも、もちろん賛成だよ」と言ってプラエが柏手を打つ。