昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「ねーねー、ネプギア、ユニちゃん。【さんくーる】ってなに?」
ラムはさっきのネプテューヌ言う話の3クールという言葉が気になったようでネプギアとユニに質問をする。
ロムも知らないようで、「目薬みたいな名前……」と言って首を傾げる。
「クールって言うのはね、テレビ番組で使う単位で一つで13週間になるんだよ」
ネプギアがロムとラムに説明をすると、「え? クールって冷たいじゃないの?」とプラエが首を傾げる。
彼女は冷たいの方のクールだと思っていたようだ。
「スペルが違うのよ。プラエが言ってる冷たいクールは、COOL。ネプギアが言ったクールはCOURSで流れるものって意味よ」
今度はユニが話に加わって説明をしてくれる。
「ふーん、なんで13なんて中途半端な数なの?」
ラムがそう言うと、「……それに13って良くない数字ってお姉ちゃんが言ってた」とロムが言う。
プラエが、「そうなの?」とロムに質問すると、「うん、ホッケーマスクかぶった不死身の殺人鬼が出てくるんだって(ぶるぶる)」とロムが少し怯えたように答える。
「流石はブランさん物知りだね。13って言うのは昔からよくない事が起こる数字って言われて嫌われてるの」
ネプギアがそう説明をすると、「13日の金曜日が最も不吉だから、それを題材にしたホラー映画が有名よね。今ロムが言ってたヤツ」とユニが説明を付け加える。
「じゃあなんでー? なんで13なの?」
ラムが両手を上げてネプギアとユニに説明を求めると、「ふしぎ?」とロムも首を傾げ、「プラエも知りたいかも」とプラエも興味を示す。
13が不吉な数字と教えられた彼女達は、ますますそれが単位になるのが不思議らしい。
「テレビ番組は季節ごとに入れ替わるんだよ。ロムちゃん、ラムちゃん、プラエちゃん、季節っていくつある?」
ネプギアは説明しながら三人に質問をする。
「えーと、春、夏……」
ラムが考え込みながらそう言うと、「あと、秋と冬?」とロムが少し自信なさそうに言う。
プラエも頷きながら「うん……四つだよね?」と言う。
「うん、正解。よくできました」
簡単な問題ではあるが、ネプギアは答えられた三人を褒めて頭を撫でる。
「これぐらい当然よ」
「えへへ(にこにこ)」
「嬉しい……」
嬉しそうに撫でられるロムとラムとプラエ。
「1年が365日、週にすると52週。それを季節の数の4で割ると13になるのよ」
更にユニが説明を続ける。
「ええっ? 365が52になって13になるの?」
「……ユニちゃん、難しい(ぐるぐる)」
しかしロムとラムにはユニの言うことが難しくて理解できなかったようだ。
プラエも、「ユニお姉さん、難しい……」と悲しそうな顔をする。
「ちょっと端折りすぎたかしら?」
ユニは首を傾げる。
「そうかも、もう少しゆっくりやろ」
ネプギア達はそう言うと、少し考えてからラムに話しかける。
「ラムちゃんお絵かきソフトを立ち上げてくれるかな」
「わかったわ」
ラムはポシェットからゲーム機を取り出すと操作を始める。
これはルウィーの携帯ゲーム機で、2RM【ツインアールエム】と呼ばれ、正式にはツインライドメディアと言う名前である。
細かいところは違うが、大体の機能とスペックはNギアと同性能。
ちなみにユニの持つ物はラステイション製の携帯ゲームで、U.N.I【ユーエヌアイ】と呼ばれ、正式名称はウルトラ・ニュー・インターナショナルである。
これも他の二機と同性能ではあるが、彼女達が持つ物はネプギアに改造されており、ネプギアのNギアの程の魔改造ではないがスペックアップをしている。
「ちょっと貸してくれるかな」
ネプギアがそう言うと、「はい」とラムは素直にゲーム機をネプギアに差し出す。
ネプギアはゲーム機からペンを取り出すと、画面に365と数字を書く。
ロムとラムの持っているルウィー製のゲーム機は、ペンによる操作が特徴的で絵を描くことも出来る。
お絵かきが好きなラムはこの絵を描けるソフトを愛用しているので、いつも持っているのだ。
「まずは1年が365日」
ネプギアがそう言うと、「「「うんうん」」」とロムとラムとプラエはお絵かきソフトを使って書かれた数字を見て興味津々と頷く。
「ロムちゃん、ラムちゃん、プラエちゃん一週間は何日かな?」
ネプギアの質問に対して、「月曜日、火曜日、水曜日……次はなんだっけ?」とラムが言うと、「木曜日だったと思う……」とロムが答える。
続いてプラエが、「その次は金曜日で、後は土曜日と日曜日だよね」と言う。
三人は輪になって相談しながら、指を折って一週間を数える。
「七つ!七つだよネプギア」
「うん、七日」
「プラエも七日だと思う」
三人は自分たちが折った指の数を見ながら七日と答える。
「うん、よくできたね」
ネプギアはまた三人の頭を撫でる。
「わたし達が力を合わせればこれぐらい簡単よ」
「楽勝(ぶいっ)」
撫でられながらお互いにVサインを決めるロムとラム。
プラエは、「えへへ……」と気持ち良さそうに目を細めた。
「それで、365日の中に一週間の七日間が幾つあるか探すの」
ネプギアはゲーム画面に先程書いた365の左に7と書く。
そしてその間に筆算に使う割り算の記号を書く。
「これで探せるの?」
ラムは不思議そうにネプギアの書いた筆算を見つめる。
「うん、まずは3の中に7はあるかな?」
ネプギアはペンで3を指しながら質問する。
「3は7より小さいから……ない……のかな?」
プラエは少し自信無さそうに答えると、ネプギアはニッコリ微笑んで、「そうだよ」とプラエを褒める。
「じゃあ次に行こう、36の中に7はいくつあるかな?」
ネプギアは36の部分を丸で囲って質問する。
「えーと、7がひとつで7、二つで15?」
ラムが首を捻りながら指を折って数える。
そこにロムが、「ラムちゃん14だと思う」とロムがラムの間違いを指摘すると、「おおっ、ロムちゃん凄い。じゃあ三つ目は?」とラムがロムに尋ねるが、「ええと……ふええ……」とロムは困った顔をして慌ててしまう。
どうやら二人には少し難しい問題のようだった。
「二人とも、かけ算九九はまだみたいだね」
ネプギアはその様子を見ながら二人が掛け算を知らないことに気づく。
彼女達が出会ってから十年は経つが、モンスターに対抗する為に魔法の勉強や戦闘術の訓練が優先されて一般教養はやや遅れ気味であるようだ。
「かけざんくく?」
ラムがそう言いながら首を傾げると、「知らない(ふるふる)」とロムも首を左右に振る。
ネプギアの思ったとおり二人は掛け算を知らないようだ。
「プラエも知らないの?」
ユニがプラエに尋ねると、プラエは恥ずかしそうに頷いて、「プラエ、あんまり丈夫じゃないから寝てる時の方が多かったの……」と寂しそうな声で答える。
そこに、あんみつがやってくると、「申し訳ないのですが、この機会にプラエ様に教えていただけるとありがたいです」と頭を下げてお願いする。
ネプギアは、「わかりました」と快く頷いた。