Mercenary Imperial Japan   作:丸亀導師

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主人公登場です、初等5年学生くらいかな?

因みに学校制度は6歳入学。
初等6年
中等3年
高・専門等3年(看護4年)
最高学府3年(医学4年間)
大学院22歳〜学歴問わず




紛争期
それは提灯か、はたまたコウモリか


「先生!どうして、本能寺の変で織田信長は討たれたんですか?

これじゃあ、まったく意味がわかりません!」

 

「それは、諸説あるんだ、まだ決まった事じゃないんだが先生は、ただそこに山があるから登るのと同じように、信長がいたから討たれたんじゃないかなと思うんだ。」

 

また始まった、先生お得意の自説討論。つまんない内容ばかり並べ立てて、自己満足で授業は終わり。いつものパターンね。

キーンコーンカーンコーンと、ベルがなってやっとお昼休み、窓際の席から青空を眺めながら給食を食べる。

 

「ねぇ、ねぇニーナちゃん昨日のテレビ見た?」

 

舌足らずな声で私を呼ぶのは朱莉(あかり)ちゃん黒髪は烏の濡羽色で肩まで有る。とても綺麗。身長は140cmも無くて小さくてかわいい。

 

「うぅん、見てないけど何か面白いのあったの?」

 

「うん、日ノ本国史見聞録。」

 

ああ、そういえばこの子そういうの好きだったっけ、国史の先生と意見とか合いそうなんじゃない?

 

「ふーん、それでどんな内容だったの?」

 

この子、が話すに隣国の大日本帝国とその戦争の歴史だそうな、話を聞くにすごく野蛮で荒々しくそれでいて狡猾な人たち、それしか感想が出てこない。

だいたい自分の国の事でもないし、生きてるうちにそんな国に関わるのかな?

 

そんな話をしながら一日が過ぎていく、私にとってなんの関係もない国の出来事、それの話をされても何も響いては来なかった。

けど、『そんな関係のない国の事わざわざTVで流すのかな?』と、思ってしまった。家に帰っても、なんか気になって仕方がないから、アチェーツかマーチに聞いてみようかなぁ。と、ぼんやり考えていた。

 

好機は以外にも早くやってきた、お夕飯だ!

アチェーツは、今日は速く帰ってきてた。中等学校の世界史の先生をしているから、きっとよく知ってるはず!

ペリメニをお箸で食べながら、注意深くアチェーツを見ているとそれに気がついたのか

 

「どうしたんだい?僕の顔に何かついてる?」

 

「うぅん。学校でね、あーちゃんがなんか日ノ本国史見聞録っていうのを見たんだって。」

 

「あぁ、あの議題の国ごとに名称の変わる番組の。」

 

見たことなかったけど、コロコロ名前変わるんだ。

 

「それでね、なんか聴いた限りだけど凄く野蛮な国だって言ってたんだけど、ちょっとアチェーツその国の事知らない?」

 

「ニーナ、お前くらいの歳なら知ってると思うんだが、授業中居眠りとかしてるな?

まあ、説教は後にして地図を持ってきて。話はそれからだ。」

 

「は~い、お説教お手柔らかに。アチェーツ」

1990年私の長い長い歴史探訪が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

提灯、現代における懐中電灯の役割を果たすそれは、今も内部に電球を入れて明かりを取るときに使われるもの。

最近では懐中電灯には使われなくなり、専ら看板の代わりとして使われているものが多い。特に欧州の人間はこの手のものに弱いらしく、意外と観光客に人気だがそれとは別の話だ。

 

提灯と言われたものは、今で言う電波探信儀だ。わからない人にはレーダーと言うのが、わかりやすいだろう。

なぜ、提灯と言われたのだろうか?それは、自ら電波を発することと、光を周囲全ての方向に放射する姿を重ねたのだろう。

 

軍隊というものは以外と保守的なもので、新しいものを忌避するものも多い。特に海軍というものは海に出るのだから、当然信頼性の高いものを取り入れたいのも頷ける。

 

当時のレーダーはまだまだ出来たばかり、目視とそれ程変わりない性能と、最悪故障するリスクもありあまり受けが良くなかった。だからこそ、電波をバカスカ出してそれを逆に探知されたら、それこそ笑い話で済めば良い最悪死人が出る。だからこそ、不要論を持つものも多かった。

 

だが、将来性を見れば必ず発展の余地があるのは明白で目視よりも性能が良くなれば、それこそ海戦は一気に様相を変えるだろう。敵艦をいち早く発見出来れば、それだけで敵をボコボコにできる。卑怯などとは言うまいな?夜討朝駆けは武士の習いである。もっとも、海軍の戦闘方法が具体的にどういうものなのか、陸軍である私にはあまり良くは解らないが。

 

 

 

さて、会議は踊るがされど決まらず。依然対立している、もっとも否定派も将来性を鑑みてきている様子で、一定の評価をつけ始めているから、やや導入派が優勢か?

