——それは星降る夜のこと。
薔薇の花弁が舞い散り、蜜の香が咲き乱れる路地裏で、十四歳の少年、空戸覚伽は、少女のように美しい少年に救われた。その出会いはやがて耐え難い激流となり、少年の運命を加速する。待ち受けるは聖杯戦争。三つの聖杯を奪い合う、三つ重ねの大決戦。
呼び出されたるは七かける三、都合二十一騎のサーヴァント。
英雄どもを率いた船長。万夫不当の竜殺し。不撓不屈の大英雄。復讐に染められた戦乙女。異形の足持つ霧夜の怪人。偉大なりしローマ皇帝。狂気に染まる血濡れの狩人。東方より来たる征服王。爆炎より出でし鋼の英雄。悪魔の脳持つ機械博士——その他無数の英雄たち。
絢爛華やかなりし京都にて、無数の思惑、無数の宿命、無数の因果が交差する。

願いを胸に、刃をその手に。
人よ。汝、奇跡を求めるのならば。
その命を賭して、自らの運命を切り拓け——!
  プロローグ
  空戸覚伽 0012021年01月27日(水) 20:30()
  四条烏丸の決闘
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