昂次元ゲイム ネプギア SISTERS GENERATION 2   作:ゆーじ(女神候補生推し)

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#81 ネプギア渾身のギャグ

「まったく……ネプ子はもう少し女神様らしいことしなさいよね」

 

 

 その頃アイエフは、先程からふざけているネプテューヌに対して注意をしていた。

 

 

「あいちゃんもわかってないなー。わたし以上に女神らしい女神なんてこの世にいないよ」

 

 

 だが、ネプテューヌには通じていないようだ。

 

いつもの腰に手を当てるポーズでドヤ顔を決め込んでいる。

 

 

「ねぷねぷは大好きですけど、女神様らしいと言われるとちょっと違う気がするです~」

 

 

 しかし、コンパにまでダメ出しをされてしまう。

 

 

「えー? コンパまでそんなこと言うの~」

 

 

 ネプテューヌは不満顔で口を尖らせて反論するが、「現にネプギアの方が女神らしい仕事してるわよ」アイエフはそんなネプテューヌの様子を気にも止めずに冷静に言う。

 

 

「そんなことないよ、ネプギアなんてまだまだ。そもそもネプギアの女神は基本がなってない」

 

 

 ネプテューヌの批判にアイエフは、「なによ? そのどこかの相撲取りみたいな批判の仕方は」と昔の相撲取りの兄弟のケンカ話を思い出してツッコミを入れる。

 

 

「基本ってどんなことですか?」

 

 

 コンパが素直にネプテューヌに女神の基本について質問をすると、即座にネプテューヌは、「もちろん面白おかしく過ごすことだよー!」とまたドヤ顔で腰に手を当てると堂々と言い放つ。

 

 

「いや、それは違うでしょ。女神様って言うのは国を護る為に内政やモンスター退治を……」

 

「ねーねー! ネプギアー! 何か面白いこと言ってみてー!」

 

 

 アイエフは真面目にネプテューヌに説明をしようとするが、ネプテューヌはそれを無視してネプギアの元に向かう。

 

 

「え?……面白いことって急に言われても……」

 

 

 ネプテューヌの要望に困ってしまうネプギアだが、「ほら! 常に場を和ませるジョークは女神の基本だよ」とネプテューヌは諦める気は無いようだ。

 

 

「ちょっと違う気もするけど、頑張ってみるね」

 

 

 ネプギアはネプテューヌの言うことに疑問を憶えつつも、素直に面白いことに挑戦してみるようだ。

 

 

「ちょっと待っててね」

 

 

 ネプギアはかけ算九九を教えていた、ロム、ラム、プラエにそう言うと暫く左手をあごに当てて何か考えるようなそぶりをする。

 

 

「あっ!」

 

 

 暫くしてネプギアは何か閃いたような顔をすると、Nギアを操作する。

 

 

「お茶のセットなんか出してなにするつもり?」

 

 

 ユニはネプギアが出したお茶のセットを見て首を傾げる。

 

 

「わー! この湯飲み、かわいいー!」

 

 

 お茶のセットを見て目を輝かすラム。

 

更にロムが、「ちっちゃい(みにみに)」と微笑む。

 

 

「それは、いーすんさん達の湯飲みだよ」

 

 

 ネプギアはそんな二人に説明をすると、「そっか、イストワールさんは小さいもんね」とプラエが納得したように頷く。

 

プラエの言う通り、人間に比べて小さなイストワール達の湯飲みは小さな特注品サイズである。

 

 

 ネプギアは手際よくお茶の準備をすると、イストワール達の湯飲みにお茶を入れる。

 

 

「いーすんさん、お茶が入りましたよ。少し休憩した方がいいと思います」

 

 

 ネプギアは二人のイストワールにお茶を持って行く。

 

イストワール達は、先ほどから超次元と神次元との情報交換で話し合っていた。

 

 

「ありがとうございます、ネプギアさん」

 

 

