昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2 作:ゆーじ(女神候補生推し)
「じゃあ、こうしよう」
ネプギアは画面の端に小さいリンゴのようなものを36個書く
「これを七個ずつに分けて、丸で囲ってみて」
ネプギアはそう言いながらゲーム機をラムに手渡す。
「みんなで、一緒にやりましょ」
ラムがそう言うと、「「うん」」とロムとプラエが頷き、ゲーム画面のリンゴを七つずつ丸で囲っていく。
「できたわ!」
作業が終わるとラムが嬉しそうな声を上げる。
「丸はいくつできたかな?」
ネプギアが質問すると、「……えと……五つ……」とロムが答え、「でも、ひとつあまるよ?」とプラエが続けて答える。
「うん、それでいいんだよ」
ネプギアは先程の365÷7の筆算を進めて、答えの欄にまず5と書く。
「1余るから、こうすれば15になるんだよ」
ネプギアは筆算の10の桁の余りの1をくり下ろして1の桁の5と合わせて15と書く。
「へー! そうなるんだー!」
ラムが感心したように声を上げると、「ふむふむ」とロムが頷き、プラエも無言で頷く。
三人はネプギアの筆算を感心しながら見ている。
「それじゃあ、今度は15の中に7はいくつ……」
「はいはいはーーーい! 二つ二つー!」
ネプギアが言い終わる前にラムが元気よく手を上げながら答えを言う。
「すごい! 正解。よくできたね」
ネプギアはそう言いながらラムの頭を撫でる。
「……わたしもわかってたのに……」
ロムが少し残念そうに言う。
「そっか。ロムちゃんもすごいすごい」
ネプギアはロムの頭も撫でてあげる。
それを見たプラエが、「プラエも分かってたよ」と物欲しそうな上目遣いで言うと、「うんうん、プラエちゃんもすごいね」とプラエの頭も撫でてあげた。
「これで、ユニちゃんの言ってた52になるでしょ? だから、1年は52週間ってユニちゃんは言ったんだよ」
ネプギアは筆算を完成させながらロムとラムとプラエに説明をする。
「ねーねー。1余るけど今度はどうするの?」
ラムがネプギアに余りの1について質問をする。
「そうだね……。日付に少数とか余りとかは無いから。この場合は繰り上げちゃおう」
ネプギアの言葉に、「繰り上げ?」とプラエが首を傾げる。
「余った数を一つ上の位に数を加えることだよ。この場合は繰り上げるとこうなるの」
ネプギアは52だった答えを53に書き換える。
「……ユニちゃん、間違えちゃったの?」
ロムはユニの言った52と答えが違ったことに首を傾げる。
「これは繰り上げの答えだから。ユニちゃんの52の方が一般的な答えなんだよ」
ネプギアの説明に、「ふーん、それで次はどうするの?」とラムが首を傾げて質問する。
すると、ロムが「……今度は53の中に季節の四つがいくつあるか数える……だと思う」と答える。
「ロムちゃん、よく分かったね。すごいすごい」
ネプギアはロムの頭を撫でる。
「すごーい! ロムちゃん天才!」
ラムも驚いてロムを褒めると、「ロムさん、凄い」とプラエもそれに続く。
「じゃあ、計算はできるかな?」
「うん、やってみる(ぐっ)」
ネプギアの質問にロムは小さなガッツポーズを決めると、「わたしもやるー。ロムちゃん、プラエ、一緒にやろ?」とラムが言った、
プラエも、「プラエもロムさんと一緒に計算したいな」と言うと、「うん、頑張ろうね。ラムちゃん、プラエちゃん」と言ってロムとラムとプラエはネプギアの真似をして筆算を始める。
「できたーー!」
ラムはやや大げさな声を上げると、「できたよ。ネプギアお姉さん」とプラエが右手を上げる。
「本当? いくつになったかな?」
ネプギアはロムとラムとプラエに優しく問いかける。
「13……で余りが1……だと思う」
ロムがそう答えると、「正解、よくできたね。よしよし」とネプギアはロムとラムとプラエの頭を先程よりも丁寧に何度も撫でてあげる。
「えへー(にこにこ)」
ロムはニコニコしつつ、「もっと褒めてー!」とラムは嬉しそうに万歳し、「嬉しい」とプラエは気持ち良さそうに目を細めて、ご満悦のロムとラムとプラエ。
「今度の余りはどうするの?」
プラエが質問をすると、「今度は切り捨てちゃおう」とネプギアが言う。
するとラムが、「切り捨て? 辻斬りってヤツのセリフね」と言うが、「それは時代劇。切り捨ては、繰り上げの逆で余った数を一つ上の位に加えないことを言うの」とユニがツッコミを入れる。
今度はプラエが、「じゃあ、なくなっちゃうの?」と言い、「それなら答えは13のまま?」とロムが質問をする。
ネプギアは微笑んで、「うん、そうだよ。よくわかったね」と言った。
「この計算で一つの季節に一週間が13回あることが分かったかな?」
「「「わかったー!」」」
ネプギアの説明にロムとラムとプラエは声を揃えて理解を示す。
「だから一季節のテレビ放送を表すクールは13週ってことになってるの」
ネプギアがそう言って説明を締めくくると、「不吉とか中途半端とかじゃなくて、計算的にそうなるのよ」ユニが説明を付け加える。
「なるほどー」
素直に感心するラム。
「どうしてネプテューヌちゃんは一瞬で3クールも経たせられるの?」
次にロムは、ネプテューヌのネプリカンジョークへの説明をネプギアに求める。
「えーと……それは……」
ネプギアは右人差し指を顎に当てて少し考える。
「お姉ちゃんだからかな?」
ネプギアはよく考えたが、これしか答えが出なかった。
「……ギャグ漫画並みの謎理論よね」
ユニがそう言うと、「お姉ちゃんだから許されるって感じあるよね」とネプギアが微笑む。
ユニは更に、「小学生レベルの戯言って感じでね」と付け加えると、ネプギアは、「あはは……そうかも」とやや乾いた笑いを浮かべた。
「じゃあ、今度はかけ算九九のこと教えるね」
ネプギアがそう言うと、「「「はーい」」」とロムとラムとプラエが嬉しそうに万歳をする。
「……懐かしい……」
ネプギア達の様子を見ながら、エレノアがポツリと呟く。
「何が懐かしいんですか?」
ファミ通はすかさずエレノアに近づいて質問をする。
「私達も昔、ネプギア様にああいうふうに優しく勉強を教えてもらったんです」
ファミ通の質問に素直に答えるエレノア。
「塾みたいなものですか?」
ファミ通がさらに質問をすると、「はい、もう十年以上も前の話ですが。ネプギア様は先程のように私達が理解するまで何度でも根気よく、そして優しく教えてくれました」とエレノアは昔を懐かしむように答えた。
「ふむふむ……と、言うとエレノアさんのような若い世代はネプギアさんの教えを受けて育ったんですか?」
メモを取りながら、更に質問を続けるファミ通。
「はい、ネプギア様は忙しいところ時間を割いて色々な場所に出向いていたようですから」
エレノアが再度質問に答えると、「しかし、なぜ女神様が塾なんて?」とファミ通は不思議そうに首を傾げる。
「私も詳しくは分かりませんが、ネプギア様はいつも【自分のできることを精一杯やる】とおっしゃっていましたから」
エレノアがそう答えると、「なるほど……。ネプギア様らしいですね。これは良いネタを仕入れたぞ」とファミ通は嬉しそうに柏手を打った。