アストライダーズ   作:Lyc aulis

2 / 2
マシン・クリエイト「AST編」

マシン・クリエイト

 

初期に支給されたARMで戦場に赴き。そこで知り合った連中とクラン(兵団)を組んで早数ヶ月。そこそこまとまったクレジットをもって『ジャンク・ジャンクション』の工房通りを見て回っていた。

武装をスカベンジ(戦利品)で間に合わせていた俺にとってはどれもこれも目新しく(斡旋所?そんなものもあるのか、と)関心していると、いかにも技術者らしい格好の女性に呼び止められた。

 

「そこの君、そう君。ASTクリエイトは初めてかい? なんなら軽くレクチャーしようか?」

 

「うん、知っているといないとじゃあ大違い。イイマシンを作るんなら知っておいて損はないよ」

 

「まずは、ボーンの作成だ。こいつは大まかな外見と特性を決定する基本骨格。種類は様々で使える素材も多種多様だけれどこれの作りで強度や操作性が変わるからじっくり考えな......」

 

「と、言いたい所だけど新人君なら合金系一択だろうねー」

 

「.....え?生体素材?あれはモノによっちゃ強度が桁違いだけど、慣れない内はオススメしないよ。加工費もバカみたいに高いし」

 

「それになにより、一癖も二癖もあるマシンになりやすいんだ」

 

「うん、次はフレーム。こいつはボーンを肉付けするパーツだ。この枠組みの中にいろんな機能を持ったパーツを載せるんだ」

 

「あと、機体のシルエットもフレーム次第だね」

 

「オーケーオーケー、次は内装だ。武装はもちろん、ジェネレータやタンクも忘れるなよ。フレームとボーンが耐えられる重さに抑えるんだ」

 

「一番重いのはタンクだ。まあ大体最大消費で30分動かす計算で積むのが一般的かな」

 

「ジェネレータには幾つか種類がある。必須なのは車輪生成用か揚力生成用のジェネレータ。あとシールドだね」

 

「他にもランナーモードで使える各種装備とか色々あるからじっくり見ておいで」

 

「お次はアーマー。素材をそのままフレームに合う形に加工するんだ」

 

「合金で作るも良し、生体素材を張るも良し。オススメは生体素材を合金で強化した生体合板だ。防護性、耐久力、柔軟性と揃ってるからね。お高いけど」

 

「ん?カラーリング?んなもの素材のままか、メンテナンス費かかるけどコーティングするしかないよ。コーティングは戦闘中に剥げたりするからね」

 

「最後にシステムモジュールだ。ボーンの型と同じ系統のOS、ジェネレーターに指向性を与えるエレメントチップ。銃器の使用をサポートするFCSなんかもあるね、近接機だといらない子」

 

「一気に説明したけど大丈夫だった?他にも細かいところいっぱいあるけど大体こんな感じよ」

 

「はいこれ、私が所属している工房のパーツカタログよ、ご贔屓してね、それじゃ!」

 

......セールストーク、だな。まぁクレジットの使い道のアテが出来ただけ儲け物だ。

今日のところは宿に戻ってパーツの吟味をしてみるか。

 

 

 

 

 

パラパラとカタログを眺めながら、そこでチラッと見えたボーンの加工費に戦慄する。

 

 

結局、ARMの足回りを多少弄った程度でそそくさと工房通りを後にした。俺にとって、ここでの買い物はまだまだ早かったようだ。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。