と言ったところで乱入者が現れた、海軍の会議に陸軍が現れたのだ。階級章は…中佐、あの戦車を見ていた男だ、どうやら陸海軍間の陸軍側連絡将校のようだ。

 

会議へなぜ乱入したのか、と問われたところ

「電探の研究を陸軍でもとりおこないたい、独自にやるよりも互いに協力しあわないか?」と、言うものだ。

これで決定した、『まずは検証とともに陸上用の物から造ったほうが難易度は低いだろう』と言う意見で一致し、海・陸軍技術本部向けの技術となる。これには、開発者であった八木教授が中心となるよう抜擢される。

 

海軍は使用用途をまずは決めていた、受信機だけでも艦艇にあれば座礁を防ぐ効果があるかも、と。

そこで、灯台に設置するようにと言う。

各島に設置されたそれから電波を受信するとともに、距離の測定を行う。連続する電波で座標を送信するのだ、そして2点もしくはそれ以上からの距離から、自らの位置を概算する。

(ロラン航法のようなもの)

 

そんな話をしたら、なら島に送信機と受信機を別々に置けば、簡単に船が分かるのでは?と言う意見が出てくる始末、話が纏まらないが教授等は最初の話を進めることになる。

後にそのようなものが出来るが、それはまだまだ先のことだ。

 

さて、彼等がそんな話をしていて私もそれを聞いていたのだが、皆一つ忘れていた事があった。この時代、レーダー波を映し出すものは《Aスコープ》と言う心電図のようなものしか存在せず、実際に役立つには非常に熟練した者でなければならなかった。

 

まあ、時代というものは得てしてそういうものを楽観視させ、そういうもの(・・・・・・)だと認識させてくれる辺り、まだ優しいものだろう。

この時の我々には余裕があった、まだ中華の動乱は膠着状態で動くようなものじゃなかった。

 

この年、1924年の12月ごろ我々にもう一つの朗報が入る。ブラウン管受像装置の実験が国内で行われ、それが成功する。

これが、我々のレーダー研究に弾みを付ける加速器となるのだ、

安定した受像により鮮明な像を映し出すことが出来る。これは、索敵に優位に働くこと間違いなかった。

 

 

さて、問題が起き始めたのは、1925年。山も紅葉しこれから紅葉狩りだという時期に起こった。

中華内戦に動きがあった、突如として沈黙を破ったのは馮玉祥軍閥。

 

閣錫山軍閥に対して布告無き攻撃を行った、日本は事前に動きを察知して帳政権に対して厳戒態勢を行うよう指示を出していた。

それは良い、問題なのは攻撃を仕掛けた連中の陣容だ。

明らかに、中華系ではないウイグルの民族が混じっていると言う報告が入ると、佐官以上の軍令部所属組は招集を受けた。

 

裏にいた者たちが動き始めたのが明白となり、裏の者たちに対抗するため本国から帳政権への軍事介入の閣議提出と、作戦立案を開始せよと言われた。

 

まずこの戦闘に関しては明らかに介入しているであろう、ウイグル共和国。それに対して如何にして侵攻を行うかである、この時私は一つ疑問が残っていた。ウイグルにしては、数がおかしいそれも聞くところによれば、かなり近代化した装備を身に纏った連中がいるぞと。

 

もしかすると、我々が気が付かない間にウイグルは彼奴等の手中に落ちているのでは?そう、ソヴィエトだ。

だが、確たる証拠がない押収でき兵器にモシンナガンがあったとしても、連中の兵器は帳政権と違い雑多なものが多いのだ。証拠になりえない。

 

その年の11月閣錫山派が、我々に助力を求めてきた。提灯政権への服從を前提にそれを確約させ、我々は遂に中華に軍の介入を開始する。それと同時に、ソヴィエトはモンゴルの国境を越えロマノヴァの国境を越え侵攻を開始した。

 

我々はその挙動に反射的に矛先をソ連へと変える、そこで起こった出来事は我々の戦車開発に非常に大きな影響を与えるものであった。そして、国際社会はこの出来事を受けどう動いたと思うか?

 

1925年11月13日《宣戦布告なき攻撃》ソ連侵攻

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 




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