 イストワールが小さな湯飲みを受け取ると、「相変わらず気が利きますね」と神次元のイストワールは更に小さい湯飲みを受け取る。

 

 

「今日のお茶は玉露【ぎょくろ】なんですよ」

 

 

 ネプギアは自慢気にお茶の名前を呼ぶ。

 

 

「ぎょくろー様です」

 

「………」

 

 

 場の空気が一瞬で凍りつく。

 

 

「あ、あれ? 面白くなかったですか?」

 

「………」

 

 

 ネプギアは慌てながら全員の顔を見渡す。

 

 

「玉露でご苦労様を、【ぎょくろー様】って……その……ダジャレで……」

 

 

 沈黙に耐えられなくなったネプギアは、自分の言ったダジャレの説明を始めてしまう。

 

 

「……アンタ、なにやってるのよ……」

 

 

 ようやく我に返ったユニが言葉を絞り出す。

 

 

「ダメだったかな? 一生懸命考えたんだよ!」

 

 

 ネプギアは少し涙目で訴えるように言う。

 

 

「ぎょくろでぎょくろーさま……」

 

 

 プラエが不思議そうな顔で、ネプギアの言ったダジャレを繰り返しつぶやく。

 

 

「……ぷっ……よく分からないけどなんか面白ーい!」

 

 

 ラムが吹き出して笑うと、「うん、面白い(にこにこ)」とロムも続けて笑い出す。

 

 

「「ぎょくろー様、ぎょくろーさまー!」」

 

 

 ロムとラムは何かツボにハマったらしく、二人で声を揃えてネプギアのダジャレを連呼しながら踊りだす。

 

プラエは困った顔で、「えとえと……」とオロオロするが、ラムに手を握られて、「ほら、プラエも一緒に」と言われると、「「「玉露で、ぎょくろーさまー!」」」とロムとラムと一緒に踊りだす。

 

 

「よかった。ロムちゃんとラムちゃんとプラエちゃんには伝わったんだね」

 

 

 ネプギアはホッとして嬉しそうな顔をする。

 

 

「……要は小学校低学年レベルのダジャレってことね」

 

 

 ユニは呆れ顔で、やれやれといったポーズをとる。

 

 

「むむっ! これはネプリカンジョークに対する第二の勢力【ぎあジャレ】の登場だね」

 

 

 ネプテューヌが神妙な顔で頷く。

 

 

「え? お姉ちゃんの冗談に対抗できるの私?」

 

 

 ネプギアは少し嬉しそうにそう言う。

 

 

「説明しよう。ぎあジャレとは、ギャグセンスの無いネプギアが思いついた微妙なダジャレのことを言う」

 

「あれ? もしかして、微妙にって言うか全然褒められてない?」

 

 

 ネプテューヌの解説に首を傾げるネプギア。

 

すると、「ネプギア、人間誰しも得手不得手があるわ」とアイエフが言い、「ギアちゃん、元気出すです!」とコンパが慰め、「その……悪くはないと思います」とあんみつがフォローをする。

 

 

「うぅ~、慰められると逆に辛いよぉ~」

 

 

 アイエフ達の慰めもネプギアには逆効果のようだ。

 

 

「……くすくす……」

 

 

 エレノアはその様子を見て、小さく笑う。

 

 

「え? もしかして、ネプギア様のダジャレが面白かったの?」

 

 

 ファミ通がエレノアに質問すると、エレノアは首を横に振る。

 

 

「いえ、ネプギア様は昔からそういうことは不得意でしたから。でも、それでも一生懸命みんなを笑わせようとする姿は年下の私から見ても可愛らしくて、つい」

 

「そうだね。記事にもそう書いておくよ」

 

 

 ファミ通はエレノアの言葉に頷きながらメモを取る。

 

 

「えええ! ダメです。今のダジャレは記事に載せないで下さい~」

 

 

 ネプギアはその様子に気付いて慌ててファミ通を止めようとする。


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